特急「北斗」89号 (函館→南千歳) 乗車記

国鉄キハ183系気動車


JR北海道/函館本線・室蘭本線・千歳線


2014.6.24


乗車列車  特急「北斗」89号 9089D 函館発、札幌行き
乗車区間  函館 14:13 → 南千歳 17:41
使用路線  函館(函館本線)長万部(室蘭本線)沼ノ端(千歳線)南千歳
車両  国鉄キハ183系気動車 / 208(函館運輸所)+不明+4558(苗穂運転所)+1503(苗穂運転所)

特急「北斗」について
 「北斗」は、JR北海道が函館-札幌間を函館本線・室蘭本線・千歳線経由で運行する特別急行列車。1994年3月1日の車体傾斜式車両であるキハ281系の投入以後は、従来のキハ183系気動車を使用する列車および臨時列車は「北斗」、キハ281系気動車やキハ261系気動車を使用する列車名を「スーパー北斗」として運転された。
 2018年3月17日ダイヤ改正ではキハ183系気動車が定期運用から離脱したことにより、全ての定期列車が「スーパー北斗」となったが、2020年3月14日のダイヤ改正で全列車が元の「北斗」に改称された。

特急「北斗」89号
 2014年 夏ダイヤ
 
        
発 
函館 14:13
五稜郭 14:18 14:18
大沼公園 14:37 14:37
14:57 14:57
八雲 15:19 15:19
長万部 15:40 15:41
洞爺 16:18 16:08
伊達紋別 16:22 16:22
東室蘭 16:40 16:42
登別 16:55 16:55
苫小牧 17:20 17:21
南千歳 17:41 17:41
新札幌 18:05 18:05
札幌 18:14

2023.8.12 作成


 大人の休日倶楽部パス(東日本・北海道)を利用して、2014年6月に北海道旅行に出かけた。道内に3泊して帰路は「北斗星」で東京に帰ってくる計画だったが、はやぶさ、スーパー白鳥を乗り継いで北斗に乗車中、父が死亡の連絡を受け取った。旅行は中断して新千歳空港から空路東京に戻った。苦労して計画を立てて切符などを調達したので非常に残念だったが、当然それどころではなかった。結果として、強行北海道日帰り旅行となった。
 旅行初日は恵庭に宿泊予定で、函館から南千歳まで特急「北斗89号」に乗車した。南千歳で千歳線の普通電車に乗り換えて、恵庭まで移動予定だった。函館-札幌間は学生時代の北海道旅行で、キハ82系「北斗」とキハ183系「おおぞら」に乗車した。その後、キハ281系「スーパー北斗」にも乗車したことがある。

 JR北海道 / 函館駅(北海道函館市) / 14:13 発車

 函館-札幌間の特急列車は、昨年のエンジントラブルによりキハ183系の多くの車両が運用できない状態になっていて、特別ダイヤを組んで運行されている。キハ183系で運行される定期列車の「北斗」は最高速度 120㎞ となっているが、120㎞(130㎞)対応の車両の大半が使用できない状態になっている。そのため、定期列車の「北斗」を運休として、その代わりに最高速度 110㎞ の臨時「北斗」を毎日運行するダイヤになっている。所要時間は函館-札幌間で 10~20分多くかかっている。
 乗車する「北斗89号」は「北斗9号」が運休となっているため臨時列車ということで毎日運行されている。グリーン車なしのキハ183系4両編成だ。寄せ集めの編成で、基本番台が含まれているので最高速度は 110㎞ と思われる。

 特急「北斗」89号 9089D 函館(14:13)発、札幌(18:14)行き
 
国鉄キハ183系気動車 / 208(函館運輸所)+不明+4558(苗穂運転所)+1503(苗穂運転所)

 1本前の「スーパー北斗7号」に乗り換えることも出来たが、懐かしいキハ183系に乗車するためわざわざ「北斗89号」を選んだ。座席はリニューアルされているとはいえ、新型の車両の座席と比べると快適さは大きく劣る。ディーゼル特有の振動や轟音を期待していたが、思っていた以上に静かで快適だ。
 下り特急列車は、七飯-大沼間を藤城支線経由で運行されているが、2016年3月の北海道新幹線開業時には本線経由に変更になる。本線上にある渡島大野駅が新函館北斗駅に改称して、新幹線停車駅になるためだ。

 車窓 / 駒ヶ岳(駒ヶ岳→東山(2017.3.4廃止))

 素晴らしい晴天で、駒ヶ岳の眺めが素晴らしかった。大沼手前では左手に見えるが、大沼公園を過ぎると右手に変わる。見る場所により全く形が違うが、とこから見ても素晴らしい山だ。

 森駅(北海道茅部郡森町) / 14:57

 森から噴火湾沿いを走るようになる。線路は噴火湾をぐるりと3/4回るようになっていて、噴火湾の向こうに室蘭方面を望むことが出来る。

 車窓 / 内浦湾(噴火湾)(森→桂川(2017.3.4廃止))

 この後実家から連絡があり、前述の理由で急遽東京に引き返さなければならなくなった。長万部で降りて折り返しても今日中に東京に帰ることが出来ないので、新千歳空港から飛行機を利用して帰ることにした。急いでタブレットPCを使って予約をしたが、今夜のことなので JAL便の正規運賃しか空席はなく、かなり高い運賃を支払うことになった。

 車窓 / 内浦湾(噴火湾)(山崎→黒岩)

 長万部あたりまで来ると沿線でカメラを構えている人が散見され、上り「トワイライトエクスプレス」を撮影する人達だと予想される。本州と北海道を結ぶ寝台列車は北海道新幹線開通時までには廃止されるのは間違いないので、これから撮影者はどんどん増え続けるのだろう。
 南千歳下車は計画通りだったが、ここで新千歳空港行きに乗り換えることになった。まさか、とんぼ返りになるとは夢にも思わなかった。

 JR北海道 / 南千歳駅(北海道千歳市) / 17:41 到着

 キハ183系による「北斗」は順次キハ261系1000番台により「スーパー北斗」に置き換えられていき、2018年3月17日のダイヤ改正で定期運用を離脱した。また、キハ281系(一部キハ283系)で運行されていた「スーパー北斗」も順次キハ261系1000番台に置き換えられていき、2022年10月1日をもって「北斗」(旧称・「スーパー北斗」)はキハ261系1000番台に統一された。
 キハ261系1000番台は北海道内各地の主要都市間特急列車向けに大量増備され、「今後のJR北海道における都市間特急の主力車両」として位置づけられている。2014年8月から車体傾斜装置の使用は停止されていて、その後、車体傾斜制御装置は撤去された。(2015年度以降に製造された車両は当初より搭載されていない。)JR北海道の厳しい経営環境のためコストダウンが最優先となり、都市間特急列車の高速化は遠い昔の話となってしまった。
 2030年度末に北海道新幹線の札幌延伸が予定されているが、その時には「北斗」は廃止になることが予想される。函館本線の函館-長万部-小樽間が JR北海道から経営分離されることは決まっていて、函館-札幌間の移動は新幹線に取って代わられることになる。室蘭本線の長万部-室蘭間に特急が運行されるかどうかはわからないが、そこまでの需要はないように思われる。新幹線に接続したリレー快速などが運行されるのではないだろうか。



函館本線(函館-長万部間)について
 北海道新幹線の新函館北斗-札幌開業時に経営分離される、函館本線の函館-小樽間がバスに転換することが決まった。最後まで余市町が余市-小樽間を第三セクター鉄道での存続を主張したが、2022年3月26日に北海道と小樽市、余市町がバス転換で合意し、同年3月27日の沿線9自治体と北海道との協議で長万部-小樽間の廃止・バス転換が決定した。
 函館-長万部間については、沿線自治体の多くが旅客路線としては大部分を廃線、並びにバス転換したい意向を示していた。しかし、同区間は北海道と本州間を結ぶ貨物列車が運行していて、これをどうするかが問題として残った。国土交通大臣はこの問題について、沿線自治体による並行在来線の存廃協議とは別に国土交通省(国)・北海道庁・JR貨物・JR北海道の4者で協議する機会を設ける方針を2022年9月に発表した。
 2023年7月26日、前述の4者が札幌市内で開いた協議会において、該当区間における鉄道貨物機能を維持する方針を確認した。これにより、新幹線延伸に伴う並行在来線では初めて貨物専用路線として残る可能性が高くなった。

 特急「北斗」の写真
2008/10/30 函館本線・苗穂-白石間 (「北斗」8号)

2014/7/11 室蘭本線・静狩-長万部間 (「北斗」89号)

2017/1/29 千歳線・島松-北広島間 (「北斗」3号)

2018/2/21 室蘭本線・黄金-崎守間 (「北斗」88号)



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