千歳基地航空祭 2007

2007年8月4日(土)〜5日(日)



開催日時
2007年8月5日(日)
場所
航空自衛隊千歳基地(北海道千歳市平和)
概要
 航空自衛隊千歳基地で例年8月初旬に行われる航空祭。一
昨年の航空祭は日曜日だが、昨年は土曜日に開催。
 F−15要撃戦闘機2飛行隊を有する航空基地で、政府専用
機であるB−747も2機(うち1機は予備機)所属している。

前日  (8/4 雨のち曇)

 5月の静浜基地航空祭で航空祭の楽しみを知り、8月に北海道で行われる千歳基地航空祭に向かう計画を立てた。千歳基地は要撃戦闘機であるF-15飛行隊を2個擁する航空自衛隊の基地で、新千歳空港に隣接して札幌からもアクセスがいい。交通費については、私はJALマイレージバンク会員で1年に1度くらいマイレージがたまり国内線の特典航空券を手に入れることができる。そのため今回の千歳往復も特典航空券だ。前日に北海道入りするが、千歳市内のホテルはいっぱいなので、隣の恵庭市内に宿を取る。

 新百合ヶ丘駅から空港連絡バスに乗り、羽田空港に向かう。気がかりなのは台風5号の動きだ。東京は気持ちのいい晴天が広がるが、台風は現在日本海を通過中で、今日の午後にも南北海道か北東北に再上陸するという。フライトの方が心配されたが、ほとんど台風の影響はないようだ。
 夏休みとはいえ空港はあまり混雑しておらず、セキュリティーゲートの通過も順調だ。さすがに羽田空港から札幌に向かう便はほとんど満席で、私の乗る臨時のJAL4501便のMD−90も満席だ。フライトも順調で、天気がいいので十分外の景色を楽しむことができた。
 新千歳空港は予想通り雨が降っていたが、思っていたほど雨足は強くなく、風の方もほとんどない。一応展望デッキに向かうが、雨の中では写真撮影どころではない。しかし、大型のカメラや望遠レンズを持ったマニア達が、恨めしそうに雨を眺めている。この人達も明日の航空祭を目当てに遠くから来たのだろう。
搭乗するJAL4501便(羽田空港19番スポット)

  おなかがすいているので、JRで札幌の「味の三平」に急ぐ。札幌に向かう快速エアポートは南千歳駅の手前で地上に出る。すると、車窓左手に千歳基地が見渡せ、遠くのエプロンにブルーインパルスなどが並んでいるのが見える。こうしてみると、千歳基地航空祭にやってきたのだと実感する。札幌市内も雨で、「味の三平」のある市の中心部まで歩いていく。私はここの味噌ラーメンが大好きだが、ここを訪れるのは5年ぶりだ。さすがに観光シーズンの土曜日のお昼とあって長い行列ができている。30分以上待ったが、並んだ甲斐はあった。札幌市内をぶらぶらしようとも思ったが、雨なのでとりあえず恵庭のホテルにチェックインすることに決めた。
 今日泊まるホテルは恵庭駅東口の目の前のビジネスホテルで、まだ新しく快適なホテルだ。しかし、ホテルの近くには店は何もなく、コンビニは駅西口から少し歩いたところにある。ホテルでのんびりしていると、雨が上がったようなので、先ほどのブルーインパルスを見ようと南千歳駅まで行く。

SAAB340B(HAC JA03HC) / 新千歳空港展望デッキ
B777-200(JAL JA8982) / 新千歳空港展望デッキ

 電車を乗り間違え30分かかって南千歳駅に到着するが、あいにく千歳基地のエプロンはもぬけの殻だった。仕方なく新千歳空港に移動して、展望デッキでのんびりする。珍しい航空機はないが、頻繁に離着陸があり退屈しない。いつまでいても見飽きないが、展望デッキは午後6時にクローズなので、仕方なく後にする。夕食は空港内のレストランでおいしい生ビールと共に済ませ、ホテルに帰って早めにベッドにはいる。心配していた台風5号は通過してしまったようなので、明日の天気は期待できるかもしれない。

航空祭当日 (8/5 曇時々雨)

 千歳基地の開場は7時頃とのことだったので、恵庭6時32分発の始発電車を予定していが、出発が遅れ次の46分発の電車に乗る。千歳駅のシャトルバスの乗り場は確認していなかったが、それらしき人の後について行って列に並ぶ。シャトルバス乗り場の案内は出ていなかったが、自然と長い列ができていった。シャトルバスの始発は7時20分だったが、7時5分過ぎにはバスがやってきて、バスの乗務員がシャトルバス乗り場の案内板を出してきた。肝心の天気の方だが、どんよりとした曇り空からぱらぱら雨が舞いだしてきた。天気の方はあまり期待できそうもない。
 基地に近づいてくると、基地内の駐車場に入る自家用車の長い列ができている。シャトルバスは自家用車の入り口とは違うので、スムーズに基地内にはいることができた。静浜基地の時も思ったが、自家用車で航空祭に来るのは大変だと思う。

千歳駅東口のシャトルバス乗り場
シャトルバス降り場から会場はすぐだ

 始発のシャトルバスが到着したばかりで会場のエプロンはがらがらだが、滑走路側最前列のロープ際はレジャーシートや椅子で場所取りされている。ブルーインパルスの前などは埋まっているが、この時間ならまだロープ際も確保できそうだ。雨の方はぱらぱら降っているので、傘を差しながら地上展示機を見て回る。ほとんどの展示機はどこかの基地で見たことのあるものだが、いろいろな形で展示してある地元のF-15は近くで見ると迫力がある。そして、ブルーインパルスが目の間に並ぶのを見るのは初めてだ。そして、その隣には、静浜でその素晴らしい機動飛行を披露してくれた米空軍デモチームのF-16が並んでいる。そして地上展示機で始めて見るので楽しみにしていたのは、F-2、F-4EJ,RF-4Eの3機だ。そのほかパトリオット、短SAMや無線中継車両など、地上展示品にも見るものは多い。

エプロンに並ぶF−15,ブルーインパルス、米空軍デモチームのF−16

 まず、7時55分からオープニングセレモニーが始まる。厚い雲に覆われていて、F-15の6機編隊、F-4、F-2、T-4各2機編隊、UH-60J、U-125A各1機の通過飛行は中止となった。その代わり、UH-60J、U-125A,T-4,F-15のタキシングが行われた。残念だがこの天気では仕方ないと思っていると、会場のアナウンスと共に、右手の厚い雲の中から巨大な政府専用機B-747が姿を現した。B-747はすぐに高度を上げていき見えなくなったが、その迫力には驚かされた。

オープニングセレモニー
千歳救難隊 UH-60J救難ヘリコプター
千歳救難隊 U-125A救難捜索機
第201飛行隊 T-4中等練習機
第201飛行隊 F-15J要撃戦闘機
特別輸送航空隊第701飛行隊B-747-400政府専用機

 次は千歳救難隊による救難訓練展示だが、こちらもU-125Aの飛行は中止となり、救難ヘリコプターUH-60Jのみによる展示となった。しかし、なかなか迫力のある救難訓練展示を見せてくれて、会場を楽しませてくれた。

救難訓練展示
千歳救難隊所属UH-60J救難ヘリコプターが救難訓練展示を行う

 次の展示「模擬対地射爆撃及び模擬対空射撃」は、悪天候のためF-153機は飛ばず、模擬対空射撃のみに変更された。F-15による模擬対地爆撃がないので、基地防衛のための対空機関砲VADSが空に向かって大きな音を立てて射撃していた。

模擬対地爆撃及び模擬対空射撃
基地防空隊のVADS(20o機関砲)3機によるデモ

 本当はいちばん期待していたF-152機による機動飛行だったが、こちらは離着陸のみの展示となった。最初は50周年記念塗装機の離陸で、フルアフターバーナーで迫力ある離陸を楽しませてくれた。2機目は通常の離陸だが、これでも十分迫力がある。15分ほどで2機は帰って来て着陸した。基地会場から滑走路の離着陸ポイントは遠いので、離着陸のその瞬間はよく見ることができない。

F-15機動飛行
開庁50周年記念塗装機はフル・アフターバーナーで離陸
ノーマル塗装の911号機は通常離陸
雲の中を約15分で両機とも着陸

 次はいよいよ米空軍デモチームによるF-16の機動飛行だが、この天気では中止になるだろう。運良くF-16の正面に立つことができ、パイロットがGスーツを着込むのから発進の準備までを目の前で全部見ることができた。目の前のエンジンの音はものすごい迫力で、滑走路の方にタキシングしていった。ひょっとしたら離着陸だけでも披露してくれるのかと期待したが、やっぱり滑走路から引き返してきた。この天候では無理なのは承知しているが、静浜での迫力ある飛行展示を知っているので非常に残念だ。

米空軍F-16デモチーム機動飛行
発進の準備を済ませ滑走路に向かっていく820号機
滑走路まで行くがタキシングだけで帰ってくる
パイロットの Major Jon E. Plasterer
米空軍三沢基地所属のF-16Cデモチームは2機で飛来
予備機は802号機

 午前中最後の展示は「弾薬搭載・緊急発進展示」だ。こちらも目の前で見ることができた。前半は、ミサイル搭載と給油のデモで、後半は緊急発進デモだ。2機が並んで展示されるので、両機がエンジンをかけたときの4つのエンジンの音はものすごかった。緊急発進デモは滑走路まで進んでいたが、離陸は行われずタキシングのみだった。

弾薬搭載・緊急発進展示
第203飛行隊のF−15J、960号機と821号機の2機をデモに使用
前半はミサイル装着と燃料補給
後半はスクランブル発進のデモ

 ここから午後のブルーインパルスの展示飛行まで1時間半以上あり、格納庫の中の休憩所で一休みをして軽く食事をする。雨の方は一応あがり、少しずつ空は明るくなってきたようだ。この分ではブルーインパルスの最低限の飛行展示は見られそうだ。ここで、政府専用機B-747が地上展示エリアに移動してきた。さすがにジャンボジェットだ、目の前で見るとその大きさに驚かされる。その後の時間は、もう一度地上展示機を見て回り、パトリオット発射装置のデモやビデオを見て回った。
 ブルーインパルスの演技が始まる時間になると会場は人でいっぱいになる。ウォークダウンから見たいと思っていたが、この人の壁の前では無理であきらめた。雲はだいぶ高くなったが、当然航過飛行のみの展示となった。静浜で第1区分を2度楽しんだ身としては少し寂しかったが、目の前の飛行展示は素晴らしく、会場は大いに盛り上がった。6機がすべて着陸し、定位置に戻り飛行展示は終了する。周りの観客は惜しみない拍手を送る。

ブルーインパルス
デルタダ−ティ−パス
リ−ダ−ズベネフィット
ポイントスタ−
スワン
グランドクロス
ダブルライン
ピラミッド
ライトエシュロン

 一応航空祭は15時で終了で、多くの観客は会場を後にする。しかし地上展示機C-130が帰投のためタキシングを始めると、あちこちで外来機の帰投の準備が始まる。そのため観戦エリアの制限などが始まるが、せっかくなので粘れるだけ粘ることにする。次に米空軍デモチームのF-162機(1機は予備機)の帰投だが、メインの820号機は激しく翼を振って観客にサービスしてくれた。

外来機の帰投準備が始まりエプロンはあわただしくなる

 その後陸自のヘリコプター4機が帰投し、その後ブルーインパルスが帰投する。1−4号機の4機が最初にフォーメーションを組みスモークを炊いて離陸する。その後数機の帰投を挟んで5,6号機が帰投する。離陸直後2機はスモークを炊きながら左右に機体を傾けて、機体間隔を広げて見せてくれた。このあたりでエプロンの端の方まで追いやられるが、三沢に帰投するF-2とF-4に離陸は是非みたいと思った。RF-4の方は格納庫の前で離陸準備する気配がない。その後、最終シャトルバス終了のアナウンスが入るが、どうにかF-2とF-4の帰投を見届けることができ大満足だ。どちらも低空を維持し、翼を振って挨拶をしてくれた。制限ロープはエプロンの入り口まで下げられたが、基地の人の好意で帰投を最後まで見届けることができた。

外来機帰投
C-130H 輸送機(航空自衛隊 小牧基地)
F-16C 戦闘機(米空軍 三沢基地)
F-16C 戦闘機(米空軍 三沢基地)
OH-1観測ヘリコプター(陸上自衛隊 帯広駐屯地)
AH-1S 対戦車ヘリコプター(陸上自衛隊 帯広駐屯地)
UH-1J多目的ヘリ・OH-6D観測ヘリ(陸自 丘珠駐屯地)
T-4 ブルーインパルス(1-4号機)(航空自衛隊 松島基地)
T-400輸送機・救難機等基本操縦練習機(空自 美保基地)
U-125 飛行点検機(航空自衛隊 入間基地)
C-1 中型輸送機(航空自衛隊 入間基地)
T-4 ブルーインパルス(5,6号機)(航空自衛隊 松島基地)
LC-90 連絡機(海上自衛隊 厚木基地)
U-4 多用途支援機(航空自衛隊 入間基地)
CH-47J 輸送ヘリコプター(航空自衛隊 三沢基地)
YS-11P 中型輸送機(航空自衛隊 美保基地)
P-3C 哨戒機(海上自衛隊 八戸基地)
F-2A 支援戦闘機(航空自衛隊 三沢基地)
YE-2C 早期警戒機(航空自衛隊 三沢基地)
F-4EJ改 支援戦闘機(航空自衛隊 三沢基地)

 シャトルバスは終了したとのことだったが、バス乗り場に2台バスが止まっていた。そのうち1台はバス会社の撤収用だが、1台は南千歳駅まで運行してくれた。バスは、最後まで粘った観客をいっぱい乗せて出発した。しかし、まだ基地の駐車場を出る自家用車の行列が続いていて、自動車で来ることの大変さを思い知らされた。
 帰りの臨時のJAL4504便もMD−90で、こちらも満席で出発した。北海道は厚い雲で覆われているが、雲の上まで高度を上げると夕暮れの太陽と真っ青な空が広がる別世界になる。地上では日没後だが、雲の上は別世界だ。着陸もほぼ定刻で、予定通りのバスに乗って順調に帰ることができた。
 二度目の航空祭は初めての遠征だったが、それなりに楽しむことができた。飛行展示がほとんどできなかったことは非常に残念だったが、それ以外のイベントについては大満足だ。来年も出来ることなら、千歳基地航空祭を訪れたい。その時は青空の下、機動飛行を楽しみたい。初めて訪れる基地祭はその勝手がわからないので、二度目以降なら十分楽しめるだろう。

地上展示機
U-125A救難捜索機(千歳救難隊)/記念塗装
UH-60J救難ヘリコプター(千歳救難隊)/記念塗装
YS-11P 中型輸送機(航空自衛隊 美保基地)
U-4 多用途支援機(航空自衛隊 入間基地)
C-1 中型輸送機(航空自衛隊 入間基地)
P-3C 哨戒機(海上自衛隊 八戸基地)
C-130H 輸送機(航空自衛隊 小牧基地)
OH-6D 観測ヘリコプター(陸上自衛隊 丘珠駐屯地)
OH-1 観測ヘリコプター(陸上自衛隊 帯広駐屯地)
AH-1S 対戦車ヘリコプター(陸上自衛隊 帯広駐屯地)
UH-1J 多目的ヘリコプター(陸上自衛隊 丘珠駐屯地)
CH-47J 輸送ヘリコプター(航空自衛隊 三沢基地)
E-2C 早期警戒機((航空自衛隊 三沢基地)
F-15J要撃戦闘機(72-8887) (千歳基地第201飛行隊)
F-15J要撃戦闘機(22-8931) (千歳基地第203飛行隊)
F-4EJ改 戦闘機(航空自衛隊 三沢基地)
F-104J 要撃戦闘機(76-8689) 用途廃止機
T-4 中等練習機(千歳基地第203飛行隊)
F-2A 支援戦闘機(航空自衛隊 三沢基地)
RF-4E戦術偵察機(航空自衛隊 百里基地)
B747-400 特別輸送機(千歳基地第701飛行隊)
MAビーチ350(えとぴりか) 海上保安庁千歳航空基地
U-125飛行点検機(航空自衛隊 入間基地)
T-400 輸送機・救難機等基本操縦練習機(空自 美保基地)
LC-90 連絡機(海上自衛隊 厚木基地)
地対空誘導弾ペトリオット(第3高射群)
対空機関砲VADS(第2基地防空隊)
81式短距離地対空誘導弾(第2基地防空隊)
千歳基地第3移動通信隊



移動の記録

(8/4)
唐木田駅 7:00 → 新百合ヶ丘駅 7:15       小田急多摩線
新百合ヶ丘駅 7:35 → 羽田空港(第1タ) 8:50   小田急バス
羽田空港 9:45 → 新千歳空港 11:15       JAL4501便
新千歳空港駅 12:04 → 札幌駅 12:40      快速エアポート121号
札幌駅 14:47 → 恵庭駅 15:23         JR千歳線
恵庭駅 16:15 → 千歳駅 16:31         JR千歳線
千歳駅 16:39 → 南千歳駅 16:42        快速エアポート160号
南千歳駅 16:58 → 新千歳空港駅 17:01     快速エアポート162号
新千歳空港 19:19 → 恵庭駅 19:31       快速エアポート193号

《えにわステーションホテル》泊

(8/5)
恵庭駅 6:46 → 千歳駅 6:52           JR千歳線
千歳駅東口 7:10 → 千歳基地 7:20        シャトルバス
千歳基地 16:50 → 南千歳駅南口 16:55     シャトルバス
南千歳駅 17:13 → 新千歳空港駅 17:16     快速エアポート164号
新千歳空港 18:50 → 羽田空港 20:25      JAL4504便
羽田空港(第1タ) 20:40 → 多摩センター 22:01   東京空港交通バス
小田急多摩センター駅 22:05 → 唐木田駅 22:07   小田急多摩線




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