JR東日本/鹿島線 (香取-鹿島サッカースタジアム) 乗車記

2023.12.14


乗車区間  (佐原 9:16 →) 香取 → 鹿島神宮 9:37 (529M)
 鹿島神宮 9:42 → 鹿島サッカースタジアム (→ 荒野台 9:50) (134D)
 (荒野台 10:04 →) 鹿島サッカースタジアム → 鹿島神宮 10:12 (125D)
 鹿島神宮 11:23 → 香取 11:40 (534M)
乗車列車  普通 529M 佐原発、鹿島神宮行き
 普通 134D 鹿島神宮発、鹿島臨海鉄道/大洗鹿島線直通、水戸行き
 普通 125D 水戸発、鹿島臨海鉄道/大洗鹿島線直通、鹿島神宮行き
 普通 534M 鹿島神宮発、佐原行き
車両  JR東日本E131系電車0番台 / R-10編成 (2両/幕張車両センター) (529M)
 鹿島臨海鉄道8000形気動車 / 8006 (134D)
 鹿島臨海鉄道8000形気動車 / 8003 (125D)
 JR東日本E131系電車0番台 / R-10編成 (2両/幕張車両センター) (534M)

鹿島線・路線図

鹿島線について
 鹿島線は、千葉県香取市の香取駅から茨城県鹿嶋市の鹿島サッカースタジアム駅に至るJR東日本の地方交通線。日本鉄道建設公団によって建設され、開業は1970年と比較的新しい路線。国家的な開発プロジェクトであった鹿島臨海工業地帯の開発・発展に寄与するため、現在の鹿島臨海鉄道の営業路線(大洗鹿島線・鹿島臨港線)と共々に計画・建設され、香取-北鹿島(現在の鹿島サッカースタジアム)間が国鉄の「鹿島線」として開業した。
 JRと鹿島臨海鉄道が接続しているのは鹿島サッカースタジアムだが、臨時駅のため通常はすべての列車が通過する。そのため、JRにおける実質的な旅客上の運用範囲は佐原-鹿島神宮駅間。鹿島神宮-鹿島サッカースタジアム間はJRの区間だが、旅客輸送は鹿島臨海鉄道の車両が担う。よって鹿島線の同区間に大洗鹿島線が乗り入れる形態となっている。
 2022年7月28日、JR東日本は利用者の少ない輸送密度2,000人未満の地方在来線区間別収支を発表し、本路線全区間がそのリストに含まれている。
営業距離   17.4㎞   電化・非電化 全区間直流電化
輸送密度   2019年度 1,207人 単線・複線 全区間単線
  2022年度 1,085人

2024.1.4 作成


 18きっぷを使って、未乗車区間が多く残っている千葉県の JR線の乗車に出かけた。未乗車となっている路線(区間)は、総武本線(千葉-銚子)、成田線(佐倉-松岸、我孫子支線、空港支線)、東金線、鹿島線だが、一日では全て乗りつぶすのは難しい。いろいろ考えて、今回は鹿島線をメインにおき、総武本線と成田線の支線以外に乗車する計画を立てた。
 新宿から中央・総武緩行線に乗車して、錦糸町で成田空港行き快速に乗り換えた。成田からは、成田線に乗り換えて佐原まで移動した。鹿島線の起点は次の香取だが、全ての列車が佐原まで乗り入れている。鹿島線は香取-鹿島サッカースタジアム間を結ぶ JR東日本の地方交通線だが、実質的な旅客上の運用範囲は佐原-鹿島神宮となっている。鹿島サッカースタジアムは臨時駅でサッカー開催時以外は停車しないので、鹿島神宮から先の旅客輸送は鹿島臨海鉄道の車両が担っている。

 JR東日本 / 佐原駅(千葉県香取市) / 9:16 発車

 JR東日本が 2022年7月に公表した 2019年度に輸送密度2,000人未満だった 35路線66区間のなかに、鹿島線全区間が含まれている。今年11月に公表された 2022年度の平均通過人員は 1,085人となっている。
 鹿嶋市と東京間のアクセスとしては 1975年から特急「あやめ」が運行されていた。しかし東関東自動車道が潮来ICまで開通し、1989年から高速バス「かしま号」が運行開始したことにより、沿線から東京の輸送では高速バスが圧倒的な優位となっていった。JR線の東京と鹿島神宮間の普通運賃と同等で、本数も非常に多く、渋滞が無ければ所要時間でもほぼ互角のためだ。「あやめ」は1982年には最大5往復運行されていたが、乗客減により 1993年には3往復、1994年からは1往復のみの運行となった。そして、2015年で「あやめ」は定期運行を終了した。現在、東京駅-鹿島神宮駅間の高速バスは、1日 63往復運行されている。

 成田線/鹿島線 普通 529M 佐原(9:16)発、鹿島神宮(9:37)行き
 
JR東日本E131系電車0番台 / R-10編成(2両/幕張車両センター)

 鹿島線・鹿島神宮行きは E131系二両編成だ。2021年3月13日のダイヤ改正までは、209系四両編成が使用されていた。ワンマン運転だが、都市型ワンマン運転で車内で料金の収受は行われないため全てのドアから乗降することが出来る。車内はセミクロスシートでボックス席は一両につき二つしか無いが、車内はがらがらだったのでボックス席に座った。佐原からの乗客は2+5人の計7人だった。

 香取駅(千葉県香取市) / 停車(9:20~21)

 鹿島線は 1970年に開業した比較的新しい路線だ。国家的な開発プロジェクトだった鹿島臨海工業地帯の開発・発展に寄与するため、現在の鹿島臨海鉄道の営業路線(大洗鹿島線・鹿島臨港線)と共々に計画・建設され、香取-北鹿島(現在の鹿島サッカースタジアム)間が国鉄の「鹿島線」として開業した
 鹿島線の起点の香取を発車すると、成田線を右手に分けて線路は高架になる。左に大きくカーブすると、すぐにトラス橋の利根川橋梁で利根川を渡る。利根川に架かる利根川橋梁という名称の橋は何本もあるが、鉄道橋ではもっとも河口寄りにある。

 車窓 / 利根川橋梁(香取→十二橋)

 十二橋駅(千葉県香取市) / 停車(9:24~25)

 その先十二橋を過ぎると、次は常陸利根川を渡り茨城県潮来市に入る。潮来市は、霞ヶ浦や北浦、常陸利根川などに面した水郷で有名な都市だ。

 車窓 / 常陸利根川(十二橋→潮来)

 潮来駅は鹿島線の中間駅の中では一番大きく、ホーム長は 230mあり 11両編成までに対応する。また、貨物列車行き違いのため、線路有効長は 460mとなっている。

 潮来駅(茨城県潮来市) / 停車(9:27~28)

 成田線と分岐してから鹿島神宮まではほとんどが高架線で、鹿島線内には踏切はひとつもない。駅も当然高架駅だ。高規格路線として建設されたとのことだが、揺れが大きくお世辞にも乗り心地がいいとは言えない。高架からの景色は新鮮だが、いかにもローカル線といった乗り心地だ。

 延方駅(茨城県潮来市) / 停車(9:33)

 鹿島神宮の手前にある北浦を渡る北浦橋梁は 1,236m の長さがあり、東海道新幹線の富士川橋梁に次ぐ長さだそうだ。鹿島線は水郷地帯を貫通していて、しかも高架線なので車窓に特徴があり退屈しない。

 車窓 / 北浦(延方→鹿島神宮)

 鹿島神宮で鹿島臨海鉄道直通・水戸行きに乗り換える。乗り換え時間は5分だが、同一ホーム乗り換えなので問題は無い。

 JR東日本 / 鹿島神宮駅(茨城県鹿嶋市)/ 9:37 到着(乗り換え)9:42 発車

 水戸行き 134D は鹿島臨海鉄道8000形気動車で、一両での運行だった。ロングシートの車内の乗客は6人だった。始発の鹿島神宮では全てのドアから乗車出来るようになっていたが、発車後はワンマン運転で前扉からの乗降になっている。

 鹿島線/鹿島臨海鉄道大洗鹿島線 普通 134D 鹿島神宮(9:42)発、水戸(11:01)行き
 
鹿島臨海鉄道8000形気動車 / 8006

 次の鹿島サッカースタジアムまでは JR鹿島線だが、この駅は臨時駅で通常は旅客扱いをしていない。実質的に、鹿島神宮が JR と鹿島臨海鉄道の接続駅となっている。そのため、鹿島臨海鉄道の車両がこの区間に乗り入れる形になっている。
 鹿島サッカースタジアム駅は、鹿島臨海鉄道臨港線から国鉄へ乗り入れる旧国鉄鹿島線の貨物駅「北鹿島駅」として 1970年に開業したのが始まりだ。その後、鹿島町(現鹿嶋市)が予算を拠出して、茨城県立カシマサッカースタジアムへのアクセスのため旅客ホームを新設して、1994年3月12日から乗降駅として試合開催日に限定して旅客ホームに臨時列車を停車させて供用を開始した。その時、「鹿島サッカースタジアム駅」と改称した。

 (臨)鹿島サッカースタジアム駅(茨城県鹿嶋市) / 通過

 今回の目的は鹿島線の乗車だったので、鹿島臨海鉄道に入って最初の駅の荒野台で下車する。18きっぷは鹿島サッカースタジアムまで有効なので、鹿島サッカースタジアム-荒野台間の 180円を支払って列車を降りる。駅周辺には新しい住宅が建っているが、見える範囲には商店のようなものは見当たらない。

 鹿島臨海鉄道 / 荒野台駅(茨城県鹿嶋市)/ 9:50 到着(折り返し)10:04 発車

 鹿島神宮まで戻る列車は 14分待ちだが、既に3人の乗客が列車を待っていた。待ち時間があまりなかったので、駅前広場(駐車場)を歩いてみただけでその先までは足を伸ばしていない。列車到着までに乗客は2人増え、鹿島神宮行き 125D に乗車したのは6人だった。

 鹿島臨海鉄道大洗鹿島線/鹿島線 普通 125D 水戸(8:56)発、鹿島神宮(10:12)行き
 
鹿島臨海鉄道8000形気動車 / 8003

 鹿島神宮まで乗車していたのは 18人だった。終点の鹿島神宮は JR東日本の駅員配置の駅だが、鹿島臨海鉄道からの運賃精算は車内で行われる。乗車券を持っていない整理券乗車の乗客は、運転手に運賃を支払い、支払いの証明書のようなものを受け取る。この証明書(券)が改札を出るとき必要になる。私は 18きっぷを利用しているので、荒野台-鹿島サッカースタジアム間の運賃 180円を運転手に支払い、18きっぷで JRの改札を出た。

 JR東日本 / 鹿島神宮駅(茨城県鹿嶋市)/ 10:12 到着(乗り換え)11:23 発車

 鹿島神宮から香取まで鹿島線を戻るのだが、次の上り電車まで 1時間11分待ち時間があったので、この時間を利用して鹿島神宮を訪れた。
 鹿島線・佐原行き 534M は E131系二両編成で、先ほどと同じ R-10編成だった。鹿島線の佐原-鹿島神宮間の運用は、基本的に E131系一編成が往復しているようだ。車内はがらがらだったので、数少ないボックスシートに座った。

 鹿島線 普通 534M 鹿島神宮(11:23)発、佐原(11:44)行き
 
JR東日本E131系電車0番台 / R-10編成(2両/幕張車両センター)

 鹿島線を起点の香取まで戻り、成田線に乗り換えて銚子に向かう。香取での乗り換え時間が 37分もあるので、終点の佐原まで戻り成田線に乗り換えようとも考えたが、香取駅に降りる機会は今後もありそうもないのでここで降車した。

 車窓 / 北浦(鹿島神宮→延方)

 延方駅(茨城県潮来市) / 停車(11:27~28)

 潮来駅(茨城県潮来市) / 停車(11:33)

 十二橋駅(千葉県香取市) / 停車(11:36)

 車窓 / 利根川(十二橋→香取)

 JR東日本 / 香取駅(千葉県香取市) / 11:40 到着

 鹿島線は全長 17.4㎞の短い路線だが、水郷地帯を高架で走る路線で車窓の風景が印象的だった。本来なら、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線とセットで乗車して水戸まで抜けるのが理想的だったが、今回はスケジュールの都合で荒野台で折り返した。また機会があれば、鹿島臨海鉄道に水戸まで乗車したい。



成田線/鹿島線 普通 529M
 2023.12.14 (平日) ダイヤ
大洗鹿島線/鹿島線 普通 125D
 2023.12.14 (平日) ダイヤ
発     着 発 
佐原 9:16 水戸 8:56
香取 9:20 9:21 荒野台 10:03 10:04
十二橋 9:24 9:25 鹿島サッカースタジアム
潮来 9:27 9:28 鹿島神宮 10:12
延方 9:33 9:33
鹿島神宮 9:37 鹿島線/成田線 普通 534M
 2023.12.14 (平日) ダイヤ
鹿島線/大洗鹿島線 普通 134D
 2023.12.14 (平日) ダイヤ
鹿島神宮 11:23
延方 11:27 11:28
鹿島神宮 9:42 潮来 11:33 11:33
鹿島サッカースタジアム 十二橋 11:36 11:36
荒野台 9:50 9:51 香取 11:40 11:40
水戸 11:01 佐原 11:44




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