リニア・鉄道館 と 紀勢本線「キハ40」撮影

2015.10.23〜24


ルート 10/23 (金) (晴)
  相模原〜新横浜〜名古屋〜金城ふ頭〜名古屋〜松阪
10/24 (土) (曇のち晴)
  松阪〜高茶屋〜多気〜名古屋〜新横浜〜相模原

宿 泊  松阪シティホテル (松阪市)


10/23 (金) 

 今年6月で運用が終了した高山本線に続き、本年度中に運用を終える予定になっている、紀勢本線のキハ40を撮影に出かけた。キハ40の運用は朝夕に限られてしまうので、松阪に一泊して翌朝にその近辺で撮影することにした。何度か計画を立てたが、天気などの関係で延び延びになってしまった。
 予算を考え往復高速バス利用を考えたが、初日に「リニア・鉄道館」にどうしても行きたかったので、往路は新幹線を利用することにした。「ぷらっとこだまプラン」が料金的に魅力的だが、時間をお金で買うつもりで「のぞみ」利用に決めた。新横浜から乗車するので混雑を嫌い、思い切ったついでにグリーン車利用とした。
 電車を乗り継いでいく予定だったが、当日朝横浜線の相模原駅まで車で送ってくれることになったので、予定より30分ほど早い「のぞみ」に乗車することができた。

 東海道新幹線 「のぞみ」207号 新横浜 8:19 → 名古屋 9:40

 東海道新幹線 「のぞみ」207号 東京発、新大阪行き

 JR東海新幹線N700(A)系電車2000番台
 X-14編成 (16両) (東京交番検査車両所)


 東海道新幹線に乗るのは6年ぶりで、たぶんグリーン車は初めてだと思う。8号車の乗車率は4割程度だ。
 高速バスで5時間あまりの距離を1時間20分で移動できるとは、新幹線は本当にありがたい。料金が高いのは仕方が無い。また、N700系のグリーン車は非常に快適だ。 

 名古屋駅到着後コインロッカーに荷物を預け、カメラ一つでリニア・鉄道館に向かう。その前に、帰路の切符を購入しておく。明日は、「ぷらっとこだま」を利用して帰ることにした。「ぷらっとこだま」は企画旅行券なので、指定列車以外には乗車できず途中下車もできない。しかも、前日までに「JR東海ツアーズ」で購入しなければならない。しかし、所要時間に目をつぶればリーズナブルな価格で、1000円プラスでグリーン車に乗ることができる。
 「JR東海ツアーズ」は10時オープンなので、整理券をとって少し待つことに。企画旅行券ということで初めての利用の際には個人情報の登録が必要になり、少々時間が掛かってしまった。1000円しか違わないのでグリーン車を利用することにした。
 あおなみ線の改札は案内標識があるとはいえ非常にわかりにくい場所にあり、事前に調べておかないと苦労するかもしれない。JRからは乗り換え改札があるが、名鉄や近鉄との乗り換えには非常に時間の掛かる場所にあるので要注意だ。

 名古屋臨海高速鉄道/西名古屋港線 名古屋 10:15 → 金城ふ頭 10:39

 あおなみ線 名古屋発、金城ふ頭行き

 名古屋臨海高速鉄道1000形電車
 01編成 (4両)


 終点の金城ふ頭駅近くの「ポートメッセなごや」でイベントがあるということで、車内は会社員らしき人達で混雑をしていた。
 沿線には商業施設や高層住宅が目立つが、経営状態には予断を許さないようだ。
一度は実質的に経営破綻した、名古屋市主体の第三セクター路線だ。

 乗客のほとんどは「ポートメッセなごや」の方に向かい、「リニア・鉄道館」に向かう乗客は少なかった。一安心だが、平日なのでこんなモノなのだろう。駅を出て少し歩くと、かねてから行きたいと思っていた「リニア・鉄道館」が目に飛び込んでくる。
 わくわくしながら入場ゲートを通過し、まずは「シンボル展示場」だ。世界最速を記録した三両の車両が展示されていて、新幹線とリニアを管理しているJR東海ならではの演出だ。
 メインの展示エリアに入って目に飛び込んでくるのは、メディアなどで有名な歴代の東海道新幹線が並ぶ姿だ。さらにその奥には在来線車両が並び、静岡で生まれ育った私としては非常に懐かしく感じられる車両ばかりだ。一番奥にある収蔵展示エリアはその名の通り保存車両を収蔵する場所になっていて、公開するようには展示配置されていない。しかし、貴重な興味深い車両達なので、何らかの形で内部などが公開されることを期待したい。展示車両以外では、まずは日本最大のスケールを誇るジオラマ。大きさもすごいが、その凝った内容もすごかった。

 リニア・鉄道館 − SCMAGLEV and Railway Park


 リニア・鉄道館、外観 歴代の最高速度を記録した三両が並ぶシンボル展示場 
19両が展示されている車両展示場でまず目に飛び込んでくるのは歴代の東海道新幹線車両
   
 収蔵車両エリアにも興味深い車両が並ぶ 日本最大となるHOゲージジオラマ

 JR東日本の鉄道博物館が頭の中にあったのでスケールでは少し拍子抜けしてしまったが、冷静に考えると非常に充実した展示内容だ。個人的に懐かしい車両も多く、大満足の「リニア・鉄道館」だった。空きのあった鉄道シュミレーターなどはパスしてしまったので、次回はそんなところもじっくり見てみたい。

 名古屋臨海高速鉄道/西名古屋港線 金城ふ頭 13:29 → 名古屋 13:52

 あおなみ線 金城ふ頭発、名古屋行き

 名古屋臨海高速鉄道1000形電車
 07編成 (4両)


 名古屋への帰りは、中途半端な時間のせいか車内には空席があった。
 途中駅での乗車もぱらぱらあったが、生活路線としては寂しい車内だった。SLを走らせて観光客を集めようという名古屋市長の考えがわからなくもない状況だ。

 高島屋地下食料品街で今夜の食事を調達して、近鉄乗り場に向かう。松阪まではJRでも行けるが、近鉄に乗る機会はそう無い。せっかくなので特急に乗ることにした。近鉄に乗るのは20数年ぶりで、最後に乗ったのは難波から名古屋までアーバンライナーだったと思う。
 14:50発鳥羽行きは「スナックカー」と呼ばれる 12200系、四両編成で、リニューアルされているようだが、昔乗った特急車両と座席の印象はあまり違わなかった。15:10発の賢島行きは 23000系「伊勢志摩ライナー」なのでそちらにしようかと迷ったが、待ち時間がもったいないので14:50発とした。

 近畿日本鉄道/名古屋線、山田線 特急 近鉄名古屋 14:50 → 松阪 15:57

 近鉄特急 近鉄名古屋発、鳥羽行き

 近鉄12200系電車
 4両編成


 発車時間が近づくにつれ乗客は増え、最終的には5割程度の乗車率となった。
 座席については感覚的に古さを否定できず、座り心地は今ひとつといった感じだ。小田急ロマンスカーや東武スペーシアと比べると、大きく劣る車内設備だ。古さを隠しきれないといったところだ。
 
 

 松阪駅は近鉄とJR東海の共同使用駅で、両社間に改札は設置されていない。近鉄は全線SUICAが利用できるので、JR東海が管理する南口にも自動改札が設置されている。しかし、JR紀勢本線は全線 TOICA エリア外だ。
 南口から駅を出て、駅近くのホテルにチェックインした。ホテルのフロントではグループがチェックインしていたので少し待たされてしまったが、フロントの担当者はあまり手際が良くないようだ。

  近鉄山田線/JR紀勢本線・松阪駅

 ホテルの部屋に入り キハ40 の運用表を見てみると、1時間ほど後にキハ40による下り普通電車が松阪駅に到着することになっている。明日の朝食を購入のためコンビニに行く予定だったので、外出のついでに駅に立ち寄り入場券で構内に入り列車を撮影することにした。
 驚いたことに、同じようにカメラを抱えた撮影者がホームに2名いた。それだけ キハ40 は注目されているということだ。目的の 937D は キハ48、四両で、うち三両は「国鉄色風」だった。この時期この時間になるとかなり暗くなり、感度を上げたため色がきれいに出ないのは仕方が無い。

普通 938D 伊勢市発、亀山行き / キハ25形気動車 普通 937D 亀山発、多気行き / キハ48形気動車

 本日は予定通り「リニア・鉄道館」を堪能することができた。もっと時間をかけて見学したかったが、一生懸命飛ばして見学したのかなり疲れてしまった。そのため、予定より早時間に松阪に到着した。そのため、構内で937Dを撮影することができた。
 明日の予定は朝方の キハ40 撮影だが、天気の方が心配だ。雨などの予報はないが、朝方霧が出る予報となっている。朝日に輝く キハ40 を撮影したかったが、どうもそれは無理のようだ。晴の予報でやってきたが、当日の天候ばかりはどうしようもない。



10/24 (土) 曇のち晴

 松阪から紀勢本線のキハ25に乗り高茶屋まで移動する。この時期になると6時ではまだ日の出前で暗い。しかも、天気予報通り空は厚い雲に覆われているのでなおさらだ。土曜日の早朝なので紀勢本線に乗る乗客は数えるほどしかいないが、近鉄のホームへ向かう乗客は結構いる。名古屋へ向かう乗客は近鉄を利用するようだ。

 JR紀勢本線 902C 松阪 6:04 → 高茶屋 6:15

 普通 902C 多気発、亀山行き

 JR東海キハ25形気動車1500番台
 M-108編成 (2両) (名古屋車両区)


 乗っている乗客は数えるほどしかいないが、途中駅では多少の乗車客はいる。整理券方式のワンマン運転なので、無人駅での下車は先頭の乗降口で行われ、運転手が乗車券(運賃)の回収を行う。
   

 松阪から二つ目の高茶屋で下車する。駅舎は古くからの木造のもので、歴史を感じる。現在は無人駅だが、構内には貨物扱いの遺構が残っている。高茶屋駅にはきっぷ自販機はなく、ワンマンバス同様の運賃支払い方式をとっているようだ。紀勢本線は無人駅が多いので、キセル対策を含めて TOICA 対応は行われないのだろう。

 JR紀勢本線・高茶屋駅
   

 撮影ポイントまではゆっくり歩いて20分くらいで到着。天気はどんよりとした曇り空で、かなり暗く写真的には厳しいコンディションだ。開けた田園地帯なので構図は自由で、何人でも撮影できる場所だ。

 JR紀勢本線・高茶屋−六軒間


開けた田園地帯だが、空は厚い雲に覆われている 構図は自由だが、下草が少々うるさい

 下り普通電車で構図を確認して、キハ40系、二両の 906C から撮影を開始する。かなり暗い、その後も厚い雲に覆われているためなかなか明るくならない。その後撮影を続け、キハ40、五両による 322D を撮影して撤収、高茶屋駅に急ぐ。キハ40、五両による営業運転は迫力があるが、この天候が悔やまれる。

快速「みえ」2号 伊勢市発、名古屋行き/キハ75形気動車 322D 熊野市発、亀山行き / キハ40,48形気動車

 高茶屋から乗車する列車まで20分しかない(と思っていた)ので、素早く撤収して駅まで急ぐ。なんとかぎりぎり間に合ったが、定刻になっても列車がやってこない。おかしいなと思って調べてみると、休日ダイヤは3分遅かった。よく調べておけば、こんなに焦る必要は無かった。
 切符販売もない無人駅から乗車するのは本当に久しぶりなので緊張気味だったが、ワンマン乗車口から乗車したが整理券が発行されない。これはどうしたモノかと着席して考えていると、車掌が検札にやってきた。整理券のことを説明すると、車掌が乗車券を発券するとのことだ。ワンマン運転だと思っていたが、よく考えるとさすがに四両編成ではワンマン運転はあり得ないだろう。

 JR紀勢本線 3915D 高茶屋 8:23 → 多気 8:50

 普通 3915D 亀山発、伊勢市行き

 キハ48形気動車5500、5800、6500、6800番台
 5802+6810+5518+6502 (4両) (伊勢車両区)


 事前にわかっていたわけでないが、3915D はキハ48、四両編成だった。キハ40系を撮影に来てキハ48に乗車できるとは、本当に良かったと思う。こうして乗車する機会はもうないかもしれない。

 土曜日のせいか、先頭車両には多少の乗客がいたが、後ろの方はがらがらだった。平日には四両に見合った乗客があるのだろうか。

 JR紀勢本線・多気駅

 車窓から見たときには、撮影場所と思われる場所には二名の撮影者がいた。多気駅から歩いて10分ほどで撮影場所に到着したが、先ほどの撮影者はもういなかった。

 JR紀勢本線・多気−徳和間


櫛田川の土手の上から撮影する  背後の高架道路の処理が課題となる撮影地

 天気はずっと曇り空で、しばらくは回復しそうにない。この撮影ポイントでは、背後の道路の高架橋の処理が難しい。あれこれ構図を考えたが、空は曇り空なので編成主体で撮影することにした。構図を探していたため、「南紀1号」は編成が全部はいらなかった。また、平日ダイヤをメモしておいたので、3919D は撮影し損なってしまった。921D 通過間際に撮影者がひとり現れたが、それを撮影してすぐに撤収していった。

快速「みえ」51号 名古屋発,伊勢市行き/キハ75形気動車 921D 亀山発、伊勢市行き / キハ40,48形気動車

 923C まで撮影して撤収したが、多気駅到着がぎりぎりになってしまった。この駅にきっぷの自販機はないので窓口で買うことになるが、先客が二名いて少し焦ってしまった。窓口だけのきっぷの販売で自販機が設置されていない駅を私は知らない。窓口で指定席券も発売しているようなので、窓口が混雑することはないのだろうか。

 快速 「みえ」8号 多気 10:34 → 名古屋 12:05

 快速「みえ」8号 2908D 鳥羽発、名古屋行き

 JR東海キハ75形気動車
 2両 + 2両 (名古屋車両区)


 四両編成で、自由席は五割弱の乗客だった。指定席券を購入するか迷ったが、その心配は無かった。
 しかし、松阪でほぼ席は埋まり、名古屋に近づくと立っている乗客も多くいた。

 「ぷらっとこだま」プランは列車の変更ができないので、余裕を持った時間の「こだま」に決めていた。そのため名古屋駅では1時間以上の乗り換え時間があったが、中途半端な時間なのでJR高速バス乗り場の休憩所で時間をつぶした。昼食は駅ホームにある立ち食い「きしめん」を食べたが、前回ほどの感動はなかった。前回とは違う店を選んだのだが、店によって大きく味が違うのだろうか。

 東海道新幹線 「こだま」656号 名古屋 13:29 → 新横浜 15:58

 東海道新幹線 「こだま」656号 名古屋発、東京行き

 JR西日本新幹線700系電車3000番台
 B-10編成 (16両) (博多総合車両所)


 名古屋始発の「こだま656号」は700系。グリーン車内はN700系より落ち着いているが、座席の快適性はN700系に軍配が上がる。
 乗車率は2,3割程度。私がいるかたまりは「ぷらっとこだま」の乗客なのだろうか。
   

 行きの「のぞみ」で1時間20分かかった名古屋−新横浜間を、帰りの「こだま」では2時間30分を要した。ほぼすべての停車駅で「のぞみ」「ひかり」の待避を行うので仕方が無いが、所要時間が二倍近く掛かっても正規運賃には大きな差が無い。今回利用した「ぷらっとこだま」プランが妥当な料金設定だと思うので、このプランをもっと利用しやすくしてもらえば「こだま」の利用客が増えるのではないだろうか。
 二日目の天気には恵まれなかったが、目当ての列車はすべて予定通りに撮影できた。初日の「リニア・鉄道館」は期待以上に楽しむことができたので、全体的には大満足の三重遠征だった。N700系のぞみ、700系こだまのグリーン車乗車は、これも新鮮な体験となった。天気のリベンジとして是非もう一度訪れたいが、次回は往復高速バスとなるだろう。





移動の記録

(10/23)
相模原駅 7:27 → 新横浜駅 8:00       JR横浜線
新横浜駅 8:19 → 名古屋駅 9:40       東海道新幹線「のぞみ」207号
名古屋駅 10:15 → 金城ふ頭駅 10:39    あおなみ線

リニア・鉄道館 見学

金城ふ頭駅 13:29 → 名古屋駅 13:52    あおなみ線
近鉄名古屋駅 14:50 → 松阪駅 15:57    近鉄特急

《松阪シティホテル》泊

(10/24)
松阪駅 6:04 → 高茶屋駅 6:15        JR紀勢本線 902C

高茶屋−六軒間のポイントで撮影

高茶屋駅 8:23 → 多気駅 8:50        JR紀勢本線 3915D

多気−徳和間のポイントで撮影

多気駅 10:34 → 名古屋駅 12:05      快速「みえ」8号
名古屋駅 13:29 → 新横浜駅 15:58     東海道新幹線「こだま」656号
新横浜駅 16:15 → 相模原駅 16:39     横浜線「快速」




Nikon D7200 、Nikon1 J4



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