JR東日本/磐越西線(会津若松→新津) 乗車記

2021.9.11


乗車区間  会津若松 15:25 → 新津 18:40 (SLばんえつ物語)
乗車列車  快速「SLばんえつ物語」 8233レ 会津若松発、新津行き
車両  C57-180号機 (新津運輸区) + 12系客車7両 (ばんえつ物語編成/新潟車両センター)

磐越西線・路線図

磐越西線について
 福島県郡山市の郡山駅から福島県会津若松市の会津若松駅を経由して新潟県新潟市の新津駅までを結ぶJR東日本の鉄道路線(幹線)。路線距離は175.6㎞で、郡山-喜多方間が交流電化、喜多方-新津間は非電化だが、会津若松を境に運行系統が分かれている。
 岩越鉄道が建設を進め、1898年郡山-中山宿間が開業、1899年会津若松まで延長された。その後1904年喜多方までが開業、1906年国に買収されて岩越線となった。一方,新津側からは国有化後建設が進められ,1910年新津-馬下間が岩越西線として開業、1914年の野沢-津川間完成によって郡山-新津間が全通した。1917年に平郡線が全通して磐越東線と改称されたのと同時に磐越西線と改称された。
 2022年7月、JR東日本は、利用者が少ない線区について、収支状況と営業係数を公表した。対象となったのは、2019年度に輸送密度2,000人未満だった35路線66区間だ。その中に磐越西線の会津若松-五泉間が含まれている。各区間の内訳は、会津若松-喜多方(1,790人)、喜多方-野沢(534人)、野沢-津川(124人)、津川-五泉(528人)となっている。
 2022年8月4日、大雨の影響で喜多方-山都間にある濁川橋梁の支柱が下流側に倒されて崩落していることが判明、喜多方-野沢間、同じく大雨の影響で野沢-馬下間が不通となった。その後、山都-馬下間は復旧したが、喜多方-山都間は依然不通で復旧の目処は立っていない。

2022.9.22 作成


 「大人の休日パス・東日本スペシャル」を利用して、三泊四日の日程で三陸海岸方面に出かけた。新型コロナウィルス蔓延のため観光や撮影はせず、ひたすら鉄道に乗りまくることにした。計画の段階で、9月11日会津若松発「SLばんえつ物語」のグリーン指定席の空席を見つけたので、旅行の中に「SLばんえつ物語」乗車を組み入れた。
 旅行三日目に、宮古から盛岡まで「盛宮106特急」に乗車し、東北新幹線、磐越西線経由で会津若松に到着した。東北新幹線はがらがらだったが、郡山発、会津若松行きの快速電車は混雑していた。途中駅で降車する乗客も多かったが、会津若松まで座ることの出来なかった人も何人かはいた。郡山-会津若松間でも都市間高速バスと競合が激しく、ここでも JRの方が分が悪い。そんな中でも、この区間を乗り通す乗客は少なくないということだ。
 「SLばんえつ物語」への乗り換え時間が1時間半あったので、駅前のマルモ食堂でカレーライスを食べた。その後、早めにホームに向かった。遠くで蒸気機関車の汽笛が聞こえ、一番向こうの4番線の所に人が集まっていたので、そちらに行ってみた。すると、留置線に止められていたばんえつ物語用12系客車に C57-180号機を連結するところだった。ちょうどいいタイミングで、連結作業から、出発ホームへ回送されるのを見ることができた。近くで見ると蒸気機関車は迫力があり、その動く姿には感動させられる。


 JR東日本/会津若松駅(磐越西線/只見線 / 福島県会津若松市) / 15:25 発車

 そして、出発ホームの2番線に移動する。列車が後退でホームに入線してきたのは発車予定時刻の約5分前なので、ゆっくり撮影する時間は無かった。蒸気機関車の前には人だかりが出来たが、せっかくの機会なのでその人だかりの中に入った。蒸気機関車を間近で見たことは何度かあるが、これから乗車する列車を牽引するのだと思うと受ける印象は全く違う。
 7号車に連結されているグリーン車は「スロフ12 102」で、2013年に車体を新造されたものだ(スハフ12 102 の主要機器を流用したため改造扱いとなっている)。座席配置は2+1で、シートピッチは特急のグリーン車と同等となっている。また、後位側にグリーン車利用者専用の展望室が設けられている(新津行きでは機関車のすぐ後が展望室となる)。そのため、7号車に入る時には入口で車掌によるグリーン券の確認が行われる。

 磐越西線 快速「SLばんえつ物語」 8233レ 会津若松(15:25)発、新津(18:40)行き
 
C57形蒸気機関車 180号機 (新津運輸区) + 12系客車7両 (ばんえつ物語編成/新潟車両センター)

 列車は会津若松を定時に出発した。発車時の汽笛やドラフト音は蒸気機関車ならではのものだ。新津行きでは7号車が先頭になるので、蒸気機関車の音が良く聞こえる。窓際の席でなかったのは残念だが、この席からは座ったままでもパノラマ展望室を通して車窓を楽しむことが出来る。隣の席は空席なので、途中から乗車するようだ。

 車窓 / 磐梯山(笈川→塩川)

 車窓 / パノラマ展望室を通して(喜多方→山都)

 喜多方までは会津盆地の田園風景の中を走るが、その先は山に中に分け入っていく。会津盆地のどこからでも見える磐梯山とはお別れだ。

 車窓 / 山都町の一ノ戸川橋梁より(喜多方→山都)
 

 野沢駅では 10分間の停車時間があり、車両の点検が行われる。その時間は乗客サービスにも使われ、機関車まわりを見学することが出来る。ホームの先にも見学スペースが設けられていて、機関車の正面に回って見学することが出来るようになっている。空には雲が出ていたが、ここではきれいに夕日が当たっていた。この駅で隣の席の人が乗車した。

 野沢駅(福島県耶麻郡西会津町) / 16:25~35

 沿線の有名撮影地らしき所には多くの撮影者が集まっていた。運転開始から20年以上が経つが、相変わらず人気が高いのがうかがわれる。集落の所では手を振る親子連れも多く、地元でもSLは日常の景色になっている。
 津川駅でも15分の停車がある。車両整備や給水が行われるが、野沢駅と同じく乗客サービスの時間だ。この駅のギャラリーは多く、乗客以外にもSL目当てに人が集まってきている。日の入り時間が早くなってきたので、辺りは少し暗くなってきた。しかし、C57-180 の正面にはうっすら夕日が当たっていた。

 津川駅(新潟県東蒲原郡阿賀町) / 17:19~34

 磐越西線は阿賀野川に沿うように走っていて、時々その流れを見ることができる。会津盆地を抜けると山間部を走るが、車窓は変化があって退屈しない。会津若松-新津間には、「森と水とロマンの鉄道」という愛称が付けられているのもうなずける。
 新型コロナウィルス対策で、4号車の展望車のソファーは使用禁止で、1号車のオコジョ展望車は整理券方式で人数制限を行っていた。グリーン車は快適で、パノラマ展望室も利用しやすかったので、そちらの車両には行っていない。

 車窓 / 阿賀野川(津川→三川)

 馬下を過ぎると、山間部を出て平野部に入る。トンネルは終わったので窓を開けても問題ないとアナウンスが入る。この先の区間はキハ40 撮影のため何度か訪れたことがあるが、日没後なので外は真っ暗だ。下り(新津行き)に乗車するなら、もう少し日の長い時期がいい。その先も順調で、ほぼ定刻に新津に到着した。
 初めてのSL乗車だったが、「SLばんえつ物語」は非常に楽しかった。グリーン車は快適で(パノラマ展望室を含んで)、沿線の景色も美しかった。停車時間の機関車見学など、限られた乗客サービスも十分だった。また機会があれば是非乗車したい。

 JR東日本/新津駅 (信越本線/磐越西線/羽越本線 / 新潟県新潟市) / 18:40 到着

 会津若松-新津間には、「SLばんえつ物語」が運行されていて、「森と水とロマンの鉄道」という愛称が付けられている。この区間は風光明媚な景色が広がり、観光路線としても重要だ。県境区間の通過密度が低いという問題があるが、東日本大震災の時には貨物の迂回運行もされた幹線だ。JR東日本としてはどんな将来を考えているのか非常に気になる。





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