百里基地航空祭 2007

2007年9月9(日)


開催日時
2007年9月9日(日)
場所
航空自衛隊百里基地(茨城県小美玉市百里170)
概要
 航空自衛隊百里基地で例年8月〜10月に行われる航空祭。ただし、航空観閲式が行われる年は実施されない。
 首都防衛を任務とする航空自衛隊の航空基地で、首都圏近郊では唯一の戦闘機が配備されている。

9/9 曇時々晴

 茨城県にある航空自衛隊百里基地の航空祭に出かける。航空祭に出かけるのは、5月の静浜基地、8月の千歳基地に続いて三度目だ。首都圏で唯一の戦闘機部隊を有する基地での航空祭なので、是非行こうと思っていたが、噂に聞く道路の大渋滞が気がかりだった。陸の孤島のような立地条件なので、自動車の他に交通手段はない。電車を使って行くと、始発に乗っても石岡駅到着は8時になってしまう。ツアーバスも考えたが、結局車で行くことにする。今年から「パーク&ライド」方式ということで、基地から離れて所に駐車場を確保し、シャトルバスで会場に移動する方式が導入された。これは基地内駐車場は狭くなったための措置だが、これにより基地周辺の渋滞は減少すると考えた。

 仕事から帰り仮眠をとり、カーナビをセットして午前3時半に妻の運転で自宅を出発。早朝なので中央道、首都高、常磐道とも順調で、千代田パーキングエリアで休憩を取る。まだ5時なのに駐車場はほぼいっぱいで、パーキングエリア内のファミリーマートもそれなりの人で賑わっている。この賑わいは通常なのか、それとも百里基地航空祭の影響なのだろうか。車の中で食事を済ませ、希望ヶ丘駐車場に向かって出発する。
 常磐道を千代田石岡インターで降り、国道6号線を石岡市街に進む。まもなく国道6号線が渋滞気味になり、もう渋滞しているのかと思ったが、国道355線にそれると交通量は減る。その先、県道52号線は拍子抜けするほど順調で、6時前に無事千代ヶ岡第1駐車場に到着する。
千代ヶ岡第1駐車場のバス待ちの列

 500台駐車可能という希望ヶ丘第1駐車場は、4割程度が埋まっているようだ。しかし、シャトルバス待ちの長い行列が出来ている。
 シャトルバスは6時10分過ぎ頃到着したが、実際に乗車を始めたのは予定の6時半からだ。シャトルバスは8台で、このバスがピストン運行するようだ。私達は無事に7台目のバスに乗ることができたが、最後のバスに乗れない場合かなりの時間待たなければならないだろう。
 バスは順調に百里基地に向けて走っていたが、基地の少し手前で渋滞に巻き込まれてしまった。30分くらい牛歩のようなペースで、この分では歩いた方が早いんじゃないかといらいらしていると、何とか8時過ぎに基地正門にたどり着くことが出来た。こうしてみると、どういう基準で駐車券を配っているのかわからないが、基地正門からの駐車場に入る車も結構多い。これが渋滞の原因だ。
 今回は戦闘機の離着陸を見たいと思っていたので、メイン会場の手前の基地南側の滑走路沿いに陣取る。会場到着が遅くなってしまったので最前列はいっぱいだが、何とかその後ろを確保することが出来た。そうしているうちにも続々人が増えてきている。場所を確保してほっとしていると、頭上を天候調査のT-4が通過していく。このT-4の離陸には間に合わなかったが、オープニングフライトには間に合った。
 すぐに、目の前をオープニングフライトのF-15とRF-4EJが滑走路に向かってタキシングしていく。ランウエイを確認していなかったが、今日は絶好の見学位置となりそうだ。

バスを降りて基地内を会場に移動する
オープニングフライトに向けてタキシングするF-15JとRF-4EJ

 外来のU-125の着陸を待って、F-15J、RF-4EJの順に離陸する。ちょうど目の前が離陸ポイントで、その迫力に驚かされる。千歳基地の時は滑走路が遠く、離着陸ポイントは見学位置から離れていた。オープニングフライトの2機が航過飛行を行うのは9時過ぎなので、航空祭会場のエプロンを見学に行く。
 もうエプロンは多くの人で賑わっていて、滑走路沿いは何重にも人やシートが並んでいて近づくことも難しい。会場中央の基地所属機を眺めていると、エプロン北側からジェットエンジン音が聞こえ、RF-4Eが離陸のため滑走路に向かうとアナウンスがある。エプロン探検は中止し、先ほど確保した席に急ぐ。ちょうどその時、CH-47Jが南側から近づいて着陸した。

オープニングフライト(航過飛行 F-15・RF-4・T-4)
離陸する第305飛行隊のF-15J
離陸する第501飛行隊のRF-4EJ
頭上を低空で通過する第501飛行隊のRF-4EJ
天候調査を兼ね着陸する第204飛行隊のT-4

 始発のシャトルバスが到着したばかりで会場のエプロンはがらがらだが、滑走路側最前列のロープ際はレジャーシートや椅子で場所取りされている。ブルーインパルスの前などは埋まっているが、この時間ならまだロープ際も確保できそうだ。雨の方はぱらぱら降っているので、傘を差しながら地上展示機を見て回る。ほとんどの展示機はどこかの基地で見たことのあるものだが、いろいろな形で展示してある地元のF-15は近くで見ると迫力がある。そして、ブルーインパルスが目の間に並ぶのを見るのは初めてだ。そして、その隣には、静浜でその素晴らしい機動飛行を披露してくれた米空軍デモチームのF-16が並んでいる。そして地上展示機で始めて見るので楽しみにしていたのは、F-2、F-4EJ,RF-4Eの3機だ。そのほかパトリオット、短SAMや無線中継車両など、地上展示品にも見るものは多い。
 先ほどの席に戻った時には、既に戦術偵察のデモに向かうRF-4E2機は滑走路で離陸を待っているところだった。まもなくRF-4Eは2機編隊で離陸していった。ここからの離陸ポイントはエプロン正面になり、ここからだと離陸は少し遠くなってしまった。天候の関係でオープニングフライトは中止になったようで、RF-4EJが低空通過しただけで、F-15J、RF-4EJ、T-4(天候調査を兼ねた?)の順に着陸した。
 会場のアナウンスと共に、戦術偵察のRF-4Eが戻ってきた。基地上空で旋回し、様々な機動を私達に見せる。意外と派手に動き回って観客を楽しませる。湿度が高いせいか、派手にペイパーを引いている。この機動飛行中に航空祭会場を撮影していて、後でその写真を公開するそうだ。

戦術偵察(RF-4)
2機で離陸するRF-4E
派手な機動飛行を見せるRF-4E

 次のイベントはF-15とRF-4による航過飛行だ。目の前のタキシーウェイを10機のF-15J/DJと5機のRF-4EJが滑走路に向かって移動していく。その迫力にまず驚かされる。さらに、F-15J/Dは2機ずつ(1度は1機)離陸して、そのまま高度を上げていく。RF-4EJは1機ずつの離陸だったが、合計14機に離陸を目の前で見ることが出来て感激だ。F-15J1機は予備機のようで、14機に離陸を見届けてタキシーウエイを戻っていく。
 しばらくして、F-15J/DとRF-4EJが2機ずつの編隊で、基地上空を通過していく。あらゆる方向からやって来るので、基地のアナウンスが聞き逃せない。低空通過の迫力に感激していると、「天候の関係で異種大編隊飛行は中止」とのアナウンスがある。14機での大編隊飛行を楽しみにしていたので残念だが、これだけの航過飛行でも十分満足だ。着陸は、F-15J/DJは4,3,2機で基地上空に進入して、頭上でブレイクして着陸態勢に入っていく。また、RF-4EJも3,2機と、同じようにブレイクして着陸態勢に入っていく。

航過飛行(F-15・RF-4)
F-15J 10機とRF-4EJ 5機がタキシングしていく
F-15J 1機を残して全機離陸
F-15Jは2機編隊で頭上通過
RF-4EJも2機編隊で頭上通過
F-15Jは4,3,2機でブレイクして着陸
RF-4EJは3,2機でブレイクして着陸

 9機のF-15と5機のRF-4の着陸が終わると、次はU-125AとUH-60Jによる捜索救難展示だ。千歳基地航空祭の時は悪天候のためUH-60J救難ヘリコプターだけによる救難展示だったが、今回はU-125Aが捜索してUH-60Jが救難する展示だ。救難活動中U-125Aが警戒のため旋回するのを見るのは初めてで、地味な展示だが見逃せない。また、百里救難隊のUH-60Jは、実戦向きに洋上迷彩塗装されたものだ。

捜索救難(U-125A・UH-60J)
捜索に向かうU-125A救難捜索機
救難に向かうUH-60J救難ヘリコプター
救難活動中のUH-60J
救難活動中は警戒のため旋回を行うU-125A

 次の展示はF-2Aによる模擬対地爆撃及び対空機関砲VADSによる模擬対空射撃だ。千歳基地航空祭の時は悪天候のため地上攻撃のF-15は飛ばず、VADSが何もいない空に向かって砲撃していた。低空進入してきたF-2Aはあっという間に通り過ぎ、私のいる位置からはVADSが見えないので、その独特な音だけで応射しているのがわかる。F-2Aはそのまま機動飛行展示に移る。湿度が高いせいか派手にベイパー引きながら迫力ある飛行を楽しませてくれる。当然のことだが、その機動力は迫力はRF-4の比ではない。

対地射爆撃(F-2A)
離陸するF-2A支援戦闘機
対地爆撃後は機動飛行にはいる
機動性を生かして派手な機動飛行を披露

 午前中最後の飛行展示は、エアロック・エアロバティックチームによるPitts S-2Bの飛行だ。静浜基地航空祭の時はスピーカーの前でうるさくて飛行に集中できなかった。しかし、今回は青空が広がる中、素晴らしい飛行を堪能できた。どうしてこんなことが出来るのかという曲芸飛行で、ジェット戦闘機とは全く違った意味での迫力と緊張感がある。

AIR-Rock チーム(Pitts S-2B)
新塗装になった Pitts S-2B
スピードではF-2Aに及ばないが、素晴らしい曲芸飛行を披露

 午後の展示飛行まで1時間の休憩があり、軽く食事とする。売店の混雑は想像に難くないので、食料と飲み物は十分用意してある。直射日光の下で気温がどんどん上がりかなり暑いが、冷たい飲み物を十分用意してきたのでそんなにつらくない。後で聞いた話だが、この暑さで売店の飲み物は既にどこも売れ切れになってしまったということだ。おなかを満たし、エプロン地区へ地上展示機を見に行く。基地所属のF-15やRF-4は当然多数展示されているが、外来機は米軍機の飛来もなく寂しい。会場はものすごい人だが、基地自体が広いので、5月の静浜基地のような混雑は感じない。しかし、売店エリアはものすごい人で、近づく気にはならない。
 午後の展示はF-15によるデモスクランブル&機動飛行から始まる。展示場所となっている管制塔前のエプロンにパイロット達が待機し、スクランブル発進を知らせるベルと共に急ぎF-15に搭乗し緊急発進する。しかし、当然私の場所からは何も見えず、そのうちスクランブル発進する2機のF-15Jがタキシングしてきて離陸した。千歳基地航空祭の時は訓練用ミサイルで武装(?)していたが、ここでは丸腰だ。
 離陸したF-15Jは、そのまま機動飛行にはいる。F-2Aより機体が大きく推力も大きいので、より迫力がある。水平旋回、急上昇、横ひねり旋回など、その迫力には驚かされる。さすが地元での機動飛行で、力の入り方も違うのだろうか。

デモスクランブル&機動飛行(F-15J)
2機のF-15Jが派手な機動飛行を披露
第305飛行隊の842号機と902号機
湿度が高いせいか派手にベイパーを引いている

 最後はブルーインパルスの展示飛行で、この時間になると人の混雑も暑さもピークだ。天気の方も青空の部分が多くなり、第1区分が行われるかと思ったが、途中で第3区分(?)に変更になったようだ。しかし、青空の下で見るブルーインパルスは素晴らしい。千歳基地航空祭の時は航過飛行のみの展示だったので、その分も併せて楽しむことが出来た。

ブルーインパルス
ダイヤモンド・テイク・オフ&ダーティ・ターン  (1−4番機)
チェンジ・オーバー・ターン (1−5番機)
インバーテッド&コンティニュアス・ロール (5番機)
フォー・シップ・インバーテッド (1−4番機)
オポジット・トライアングル (1−6番機)
デルタ・ターン  (1−6番機)

 ブルーインパルスの飛行が終了して、午後2時半で航空祭は終了となる。ほとんどの観客は会場を後にするが、私達は外来機の帰投を楽しみにしていたので、場所を移動して帰投風景を楽しむ。残念ながら、松島基地周辺天候不良のため、ブルーインパルスは帰投しないとのことだ。

エプロンでは外来機の帰投準備が始まる

 しかし、入間基地に帰るU-4は離陸後滑走路に再侵入して、観客に翼を大きく振って挨拶してくれた。また、三沢基地に帰るF-2Aは1機はアフターバーナーを点火しハイレートクライムを披露し、もう1機は翼を振って帰って行った。

外来機帰投
CH-47J輸送ヘリコプター(入間基地)
T-400輸送機・救難機等基本操縦練習機(美保基地)
C-1中型輸送機(入間基地)
U-125飛行点検機(入間基地)
U-4多用途支援機(入間基地)は離陸後滑走路に再侵入、大きく翼を振って挨拶
F-2A支援戦闘機(13-8517) (三沢基地)は離陸後ハイレートクライム
F-2A支援戦闘機(13-8514) (三沢基地)は離陸後翼を振りながら上昇

 F-2Aの帰投を見送り、千代ヶ岡第1駐車場行きのシャトルバス乗り場に急ぐ。すると、ものすごい長蛇の行列が出来ていて、エプロン地区の裏まで伸びている。しかし、これは石岡駅行きのシャトルバスに乗る行列で、私達の乗るシャトルバスの砲の行列はたいしたことなかった。シャトルバスは順調で、その先千代田石岡インターの入り口の手前で少し渋滞したが、心配していたほどひどい渋滞ではなかった。常磐道についても、通常の週末の渋滞といったところだった。

百里基地管制塔 (航空祭終了後/14:45撮影)
正面ゲート近くにあるF-104Jとシャトルバス待ちの行列

 基地周辺の渋滞を心配していた航空祭だったが、道のりは意外と順調だった。今回はF-15やRF-4の離着陸を楽しもうと考えたが、期待以上の迫力に感激した。やはり、飛行機の魅力は、飛行しているのを見ることだ。今回実感したのは、十分な準備がないと苦労するということだ。この暑さの中飲み物の用意をしていなかったら大変なことになってしまっただろう。自宅からの移動もそんなに大変ではないので、来年も是非訪れたい航空祭だ。

地上展示機
CH-47J輸送ヘリコプター(航空自衛隊・入間基地)
U-125飛行点検機((航空自衛隊・入間基地)
T-400基本操縦練習機(航空自衛隊・美保基地)
F-15J要撃戦闘機(42-8842) (百里基地・第305飛行隊)
F-15J要撃戦闘機(82-8902)(百里基地・ 第305飛行隊)
F-15J要撃戦闘機(42-8950)(百里基地・ 第305飛行隊)
Pitts S-2B(JA11AR)・・・AIRock Aerobatic Team
C-1中型輸送機(航空自衛隊・入間基地)
U-4多用途支援機(航空自衛隊・入間基地)
F-2A支援戦闘機(13-8517) (航空自衛隊・三沢基地)
F-2A支援戦闘機(13-8514) (航空自衛隊・三沢基地)
UH-1J多用途ヘリコプター(陸上自衛隊・立川駐屯地)
OH-6D観測ヘリコプター( 陸上自衛隊・立川駐屯地)
U-125A救難捜索機(百里基地・百里救難隊)
T-7初等練習機(航空自衛隊・静浜基地)
F-15DJ要撃戦闘機(62-8089)(百里基地・ 第204飛行隊)
F-15J要撃戦闘機(22-8805)(百里基地・ 第305飛行隊)
F-15J要撃戦闘機(72-8963)(百里基地・ 第204飛行隊)
RF-4EJ偵察機(57-6371)(百里基地・ 第501飛行隊)
RF-4E偵察機(57-6913)(百里基地・ 第501飛行隊)
T-4中等練習機(16-5673)(百里基地・ 第204飛行隊)
T-4中等練習機(96-5770)(百里基地・ 第305飛行隊)
UH-60J救難ヘリ(18-4551)(百里基地・ 百里救難隊)



当日の移動

自宅             3:35        000q(14,053)
中央道国立府中IC      3:53        011q(14,064)
首都高永福料金所       4:07        031q(14,084)
常磐道三郷料金所       4:34        071q(14,124)
常磐道千代田PA       5:00〜5:34   117q(14,170)
常磐道千代田石岡IC     5:37        122q(14.175)
希望ヶ丘第1駐車場      5:52        131q(14,184)

シャトルバス
希望ヶ丘第1駐車場 6:52 → 8:05 百里基地
百里基地 16:12 → 16:54 希望ヶ丘第1駐車場

希望ヶ丘第1駐車場     16:58        131q(14,184)
セブンイレブン石岡行里川店    17:03〜17:12  133q(14,186)
常磐道千代田石岡IC    17:52        143q(14,196)
常磐道三郷料金所      18:42        194q(14,247)
首都高八潮料金所      18:53        202q(14,255)
中央道三鷹料金所      19:46        241q(14,294)
中央道国立府中IC     19:54        255q(14,308)
ベルクグリーンウォーク店      20:13〜20:29  265q(14,318)
自宅            20:35        266q(14,319)




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