JR東日本/五能線(川部→東能代) 乗車記

2018.6.25

乗車区間  (弘前 6:46 →) 川部 7:03 → 東能代 10:41
乗車列車  普通 3524D→3526D 弘前発、東能代行き
車両  国鉄キハ40形気動車500番台 / 529+530号機 (2両/秋田車両センター)

五能線・路線図

五能線について
 秋田県能代市の東能代駅と青森県南津軽郡田舎館村の川部駅を結ぶ、JR東日本の鉄道路線(地方交通線)。営業距離 147.2㎞で、全線単線、非電化。主として海岸付近を経由して、能代平野と津軽平野を結ぶ。
 能代(現、東能代)―能代町(現、能代)間は、奥羽本線の駅から離れてしまった能代市街を幹線鉄道と結ぶ目的で 1908年に官設鉄道として、川部―五所川原間は陸奥鉄道として 1918年にそれぞれ開通したが、大正後期以降、南方からは能代線、北方からは五所川原線の名称で建設が進められ、1924~1936年開業した。全通した際に旧陸奥鉄道の区間(1927年国有化)とともに五能線の名称に統一された。

2020.01.06 作成


 2018年6月に大人の休日倶楽部パスを使って青森、新潟へ出かけた。旅行の一番の目的は、五能線を走るキハ40 の撮影および乗車だ。五能線を走るキハ40 は 2020年度に新型電気式気動車 GV-E400系に置き換えられるとアナウンスされている。第二の目的は、只見線のキハ40 の撮影だ。只見線についてはようやく災害復旧工事が始まったばかりで車両更新についてはアナウンスされていないが、五能線などと前後して 車両が置き換えられると思われる。そして、こちらも未乗車の大湊線に乗車する。さらに、2020年度末までに E7系に置き換えがアナウンスされている 二階建て新幹線 E4系に乗車して東京に戻る計画だ。
 弘前に前泊した旅行三日目に、五能線直通の東能代行き快速 3524D に終点まで乗車した。五能線に乗車するのは初めてで、かねてから乗車の機会を狙っていたが、なかなかその機会に恵まれなかった。快適に移動できる「リゾートしらかみ」に乗車という選択肢もあったが、今回計画を立てた段階でプラチナチケットとなっている指定席券を確保できなかった。
 朝の段階で弘前市内は雲に覆われているが、この後天気は回復に向かい、秋田、新潟とも晴の予報となっている。深浦界隈での昨日の曇り空が恨めしいが、海の眺めが売りの五能線なので、今日の晴天は良い方に考えておく。

 JR東日本/弘前駅 (奥羽本線/青森県弘前市) / 6:46 発車

 弘前からの東能代行き初発となる 2524D は、キハ40形二両編成だ。鰺ヶ沢まで各駅に止まり、鰺ヶ沢から先は快速となる。また、列車番号が深浦から先が 2526D となる。発車の段階で、ボックスシート、ロングシートとも各1~2名が座っている状態だ。平日の早朝なので旅行者らしき姿は少なく、かといって通勤、通学の人とも思えない不思議な乗客が多い。
 乗車したのはキハ40-529 で、デッキが撤去され入り口付近がロングシート化されてワンマン化対応の車両だ。ボックスシートの端に二人がけのボックスシートがあり、この後の混雑状況が不明なのでその狭い席に陣取った。

 五能線 快速 3524D→3526D 弘前(6:46)発、東能代(10:41)行き
 
国鉄キハ54形気動車500番台 / 507号機 (釧路運輸車両所)

 川部で8分停車、進行方向が変わる。高校生などがぱらぱら乗車して車内が混雑してきたが、彼らは着席せず通路で楽しそうに話をしていた。
 五所川原では多くの乗客が下車したが、乗車する人もあり、弘前出発時と同じくらいの乗客数となった。ここでは27分の停車時間があったので、駅前広場と構内を見て回った。JRの駅舎は平凡だが、津軽鉄道本社、津軽五所川原駅舎、バス案内所はレトロ感たっぷりだ。津軽鉄道の津軽五所川原駅は専用の駅舎と改札があるが、通路と跨線橋はJRと共用している。津軽鉄道のホームや奥に留置されている車両を見ようとしたが、階段のところに「津軽鉄道の入場券」が必要と書かれていたのであきらめた。

 五所川原駅 / 7:32~58

 隣の木造で高校生が下車して、車内は観光客だけになったようだ。海側のボックス席は埋まっているが、反対側は空いている。五所川原まではどんよりとした曇り空だったが、鰺ヶ沢が近づくと青空が広がってきた。
 鰺ヶ沢では観光客が数組乗車した。ここから快速運転になり、車掌が下車してワンマン運転となった。鰺ヶ沢から海沿いを走るようになり、青空と青い海を見ながらの移動となる。車窓が素晴らしいこの路線については、海沿いの席を確保するに限る。


 千畳敷駅 / 8:54~55

 車窓 / 広戸-深浦間

 下り普通列車と交換する深浦では3分停車する。ここでは多くの観光客が乗車して、約5割の乗車率となった。この時間に乗車するということは、深浦周辺の宿に宿泊した観光客なのだろうか。こんなローカル線の普通(快速)列車に乗車するのは鉄道ファンくらいなものかと考えていたが、この路線は観光路線としても十分存在価値があるようだ。海沿いを走る区間ではどちらでも素晴らしい眺めだが、深浦前後では一段と見応えのある眺望が得られる。

 ウェスパ椿山駅 / 9:35

 ウェスパ椿山でも多くの観光客が乗車して、七割程度の乗車率となった。次の十二湖では数名の観光客が下車したが、その空いた海側のボックス席のちょっとした争奪戦があった。十二湖駅からは路線バスが出ているようなので、列車を利用して十二湖を観光する人もいるのだろう。

 車窓 / ウェスパ椿山-十二湖間

 車窓 / 大間越-岩館間

 秋田県に入り岩館で「リゾートしらかみ1号」と交換したが、車内にはまだ空席があったようだ。「リゾートしらかみ」につては五能線全区間を乗り通す乗客以外に、途中下車、乗車して観光する人も多いようだ。キハ40系の普通(快速)列車でもこの乗車率なので、「リゾートしらかみ」の指定席が取りづらいのも当然かもしれない。

 岩館駅 / 10:05~07

 あきた白神駅 / 10:12

 線路が内陸に入って市街地に入ると間もなく能代市の中心駅の能代に到着。ここでの乗降は無いようで、次が終点の東能代だ。東能代は付近に何もない駅なので、ほとんどの乗客は秋田方面に乗り換えすると思われる。
 この列車は折り返し 10:59発の弘前行き普通となるが、私たちと入れ替えに乗り込んできた乗客で海側のボックス席はいっぱいになったようだ。この後秋田からの普通電車も到着するので、多くの観光客で賑わうことになるのだろう。

 JR東日本/東能代駅 (五能線/秋田県能代市) / 10:41 到着
 
 

 初乗車の五能線からの車窓は素晴らしかった。海の車窓が有名なのは知っていたが、これほど美しいとは思っていなかった。天気が素晴らしかったのも、この印象を強くした。ローカル線らしい キハ40 での旅がこの好印象の一つだと思うが、次回は「リゾートしらかみ」にも乗車してみたい。HB-E300系気動車の快適さは一昨日に体感済みだ。
 昨日は深浦までの区間で1日をかけてレンタカーで五能線の撮影をしたので、こうして乗車してみると昨日のことと重なって更に印象的だった。この素晴らしい景色の中、キハ40 は非常に映える。この「五能線色」と呼ばれるローカル塗装も悪くない。





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