大人の休日倶楽部パス北海道鉄道旅行
2015.1.22〜26

その2/2
寝台特急撮影(白石−苗穂) 北斗星乗車
2015.1.24〜26


ルート
 1/24 (土) (晴)
   (山花温泉〜遠矢〜釧路駅前)−釧路〜札幌
 1/25 (日) (晴)
   札幌駅前〜菊水上町〜札幌駅前/札幌〜小樽〜余市〜小樽〜札幌〜(北斗星)
 1/26 (月) (曇)
   (北斗星)〜上野〜東京〜新宿〜京王多摩センター/小田急多摩センター〜唐木田
宿泊
 札幌クレセントホテル (札幌市 / 1/24)
 「北斗星」車中泊 (1/25) 

1/24 (土)

 北海道三日目は、遠矢−釧路湿原間で「SL冬の湿原号」を撮影して、「スーパーおおぞら8号」で札幌まで移動する。当初はここにもう一泊して「SL冬の湿原号」の返しも撮影する計画を立てたが、翌日札幌市内で「カシオペア」と「北斗星」を撮影する計画に変更した。JR北海道公式HPをチェックすると、昨夜と同じように「SL冬の湿原号」の運休情報はない。
 暖かく美味しい朝食をとって、今日はのんびり出発する。コンビニの食料でぱっと朝食を済ませ早朝に出発することが多いので、こうしてゆっくり一晩を過ごし食事をとることができるのは非常に貴重だ。
 本日は素晴らしい青空が広がっているが、その分朝の冷え込みは強かったようだ。道路は凍結している部分も多く、運転には非常に気を遣う。交通量の少ない道路はつるつるの路面の場所もあるので、当然だが非常に危険だ。摩周国道から撮影場所に向かう道路の状況が心配だっが、きれいに除雪された幅広い道路だったので安心した。
 撮影ポイントに到着して構図をチェックしようとして驚いた、インカーブで一番目立つ場所に障害物が設置されている。他の場所での撮影は考えていたかったので、ここで構図を工夫して撮影することにした。構図を考えていると、背後からなにやら音がして排雪用のモーターカーがやってきた。定期列車は運休のためか遮断機はならない。珍しい光景だが、あいにくカメラはすべて車の中なので撮影することができなかった。

 釧網本線撮影 (遠矢−釧路湿原)
国道から分かれた道路はきれいに除雪されている
障害物があるがイン側から狙う

 通過予定時間の二時間半前なので一番乗りだったが、しばらくたつとぱらぱら撮影者が現れる。しかし、構図を確認して移動していく人もいて、最終的にこの場所では五人での撮影となった。最初は障害物を避けるためアウトカーブから撮影しようと考えたが、正面には日が回らないのでインカーブからワイド気味に撮影することにした。
 「SL冬の湿原号」は定刻にやってきて、ほぼ期待通りに撮影することができた。約6年前に撮影した「SLニセコ号」は207号機だったので、この171号機は初撮影となる。雪と蒸気と煙をたっぷり浴びて、体でもSLを楽しむことができた。

「SL冬の湿原号」 川湯温泉行き(摩周で運転打ち切り) / C11-171+14系客車4両+スハシ44形客車+DE15-2526

 撮影を済ませ、釧路駅近くのレンタカー店に車を返却する。「スーパーおおぞら8号」の発車まで1時間ほどあったが、駅近くには気の利いた食事をする場所もなく時間をもてあましてしまった。この時間になって、釧網本線は摩周まで、花咲線は厚岸までしか運行されていない。

 特急「スーパーおおぞら」8号 釧路 13:34 → 札幌 17:44

 特急「スーパーおおぞら」8号 釧路発、札幌行き

 JR北海道キハ283系気動車
 7両 (札幌運転所)

 釧路駅の待合室やコンコースは人であふれていたが、車内の乗車状況は、釧路からは4割程度、帯広からは6割程度の乗車率だ。

 釧路駅周辺で気に入った食事が取れるところがなかったので、本日も車内販売の駅弁とした。札幌行き限定の「幕の内弁当」を食べたかったが、あいにく「ザンギ弁当」しかなかった。「幕の内弁当」は帯広積み込みなのだろうか。ザンギとは北海道での呼称で、いわゆる唐揚げだ。唐揚げ弁当は好物だが、これはまあこんなものかといった感じだった。

厚内までは海に近いところを走る ワゴンサービスで購入した駅弁「ザンギ弁当」

 南千歳駅で多くの乗客が降車し、5割程度の乗車で札幌に到着した。平日なら帰宅ラッシュが始まる時間だが、土曜日なので混雑の感じが違う。
 札幌駅近くのホテルにチェックインして、札幌駅内にある「銀座ライオン」で夕食をとる。一人なので居酒屋などは敷居が高いが、勝手知ったる「銀座ライオン」なら気軽に食事ができる。なんといっても、エビス生ビールが飲めるのがいい。飲食店街を少し歩いたが、人気のある店入店待ちの行列ができている。
 明日は市内のポイントで「カシオペア」と「北斗星」を撮影して予定だ。明日は「カシオペア」の運行時刻が変更になっているが、日曜日なので早めに撮影地に行く予定だ。



1/25 (日)

 北海道四日目は、白石−苗穂間で「カシオペア」「北斗星」を撮影して、札幌17:12発の「北斗星」で東京に帰る。昨夜は少し降雪があったようだが、今日は素晴らしい青空が広がっている。本日は朝の時間に余裕があるのでホテルの無料朝食を食べて出発する。ここの朝食はパンとコーヒー等の質素なもので、最近の充実した朝食と比べると少し物足りない。
 札幌駅前ターミナルからJRバスに乗り、撮影ポイント近くのバス停まで移動する。苗穂駅から歩くとかなりあるので、事前に路線バスでのアクセスを調べておいた。バス停からは雪道を歩いて10分弱、心配していた線路脇に上る坂も踏み跡がつけられていた。
 早めに到着したつもりだが、先客として地元の人が一人撮影していた。挨拶をして、すぐ隣で撮影させてもらう。柵があり足場が狭いので収容人数は少ないが、積雪があり足場がかさ上げされているので撮影には都合がいい。その後撮影者がぽつぽつ集まり、最終的に6名での撮影となった。

 函館本線撮影 (白石−苗穂)
斜面には踏み跡がつけられていてアプローチは問題ない

 光線状態は逆光となるので、この素晴らしい晴天が恨めしい。しかし、時間がたつにつれ太陽の位置が移動し、「カシオペア」「北斗星」通過の時間には少し条件がよくなってきた。どちらも数分遅れでやってきて、無事撮影することができた。雪煙のため長編成がくねるように走り抜ける姿を収めることはできなかったが、雪国を疾走する姿は迫力があり大満足だ。しかし、残念ながら本日は「トワイライトエクスプレス」の設定がなかった。

快速「エアポート」101号 新千歳空港発、小樽行き
733系電車3000番台 / B-3201+B-3101編成 (6両)
寝台特急「カシオペア」 8009レ
DD51-1143 (重連) + E26系客車12両
特急「スーパーおおぞら」2号 釧路発、札幌行き
キハ283系気動車 / 7両
寝台特急「北斗星」 1レ
DD51-1100 (重連) + 24系25形客車12両

 札幌市内に戻り、ファーストフードで昼食とした。この後4,5時間時間が空くが、何も予定を入れていなかった。藻岩山にでも登ろうとも考えたが、乗り鉄ということでまだ乗ったことのない函館本線の小樽から先まで行くことにした。タブレット端末で列車の時刻をチェックすると、余市あたりまでなら問題なく往復できそうだ。

 快速「エアポート」121号 札幌 12:44 → 小樽 13:16

 快速「エアポート」121号 新千歳空港発、小樽行き

 JR北海道721系電車5000番台
 F-5102+F-5202編成 (6両/札幌運転所)

 次の小樽行きは721系の「快速エアポート121号」で、並んで何とか座ることができた。「快速エアポート」はロングシートの733系に置き換えが進んでいるが、転換クロスシートの721系の方が快適なのは間違いない。
 

 小樽へは数え切れないほど訪れているが、ほとんどが自動車による移動で、電車を利用したのは数回しかない記憶だ。高速バスの方が利用回数が多いと思う。高速道路(札樽道)は海岸から離れたところを通っているので、海沿いを走る部分のある函館本線からの車窓は新鮮だ。
 小樽駅では乗り換え時間に余裕があるので、みどりの窓口で帰りの「快速エアポート」のUシートの指定席券を発券してもらった。これで「大人の休日倶楽部パス」で利用できる指定席6個すべてを使用した。

 函館本線 普通 1942D 小樽 13:50 → 余市 14:13

 函館本線 普通 1942D 小樽発、倶知安行き

 JR北海道キハ150形気動車
 13号車+17号車 (苗穂運転所)

 倶知安行きの普通列車はキハ150形二両編成だ。キハ150形はJR東日本のキハ110形の北海道版といったもので、北海道の地域輸送の車両としては新性能の車両だ。
 入線した時点で車内はがらがらだったが、発車時間になると車内は満席で立っている人もいる。平日の日中なのに結構賑わっているなと思ったが、この理由は後でわかる。

 20分ほどの乗車で余市に到着、初めて乗車する路線だったので新鮮だった。余市でかなりの乗客が下車したが、その多くが観光客のようだ。余市駅は初めて下車する駅だが、駅前は何度か訪れたことがあるので初めてだという感動が湧かない。

 函館本線 余市駅

 折り返しの時間まで45分ほどあったので、駅の近くにあるニッカウヰスキー余市蒸留所に行くことにした。すると、なんと驚いたことに下車し観光客らしき人たちは行列を作って同じ方向に向かっている。真冬のこんな時期に観光客が大挙して押しかけるのかと疑問に思ったが、駅前の案内板などをみてこの理由がわかった。NHKの連続テレビ小説の影響だ。ドラマではフィクション仕立てになっているが、ニッカウヰスキーの創業者がモデルで、余市蒸留所がその立ち上げた場所なのだ。そのため受付が見学者であふれていたので、入り口のところでのんびり中を眺めるだけにした。

 ニッカウヰスキー余市蒸留所

 ウヰスキー工場を見学した多くの観光客が小樽方面に列車を使って移動すると思われるが、函館本線の気動車は二両編成と思われるので大混雑は必至だ。心配していたとおり、列車の時間が近づくと駅はどんどん人であふれてきた。こんなことなら早めに見切りをつけ、路線バスで小樽に戻ればよかったと後悔した。小樽までは路線バスの本数が多く便利だが、所要時間が長く特に積雪期は時間が読めない。

 函館本線 普通 2937D 余市 14:58 → 小樽 15:29

 函館本線 普通 2937D 長万部発、小樽行き

 JR北海道キハ150形気動車
 103号車(100番台)+12号車 (苗穂運転所)

 案の定二両編成のキハ150形は大混雑で、通勤列車とまではいかないがそれに近い状況だ。おまけに対向列車待避のため蘭島駅で7分間の停車があり、非常に不快な時間を過ごした感じだ。

 小樽駅での「快速エアポート160号」への乗り換え時間は5分だったので、指定席を確保していてよかった。余市からの観光客の多くはこの電車に乗り換え、自由席の方はだいぶ混雑しているようだ。

 快速「エアポート」160号 小樽 15:34 → 札幌 16:06

 快速「エアポート」160号 小樽発、新千歳空港行き

 JR北海道733系電車3000番台
 B-3101+B-3201編成 (6両/札幌運転所)

 733系はロングシートなので、どう考えても自由席に着席することはできなかっただろう。Uシートも札幌までは空席が多かったが、札幌から先の指定席券は売り切れだとアナウンスがあった。

 札幌駅に到着するとちょうど反対ホームに「カシオペア」が停車したので、急いでホームの端まで移動し、「カシオペア」を撮影して東京に向けて出発するのを見送った。「カシオペア」は8月までの運行は決まっているが、その先については不透明だ。いずれにせよ、北海道新幹線開業時に廃止になるのは間違いないだろう。

 函館本線 札幌駅
「カシオペア」は定刻に上野に向けて出発、日曜日のため非常に多くのギャラリーだ

 上野行き「北斗星」が4番線に入線してきたのは17:05、発車までは7分しかないのであわただしい。このホームには前後の時間に多少の余裕があるので、もう少し早めに入線して旅立つ気分を味わせてもらいたい。機関車先頭がホームぎりぎりなので入線するところを撮影したかったが、何せ人が多いのでまともに撮影できなかった。時間もないので、機関車の撮影はきっぱりあきらめた。


 寝台特急「北斗星」 札幌 17:12 → 上野 10:05 (1/26)

 寝台特急「北斗星」 札幌発、上野行き

 DD51 1100+1140号機 (JR北海道/函館運輸区) +
  24系25形客車11両+電源車(JR東日本/尾久車両セン
 ター+JR北海道/札幌運転所)

 今回乗車するのは前回同様5号車「ソロ」で、「オハネ25-551」JR北海道の車両だ。前回は二階(上段)だったが、今回は一階(下段)だ。荷物収納スペースを含め十分なスペースがあるが、二階の方が快適だと思う。視点が低いというマイナス点はさほど気にならないが、ベッドの上の張り出しが圧迫感がある。

 寝台券は完売で、満席だとのアナウンスがあった。開放B寝台だけではなくこの「ソロ」でも団体客が入っているようで、添乗員が大声で何度も行き来をしている。最後なので、当初は「グランシャリオ」のパブタイムで夕食をとも考えていたが、非常な混雑が予想されたのでデパ地下の弁当に変更した。案の定、この分では大混雑となるのは必至だ。長時間並んで相席に放り込まれてまで利用したいとは思えない。大きな計算違いは、大混雑のためワゴンサービスがやってくるまで2時間かかり、当てにしていた缶ビールを購入することができなたった点だ。
 函館駅で機関車の付け替えがあるが、今回は見ずにパスした。大変な混雑が予想されるので、凍結したホームを走るのは止めとした。今回は個室の中でゆっくり睡眠をとった。 


1/26 (月)

 郡山停車が近づくと車内放送が始まり、6時半から食堂車の営業と車内販売開始のアナウンスがある。だいぶ前から人が移動する気配があったので、食堂車には行列ができていることだろう。夜のパブタイム以上の混雑が予想されるので、最初から「グランシャリオ」での朝食はあきらめていた。
 しかし、ワゴンサービスの大混雑は予想以上だったので、当てにしていたサンドイッチを購入することはできなかった。5号車にワゴンサービスがやって来たのは8時半を過ぎていて、おまけにサンドイッチは売り切れになっていた。一応予備の食料と飲み物は用意しておいたので困ることはなかった。

宇都宮駅 (8:10−8:12) 大宮駅 (9:32−9:34)

 冬ダイヤで運行される「北斗星」は定刻に上野駅に到着した。長いようで短かった一晩の列車旅が終わった。「ソロ」は一晩を過ごすには十分快適だが、今回はいろいろな意味で人が多すぎた。トイレ、洗面所、車内販売など、満員の乗客だとやはり制約は大きかった。鉄道会社には申し訳ないが、空いている方がのんびりゆったり出来る。

 上野駅到着 (定刻:10:05) 

 「大人の休日倶楽部パス」の有効期限は今日いっぱいだが、結構疲れもたまっているので自宅への帰路につく。せっかくなので、東京までは新幹線の自由席に乗ってみる。全席指定の「はやぶさ」には乗車できないので、次にやってきた長野新幹線「あさま514号」に乗車する。

 長野新幹線 「あさま」514号 上野 10:27 → 東京 10:32

 長野新幹線 「あさま」514号 長野発、東京行き

 JR東日本新幹線E2系電車
 N-7編成 (8両) (長野新幹線車両センター)

 長野新幹線は3月のダイヤ改正で本来の北陸新幹線と呼び名が変わり、新型のE7系がどんどん増備されている。E2系はJR東日本新幹線の主力から退き、遠くない将来には少数の貴重な車両になってしまうのだろう。
 中央線快速 1043T 東京 10:27 → 新宿 10:32

 中央線快速 1043T 東京発、高尾行き

 JR東日本E233系電車
 T-42編成 (10両/豊田車両センター)

 通勤電車に乗り換え、今回の旅を終える。新宿からは京王線、小田急線と乗り継ぎ自宅に帰る。


 寝台列車に乗るために「大人の休日倶楽部パス」を利用した5日間の北海道旅行が終了した。昨年7月にも一週間の北海道旅行を堪能し「北斗星」にも乗車したが、冬の北海道は全然印象が違う。生命にもかかることなので装備に完璧さが必要だが、無理をしなければ冬の北海道は魅力的だ。
 肝心の寝台列車についてだが、「北斗星」「トワイライトエクスプレス」の営業終了を持って一つの時代が終了するといった感じだ。残る「トワイライトエクスプレス」「はまなす」も北海道新幹線開業までの灯火だ。新しい鉄道の時代を代表するクルーズトレインは、私には全く関係のない世界のものだ。



移動の記録

(1/24)
レンタカー
山花温泉 リフレ         8:03        出発  019q
鶴野パーキング          8:25〜8:32   休憩  030q
遠矢−釧路湿原のポイント     9:10〜11:51  撮影  049q
GS(釧路市幸町)       12:25〜12:27  給油  063q
オリックスレンタカー釧路駅前店 12:29        到着  063q(25,974q)

釧路駅 13:34 → 札幌駅 17:44        特急「スーパーおおぞら」8号

《札幌クレセントホテル》泊

(1/25)
JR札幌駅 8:25 → 菊水上町3条2丁目 8:39  JR北海道バス
菊水上町3条2丁目 11:36 → JR札幌駅 11:57 JR北海道バス
札幌駅 12:44 → 小樽駅 13:16        快速「エアポート」121号
小樽駅 13:50 → 余市駅 14:13        1942D
余市駅 14:58 → 小樽駅 15:29        2937D
小樽駅 15:34 → 札幌駅 16:06        快速「エアポート」160号
札幌駅 17:12 → 上野駅 10:05(1/26)  寝台特急「北斗星」

《「北斗星」車中》泊

(1/26)
上野駅 10:27 → 東京駅 10:32        長野新幹線「あさま」514号
東京駅 10:46 → 新宿駅 11:02        中央線快速1043T
新宿駅 11:09 → 京王多摩センター駅 11:38  京王線・相模原線「特急」
小田急多摩センター駅 11:48 → 唐木田駅 11:50  小田急多摩線「区間準急」




Camera : Nikon D7100 & Nikon1 J3
               



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