寝台特急「カシオペア」乗車記

2016.2.1~2

 乗車区間  札幌 2/1 16:12 → 上野 2/2 9:25
 座席区分  2人用個室A寝台「カシオペア・ツイン」
編成  E26系客車12両 (JR東日本/尾久車両センター)
 牽引:DD51-1095+1100 (札幌→函館、JR北海道/函館運輸所)
     ED79-** (函館→青森、JR北海道/函館運輸所)
     EF510-509 (青森→上野、JR東日本/田端運転所)




 3月のJRグループダイヤ改正を前にして、大人の休日倶楽部パスを使って北海道旅行に出かけた。今回の目的は、今春のダイヤ改正で廃止になってしまう津軽海峡線を走る列車に乗車することだ。具体的には、485系「白鳥」、「はまなす」、「カシオペア」だ。「大人の休日倶楽部パス」利用期間内で、プラチナチケットである「はまなす」カーペット、「カシオペア」の手配が1番の問題だった。しかし、期間中の「はまなすカーペット二階」、「カシオペアツイン下段」をなんとか手に入れることが出来た。
 「大人の休日倶楽部パス」を利用した北海道旅行の最後は、寝台特急「カシオペア」で東京に帰る。「北斗星」には何度か乗車したことがあるが、「カシオペア」は初乗車になるので非常に楽しみだ。予算の限られた中一人で旅行することが多いので「カシオペア」は高嶺の花で、乗車する機会には恵まれなかった。しかし、来月のダイヤ改正で「カシオペア」は廃止となり、定期列車(正確には臨時列車だが)としては最後の乗車機会となるので無理をして乗車することにした。問題は寝台券を手に入れることが出来るかどうかだったが、なんとかカシオペアツイン下段に乗車することが出来た。

 JR北海道/札幌駅 2/1 16:12発車

 「カシオペア」が札幌駅4番線入線したのは出発9分前で、「北斗星」の時とほぼ同じ停車時間しか無い。昨年「北斗星」に乗車したときも思ったが、このホームには前後に多少の時間の余裕があるので、もう少し早めに入線して旅立つ気分を味わせてもらいたい。
 時間の関係で向いの5番線から入線を撮影するのはあきらめていたが、このホームからでは人が多いのでまともに撮影できなかった。多分札幌駅で「カシオペア」を見るのは最後となってしまうので、写真はともかくしっかり入線は見届けた。

 寝台特急「カシオペア」 8010レ 札幌発、上野行き
 
DD51 1095+1100号機 (函館運輸区) + E26系客車12両 (尾久車両センター)

 今回乗車するのは、「カシオペア」ではスタンダードである「カシオペア・ツイン」だけで構成される6号車、シャワー室付きの「スロネE27-302」だ。10号車と全く同じ構造だ。無塗装ステンレス車体に5色の帯の車両は美しいが、寝台特急はブルーで無いとどうも違和感がある。
 階段で降りた一階個室で、視点が低いというマイナス点はあるが、座席の状態では二人がゆったり過ごすことが出来そうだ。ゆったりとしたソファーが向かい合わせで、その間に折りたたみ式テーブルが二つ設置されている。荷物置き場も十分なスペースがあり、ハンガーで上着を掛けることが出来る。一番ベーシックな部屋だが、豪華寝台「カシオペア」独特の設備として、トイレと洗面所がすべての部屋に設置されている。狭いスペースに無理矢理造って居住スペースが犠牲になっているという声もあるようだが、個人的には部屋にトイレがあるというのはありがたい。今まで何度かA寝台個室を利用したことがあるが、トイレが設置されている部屋は初めてだ。

 (6号車) 2人用個室A寝台「カシオペア・ツイン」 / スロネE27-302 (尾久車両センター)

 車内改札が終わってから車内を見て回ろうと思っていたが、実際にやってきたのは東室蘭を発車した18時過ぎだった。そのため、車内を見て回るタイミングを逸してしまった。
 発車してすぐにやってきたのはウエルカムドリンクのオーダーで、オレンジジュースを注文した。オレンジジュースはすぐに届けられ、その際予約してある「カシオペアスペシャル弁当」の予約券の確認と、別注文のドリンクオーダーの確認があった。せっかくなので迷わず、「サッポロクラシック」と「ハーフボトルワイン」を注文した。
 登別を発車してから間もなく17:45頃、「カシオペアスペシャル弁当」が届けられた。18時から順番に届けられるとなっていたので正直驚いた。車内改札より早かった。「ハーフボトルワイン」はオリジナルラベルと聞いていたが、届けられたのは普通のラベルだった。その代わりか、乗車記念の小さなプレートがついていた。このワインは非常に美味しく気に入ったので、異常に高い値段のことは今回は気にしない。
 「カシオペアスペシャル弁当」は値段もなかなかのものだが、温かい吸い物もついて非常に美味しくボリュームもある。ビールもワインも非常にすすむ。食堂車で豪華に食事というのもいいが、せっかくのゆったりとした個室なので、自室でゆっくり食事をとるのもいい。美味しい食事と美味しいアルコールを摂取したため、車内探検はあきらめベッドメイクして横になることにした。

 2/1 カシオペアスペシャル弁当(予約)、サッポロクラシック、おたるワイン(注文)

 ベットメイクは自分ですることになるが、案内通りにすれば力もいらず簡単にベッドになる。今回は一人利用なので、片方のベッドだけセットした。二組のをベッドをセットすると、足の踏み場も無い状態になってしまう。洗面所を利用するのも大変なのではないだろうか。寝ている時間だけのことなのでこの点は仕方が無いことだと思う。
 機関車付け替えの行われる函館までは起きていようと思っていたが、ワインを飲み過ぎたせいか気持ちよく睡眠に入ってしまった。なんとなく函館に停車したのが記憶にあるが、とても外に出る気は起きなかった。揺れも少なく音も静かで、気持ちの良い夜を過ごすことが出来た。眠り込んでしまったのはもったいないような気がするが、それがこの列車の本来の利用の仕方だ。

 2/1 ベッド状態

 昨夜は早く寝てしまい部屋から出ていないので、早起きをして最後尾のラウンジカーまで行ってみる。最後尾の12号車まで何両も歩かなければならないが、車両端の扉がすべて自動ドアなのはありがたい。まだ6時前なので乗客とは出会わなかったが、9号車の自販機のところで食堂車の従業員と出会った。よく見なかったが、自販機の飲み物でも補充していたのだろうか。
 12号車に入るとすぐに車販準備室と車掌室などがあるが、まだこの時間なので静まりかえっている。三段階段を上って車両の中央部に行くと自動ドアがあり、その先がラウンジ室となっている。まだ誰もいないのでラウンジを独占できたが、日の出前なので景色は何も見えない。照明に照らされたラウンジだが、デザインといい色使い(照明を含む)といいあまりセンスがいいとはいえないと感じた。かすかに振動がするのは、床下に電力供給用の発電機があるからだ。

 2/2 車内探検 - 12号車-売店、ラウンジカー、9号車-ミニロビー

 その足で、そのまま3号車のダイニングカーに向かう。朝食はどうしようか考えていたが、最後の機会なので食堂車に並んで食べることにした。12号車から3号車までは長かった。
 3号車に到着したが、朝食待ちの列は思っていたほど長くはなかった。朝食開始の6時半まであと15分だ。タイミング良く10分ほどで席に着くことが出来た。この混雑で一人なので相席を承知したが、この時点では二人がけのテーブルも空いていた。案内されたのは4人掛けのテーブルで、3人の家族のところにお邪魔した。
 まだ和定食もあったが、洋定食を注文した。ご飯に味噌汁の朝食も好きだが、スクランブルエッグのトーストの洋食も同じくらい好きだ。食事はパンも含め非常に美味しかった。外はだいぶ明るくなっているので、流れる景色を見ながらゆっくり朝食をとることが出来た。なんとも贅沢なことだが、これが最後の食堂車での食事になってしまうのだろうか。

 2/2 朝食 - 3号車「ダイニングカー」車内にて

 ご一緒したご家族に挨拶し、部屋に戻ってのんびりする。黒磯までは沿線に雪が見られた。黒磯を過ぎると沿線に撮影者の姿が多くなる。

 2/2 車窓 - 西那須野→那須塩原 (7:10)

 有名撮影地にはかなりの撮影者が集まり、ワシクリ、ヒガハスには平日とも思えない人数が確認できた。最後に一度はヒガハスで撮影したいと考えていたが、今日の人だかりを見てしまうと行く気が失せてしまう。

 2/2 車窓 - 大宮駅 (9:00)

 大宮を出発し、都会の喧噪の中を上野駅向かう。そして、上野駅に到着して、今回の北海道旅行は終わった。上野駅に停車する「カシオペア」は、旅行の最後を締めくくるにふさわしい姿だ。多くの乗客やギャラリーは推進回送される「カシオペア」を名残惜しそうに見送っていた。わたしも、「カシオペア」が見えなくなってから、上野駅14番線を後にした。

 JR東日本/上野駅 2/2 9:25 到着

 「白鳥」、「はまなす」、「カシオペア」に乗るために「大人の休日倶楽部パス」を利用した5日間の北海道旅行が終了した。北海道新幹線開通により青函トンネルを走る旅客列車はなくなってしまう。また、同時にブルートレインの正統な流れを継ぐ「カシオペア」も定期運行からはずれてしまう。「サンライズ」が残っているとはいえ、実質的に寝台列車の時代は幕が下りた感じだ。昨年、一昨年は「北斗星」、その前の年には「あけぼの」に乗車して、その時代の最後を懐かしんだ。豪華列車「カシオペア」に乗車することにより、乗ること自体が楽しいのを改めて実感した。寝台列車の一晩は素晴らしかった。20系客車、583系に乗車してきた身にとっては、寂しさがこみ上げてくる旅行の終わりだった。

 青森駅で、牽引車はEF510-509(田端運転所)に変更



 寝台特急「カシオペア」について

 本州と北海道を乗り換えなしで直結する寝台特急列車としては、1988年3月13日から「北斗星」が、1989年7月21日から「トワイライトエクスプレス」が運行されていた。これらの列車はいずれも高い支持を得ていたが、カシオペアはさらなる高水準のサービスを提供するフラグシップトレインとして、全客室を2名用A寝台個室とするなど、JR東日本が新規に製造したE26系客車を投入し、1999年7月16日(上野発)・17日(札幌発)から運行開始した。
 全客室が2名用A寝台個室で、他の寝台特急列車よりも高額な本列車専用の寝台料金が必要となるにもかかわらず、人気の高い列車で、時季を問わず寝台券は乗車日1か月前の発売開始とほぼ同時に売り切れることも多かった。なお、本列車は毎日運転ではない臨時列車扱いだ。
 「北斗星」は2015年3月13日で定期運行を終了し、同年8月21日(上野発)・22日(札幌発)に臨時運行も終了した。「カシオペア」についても、同年9月16日にJR北海道・東日本の連名で急行「はまなす」、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」とともに廃止されることが公表された。そして、寝台特急「カシオペア」は2016年3月19日(上野発)・20日(札幌発)を最後に運行を終了し、新幹線開業日である同年3月26日付で正式に廃止された。これに伴い、機関車牽引による一般販売の寝台特急は日本国内から姿を消すこととなった。
 一般販売の「カシオペア」は営業運転を終了したが、使用車両のE26系客車は製造から20年は経過しておらず比較的新しいことや、車内設備が豪華で一定の需要があったため、2016年6月には、ツアー用の団体専用列車として運行を再開した。その後「TRAIN SUITE 四季島」が本格的にクルーズトレインとして役割を引き継ぐことになり、「カシオペア」はJR東日本管内のみの運行となった。

 「カシオペア」の写真


2009/07/30 東北本線・蓮田→東大宮 (8010レ、9:51) 2012/05/17 東北本線・浦和→尾久 (8010レ、10:23)
2014/07/14 室蘭本線・白老→社台 (8009レ、8:32) 2016/02/01 千歳線・島松→北広島 (8009レ、11:00)




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