JR東日本/北上線(横手→北上) 乗車記

2022.12.1


乗車区間  横手 7:52 (定刻 7:43) → 北上 9:07 (定刻 9:05)(728D)
乗車列車  普通 728D 横手発、北上行き
車両  JR東日本キハ100形気動車0番台 / 100-40(1両/一ノ関運輸区)(728D)

北上線・路線図

北上線について
 北上線は、岩手県北上市にある北上駅と秋田県横手市にある横手駅を結ぶJR東日本の地方交通線。路線距離は 61.1 kmで、全線非電化で単線。JR東日本が 2022年7月に公表した、2019年度に輸送密度2,000人未満だった 35路線66区間のなかに全区間が含まれている。対象区間の内訳は、北上-ほっとゆだ(435人)、ほっとゆだ-横手(132人)となっている。
 かつては優等列車も運転されていたが、現在は地域輸送が需要の中心となっている。また、秋田新幹線開業(1997年)や山形新幹線の新庄延伸(1999年)によって仙山線や田沢湖線経由での直通迂回運転が不可能になったため、東北本線と日本海側との数少ない連絡路線としての存在意義は大きい。
営業距離  北上-横手 61.1㎞ 
  (北上-ほっとゆだ 35.2㎞)
  (ほっとゆだ-横手 25.9㎞)
電化・非電化   全区間非電化
2019年度輸送密度  北上-横手 306人
  (北上-ほっとゆだ 435人)
  (ほっとゆだ-北上 132人)
単線・複線   全区間単線

2023.6.2 作成


 「大人の休日倶楽部パス」を利用して、JR東日本の東北エリアの未乗車区間に乗車する二泊三日の旅に出かけた。未乗車区間の内、花輪線と米坂線は8月の集中豪雨の被害で一部区間が不通のままで、陸羽西線は「高屋道路」のトンネル建設関連工事のため 2024年度中の工事終了まで全線で営業休止となっている。福島県内の路線は後回しとして、奥羽本線(福島-大曲)、北上線、仙石線(あおば通-高城町)、石巻線(石巻-女川、前谷地-小牛田)、陸羽東線、左沢線、仙山線の全てに乗車した。利府線(東北本線支線)も未乗車だが、今回は無理して計画には入れなかった。今回の旅行は観光などは一切しないで、三日間ひたすら列車に乗車した。
 横手市内に宿泊した旅行二日目は、横手から北上まで北上線に乗車した。北上線に乗車するのは初めてだ。その後、仙台まで東北新幹線で移動、あおば通まで歩いて仙石線に乗車して、石巻で石巻線に乗り換えて女川まで行く。折り返し石巻線に小牛田まで乗車、陸羽東線に乗り換えて鳴子温泉に向かう。そして、鳴子温泉に宿泊した。

 JR東日本 / 横手駅(秋田県横手市) / 7:52 (定刻 7:43) 発車

 ホテルの朝食が 6:30 からだったので、ゆっくり朝食を食べて出発した。外は雨が降っていて、小雨とはいえ傘無しでは歩くことができない。平日の朝なのに、列車の時間の関係か横手駅は人はまばらだ。北上線のホームに降りると、隣の奥羽本線のホームに湯沢行きの普通電車が止まっていた。この時間に上りはないはずだと思ったが、7:30発の電車が遅れているようだ。
 乗車する北上行き 728D は横手 7:23到着の 723D の折り返しだと思っていたが、7:30 を過ぎているのにまだ入線していない。折り返し運用ではなく別の車両が回送で入線するのかなと思っていると、構内アナウンスがあった。やはり折り返し運用となる723Dが障害物撤去のため遅れているということだ。隣の相野々を23分遅れで発車したということだ。湯沢行きの普通電車は 723D と連絡しているので、この到着と乗り換えを待って出発すると案内があった。

 北上線 普通 728D 横手(定刻 7:43)発、北上(定刻 9:05)行き
 
JR東日本キハ100形気動車0番台 / 100-40(1両/JR東日本/一ノ関運輸区)

 723D は23分遅れの 7:46 に到着したが、それほど乗客は乗っていなかった。車両は小型のキハ100形一両で、6つしかないボックス席のひとつに座った。乗客は5人だけで、私以外は地元の人のようだ。そして、728D は9分遅れの 7:52 に出発した。
 かつては北上線に優等列車も運転されていたが、現在は地域輸送が需要の中心となっている。横手から仙台、東京方面に行くのには、北上線経由より大曲から秋田新幹線を利用する方が便利で所要時間も短い。かなり遠回りとなるので料金は高くなるが、北上線の運行本数を考えるとビジネス客などは大曲経由を利用しているのではないだろうか。

 小松川駅(秋田県横手市) / 8:04(定刻 7:56~57)

 横手の市街地を過ぎると山の中に入っていき、降っていた雨は雪に変わった。県境に向け標高を上げているようだが、たいした勾配ではない。途中駅のホームはうっすら白くなっているが、乗降する人はいない。
 岩手県に入ると、ゆだ高原、ほっとゆだと停車する。温泉施設が駅舎の中にあることで有名なほっとゆだ駅には7分遅れの 8:21 に到着。交換のため7分間の停車時間が設定されていたが、遅れを取り戻すため3分間の停車で発車した。交換した 727D はキハ100形2両編成だったが、車内の乗客は多くはなかった。ここでは5人の乗車があった。

 ほっとゆだ駅(岩手県和賀郡西和賀町) / 8:21~24(定刻 8:14~21)

 ほっとゆだを発車すると間もなく第2和賀川橋梁を渡り、左手に和賀川(錦秋湖)が移る。錦秋湖は湯田ダムによって形成された人造湖だが、この時期は水量があまり多くない。沿線では一番のビューポイントだろうが、雪が降る暗い空の下では水面も背景も映えない。

 車窓 / 錦秋湖(ほっとゆだ→ゆだ錦秋湖)

 ゆだ錦秋湖駅(岩手県和賀郡西和賀町) / 8:31(定刻 8:28)

 ゆだ錦秋湖を過ぎると間もなく錦秋湖は見えなくなり、だんだん標高を下げていく。下りきったあたりが横川目で、雪は上がり空は薄日が差すようになった。このあたりから北上市街に入るようで、ここから先はぱらぱら乗車があった。
 藤根は交換可能駅で、平日には北上からの列車の折り返しが1本設定されている。通学、通勤の時間帯の設定だが、藤根-北上間はそれなりの需要があるということのようだ。

 藤根駅(岩手県北上市) / 8:55(定刻 8:52~53)

 最後は住宅街の中を走り、終点の北上には2分遅れの 9:07 に到着した。途中でぱらぱら乗車があったが、思っていたほどの乗客の数ではなかった。朝の時間帯で一両編成かと思ったが、需要の中心と思われる北上よりでは通勤、通学の時間帯を外れているためか。

 JR東日本 / 北上駅(岩手県北上市) / 9:07 (定刻 9:05) 到着

 北上線に乗ってみて、横手-ほっとゆだ間は人家があまりなく地域輸送の需要は少ないのだろうなと思った。輸送密度が 132人というのもうなずけた。ほっとゆだ-北上間は観光客の需要が見込める区間なので、何らかの対策が必要だろう。過去にも何度か散発的に臨時列車が運行されているようだが、今年10月8日にも「秋薫る錦秋湖号」が盛岡-北上-横手間を往復で運行された。その手応えはどうだったのだろうか。





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