JR東日本/石巻線(石巻→女川→小牛田) 乗車記

2022.12.1


乗車区間  石巻 12:23 → 女川 12:49 (1633D)
 女川 13:21 → 小牛田 14:30 (1634D)
乗車列車  普通 1633D 小牛田発、女川行き
 普通 1634D 女川発、小牛田行き
車両  JR東日本キハ111,112形気動車200番台/111-219+112-219(2両/小牛田運輸区)(1633D)
 JR東日本キハ111,112形気動車200番台/112-219+111-219(2両/小牛田運輸区)(1634D)

石巻線・路線図

石巻線について
 石巻線は、宮城県遠田郡美里町の小牛田駅から宮城県牡鹿郡女川町の女川駅を結ぶ、JR東日本の地方交通線。2011年3月11日に発生した東日本大震災では、地震や津波の被害を受け、全線にわたり不通となった。順次復旧したが、全線が復旧したのは 2015年3月21日だった。
 JR東日本が 2022年7月に公表した、2019年度に輸送密度 2,000人未満だった 35路線66区間のなかに石巻線(全区間)が含まれていて、1,193人となっている。
営業距離  小牛田-女川 44.7㎞ 電化・非電化   全区間非電化
2019年度輸送密度  小牛田-女川 1,193人 単線・複線   全区間単線

2023.6.1 作成


 「大人の休日倶楽部パス」を利用して、JR東日本の東北エリアの未乗車区間に乗車する二泊三日の旅に出かけた。未乗車区間の内、花輪線と米坂線は8月の集中豪雨の被害で一部区間が不通のままで、陸羽西線は「高屋道路」のトンネル建設関連工事のため 2024年度中の工事終了まで全線で営業休止となっている。福島県内の路線は後回しとして、奥羽本線(福島-大曲)、北上線、仙石線(あおば通-高城町)、石巻線(石巻-女川、前谷地-小牛田)、陸羽東線、左沢線、仙山線の全てに乗車した。利府線(東北本線支線)も未乗車だが、今回は無理して計画には入れなかった。今回の旅行は観光などは一切しないで、三日間ひたすら列車に乗車した。
 横手市内に宿泊した旅行二日目に、北上線、東北新幹線、仙石線、を乗り継いで石巻まで移動した。石巻からは石巻線に乗車して、終点の女川に向かった。女川では折り返し小牛田行きに乗車して、起点の小牛田まで乗車した。石巻線は、昨年9月に石巻から前谷地まで乗車したことがある。

 JR東日本 / 石巻駅(宮城県石巻市) / 12:23 発車

 仙石線に乗って到着した石巻駅には三陸地方を旅行した1年前に訪れていて、その時には石巻線上り列車に乗車して前谷地に向かった。前谷地からは気仙沼線に乗り換えたので、石巻線の未乗車区間は、小牛田-前谷地、石巻-女川間だ。
 女川行き 1633D はキハ111,112形二両編成で、3番線に入線していた。この列車は小牛田始発で、石巻で10分の停車時間がある。座席は半分近くが埋まっていて、ボックス席に座ることは出来なかった。

 石巻線 普通 1633D 小牛田(11:36)発、女川(12:49)行き
 
JR東日本キハ111,112形気動車200番台 / 111-219 + 112-219(2両/JR東日本/小牛田運輸区)

 石巻からしばらくは海は見えないが、沢田を過ぎると右手に万石浦に沿って進むようになる。万石浦は海跡湖ということで海と繋がっていて、海苔や牡蠣の養殖が盛んのようだ。

 車窓 / 万石浦(沢田→浦宿)

 終点のひとつ手前の浦宿駅は万石浦沿いにある。駅舎など無い、ホームだけの小さな無人駅だ。

 浦宿駅(宮城県牡鹿郡女川町) / 12:45

 浦宿で万石浦と離れ、トンネルを抜けると終点の女川に到着する。途中駅で降りた乗客も多く、女川で下車したのは20人くらいだった。
 女川駅の駅舎は東日本大震災に伴う津波で流出してしまった。新しい駅舎は約150メートル内陸に移動し、地盤が約7メートルかさ上げされた場所に女川町が復興のシンボルとして建設された。鉄骨3階建ての建物で、駅舎と町営の温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」が合築されている。

 JR東日本 / 女川駅(宮城県牡鹿郡女川町)/ 12:49 到着(折り返し)13:21 発車

 女川駅から女川湾方面へ向かう通路沿いに商店街「シーパルピア女川」があり昼食をとも考えたが、折り返しまで30分しかないのであきらめた。代わりに、「女川温泉ゆぽっぽ」の売店でおにぎりを購入して、列車内で食べることにした。手作り感満載のおにぎりは結構美味しかった。

 石巻線 普通 1634D 女川(13:21)発、小牛田(14:30)行き
 
JR東日本キハ111,112形気動車200番台 / 112-219 + 111-219(2両/JR東日本/小牛田運輸区)

 乗車してきた1633Dがそのまま折り返し小牛田行き1634Dになった。乗客は各車両ともに10人くらいで、2人がけのボックスシートに座った。

 車窓 / 万石浦(浦宿→沢田)

 万石浦駅(宮城県石巻市) / 13:33

 渡波では高校生がどっと乗り込んできて、車内は賑やかになった。ほとんどが男子だったが、地図で確認すると近くにあるのは宮城県水産高校だった。

 渡波駅(宮城県石巻市) / 13:35~36

 陸前稲井駅(宮城県石巻市) / 13:42

 車窓 / 旧北上川(陸前稲井→石巻)

 石巻では多くの乗客が降り、また乗ってくる乗客もいた。ここでは7分間の停車時間が設けられている。仙台からの仙石線に連絡しているようだ。仙石線からの乗り換えと思われる乗客が乗り、車内は女川を出発した時くらいの乗客の数となった。

 石巻駅(宮城県石巻市) / 13:47~54

 石巻から先の沿線は、これまでと違って田園風景が広がる。特徴の無い風景だが、なんとなく東北の田舎を感じる。そして、前谷地までが昨年乗車した区間だ。

 鹿又駅(宮城県石巻市) / 14:03

 前谷地は気仙沼線との分岐駅で、昨年は石巻から乗車して、この駅で気仙沼線に乗り換えた。気仙沼線の終点柳津と当駅が、気仙沼線BRT との乗換駅となっている。

 前谷地駅(宮城県石巻市) / 14:12~13

 涌谷では3分間の停車時間があり、下り列車でも交換するのかと思っていると貨物列車がやって来た。DD200 牽引のコンテナ貨物だった。

 涌谷駅(宮城県遠田郡涌谷町) / 14:19~22

 上涌谷の次が終点の小牛田で、陸羽東線に乗り換えて鳴子温泉まで行く。これで、石巻線に完乗した。石巻線の起点の小牛田は東北本線や陸羽東線が交わる鉄道の十字路で、東北新幹線が開業する以前は特急列車や急行列車が停車する駅だった。しかし、東北新幹線の停車駅には古川駅が選ばれたため(小牛田駅も候補のひとつだった)、新幹線のルートから外れてしまった。

 JR東日本 / 小牛田駅(宮城県遠田郡美里町) / 14:30 到着

 JR東日本が 2022年7月に公表した、2019年度に輸送密度 2,000人未満だった 35路線66区間のなかに石巻線(全区間)が含まれていて、1,193人となっている。しかし、国土交通省が設置した有識者などでつくる検討会が提言した「輸送密度」が 1000人未満の区間には該当していない。
 また、貨物列車が多く走っているため、当分の廃止はないと思われる。そして、東日本大震災後に女川駅と一部線路を移設して復旧した経緯もあり、そのあたりの特別な事情もある。特に、石巻-女川間は観光路線としての意味合いもあり、頑張ってもらいたいものだ。





トップへ
戻る




inserted by FC2 system