JR東日本/陸羽東線(小牛田→新庄) 乗車記

2022.12.1~2


乗車区間  12/1 小牛田 14:34 → 鳴子温泉 15:58 (4733D)
 12/2 鳴子温泉 7:26 → 新庄 9:22 (定刻8:27) (723D)
乗車列車  普通 4733D 小牛田発、新庄行き
 普通 723D 鳴子温泉発、新庄行き
車両  JR東日本キハ110形気動車200番台 / 110-237(1両/小牛田運輸区)(4733D)
 JR東日本キハ111,112形気動車200番台/111-216+112-216(2両/小牛田運輸区)(723D)

陸羽東線・路線図

陸羽東線について
 陸羽東線は、宮城県遠田郡美里町の小牛田駅から山形県新庄市の新庄駅までを結ぶJR東日本の地方交通線。「奥の細道湯けむりライン」の愛称が付けられている。路線距離は 94.1kmで、全線単線で非電化。陸羽西線余目駅から本線を介して石巻線女川駅まで、日本海と太平洋を結ぶ路線となっている。かつては両駅を結ぶ直通列車が存在したが、現在は運行が細分化されている。
 JR東日本が 2022年7月に公表した、2019年度に輸送密度 2,000人未満だった 35路線66区間のなかに古川-新庄間が含まれている。対象区間の内訳は、古川-鳴子温泉(949人)、鳴子温泉-最上(79人)、最上-新庄(343人)となっている。
営業距離  小牛田-新庄 94.1㎞ 
  (小牛田-古川  9.4㎞)
  (古川-鳴子温泉 35.5㎞)
  (鳴子温泉-最上 20.7㎞)
  (最上-新庄   28.5㎞)
電化・非電化   全区間非電化
2019年度輸送密度  小牛田-新庄 850人
  (小牛田-古川  3,714人)
  (古川-鳴子温泉 949人)
  (鳴子温泉-最上 79人)
  (最上-新庄   343人)
単線・複線   全区間単線

2023.5.31 作成


 「大人の休日倶楽部パス」を利用して、JR東日本の東北エリアの未乗車区間に乗車する二泊三日の旅に出かけた。未乗車区間の内、花輪線と米坂線は8月の集中豪雨の被害で一部区間が不通のままで、陸羽西線は「高屋道路」のトンネル建設関連工事のため 2024年度中の工事終了まで全線で営業休止となっている。福島県内の路線は後回しとして、奥羽本線(福島-大曲)、北上線、仙石線(あおば通-高城町)、石巻線(石巻-女川、前谷地-小牛田)、陸羽東線、左沢線、仙山線の全てに乗車した。利府線(東北本線支線)も未乗車だが、今回は無理して計画には入れなかった。今回の旅行は観光などは一切しないで、三日間ひたすら列車に乗車した。
 横手市内に宿泊した旅行二日目に、北上線、東北新幹線、仙石線、石巻線を乗り継いで小牛田まで移動した。小牛田からは初乗車となる陸羽東線に乗車して、鳴子温泉駅で下車して鳴子温泉に宿泊した。翌日、旅行三日目に、再び陸羽東線に乗車して終点の新庄に向かった。

 12/1
 JR東日本 / 小牛田駅(宮城県遠田郡美里町) / 14:34 発車

 小牛田での石巻線からの乗り換え時間は4分しか無かった。陸羽東線、新庄行き 4733D はキハ110形一両で、発車間際なのでやはり車内は混雑していた。8割方の座席は埋まり立っている人もいたので、無理に座らずドア近くに立ったままで様子を見ることにした。この列車は新幹線と接続している古川で30分間の停車があるので、そこで座れるかもしれないと考えた。

 陸羽東線 普通 4733D 小牛田(14:34)発、新庄(17:20)行き
 
JR東日本キハ110形気動車200番台 / 110-237(1両/JR東日本/小牛田運輸区)

 予想したとおり古川駅ではほとんどの乗客が列車を降りたので、2人がけのボックス席に座ることが出来た。30分の停車時間の間に上りと下りの新幹線が到着、発車する。そのため、どちらの新幹線にも(から)乗降できるようになっている。

 古川駅(宮城県大崎市) / 14:45~15:15

 一度車内はがらがらになったが、だんだん乗客が乗車してきた。新幹線からの乗り換えのようで、ほとんどが観光客のようだった。乗客は増え続け、座席は(本当に)満席となり、多くの乗客が立っている状態となった。定員的には問題ないが、どう見ても二両必要な乗客の数だった。

 岩出山駅(宮城県大崎市) / 15:33

 列車は大崎平野の中を進むが、上野目駅を過ぎたあたりから山が迫ってくる。途中駅でぱらぱら地元客が降りたが、車内はまだ混雑していて立っている人も多い。

 池月駅(宮城県大崎市) / 15:43

 川渡温泉駅で上り列車と交換があったが、そちらは二両編成だった。「奥の細道湯けむりライン」が示すとおり、ここから4駅温泉駅が続く。この4つの温泉駅の名称は1997年に改称されたもので、それまではどの駅にも「温泉」、「湯」の名称は付いていなかった。

 川渡温泉駅(宮城県大崎市) / 15:49~50

 次の鳴子御殿湯駅の近くには東鳴子温泉があり、改称前は東鳴子駅だった。東鳴子温泉駅に改称したほうがスッキリしたように思えるが、鳴子温泉駅と混同しないようにということか。 鳴子御殿湯の名前の由来は、仙台藩藩主専用の風呂(御殿湯)が置かれたためだそうだ。

 鳴子御殿湯駅(宮城県大崎市) / 15:54

 鳴子温泉駅では多くの乗客が列車を降りた。ほとんどが観光客のようだ。業務委託駅のようだが、職員が切符の回収を行っていた。鳴子温泉の玄関口にふさわしい駅舎で、駅舎内には観光案内所の他、小劇場やコミュニティ施設が併設されている。昨日でみどりの窓口が営業を終了した旨張り紙があり、窓口があったと思われる場所にはJR東日本のポスターが貼られていた。今日からは指定席券売機が稼働しているようだ。
  本日は駅からすぐ近くの「ますや」という温泉地の大型ホテルに宿泊する。いつもは普通のホテルに宿泊することが多いが、今回は温泉宿に宿泊してゆっくりする。

 JR東日本 / 鳴子温泉駅(宮城県大崎市)
             / (12/1) 15:58 到着(乗り換え)(12/2) 7/26 発車

 旅行三日目、鳴子温泉はきりりと冷え込んでいて、昨夜は雪が降ったようで車の上や駐車場がうっすら白くなっているところがある。
 7:26発新庄行き 723D は新庄から到着する 720D の折り返しのようだが、到着予定時刻の 7:02 にはまだ到着していなかった。720D は約5分遅れで到着したが、車内には数名の乗客しかいなかった。車両はキハ111,112形二両編成で、鳴子温泉からの乗客は3人だけだった。

 12/2
 陸羽東線 普通 723D 鳴子温泉(7:26)発、新庄(定刻 8:27)行き
 
JR東日本キハ111,112形気動車200番台 / 111-216 + 112-216(2両/JR東日本/小牛田運輸区)

 鳴子温泉を発車してますます山の中に入っていき、少しずつ標高を上げてく。沿線は、道路以外はうっすら雪が積もっている。中山平温泉駅との間に有名なな鳴子峡があるが、陸羽東線はトンネルで山を貫いているので、一瞬しか峡谷を見ることができなかった。

 中山平温泉駅(宮城県大崎市) / 7:33

 中山平温泉から先は本当に何も無い山の中で、登り切ったところに橋があり、そこが宮城県と山形県との県境になっている。県境を過ぎるとすぐに堺田駅で、陸羽東線の最高地点だ。また、近くに最上川水系の小国川と北上川水系の江合川の分水嶺があり、日本海側と太平洋側の境となっている。

 堺田駅(山形県最上郡最上町) / 7:39~40

 山形県に入るといっきに積雪量が多くなり、一面真っ白な雪景色となった。強くはないが、雪も降り始めた。後部車両に座っているのでよくわからないが、途中駅で何人かの乗車があったようだ。

 立小路駅(山形県最上郡最上町) / 7:48~49

 鳴子温泉-新庄間では唯一交換可能な最上駅で、上り列車との交換があった。上り 722D はキハ110形二両編成で、学生を中心とした乗客の降車があった。
 乗車している 723D は1分間の停車時間で発車の予定だが、交換列車が発車しても動く気配がない。何かおかしいなと思っていると、しばらくこの駅で停車する旨案内があった。新庄駅構内の車両点検のため、最上-新庄間で運転を中止しているとのことだ。新庄駅で「つばさ136号」に乗り換えるが、乗り換え時間は49分あるのであまり気にはしなかった。
 その後何度かアナウンスがあったが、運転再開の見込みは立っていないようだ。30分ほど過ぎた頃、1時間ほど遅れて運転再開する見込みだと案内があった。1時間遅れでは「つばさ136号」には間に合わないと思い、時刻表を開きチェックする。予定では新幹線で山形まで移動して左沢線(11:55発、左沢行き、333D)に乗車することになっているが、「つばさ136号」(9:15発、10:00山形着)の後の普通電車(9:32発、1042着、1432M)でも、その次の普通電車(10:09発、11:21着、1434M)でも左沢線に乗り換えが可能なことがわかった。山形駅での乗り換え時間(待ち合わせ時間)が1時間55分あったためだ。日中の左沢まで行く列車の本数が非常に少ないのでこうした計画となったが、結果的にはそれが幸いした。
 最上駅に到着して50分くらい経った時、乗務員から案内があり、新庄駅までタクシー代行輸送を行うので運転席の後ろの方に移動して欲しいとのことだった。乗客は全部で6人で、全員新庄まで行くようだ(先ほど乗務員が全員の行き先の確認を行った)。乗務員はしばらく司令室と連絡を取っていたが、今度は間もなく運転を再開するので代行輸送はなくなったと案内があった。ということで、各自好きな席に戻った。

 最上駅(山形県最上郡最上町) / 7:52~8:51(定刻 7:52~53)

 結局、最上駅を58分遅れの 8:51 に発車した。このまま行けば、「つばさ136号」には間に合わないが、1432M には乗り換えることができる。タクシーによる代行輸送も貴重な体験だが、そうすると最上-新庄間を乗り残してしまうことになるので、遅れたとはいえ無事に運転再開となって良かった。

 大堀駅(山形県最上郡最上町) / 8:55(定刻 7:58)

 最上駅発車後は順調に進むが、約1時間遅れているためか列車を待っている人はいない。雪は降り続いていて、一面真白なままだ。

 鵜杉駅(山形県最上郡最上町) / 8:58(定刻 8:01)

 瀬見温泉駅(山形県最上郡最上町) / 9:02(定刻 8:05)

 東長沢駅(山形県最上郡舟形町) / 9:08(定刻 8:11~12)

 車窓 / 最上小国川(東長沢→長沢)

 長沢駅(山形県最上郡舟形町) / 9:10(定刻 8:14)

 左手に奥羽本線の線路が近づいてくるとまもなく南新庄駅だ。奥羽本線側に駅(ホーム)は無く、陸羽東線の単独駅だ。ここから新庄まで線路は並行して走るが、線路幅も違い、単線併走区間だ。

 南新庄駅(山形県新庄市) / 9:17(定刻 8:21)

 南新庄駅を発車して間もなく「つばさ136号」とすれ違った。わかっていたことだが、やっぱり間に合わなかった。一般の特急列車の場合短時間なら連絡待ちをする場合もあるが、新幹線の場合(山形新幹線は正確には新幹線ではないが)はそれは不可能だ。

 車窓 / 「つばさ136号」とすれ違い(南新庄→新庄)

 終点新庄駅には55分遅れの 9:22 に到着した。一昨日訪れた時とは違い、周辺は一面真っ白だ。ほとんどの乗客は改札方向に向かっていった。次の山形行き普通電車 1432M とは10分の待ち合わせだ。

 JR東日本 / 新庄駅(山形県新庄市) / 9:22 (定刻 8:27) 到着

 陸羽東線は沿線に鳴子温泉などの温泉郷が点在し、鳴子峡などの絶景に恵まれている。紅葉の季節はさぞ美しいことだろうが、今回の雪景色も印象的だった。乗っているだけで楽しい路線だった。
 小牛田-鳴子温泉間については名湯鳴子温泉へのアクセスとして欠くことが出来ない。しかし、今回乗車した 4733D はキハ110形一両で、鳴子温泉までずっと混雑していた。大型連休や紅葉シーズンでもないのにこの乗車状況なら、二両編成は必要だろう。そうすれば全員が座ることが出来ただろう。この混雑の中立ちっぱなしだと、次回陸羽東線を利用して鳴子温泉を訪れようとは考えないだろう(少なくとも、自分はそうだ)。小牛田(古川)-鳴子温泉間は需要があるので、その点を生かして欲しい。
 また、鳴子温泉-最上間については、公表された平均通過人員を見ると非常に厳しいものだ。しかし、陸羽東線は東北本線(東北新幹線)と奥羽本線(山形新幹線)を結ぶ路線なので、この区間だけでどうこう判断はできないだろう。





トップへ
戻る




inserted by FC2 system