姫新線・芸備線・木次線 乗車の旅
姫路城、松江城 見学
2022.4.4~7

その1/3
姫路城見学、姫新線・芸備線乗車
2022.4.4~5



 ルート  4/4 (月)
  唐木田~新宿~品川~羽田空港~伊丹空港~姫路
 4/5 (火)
  姫路~播磨新宮~佐用~津山~新見~備後落合~三次 
 宿 泊  ホテルアルファーワン姫路南口 (姫路市 / 4/4)
 ホテルアルファーワン三次 (三次市 / 4/5)


4/4(月) 雨のち晴

 中国地方のローカル線乗車を目的とした三泊四日の旅に出かけた。当初は大人の休日パスを使って東北地方の未乗車区間を乗りつぶそうと計画していたが、3月16日に発生した福島県沖地震のため東北新幹線が一部区間不通となってしまったため、その旅行はあきらめた。その代わりに、姫新線、芸備線(備中神代-三次間)、木次線乗車に出かけることにした。中国地方にも未乗車区間は多いが、とりあえず続けて乗車出来る路線として3線を選んだ。JALのマイルがたまっているため、マイルと18きっぷの残り1回分を使った。
 このルートを選んだもうひとつの理由は、どうしても姫路城を見学したかったからだ。そのためスタートを姫路にするとを最初に決めた。旅行初日に姫路城をじっくり見学して、二日目は姫新線、芸備線を乗り継いで三次に宿泊する。三日目は木次線に乗車して松江に向かい松江城を見学する。最初の計画ではその日の最終の飛行機で出雲から東京に帰る予定だった。しかしあれこれ調べていると、国鉄色に塗り替えられた 381系の上り「やくも8号」が朝方撮影できることが分かり、計画を変更して出雲市内にもう1泊して、翌朝に撮影することにした。さらによく調べると、その日には「トワイライトエクスプレス瑞風」が運行されていて、「やくも8号」のすぐ後で撮影できそうなのが分かった。
 東京は朝から雨が降っていていやな天気だが、関西地方は晴の予報で旅行日和となっている。羽田空港に行くのには新百合ヶ丘から空港連絡バスを使うことが多いが、バスが減便ダイヤでちょうど良い時間に便がないので(多摩センター発も同様)、今回は鉄道を利用することにした。南武線、京急で行くのが最短だが、川崎での乗り換えが面倒なので、新宿に経由で品川から京急を利用することにした。

 小田急/多摩線/小田原線 各停/急行 唐木田 6:11 → 新宿 6:58

 多摩線/小田原線 各停/急行 唐木田発、新宿行き

 小田急8000形電車
 8063F(4両)+8263F(6両)(喜多見検車区)


 乗車した電車は各停・新宿行きとなっているが、新百合ヶ丘から急行となる。この種別は、平日の朝は1本だけ設定されている。今回のダイヤ改正で、日中の新宿行きは全てこの種別となった。

 新宿では連絡改札口を利用して小田急からJRに乗り換える。このところ18きっぷでの旅行が多かったので、連絡改札口を利用するのは久しぶりだ。

 JR東日本/山手線 内回り 668G/768G 新宿 7:03 → 品川 7:23

 山手線 内回り 668G/768G

 JR東日本E235系電車0番台
 38編成(11両/東京総合車両センター)


 山手線内回りは先頭車両に乗車したが、この時間にしては混雑していた。品川までの途中駅ではさらに乗客が増えてきて、品川でようやく多くの乗客が電車を降りた。この時間帯の新宿からの外回りでは先頭車両が空いていたので、内回りでは最後尾の車両の方が空いているのかもしれない。

 品川で山手線から京急に乗り換えるが、これまで乗り換えをした記憶が無い。京急・品川駅の下りホームでは特殊な整列乗車が行われているということなので、一応事前に調べておいた。
 1つの乗車口に対して4列の整理位置が設けられている。わかりやすいように色分けされていて、「赤枠」は「横浜方面」で都営線からの快特・特急、「青枠」は羽田空港行のすべての列車、「緑枠」は「横浜方面」で泉岳寺・品川始発の列車と品川で後ろ4両増結される車両、「黒枠」は普通種別のすべての列車となっている。平日朝ラッシュ時は普通種別は3番ホームから出発するので「黒枠」使われていないが、羽田空港行きと泉岳寺・品川始発の快特・特急には2扉車(その他は全て4扉車)があるのでその点にも注意が必要だ。一見複雑そうに見えるが、よく考えると合理的に分けられていると思う。
 予定より早く到着したので、とりあえず2扉車(かつ4扉車)の羽田空港行きの乗車口に並ぶ。羽田空港行きで最初にやって来たのは 7:28発(実際には少し遅れている)の急行羽田空港行きだった。しかし、車内はそれなりに混んでいて座れそうになかったので見送った。次にやって来たのは品川始発の快特羽田空港行きだった。幸運なことに転換クロスシートの 2100形だった。先頭車両の最前列で待っていたので、運転席後ろの展望席に座ることができた。車内は半分くらい席が埋まっているようだった。

 京急/本線/空港線 快特 720A 品川 7:40(定刻7:36) → 羽田空港第1,2T 8:01(定刻7:57)

 京急/本線/空港線 快特 720A 品川発、羽田空港行き

 京急2100形電車
 2165F(8両/車両検査区)


 朝方どこかでトラブルがあったため、4分遅れで出発したと車内放送があった。途中停車駅は京急蒲田だけだが、かなりの乗車があり座席は全て埋まったようで立っている人も多くいた。

 唐木田を出発してから羽田空港までの所要時間は1時間50分で、新百合ヶ丘から空港連絡バスを利用した1時間40分(待ち時間を含む)と大差ない所要時間だ。バスの場合出発フロアに到着するので、地下駅から歩く京急より有利だと考えられる。しかし、バスの場合交通状況により所要時間が大きく変わるリスクがある。乗り換えの問題や運賃のこともあるので、両者一長一短だ。
 羽田空港はがらがらで、自動手荷物預け機の操作もセキュリティチェックも順調に済ませることができた。JAL は搭乗案内がグループ分けされていて、事前改札のあと、優先搭乗が「グループ1」「グループ2」と順に行われ、その後通常案内となる。今回は中型機の B787なので後方座席の「グループ3」と全ての座席の「グループ4」に分けて案内された。通常案内の分け方は機材やその便の搭乗人数によって違うようだ。この区分はセキュリティチェックのところで発行される「ご搭乗案内」に記載されている。

 JAL 111便 羽田空港 9:32 (定刻 9:30) → 伊丹空港 10:37 (定刻 10:35)

 JAL 111便 羽田空港発、伊丹空港行き

 JAL Boeing 787-8 JA848J


 この便は空席がだいぶあるようで、自分の座った後部座席は空席が目立った。機材は初めて搭乗する B787-8 だ。最新の航空機で、普通席にも AC電源と USB電源、個人用モニターを備えている。シートも快適なものだが、足下の広さは他と変わらない。国内線は搭乗時間が短いので問題ないのだろうが、どうも圧迫感があって抵抗がある。

 搭乗は順調に済んで、ほぼ定刻の 9:32 に動き始めた。そのあとも順調で、待機することなく R/W05 から離陸した。本降りの雨が続いているので、すぐに雲の中に入って何も見えなくなってしまった。B787-8 はこれまで搭乗した飛行機よりも静かだ。これまでは後部座席に座るとエンジン音がかなり五月蠅く感じたが、やはり新型の航空機は快適だ。
 ずっと厚い雲に覆われていて下界は見ることができなかったが、伊勢湾あたりから雲が晴れてきた。ちょうどそのタイミングで、眼下に中部国際空港が見えてきた。伊勢湾を過ぎると雲が出てきて、下界の眺めは今ひとつだった。

伊勢湾上空 / 中部国際空港 大阪市上空 / 花博記念公園

 その後どんどん高度を下げていき、大阪市内上空を通って R/W32L に着陸した。天気予報通り関西地方は青空が広がっていた。スポットにはほぼ定刻の 10:37 に到着した。

豊中市上空 / 間もなく空港滑走路 着陸 / R/W 32L

 預け手荷物を回収して、バス乗り場に向かった。姫路へは、モノレール、阪急、JRを乗り継いで行くのが普通のようだが、約1時間待ちで直行バスがあるのでそれに乗車する。時間があるのでターミナルビル内や展望デッキを見て歩いたが、これといった興味深いものはなかった。
 発車予定時刻までまだ20分以上あるが、バス停に戻ると既に3人が並んでいたのでその後に並んだ。隣のバス停は京都駅行きだが、20分おきにバスは出ているが積み残しがあり、臨時便が出ていた。観光客のような姿がほとんどで、さすが京都は人気観光地だ。

 神姫バス 空港リムジンバス 姫路駅-大阪空港線 / 大阪伊丹空港 11:30 → 姫路駅 12:49(定刻12:52)

 神姫バス 空港リムジンバス 姫路駅-大阪空港線
  大阪伊丹空港発、 姫路駅行き

 日野セレガHD LKG-RU1ESBA 2011年式
 姫路200 か 1200(姫路営業所 7631)


 乗車する姫路駅行きは5分前に入線して、13人の乗客を乗せて定刻に出発した。乗車時に乗車券(ICカード)の提示と、降車バス停の確認があった。

 運転手から途中バス停での降車がないので通過予定だが、もしも降車するのならボタンで知らせるよう案内があった。会社の指導だと思うが、非常に丁寧な案内の運転手だった。
 空港を出発したバスは池田ICから中国道乗り、神戸JCTから山陽道に入る。その先、山陽姫路ICで播但道に入り花岡ICで一般道に降りる。高速道路はいずれも順調で、途中のバス停でも降りる乗客はいなかった。一般道は、R372、R312、城南線、大手前通りを通り、定刻に姫路駅北口に到着した。バスは姫路城大手門前を左折したが、周辺は観光客で溢れていた。平日なのに人の多さに驚いて、これから姫路城見学に向かうのに少し気が重くなった。
 姫路駅到着後、ホテルでチェックインの手続きを済ませ、荷物をフロントに預けた。まだチェックイン開始時間前なので部屋には入れないが、荷物は部屋に持って行ってくれるそうだ。

 神姫バス 8系統 書写山ロープウェイ線 / 姫路駅(北口) 13:15 → 姫路城大手門前 13:18)

 神姫バス 8系統 書写山ロープウェイ線
 姫路駅北口発、書写山ロープウェイ行き

 日野レインボー PB-HR7JHAE 2005年式
 姫路200 か 382(姫路東出張所 29574)


 駅から姫路城まで1㎞位なので歩いても行けるが、路線バスが数多く通っているのでそちらを利用した。バスターミナルの案内表示がわかりやすく、どのバスに乗れば姫路城大手門前に行けるのかすぐに分かった。運賃は100円で、所要時間は約3分だった。

 姫路城は45年くらい前に一度訪れている。大昔のことなので記憶は定かでは無いが、非常に広大で美しい城郭だったのは覚えている。世界遺産登録と平成の修理で話題になり、マスコミで何度も取り上げられた。そのため、きれいになった姫路城を是非見たいとかねてから思っていた。
 今回実際に訪れてみて、その素晴らしさを実感することができた。もう修理後の真っ白な姿ではないが、今の方が城郭らしくて美しいと思う。しかも、桜の満開の時期に訪れることができたのは非常に幸運だった。天気にも恵まれて何も言うことはない。しかし、この人の多さには参ってしまった。人のことは言えないのだが、コロナ禍の平日でこんなに人がいるとは思ってもみなかった。この分だと週末は大変な混雑になることだろう。
 人が多いとはいえ広大な敷地なので、天守閣や絶景ポイント以外では静かに楽しむことができた。やや駆け足になってしまったが、2時間あまりの時間で十分に楽しむことができた。最初は人の多さに驚いてしまったが、ここまでやって来てよかったと思う。

 姫路城

 姫路駅への帰りも路線バスを利用した。バス停の場所がわかりにくかったので探してしまった。どこかに案内板はあったのだろうが気がつかなかった。

 神姫バス 81系統 江鮒団地線 / 姫路城大手門前 15:42(15:34) → 姫路駅(北口) 15:48(15:40)

 神姫バス 81系統 江鮒団地線
 江鮒団地発、姫路駅北口行き

 日野ブルーリボンⅡ PKG-KV234N2 2010年式
 姫路200 か 334 (北条出張所 7574)

 今は地方でも多くのバスで交通系ICカードが利用できるようになって便利になった。運賃を確認しながら小銭を用意する必要が無いのはありがたい。姫路の神姫バスでも先ほど乗車した空港連絡バスを含めて利用できる。

 夕食は駅近くのファストフードの店で済ませが、駅ビル内の総菜店の弁当も美味しそうだった。コロナ禍なので外食する時には気を遣うので、弁当を買ってホテルで食べるのもいい。
 今日は今回の旅の大きな目的の1つだった姫路城を見学した。かねてから訪れたかったがようやく実現した。また、羽田から伊丹への空路で B787-8 に乗ることができた。新しい機材は快適でいい。あとは、機会があればエアバス A350-900 にも乗ってみたい。近年、日本の航空会社はボーイングの機体が圧倒的に多かったので、JALが初めてエアバスを導入したのは大きな話題だ。大型機ということを除けば、機内の快適さは B787-8 と変わりは無いのだろうが一度は乗ってみたい。



4/5(火) 晴

 旅行二日目は全線未乗車の姫新線と未乗車区間のある芸備線に乗車する。芸備線の広島-三次間は、5年前に三江線乗車の後で乗車した。今日は青春18きっぷの最後の1回を利用する。芸備線の東城-備後落合間は1日3往復しか運行がないので、姫路-三次間を1日で乗り通すには今日乗車するダイヤしか考えられない。三次からだと、三次発 13:02 の 356D 乗れば姫路に 22:45 に到着できるが、あまり現実的な行程ではない。
 6時半にホテルをチェックアウトして姫路駅に向かう。今日も素晴らしい青空が広がっていて、朝のきりりと冷えた空気が気持ちがいい。平日とはいえまだ早い時間なので、駅構内の人は少ない。


 姫路駅 / JR西日本・山陽本線/播但線/姫新線/山陽新幹線 (兵庫県姫路市)

 余部発の 932D が 満員の乗客を乗せて 6:44 に到着して、折り返し 6:55 発 播磨新宮行き 1823D になる。車両はキハ127系・2両編成で、この形式に乗車するのは初めてだ。

 JR西日本/姫新線 普通 1823D 姫路 6:55 → 播磨新宮 7:29

 姫新線 普通 1823D 姫路発、播磨新宮行き

 JR西日本キハ127系気動車
 1+1001(2両/網干総合車両所余部派出所)


 客室座席は1列+2列の転換クロスシートで、JR東日本の車両とは違い非常に快適だ。並ばなかったので1人掛けは満席で、2人掛けに座ることになった。朝早い下りなので乗客は少ないと思っていたが、座席はほぼ埋まってしまい立っている人までいた。

 余部までは姫路の市街地を走り、その先は郊外感が増すが駅周辺は市街地が広がっている。途中での乗降もあったが、本竜野でまとまった降車があり、ようやく空席がででてきた。姫路から34分で終点の播磨新宮に到着した。ここで佐用行きに乗り換えだ。
 佐用行きは隣のホームなので跨線橋を渡って乗り換える。佐用行き 4823D は既に入線していて、1823D からは10名くらいの乗客が乗り換えた。車両は先ほど同じキハ127系・2両編成で、あまり混雑しそうにないので2人掛けシートに座った。最終的に先頭車の乗客は18人くらいになった。

 JR西日本/姫新線 普通 4823D 播磨新宮 7:45 → 佐用 8:17

 姫新線 普通 4823D 播磨新宮発、佐用行き

 JR西日本キハ127系気動車
 2+1002(2両/網干総合車両所余部派出所)


 初めて乗車するはずのキハ127系だがなぜか車内の配置に見覚えがある。よく考えると、昨年乗車したえちごトキめき鉄道の ET122形気動車のベースとなったのが、このキハ127系(キハ122形)だった。これで納得だ。

 播磨新宮から先はさらにローカル線色が強くなり、山間を走る区間もある。右手から立派な高架の線路が近づき高さが並ぶと、間もなく佐用に到着する。合流してきたのは智頭急行智頭線だった。佐用は智頭急行との乗換駅だが、姫新線の乗換駅でもある。津山方面の全ての列車がこの駅で折り返し、姫路方面からの列車の半数がこの駅で折り返す。残りの半数は隣の上月まで乗り入れている。
 津山行き 1825D とは同一ホーム乗り換えで、既に入線していた。車両はキハ120形・1両編成だ。ここからは本格的なローカル線という感じがしてくる。

 JR西日本/姫新線 普通 2825D 佐用 8:32 → 津山 9:31

 姫新線 普通 2825D 佐用発、津山行き

 JR西日本キハ120形気動車300番台
 338(岡山気動車区)


 キハ120形は 300番台だったので、4つしかないボックスシートの1つを確保した。4823D からの乗り換え客は10名くらいで、その多くが同業者のようだ。1825D は16人の乗客を乗せて出発した。

 姫新線はしばらく国道179号線に沿って進む。国境の万ノ峠トンネルを抜けると兵庫県から岡山県に入る。右手に中国自動車道が近づいてくると、間もなく美作江見に到着する。
 美作江見からは平坦でのどかな田園地帯の中を進んでいく。どこにでもあるような風景だが、日本の原風景のようでなぜか落ち着く。そのため、旅行に来ているんだなあと実感できる。
 右手には中国自動車道が離れたり近づいたりして走っている。中国自動車道の歴史は古く、吹田ICから落合ICまで繋がったのが 1975年10月で、その翌月から中国ハイウェイバスが走り始めた。国鉄が神姫バスと共同運行を始めたというのは高速バスの利便性、将来性を認めていたということで、その予測通りに姫新線の役割はどんどん減少していってしまった。

美作江見駅停車 / 8:56~57 東津山駅停車 / 9:26~27

 津山盆地に入るとスーパーマーケットやホームセンターが見られるようになった。右手から因美線が合流すると東津山で、終点津山は次だ。津山市は岡山県では第三規模の都市だそうだ。姫新線沿線では姫路市を除くと最大の都市となる。だんだん乗客が増えていき、津山到着時には25名くらいが乗車していた。

 津山駅 / JR西日本・姫新線/津山線 (岡山県津山市)

 津山では36分の乗り換え時間があるので一度改札を出る。この駅には6年前に利用したことがあり、岡山まで津山線の快速に乗車した。その時近くにある津山まなびの鉄道館を見学したが、今日は30分しかないので見学は無理だ。また、その時は駅前ロータリーを整備していたが、今回はきれいに完成している。

 JR西日本/姫新線 普通 859D 津山 10:17 → 新見 11:50

 姫新線 普通 859D 津山発、新見行き

 JR西日本キハ120形気動車300番台
 330(岡山気動車区)


 駅前に展示してある C11-80 を見て、早めにホームに戻る。新見行き 859D は9:48 に回送で入線した。車両は先ほどと同じ キハ120形300番台・1両で、ボックスシートを確保した。

 859D は27人くらいの乗客を乗せて出発したが、うち6人くらいが同業者で、そのほとんどの顔に見覚えがある。平日の日中ながら一般の乗客も多く、それなりの需要があるということか。
 津山を発車すると左手に津山まなびの鉄道館がみえ、間もなく津山線が左に分岐していく。すると、併走している国道は179号線から181号線に変わる。そのまま西に進むと津山盆地から山岳地帯に入っていく。

美作追分駅停車 / 10:29 美作落合駅停車 / 10:36~37

 美作落合を過ぎると、右に90度急カーブして進路を北に取り、旭川に沿って進む。中国自動車道はそのまま西の方に向かい、岩山の手前で再び合流する。国道181号線が合流すると久世に到着する。
 久世では上り列車と交換のため4分間の停車がある。せっかくなのでこの時間を利用して駅舎を撮影した。小ぶりながら木造の古い駅舎で風情がある。

久世駅停車 / 10:47~51

 次の中国勝山は旧勝山町にあたる真庭市勝山地区の中心駅で、真庭市で最も利用客の多い駅ということだ。津山からの半数の列車がこの駅で折り返しとなり、ここから新見方面は平日で1日8往復だけしかない。
 中国勝山を出る国道181号と別れて左に曲がり、さらに山の中に入っていく。いくつもトンネルをくぐり、月田川と絡み合いながら進んでいく。富原を過ぎ、分水嶺を貫く傍示トンネルを抜けると新見市に入り、すぐに刑部だ。

中国勝山駅停車 / 10:57~58 刑部駅停車 / 11:25~26

 新見に近づくとぱらぱら乗車もあり、到着時には20人くらいの乗客となった。市街地に入り左手から伯備線が合流すると新見に到着した。これで、3本乗り継いで姫新線を完乗した。

 新見駅 / JR西日本・伯備線/姫新線 (岡山県新見市)
 

 新見では1時間12分の乗り換え時間があるので、駅前の食堂でお昼を食べた。いかにも昔ながらの食堂といった店構えだ。かつ丼がなかったので親子丼を食べたが、普通に美味しかった。お昼なのに客は誰もいなかったが、後で地元の人と観光客らしき人がやって来た。

きくや食堂 / 親子丼

 芸備線の備後落合行き 443D は 12:44 に回送で入線した。車両はこれまでと同じキハ120形・1両だ。ボックス席に座りたかったので早めに並んだ。芸備線は正確には備後神代からで、そこまでは伯備線だ。しかし、芸備線のすべての列車が新見まで乗り入れている。

 JR西日本/伯備線/芸備線 普通 443D 新見 13:02 → 備後落合 14:27

 伯備線/芸備線 普通 443D 新見発、備後落合行き

 JR西日本キハ120形気動車300番台
 340(岡山気動車区)


 入線した時には5,6名の乗客しかいなかったが、だんだん乗客は増え続けた。発車時刻までに座席は9割方埋まり、10人くらいの人が立っていた。そのほとんどは地元客ではなさそうだ。

 新見の次の布原という駅は変わっていて、芸備線直通列車だけ停車して、伯備線の普通電車は通過する。交換可能の駅のため、伯備線の列車は運転停車することはあるが客扱いはしない。1日の平均乗車人員が1人未満なので、わざわざ伯備線の普通電車を止める必要が無いようだ。付近には数軒の民家があるが、自動車で向かうにはかなり狭い道を長く通らなければならない。そのため秘境駅の分類に入り、マニアの間では有名な駅のようだ。
 次の備中神代までが伯備線で、芸備線の起点駅となっている。ここで2人観光客らしき人が乗車した。ダイヤを確認すると伯備線上り普通電車が 12:52 に到着しているので、その電車からの乗り換えなのだろうか。駅周辺に名所や観光施設などはないようだが。


布原駅停車 / 13:07 備中神代駅停車 / 13:11~12

 備中神代を発車すると伯備線を右手に分け、南西に向かって走って行く。しばらくの間、神代川に沿って芸備線、中国自動車道と国道182号線が走っていく。野馳を過ぎ大竹山トンネルを抜けると、岡山県から広島県に入る。
 広島県に入って最初の駅が東城で、新見からの列車の半数がこの駅で折り返す。東城-備後落合間の運行は1日3往復だけで、全国でも有数の閑散路線となっている。
 東城から線路は北に向かい、並行する国道も314号線に変わる。東城-備後庄原間のルートについて、建設当時は長大トンネルを掘る技術がまだなかったため、中国山地の山裾を迂回するように路線が敷設されたということらしい。実際、東城-備後庄原間の営業キロは 49.7㎞で、中国自動車道の東城IC-庄原IC間は 30.2㎞ となっている。
 終点の1つ手前の駅が道後山で、芸備線の最高所の駅だそうだ。最高所は駅の少し手前にあるということだ。また、秘境駅ということでマニアの間では有名らしい。近くに民家があるようだが、1日の平均乗車数はずっと1人未満だ


東城駅停車 / 13:38~39 道後山駅停車 / 14:12~13

 次は終点の備後落合で三次行きに乗り換えるのだが、この時間は1日に1度3方向から列車が集まり折り返すタイミングだ。芸備線の三次方面は 14:21着、14:43発、新見方面は 14:27着、14:37発、木次線が 14:33着、14:41発となっている。14:27 から 14:37 の10分間だけ3編成が並ぶことになる。
 どのような人の動きになるのは分からないが、木次線の到着はこの列車より後なので、最悪この列車の乗客が全て三次行きに乗り換える可能性がある。同じキハ120形だと考えると、最悪座ることが出来ない可能性がある(ボックス席に割り込めば座れる出ろうが)。とにかく乗り換えは急がなければならない。ボックス席の窓際に座っているので、乗り換えには不利だ。


 備後落合駅 / JR西日本・芸備線/木次線 (広島県庄原市)

 三次行きは予定通り入線していて、とりあえず急いで乗り換えロングシートを確保した。どうなるか心配していたが、急いで乗り換えたのは半数くらいで、残りの乗客は駅舎(木次線乗り場)の方に移動していった。どうやら木次線に乗り換える乗客も多いようだ。


 JR西日本/芸備線 普通 359D 備後落合 14:43 → 三次 16:03

 芸備線 普通 359D 備後落合発、三次行き

 JR西日本キハ120形気動車300番台
 322(下関総合車両所広島支所)


 とりあえず一安心して、急ぎ足で駅舎などを観察してきた。間もなく木次線の列車が到着して、駅構内はさらに賑やかになる。木次線から三次行きに乗り換える乗客も多く、三次行き 359D の座席はほぼ埋まってしまった。さらに乗客が増え、発車時点で立っている乗客もいて、25人以上が乗車していた。 

 そのように混雑した状態で発車したが、さらに途中駅で観光客を含めた乗客が乗車した。30人以上が乗っているのだろう。ロングシートに座って目の前には人が立ってるので、景色を楽しむこともできない。首都圏の行楽地からの帰りの電車のようだ。景色はおろか、ローカル線の雰囲気を楽しむことは全くできなかった。18きっぷ利用期間の晴れた日なので、平日なのにこれだけ人が集まってしまう。とても広島県の山の中とは思えない。しかし、この区間は明朝折り返すので、その時に期待することにした。
 それはともかくとして、無事三次に到着して、姫新線と芸備線を完乗することができた。多くの乗客が広島行き快速「みよしライナー」に乗り換えたが、自分は三次泊なので改札を出てホテルに向かう。


 三次駅 / JR西日本・芸備線 (広島県三次市)

 三次駅は5年前に三江線に乗車した時、乗り換えて広島に向かった。乗り換えに使っただけなので駅前ロータリーから外には出ていない。三次はあまり大きな都市ではないのでホテルを予約するのに苦労した。駅から徒歩圏のホテルは2,3しかなく、満室の場合も多い。今日泊まるホテル付近にショッピングセンターや手軽な食事店も見つからなかった。最寄りのコンビニまで5分以上掛かり、結局コンビニまでの途中にあった弁当を買ってホテルで食べた。このくらいの地方都市は車での移動が前提なんだろう。
 旅行二日目は日程的には順調に消化できた。しかし、思っていたより人(列車に乗る)が多いのには驚いた。中国地方の山の中のローカル線なので、こんなに人が集まるとは思ってもみなかった。赤字ローカル線の行き先が不透明になってきている時期なので注目度が大きいということだろう。また、18きっぷの利用期間中はどこにも観光客(利用客)が現れるということだ。そういう自分も、そのうちの1人には変わりない。



移動の記録

(4/4)
唐木田駅 6:11 → 新宿駅 6:58          小田急線 各停/急行
新宿駅 7:03 → 品川駅 7:23           山手線 内回り 668G/768G
品川駅 7:40 → 羽田空港第1,2 T駅 8:01     京急/本線/空港線 快特 720A
 (定刻7:36)         (定刻7:57)
羽田空港 9:32 → 伊丹空港 10:37        JAL 111便
  (定刻9:30)    (定刻10:35)
大阪伊丹空港 11:30 → 姫路駅 12:49      神姫バス 空港リムジンバス
                (定刻12:52)
姫路駅(北口) 13:15 → 姫路城大手門前 13:18  神姫バス ⑧書写山ロープウェイ線

姫路城見学 13:20~15:30

姫路城大手門前 15:42 → 姫路駅(北口) 15:48  神姫バス (81)江鮒団地線
     (定刻15:34)      (定刻15:40

《ホテルアルファーワン姫路南口》泊

(4/5)
姫路駅 6:55 → 播磨新宮駅 7:29         姫新線 普通 1823D
播磨新宮駅 7:45 → 佐用駅 8:17         姫新線 普通 4823D
佐用駅 8:32 → 津山駅 9:31           姫新線 普通 2825D
津山駅 10:07 → 新見駅 11:50         姫新線 普通 859D
新見駅 13:02 → 備後落合駅 14:27       伯備線/芸備線 普通 443D
備後落合駅 14:43 → 三次駅 16:03       芸備線 普通 359D

《ホテルアルファーワン三次》泊


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