JR東日本/八戸線(久慈→八戸) 乗車記

2021.9.10


乗車区間  久慈 11:13 → 八戸 12:56 (442D)
乗車列車  普通 442D 久慈発、八戸行き
車両  JR東日本キハE130系気動車500番台 / E132-502 + E131-502(2両/JR東日本/八戸運輸区)

八戸線・路線図

小海線について
 青森県八戸市の八戸駅から岩手県久慈市の久慈駅を結ぶJR東日本の鉄道路線(地方交通線)。八戸-鮫間には、「うみねこレール八戸市内線」という愛称が付けられている。全線、単線非電化で、大半の区間で海沿いを走る。
 日本鉄道により1894年に尻内駅(現・八戸駅)から分岐して八ノ戸(現・本八戸駅)を結ぶ支線(本線は現・東北本線)を敷設したのが始まり。同年中に八ノ戸から湊へ延伸され、この状態で日本鉄道は1907年に買収され官設鉄道に編入後、1909年に八ノ戸線と命名され、1924年に八戸線と改称された。1924年より八戸(現・本八戸)から分岐する種市への路線延伸工事が行なわれ、翌年には陸中八木、1930年に久慈まで延長されて八戸線が全通した。
 鮫-久慈駅間は1968年の赤字83線の議論に上がっている。1975年に当線の実質的延長線である久慈線が普代まで開業したが、こちらは国鉄再建法の施行により特定地方交通線に指定され、1984年に第三セクターの三陸鉄道へ転換されている。
 2022年7月、JR東日本は、利用者が少ない線区について、収支状況と営業係数を公表した。対象となったのは、2019年度に輸送密度2,000人未満だった35路線66区間だ。その中に八戸線の鮫-久慈間が含まれていて輸送密度は333人となっている。

2022.10.1 作成


「大人の休日パス・東日本スペシャル」を利用して、三泊四日の日程で三陸海岸方面に出かけた。新型コロナウィルス蔓延のため観光や撮影はせず、ひたすら鉄道に乗りまくることにした。
 旅行二日目は、大船渡に宿泊後、BRTに盛まで乗車。盛で乗り換え、久慈まで三陸鉄道リアス線に乗車した。三陸鉄道久慈駅は跨線橋で出口と JR八戸線ホームと連絡している。八戸線に乗り換えのため JR線ホームに移動したが、三陸鉄道用出口改札は無人と思われる。JR線ホームから JR改札出口へは跨線橋を使用せず構内踏切を通っていく構造になっている。釜石でも思ったが、JR と三陸鉄道の共同利用駅では、一般人には構造が分かりづらい。三陸鉄道は運賃精算をすべて車内で行い、有人駅で JR は改札で運賃の収受を行っている。そのため、各改札と通路を別々に設置する必要があるのだろう。

 JR東日本/三陸鉄道 / 久慈駅(岩手県久慈市) / 11:13 発車

 八戸線の車両はキハE130系で、2018年のダイヤ改正ですべてのキハ40系が置き換えられた。趣味的にはキハ40 だが、実際に利用することを考えると新しく快適なキハE130 の方がいい。かつて八戸線のキハ40 に乗車した時、冷房がなかったのに驚いたことがある。北国とは言え、今時非冷房車が普通に走っているとは信じられなかった思い出がある。
 八戸行き 442D はキハE130 二両編成で、海側の二人がけボックスシートに座る。座った席の荷棚には非常用はしごが固定されていたので利用できなかった。八戸線に3扉車が導入されたのは、八戸周辺の混雑対策とともに、災害時の避難対策ではないかとも思われる。

 八戸線 普通 442D 久慈(11:13)発、八戸(12:56)行き
 
JR東日本キハ130系気動車500番台 / E132-502 + E131-502(2両/JR東日本/八戸運輸区)

 久慈を発車すると列車はしばらく内陸部を走る。陸中中野で海に近づくが、防風林(防潮林)が植えられていてちらりとしか海を見ることができない。そして、有家が近づいてくるとようやく海岸を見ることができた。

 陸中夏井駅(岩手県久慈市) / 11:17

 侍浜駅(岩手県久慈市) / 11:28

 陸中中野駅(岩手県九戸郡洋野町) / 11:36~37

 車窓 / 有家海岸(陸中中野→有家)
 

 有家から先、線路は海に近づいたり離れたりするが、海沿いの景色を楽しめることが出来る。陸中八木を出発するとまもなく海岸に出る。海岸にブルーのドラム缶が並べてあって、復興へのメッセージが書かれている(写真では真ん中左手に小さく移っている)。
 この場所は個人的な思い出がある。四年前に八戸線のキハ40 を撮影に来た時に、このドラム缶の近くで撮影した。八戸市街からレンタカーでやって来たが、結構遠かった記憶がある。

 有家駅(岩手県九戸郡洋野町) / 11:40

 陸中八木駅(岩手県九戸郡洋野町) / 11:44~45

 車窓 / 洋野町・復興メッセージドラム缶(陸中八木→宿戸)

 宿戸駅(岩手県九戸郡洋野町) / 11:49

 玉川駅(岩手県九戸郡洋野町) / 11:52

 種市駅(岩手県九戸郡洋野町) / 11:56~57

 平内駅(岩手県九戸郡洋野町) / 11:59~12:00

 角の浜駅(岩手県九戸郡洋野町) / 12:03

 階上駅(青森県三戸郡階上町) / 12:06~07

 大蛇駅(青森県三戸郡階上町) / 12:09~10

 金浜駅(青森県八戸市) / 12:12

 大久喜駅(青森県八戸市) / 12:15~16

 種差海岸駅(青森県八戸市) / 12:19

 陸奥白浜駅(青森県八戸市) / 12:22~23

 鮫付近で昨日今日と移動してきた長大な三陸海岸が終わる。BRT、気動車に乗っているだけだったが、ようやくここまで来たのだと感慨深い。そして、鮫からは市街地を走るようになる。まわりの建物が高く密集してくると、八戸市中心部に一番近い本八戸に到着する。

 車窓 / 蕪嶋神社(陸奥白浜→鮫)

 鮫駅(青森県八戸市) / 12:30~31
 
 白銀駅(青森県八戸市) / 12:33~34
 

 陸奥湊駅(青森県八戸市) / 12:36~40

 小中野駅(青森県八戸市) / 12:42~43

 本八戸駅(青森県八戸市) / 12:46

 本八戸を出発して馬淵川を渡ると、右手から八戸臨海鉄道の線路が合流する。しばらく線路は併走していき、長苗代を過ぎると突然田園地帯に変わる。八戸が近づくと、右手に八戸臨海鉄道の DE10 牽引の貨物列車が止まっていた。この奥が八戸臨海鉄道と JR貨物の八戸貨物駅だ。

 長苗代駅(青森県八戸市) / 12:50

 車窓 / 八戸臨海鉄道(長苗代→八戸)

 終点の八戸駅(在来線)は第三セクターの青い森鉄道と JR東日本が共同使用しているが、青い森鉄道が駅業務を実施している。新幹線開業当時は在来線と新幹線の乗換え改札口が設置されていたが、新幹線の新青森延伸時(JR東北本線が青い森鉄道に移管)に閉鎖された。そのため一旦改札を出て自由通路を移動しなければならないので、新幹線と在来線の乗り換えには注意が必要だ。

 JR東日本/青い森鉄道 / 八戸駅(青森県八戸市) / 12:56 到着

 八戸線には観光列車として「TOHOKU EMOTION」が週末を中心に運転されている。久慈駅で接続している三陸鉄道リアス線も「観光」に力をいれた取り組みをしている。そのため、両線は鉄路として繋がっていることにも意味があると思う。鮫-久慈間の今後については、三陸鉄道にも影響していくだろう。
 久慈-八戸間には実証実験として、「高速バス」の運行が 2022年8月6日~2023年1月15日の期間限定で運行されている(昨年度も運行られた模様)。国の補助金を元に運行されているが、需要があれば正式に運行されることになるだろう。そうなると、八戸-久慈間の都市間移動の多くはバスになってしまうかもしれない。そうなると、益々厳しい状況になってしまうだろう。





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