平成17年度富士総合火力演習

2005年8月27日(土)

開催日時
2005年8月27日(土)
場所
静岡県御殿場市東富士演習場(畑岡地区)
概要
 陸上自衛隊の最大公開演習で、陸上自衛隊の訓練の中で
も最大の火力演習。
 毎年この時期行われ、本年は21日(地元関係者公開予
行)、25日(教育演習)、27日(一般公開演習)、と静岡県御
殿場市の東富士演習場で行われた。

(8/27 曇)

 インターネットで申し込んだ入場券が当選したので、友人のM氏夫妻と陸上自衛隊東富士演習場で行われる富士総合火力演習に行く。3年前に予行演習に行ったが、本番は初めてだ。M氏のHARRIERで向かうが、インターネットなので駐車券が確保できず、御殿場駅前の駐車場に車を停める予定だ。
 朝6時に迎えに来てもらい、八王子ICから中央道に乗り東富士五湖道路の須走ICまで行く。御殿場市内に向かう国道138号線は休日のせいで、山中湖側に向かうほうが渋滞気味だ。

 御殿場駅前はシャトルバスや自家用車で混雑して、シャトルバス待ちの行列は駅舎の中まで伸びている。そして、あてにしていた駅前の市営駐車場は満車で、数台の入場待ちができている。近くにある一般駐車場も満車で、どうしていいのか途方に暮れる。駅周辺を回ったが駐車場が見あたらなかったので、山中湖まで戻りタクシーで演習場に向かうことにする。先程見たとおり山中湖への道は渋滞気味で、時間を気にしながら山中湖に向かう。
 山中湖畔旭日丘交差点付近の駐車場に車を停め、交差点にあるタクシー乗り場で客待ちをしていたタクシーに乗り込む。タクシーの運転者は演習の場所がわからないようだったが、富士学校の所から未舗装の裏道にはいり、誘導の自衛隊員の指示に従い、中畑駐車場で降りる。帰りもここに迎えに来てもらうよう頼み、念のため携帯の番号を交換する。
到着した時間が遅いせいか、バス降車場には人が少ない

 中畑駐車場からシャトルバスに乗り換え、演習会場に到着したのが10時近くになってしまったため、スタンド席はおろかシートもほぼいっぱいの状況だ。これでは立ち見になってしまうかなと思ったが、案内の自衛隊の隊員が座れそうなところに誘導してくれ、無事シート席に座ることができた。
 陸上自衛隊幹部の入場の後、10:20からプログラムの前段が始まる。本来なら新田原基地から航空自衛隊のF−4EJ改が空爆する予定だったが、天候(気流)の事情で中止となる。これを期待してきた人も多いようで、会場のあちこちからため息が聞こえる。F−4EJの通過はあっという間で、実際には爆弾投下もしないが、それなりの迫力がある。前段は主に火力装備品の紹介と実弾射撃デモが行われる。特化火力、迫撃砲、誘導弾の発射と続くき、射撃が命中するたびに客席から歓声が上がる。

特科火力の一斉射撃(手前から、99式自走155mmりゅう弾砲、203mm自走りゅう弾砲、155mmりゅう弾砲)

 その後ヘリ火力の紹介があり、普通火力の紹介と続く。一番の迫力は90式戦車の射撃で、ものすごい爆音とともに地響きが起こる。この経験は2度目だが、目の前の迫力に驚かされてしまう。

96式多目的誘導弾(対戦車、対上陸用舟艇ミサイル)
多用途ヘリコプターUH-60からリペリング降下

 90式戦車の射撃で前段終了と思っていたが、そのあと予定になかった空挺部隊の落下が見られた。ヘリコプターから降下したとのアナウンスがあるが、最初は姿が見えず、空を見上げて空挺部隊員を探している。

 空挺部隊の降下があったためか、予定を10分ほど過ぎた11:10に前段を終了し20分間の休憩となる。その間、音楽隊による音楽演奏が行われる。
 短い休憩なのでトイレは売店は混雑するが、トイレに大行列ができる程ではない。前回来たときにはビールの販売をしていたが、今回は販売していないようだ。何か問題が起こったためかもしれないが、車を運転する人も多いはずなので、このような措置は仕方ないことだろう。また、スタンド席、シート席とも禁煙なので、たばこを吸う人は喫煙コーナーに行く必要がある。
 11時30分から後段演習の開始だ。オーロラビジョンに作戦状況図のようなものがでているようだが、ここからはよく確認できない。前段演習がデモンストレーション的演習だったのに対し、後段はより戦闘実戦に近い演習となる。偵察、攻撃と戦闘の流れに沿って進められる。
第一空挺団隊員による高高度自由降下

 まず、情報収集からということで、ヘリボン活動、いわゆる斥候及び初期侵攻が開始される。偵察の任務が終了と同時に、本格的な攻撃に移る。それが“第一線中隊の攻撃”となる。中隊の構成は「榴弾砲」、「迫撃砲」、「対戦車ヘリ」、「戦車」など。

20mm機関砲を射撃する対戦車ヘリコプターAH-1S
軽装甲機動車を吊り下げ飛行するCH-47JA
地上部隊支援のためAH-1Sは射撃続行
CH-47JAから高機動車をおろす

 各種火器の攻撃はいずれも迫力があるが、やはりその花形は戦車だ。隊形を組んで砲撃、移動する様子は、実際に見てみないとその迫力は伝わらない。

89式装甲戦闘車
配備数では90式を大きく上回る74式戦車

 特に90式戦車の機動力の高さには驚かされてしまう。50トンの巨体が、60キロ以上のスピードで移動し、停車、方向転換も素早い。また、120o滑空砲連射による迫力はものすごい。
 演習終盤になると、全地上部隊による攻撃が続行され、先のヘリコプタ群も加わり、総反撃、「敵撃破」の後、煙幕展開で演習は終了する。

陸上自衛隊の主力戦車である90式戦車

 演習が終了後、観覧席前広場で装備品展示が行われる。演習終了後すぐに帰る人もが多いが、装備品展示場に向かう人も結構いる。演習で使用された戦車や軽装甲機動車等の戦闘車両の他、91式戦車橋などの施設関係車両も展示されている。航空機ではOH−1,AH−1S、UH−60の3機のヘリコプターが展示されている。特に戦車は人気が高く、いつまでも人だかりができている。

演習終了後、装備品展示が行われる
装備品展示場に並ぶ3機のヘリコプター

 シャトルバス乗り場に向かうと、長蛇の列ができている。よく見ると、長蛇の列ができているのは御殿場行きのシャトルバス乗り場で、各駐車場行きのシャトルバスの列はたいしたことはない。私達も、最初に来た中畑駐車場行きのシャトルバスに乗ることができた。中畑駐車場で予約しておいたタクシーに乗り込み、山中湖畔の駐車場に帰る。山中湖畔のファミリーレストランで食事をし、道志みち経由でのんびり帰路につく。
 2回目の富士総合火力演習だったが、期待していたとおり楽しめた。今回は人出を甘く見すぎて出発がゆっくりだったので苦労したが、次回来るときは早めに到着するようにしたいと思う。その前に、入場券を手に入れることができるかどうかが問題だが。


演習プログラム
区分
内容
主な参加装備品等
8:00

10:00
ビデオ放映・音楽演奏
・陸上自衛隊広報ビデオの放映
・音楽隊による演奏
前段

10:20

11:00













遠距離
火 力
航空攻撃
・F-4EJ(改)要撃戦闘機
特科火力 ・203mm自走りゅう弾砲
・155mmりゅう弾砲 FT-70
・99式自走155mmりゅう弾砲
中距離
火 力
迫撃砲
・120mm迫撃砲 RT
・81mm迫撃砲 L-16
誘導弾
・64式対戦車誘導弾
・87式対戦車誘導弾
・79式対舟艇対戦車誘導弾
・96式多目的誘導弾システム
近距離
火 力
対人障害
・指向性散弾
ヘリ火力
・対戦車ヘリコプター(AH-1S)
普通科火力
・84mm無反動砲
・個人携帯対戦車弾
・01式軽対戦車誘導弾
・89式装甲戦闘車
・96式装輪装甲車
・軽装甲機動車
装 甲
機 動
打撃力
戦車火力
・90式戦車
11:00

11:20
音楽演奏
・音楽隊

* 「防衛ホーム」(号外)より転記。
* 時間は予定時間。
* 航空攻撃は中止。
* 前段・戦車火力の後に空挺部隊の落下傘降下実施。  
区分
内容
主な参加装備品等
後段

11:20

12:00









へリボン行動
・観測ヘリコプター(OH-1)
・多用途ヘリコプター(UH-1)
・オートバイ
・多用途ヘリコプター(UH-60J)
             (UH-1)
・輸送ヘリコプター(CH-47J)
・対戦車ヘリコプター(AH-1S)
・軽装甲機動車
・高機動車
・01式軽対戦車誘導弾
・5.56mm機関銃 MINIMI








偵察活動
・87式偵察警戒車
・オートバイ
攻撃準備射撃
迫撃砲
・203mm自走りゅう弾砲
・99式自走155mmりゅう弾砲
・155mmりゅう弾砲 FH-70
・120mm迫撃砲 RT
・81mm迫撃砲 L-16
・90式戦車
・74式戦車
・89式装甲戦闘車
・92式地雷原処理車
・79式対舟艇対戦車誘導弾
・87式対戦車誘導弾
・64式対戦車誘導弾
障害処理
攻撃前進支援
射    撃
普戦チームの
攻撃
突撃支援射撃
突撃



攻撃の続行
・全部隊
12:00

12:30
音楽演奏
・音楽隊
12:30

13:30
装備品展示
ビデオ放映
・演習参加装備品等
 (観覧席前広場)

当日の移動

往路
自宅(6時頃)→(自動車・中央道八王子IC〜東富士五湖道路須走IC)→御殿場駅前(8時頃)→(自動車.R138)→山中湖
(9時頃)→(タクシー)→中畑駐車場(9時20分頃)→(シャトルバス)→演習会場(9時40頃)
帰路
演習会場(13時40分頃)→(シャトルバス)→中畑駐車場(14時頃)→(タクシー)→山中湖(14:20頃)→(自動車・道志み
ち)→自宅


Camera : Nikon D70




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