JR東日本/左沢線(北山形-左沢) 乗車記

2022.12.2


乗車区間  (山形 11:55 →) 北山形 → 左沢 12:37 (333D)
 左沢 12:54 → 北山形 (→ 山形 13:39) (336D)
 
 
乗車列車  普通 333D 山形発、左沢行き
 普通 336D 左沢発、山形行き
車両  JR東日本キハ101形気動車 / 2+5(2両/山形新幹線車両センター)(333D)
 JR東日本キハ101形気動車 / 5+2(2両/山形新幹線車両センター)(336D)

左沢線・路線図

左沢線について
 左沢線は、山形県山形市の北山形駅から山形県西村山郡大江町の左沢駅を結ぶ、JR東日本の地方交通線。「フルーツライン」の愛称が付けられている。路線距離は 24.3㎞で、全線単線で非電化。起点は北山形駅だが、全列車が奥羽本線山形駅まで乗り入れている。JR東日本が 2022年7月に公表した、2019年度に輸送密度 2,000人未満だった 35路線66区間のなかに寒河江-左沢間が含まれている。同区間の平均通過人員は 875人となっている。
営業距離   24.3㎞
  (北山形-寒河江 15.3㎞)
  (寒河江-左沢  9.0㎞)
電化・非電化 全区間非電化
2019年度輸送密度   3,282人
  (北山形-寒河江 4,697人)
  (寒河江-左沢  875人)
単線・複線 全区間単線

2023.5.30 作成


 「大人の休日倶楽部パス」を利用して、JR東日本の東北エリアの未乗車区間に乗車する二泊三日の旅に出かけた。未乗車区間の内、花輪線と米坂線は8月の集中豪雨の被害で一部区間が不通のままで、陸羽西線は「高屋道路」のトンネル建設関連工事のため 2024年度中の工事終了まで全線で営業休止となっている。福島県内の路線は後回しとして、奥羽本線(福島-大曲)、北上線、仙石線(あおば通-高城町)、石巻線(石巻-女川、前谷地-小牛田)、陸羽東線、左沢線、仙山線の全てに乗車した。利府線(東北本線支線)も未乗車だが、今回は無理して計画には入れなかった。今回の旅行は観光などは一切しないで、三日間ひたすら列車に乗車した。
 鳴子温泉に宿泊した旅行三日目(最終日)に、陸羽東線、奥羽本線を乗り継いで山形まで移動した。山形からは初乗車となる左沢線に乗車して、左沢まで往復した。

 JR東日本 / 山形駅(山形県山形市) / 11:55 発車

 車両はキハ101形・二両編成で、ワンマン運転だ。キハ101形は左沢線だけで使用されている車両で、専用色に塗装されている。キハ100形200番台と基本構造は同じだが、オールロングシートでトイレが省略されている。比較的乗車時間が短いので、混雑対策のためこうした仕様のようだ。
 乗客はだんだん増えて、座席はほとんど埋まり立っている人も多い。高校生らしき姿が多いが、今日は半日なのだろうか。平均通過人員に現れているが、山形(北山形)-寒河江間はかなり需要があるようだ。


 奥羽本線/左沢線 普通 333D 山形(11:55)発、左沢(12:37)行き
 
JR東日本キハ101形気動車 / 2+5(2両/JR東日本/山形新幹線車両センター)

 奥羽本線は山形新幹線開通時に標準軌に改軌されているので、左沢線直通の車両が乗り入れる区間では、標準軌とは別の独立した狭軌の単線が設けられている(仙山線直通電車と共用)。そのため、山形-羽前千歳間の奥羽本線は複線のように見えるが、実際は軌間が異なる単線並列区間となっている。

 北山形駅(山形県山形市) / 11:58~59

 北山形で奥羽本線と分かれて、方向を西に変えて左沢線に入る。沿線にさくらんぼ畑が目立つようになるが、駅周辺は住宅地になっている。また、新庄では一面雪景色だったが、山形周辺では雪は全く見ることができない。
 ずっと車内は混雑していたが、寒河江でほとんどの乗客が降りた。その先はローカル線色が濃くなり、平地から山の中に入っていくようになる。すると間もなく終点の左沢で、車内の乗客は10人だった。寒河江線のワンマンカーは他の線区と違い、無人駅では一番前の扉から乗降を行う。JR北海道のワンマン運転と同じ仕組みで、そのため整理券発行機は一番前と一番後ろのドアの所に設置されている。

 JR東日本 / 左沢駅(山形県西村山郡大江町)/ 12:37 到着(折り返し)12:54 発車

 左沢駅での折り返し時間は17分で、駅周辺を見るのには十分だが、あまり駅を離れることはできなかった。私以外同じ目的の乗客が2名いて、同じように写真を撮ったり駅周辺を歩いていた。
 終着駅の左沢駅は単式ホーム1面1線をもつ地上駅で、留置線が1線あるが使われていないようだ。行き止まりの配線となっていて、車両止めがある。2002年に供用を開始した現在の駅舎は、大江町交流ステーションとの合築となっている。簡易委託駅で、大江町産業振興公社が切符の販売等を行なっているとのことだ。切符販売などの出札窓口が設置されているが、改札業務は行っていない。入場券を購入しようと尋ねてみたが、販売していないとのことだった。
 自動券売機が設置されていないので、乗車証明書発行機で乗車駅証明書を発行して乗車する。しかし、列車は無人駅と同じ前扉乗車で、整理券も発行していた。山形行き 336Dの乗客は4人だけで、そのうち3人はこの車両でここまでやって来た鉄道ファンだった。

 左沢線/奥羽本線 普通 336D 左沢(12:54)発、山形(13:39)行き
 
JR東日本キハ101形気動車 / 5+2(2両/JR東日本/山形新幹線車両センター)

 左沢駅を発車すると右手に最上川が見えてくる。少し高台から見下ろす感じだが、すぐに最上川とは離れてしまう。次に最上川と出会うのは、南寒河江駅を過ぎた橋梁で最上川を渡るときだ。

 車窓 / 最上川(左沢→柴橋)

 次の柴橋駅は少し高台にある小さな駅だ。駅舎はなく、トイレを併設した小さな待合室がある。直接道路に面していないようで、階段で下の道路まで降りるようになっているようだ。

 柴橋駅(山形県寒河江市) / 12:56~27

 その次の羽前高松駅は小さな無人駅だが、小ぶりだが立派な駅舎とホーム屋根がある立派な駅だ。旧駅舎は 1940年竣功の木造建築だったが、老朽化に伴い 2010年2月に建て替えられた。新駅舎は重要文化財に指定されている地元の慈恩寺のイメージを取り入れたものだそうだ。かつては山形交通三山線(1974年11月廃止)との乗換駅として賑わっていたということだ。

 羽前高松駅(山形県寒河江市) / 13:00~01

 がらがらの車内だったが、西寒河江駅で高校生がどっと乗ってきた。あっという間に座席は埋まり、立っている高校生も多かった。駅の近くには寒河江高校と寒河江工業高校がある。

 新寒河江駅(山形県寒河江市) / 13:04~05

  寒河江駅では2分の停車時間があり、多くの乗車があった。寒河江-山形間は山形近郊の乗客が多く、この区間は朝夕、4両または6両で運行されている列車もあるようだ。

 寒河江駅(山形県寒河江市) / 13:07~09

 寒河江駅で車内は混雑してしまったので、そこから先の無人駅でも全てのドアが開いて降車できるようになった。この混雑では後ろの車両から先頭まで行くのは大変なので、こうした対応をしているのだろう。

 JR東日本 / 山形駅(山形県山形市) / 13:39 到着

 左沢線の全区間を往復したが、2019年度に輸送密度 2,000人未満だった 35路線66区間に含まれる「寒河江-左沢」間については数値のように乗客が少ない感じがした。しかし、高校生などの利用も多いようなので、簡単にバス転換などを行うのは難しいだろう。沿線8市町でつくられた左沢線対策協議会が活動を行っているようだが、列車で移動するだけではその存在を感じられなかった。





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