JR西日本/因美線(東津山→鳥取) 乗車記

2023.3.16


乗車区間  (津山 15:14 →) 東津山 → 智頭 16:23 (680D)
 智頭 16:45 (定刻16:27) → 鳥取 17:45 (定刻17:29) (638D)
 
 
乗車列車  普通 680D 津山発、智頭行き
 普通 638D 智頭発、鳥取行き
車両  JR西日本キハ120形気動車300番台 / 343(1両/後藤総合車両所岡山気動車支所)(680D)
 智頭急行HOT3500形気動車 / 2+8(2両/智頭急行/大原車両基地)(638D)

因美線・路線図

因美線について
 因美線は鳥取県鳥取市の鳥取駅から岡山県津山市の東津山駅を結ぶ 70.8㎞の地方交通線。正式には東津山駅が終点だが、すべての列車が津山駅まで乗り入れている。起点の鳥取駅で山陰本線に、終点の東津山駅で姫新線に接続している。かつては全線が津山線とともに岡山と鳥取を結ぶ陰陽連絡路線の役割を果たしていた。しかし智頭急行の開業後、鳥取と岡山を結ぶ列車が智頭急行智頭線を経由するようになり、陰陽連絡の役割は智頭線経由の列車が走る智頭駅以北のみとなり、智頭駅以南はローカル輸送が中心になった。その、智頭-東津山間は  JR西日本が公表した「輸送密度2,000人以下」路線30線区に含まれていて、2019年の輸送密度は 179人となっている。
営業距離   70.8㎞
  (鳥取-智頭  31.9㎞)
  (智頭-東津山 38.9㎞)
電化・非電化 全区間直流電化
2019年度輸送密度   1,685人
  (鳥取-智頭 3,521人)
  (智頭-東津山 179人)
単線・複線 全区間単線

2023.5.28 作成


 2022年2月にJR西日本が公表した「輸送密度2000未満」30線区リストに載っている、近畿地方(一部はみ出る)の路線に乗車する二泊三日の旅に出かけた。関西本線(亀山-加茂)、因美線(東津山-智頭)の2線をターゲットにして、往路は JAL のマイルを使って高松まで飛行機を利用した。高松から先は18きっぷだけで東京まで移動した。
 高松に飛行機で入った旅行初日に、瀬戸大橋線と津山線を乗り継いで津山まで移動した。津山駅を訪れるのは三度目で、最近は一年前に訪れた。津山からは今回の旅の目的のひとつの因美線に乗車した。因美線には41年前に乗車したメモがある。その時は鳥取発、因美線、津山線経由の岡山行き普通気動車に全区間乗車したとなっている。しかし、大昔のことなので因美線の智頭-東津山間は初乗車と考える。鳥取-智頭間は、6年前に「スーパーはくと」に乗車して通過した。

 JR西日本 / 津山駅(岡山県津山市) / 15:14 発車

 津山まなびの鉄道館を見学の後、津山駅に戻り、早めにホームに向かう。列車はまだ入線していなかったが、ぱらぱら乗客が集まってきた。智頭行き 680D は 15:05 に回送で入線した。車両はキハ120形300番台・一両で、ボックスシートを確保した。出発までに7割くらいの座席が埋まり、うち何人かは同業者のようだ。

 姫新線/因美線 普通 680D 津山(15:14)発、智頭(16:23)行き
 
JR西日本キハ120形気動車300番台 / 343(1両/JR西日本/後藤総合車両所岡山気動車支所)

 次の東津山駅でも多くの乗車があり、座席はほぼ埋まり立っている人も現れた。乗客の半分くらいは高校生だ。それなりの需要があるようだが、前の列車から4時間近く空いている。キハ120形・一両で対応できるなら、バス転換も現実的だと感じる。
 東津山駅を発車すると姫新線を右手に分け初乗車となる因美線にはいる。東津山駅から二つ目の美作滝尾駅は 1928年の開業当時から残る駅舎があり 2008年11月に登録有形文化財に登録された、と津山まなびの鉄道館に案内されていた。映画「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の冒頭シーンの撮影に用いられたそうだ。その駅舎を是非見てみたかったが、停車時間が無いので車内から眺めることしかできなかった。
 その二つ先の美作加茂駅でほとんどの高校生達が降り、乗客は13人となった。また二つ先の美作河井駅にも 1931年の開業当初からの駅舎が今も現役で使用されて、かつての手動転車台が残されているとのこと。これも鉄道館に案内があったが、転車台は反対側だったので確認できなかった。
 終点智頭駅には定刻に到着、下車したのは9人だった。この区間の沿線の眺めは特別なものはないが、なぜかほっとする山間の風景だった。

 JR西日本/智頭急行 / 智頭駅(鳥取県八頭郡智頭町)
             / 16:23 到着(乗り換え)16:45 (定刻 16;27)発車

 智頭駅では5分の乗り換え時間で、鳥取行き普通列車に乗車する。同一ホームでの乗り換えだったので、慌てる必要は無かった。車両は智頭急行の HOT3500形・二両編成だった。既に乗車している人もいたが、各ボックス席1人くらいの乗車率だった。鳥取県に入った頃から降り出した雨は少し強くなってきたようだ。
 定刻になっても発車しないのでどうしたのかと思っていると、遅れている「スーパーはくと」の待ち合わせをすると案内があった。JR神戸線内でのトラブルのためダイヤが乱れていて、その影響で遅れているようだ。「スーパーはくと7号」の智頭駅到着は定刻 15:22 なので、1時間以上遅れていることになる。

 因美線 普通 638D 智頭(定刻 16:27)発、鳥取(定刻 17:29)行き
 
智頭急行HOT3500形気動車 / 2+8(2両/智頭急行/大原車両基地)

 大幅に遅れている「スーパーはくと7号」を先に行かせ、638D は18分遅れの 16:45 に発車した。まだ日没には少し時間があるが、山間で雨が降っているので辺りは暗くなってきた。そのため景色を楽しむことができないので、少し寝てしまった。鳥取駅には16分遅れの 17:45 に到着した。

 JR西日本 / 鳥取駅(鳥取県鳥取市) / 17:45 (定刻 17:29)到着

 今回は未乗車区間を含む因美線の全線を乗り通したが、「輸送密度2,000人以下」路線30線区に含まれていている「智頭-東津山」間についての先行きは不透明だ。それなりの乗客がいたというのが印象だが、どうしても鉄道でなければならないかはなんとも言えない。国土交通省が設置した有識者などでつくる検討会は 2022年7月に、「輸送密度」が 1000人未満の区間などを対象にバスなどへの転換も含め、協議を進めるべきとする提言した。「東津山-智頭」間についてはこの対象にも含まれることになる。





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