静浜基地航空祭 2017
その2/2
航空祭

2017年5月20日(土)〜21日(日)


開催日時  2017年5月21日(日) 9:00〜15:00
開催場所  航空自衛隊静浜基地 (静岡県焼津市上小杉1602)



航空祭当日 (5/21 晴)

 定宿となっている焼津駅前のホテルを6時過ぎにチェックアウトして、実家の駐車場に車を止める。かつて基地内に駐車場があったときは基地周辺の特定の道路が混雑してが、今ではそんな光景は見ることは無い。駐車場は無いということも、ようやく周知されたようだ。実家から基地入り口までは歩いて30分ほど。たいした距離では無いが、自転車があれば便利だなと思う距離だ。

 航空祭当日も青空が広がり、絶好の航空祭日和となった。四年ぶりのブルーインパルスの影響で会場の大混雑が予想されるので、先年同様南側の外周道路から観戦することにした。観戦場所を確保して、南門に到着したのは 7時半頃で、既に開門されていた。基地内には既に多くの観客が入場していたが、エプロン地区の最前列以外はまだがらがらだ。
 外来機はすべて到着しているようなので、地上展示機を撮影して回る。このところ年を追う毎に地上展示機が寂しいものとなってきているが、今年は固定翼機の外来機が一機も無かった。昨年と比べ T-400 がいない代わりに SH-60J が展示されているので、機体数的には同じとなる。しかし、私の知る限り地上展示機については一番寂しい航空祭となった。今年は AH-60D もいないので、目玉となる機体が一機も無い。
会場間際のエプロン地区

 その代わりということで、昨年同様陸自の車両の展示が充実していた。昨年に比べ、海外派遣仕様の軽装甲機動車が加わっていた。板妻駐屯地の第34普通科連隊と富士教導団の車両が中心だが、航空祭でこういう展示の仕方は良いことだと思う。しかし、空自の固定翼機には是非参加してもらいたい。

地上展示機が並ぶエプロン地区

 航空祭のフライトプログラムは、例年通り T-7 四機によるオープニングフライトから始まる。青空が広がっているが夏のように気温が高いので、遠くはもやっていてフライトを楽しむには良い条件とはいえない。
 事前に離陸した四機は、9時の航空祭オープニングに合わせてダイヤモンド隊形による航過飛行を行った。その後、ダーティー隊形で会場正面からパスして、次のフライトに向けて基地上空から離れていった。

オープニング・フライト (T-7×4機、第11飛行教育団、静浜基地所属)
T-7 [36-5904、56-5932、46-5921、56-5924]、離陸
ダイヤモンド隊形 ダイヤモンド・ダーティー隊形

 オープニングフライトの直後(合間)に離陸した三機が合流して、七機編隊で会場に戻ってきた。今年のフォーメーションは、「矢印」、「傘形」、「富士山」だった。その後、四機、三機のエシュロン隊形で会場に進入して、会場上空でブレイクして着陸した。

航過飛行 (T-7×7機、第11飛行教育団、静浜基地所属)
「矢印」隊形 「傘形」隊形
「富士山」隊形 エシュロン隊形、ブレイク

 ここから外来機のフライトが始まるが、今年はいきなり戦闘機の展示飛行が続く。一番手は小松基地第303飛行隊の F-15J 二機だが、昨年と同じく航過飛行だけなのが予行でわかっていた。
三回パスしただけで小松に帰っていった。かつては二機による派手なフライトを披露してくれたので、航過飛行だけというのは非常に残念だ。また、ちょうど観戦場所の頭上を通過するので、写真撮影には不向きだった。太陽が高い位置にあるので見上げた機体は真っ黒になってしまい、来年は観戦場所の工夫が必要だろう。

航過飛行 (F-15J×2機、第303飛行隊、小松基地所属/小松リモート)
F-15J 戦闘機 [62-8878、32-8817] / 航空総隊/中部航空方面隊/第6航空団/第303飛行隊

 外来機のニ番手は、百里基地 RF-4E 二機による機動飛行(戦術偵察飛行)だ。戦術偵察飛行ということで派手な機動飛行とはひと味違うが、ファントムの爆音を堪能できる見応えのあるフライトだ。このフライトも以前より地味になってきた感じがするが、F-15J の航過飛行の後だと充分迫力を感じる。

機動飛行 (RF-4E×2機、第501飛行隊、百里基地所属/百里リモート
RF-4E 戦術偵察機 [47-6303、57-6912] / 航空総隊/偵察航空隊/第501飛行隊

 ファイター系のフライトに挟まれて、浜松基地からの T-4 二機によるフライトが行われた。二機水平に会場にやってきて、各機軽く機動飛行を行い帰って行った。例年通りのフライトだった。

航過飛行 (T-4×2機、第31教育飛行隊、浜松基地所属/浜松リモート)
 
T-4 中等練習機 [36-5698、36-5710] / 航空教育集団/第1航空団/第31教育飛行隊

 ファイター系最後のフライトは、岐阜の F-4EJ だ。例年は同じく岐阜の F-2 の機動飛行が行われていて、静浜で F-4EJ を見るのは初めてだ。近年エアフェスタ浜松でも F-4EJ のフライトが見られるようになったが、浜松の場合 F-2 に加えて展示飛行が増える形になっていた。
 そして、肝心のフライトだが、非常に残念なことに三回パスするだけの航過飛行だった。迫力ある F-2 の機動飛行とは比べるまでも無い残念なフライトだった。F-15 の場合もそうだが、従来機動飛行が行われていたものが航過飛行だけに変わってしまったのには何か理由があるのだろうか。基地周辺への騒音の問題か、燃料代の問題か、そのあたりの理由が非常に気になる。

航過飛行 (F-4EJ改×1機、飛行開発実験団、岐阜基地所属/岐阜リモート)
F-4EJ改 戦闘機 [57-8357] / 航空開発実験集団/飛行開発実験団/飛行実験群/飛行隊

 例年は C-130H で行われる第1輸送航空隊のフライトだが、今年は KC-767 により行われた。もちろん静浜初披露となる。二回バスしただけの航過飛行だが、機体が大きい分ある意味戦闘機なんかより見応えがある。機体は民間空港でよく見られる B767-200 だが、こうした低空で急旋回を見る機会はまずない。浜松でよく見られる E-767 とほとんど同じといってしまえばそうなのだが。

航過飛行 (KC-767×1機、第404飛行隊、小牧基地所属/小牧リモート)
KC-767 空中給油機・輸送機 [97-3603] / 航空支援集団/第1輸送航空隊/第404飛行隊

 次のプログラムは地元 T-7 二機による訓練展示だが、離陸するまでのプロセスはここからではわからない。このプログラムが終わってお昼休憩に入るとトイレが混雑するので、このタイミングで基地内のトイレを利用した。昨日もこのフライトを見ることが出来たが、トイレ待ちの列でも例年通りのフライトを楽しむことが出来た。

訓練展示 (T-7×2機、第11飛行教育団、静浜基地所属)
T-7 [66-5933] / 第11飛行教育団/第1飛行教育隊 T-7 [46-5920] / 第11飛行教育団/第2飛行教育隊

 1時間半のお昼休みを挟んで、午後のフライトは静岡県警ヘリの機動飛行から始まる。今年のフライトは、ユーロコプター AS365N3 の「ふじ2号」だ。県警ヘリのフライトはこの航空祭では恒例だが、アグスタ A109E の「ふじ3号」か今年の「ふじ2号」のいずれかで行われる。例年通りの軽快な機動飛行で観客を楽しませてくれた。

機動飛行 (AS365N3×1機、静岡県警察、静岡県警察航空隊基地所属)
ユーロコプター AS365N3 [JA22PC/ふじ2号] / 静岡県警察航空隊

 次は、地元 T-7 による編隊飛行だ。以前は十一機によるビック・フォーメーションだったが、昨年から七機と小ぶりになってしまった。オープニングフライトの後にも七機による編隊飛行が行われるようになり、機体数が減ったがビック・フォーメーションは二回行われるようになった。観戦場所からだとフェンスが邪魔で離陸は撮影できないので、離陸する機体を撮影するため外周道路を東側に移動する。このあたりの状況は承知しているので、七機の離陸を撮影して元の観戦場所に戻った。
 離陸した七機の T-7 が、空中集合して会場に戻ってきた。今年のフォーメーションは、「矢印」「デルタ」「富士山」の三パターンで、朝方展示したのと同じ隊形だった。

航過飛行 (T-7×7機、第11飛行教育団、静浜基地所属)
T-7 [56-5924] / 第2飛行教育隊、離陸 T-7 [56-5932] / 第1飛行教育隊、離陸
T-7 [46-5921] / 第2飛行教育隊、離陸 T-7 [66-5938] / 第1飛行教育隊 、離陸
T-7 [66-5934] /第2飛行教育隊、離陸 T-7 [46-5917] / 第1飛行教育隊、離陸
T-7 [66-5940] / 第1飛行教育隊、離陸 「矢印」隊形
「傘形」隊形 「富士山」隊形
エシュロン隊形、ブレイク
最終機は単独で着陸

 今年の静浜基地航空祭のトリを務めるのは、4年ぶりとなるブルーインパルスだ。会場内も盛り上がっているようだが、外周道路もギャラリーでいっぱいになってきた。
 定刻では 13:50頃の開始を予定していたようだが、大井川付近での凧上げの影響でスタートは10分ほど遅れた。昨日と違い少し筋雲が出てきているが、ブルーインパルスのフライトにはもってこいの天候だ。
 予行と同じく、ファン・ブレイクから展示飛行が始まった。2007年は六機によるダーティ・ローパスから展示飛行が始まったが、2008年以降はファン・ブレイクからだ。この天候なので、もちろん第一区分で始まった。しかし、インバート & コンティニュアス・ロールを終わったところでフライトがストップした。静岡空港からの離陸機があるためだという。フライト時間については事前に調整してあるはずなのに、以前もこんなことがあった。
 結局約7分間の中断があり、フォー・シップ・インバートから再開した。リモート展示なのでこの中断のため一部演目がスキップされることは覚悟していたが、予想以上に大幅にカットされてしまった。昨日の予行の一部演目スキップも残念だったが、今日から比べると全然ましだ。披露されたフライトは申し分なかったが、非常に残念な4年ぶりのブルーインパルスだった。昨日の予行は三番機に予備機が充てられていたが、本日は「3」のマークのある本来の機体だった。

ブルーインパルス (T-4×6機、第一区分 → 中断後、一部演目をスキップ)
 1番機 Leader : 稲留仁 二佐 (飛行隊長) [66-5745]
 2番機 Left Wing : 中條智仁 一尉 [46-5731]
 3番機 Right Wing : 上原広士 一尉 [26-5805]
 4番機 Slot : 川村翔平 一尉 [06-5790]
 5番機 Lead Solo : 園田健二 三佐 [46-5730]
 6番機 Opposing Solo : 山崎雄太 一尉 [46-5729]
ファン・ブレイク (1-4番機) 4ポイント・ロール (5番機)
チェンジ・オーバー・ターン (1-4、6番機) インバーテッド & コンティニュアス・ロール (5番機)
フォー・シップ・インバート (1-4番機) フェニックス・ループ (1-6番機)
ボントン・ロール (1-6番機) スター・クロス (1-5番機)
コーク・スクリュー (5、6番機) ローリング・コンバット・ピッチ (1-4番機)
デルタ・ローパス (1-6番機)

 ブルーインパルスのフライトが終わってから基地の中を覗き込むと、ヘリコプターのローターが回っているのが見え、外来の地上展示機の帰投準備が始まっているのがわかった。ほとんどのギャラリーは帰路についているが、一部のマニアは帰投をじっと待ってる。
 離陸はなかなか始まらず、航空祭終了の 15時ちょうどに空自の CH-47J から帰投が始まった。CH-47J は会場正面で挨拶をして入間に帰って行った。続いて、明野の UH-60JA だが、期待していた機動飛行なしで帰って行った。明野組は例年何かやってくれるが、AH-64D 無しの今年は何も無かった。
 10分ほど空いて木更津の CH-47JA が離陸したが、こちらは期待に反して一度基地を去ってから戻ってきて軽く挨拶をして帰って行った。大きな機体の低空フライトは迫力あるので、残ったギャラリーから小さな歓声が上がった。そして、UH-1J、SH-60J とさらっと帰って行って、全機帰投終了、航空祭は幕を閉じた。

外来機帰投
CH-47J(LR) 大型輸送ヘリコプター [37-4501]
航空総隊/航空救難団/入間ヘリコプター空輸隊(入間基地)
UH-60JA 多用途ヘリコプター [43105]
陸上自衛隊/航空学校/教育支援飛行隊 (明野駐屯地)
CH-47JA 大型輸送ヘリコプター [52910]
陸上自衛隊/航中央即応集団/第1ヘリコプター団/第1輸送ヘリコプター群/第105飛行隊 (木更津駐屯地)
AH-1S 対戦車ヘリコプター [73467]
陸上自衛隊/東部方面隊/東部方面航空隊
/第4対戦車ヘリコプター隊/第1飛行隊 (木更津駐屯地)
SH-60J 対潜哨戒ヘリコプター [8262]
海上自衛隊/自衛艦隊/航空集団/第21航空群
/第21航空隊/第212飛行隊 (館山航空基地)

 実家まで歩き、一個所立ち寄って東京への帰路につく。藤枝岡部インターから新東名に乗ったが、すでに御殿場から先は20キロ以上の渋滞となっている。これからしばらくは激しい渋滞は解消されないと考え、いつもどおり御殿場インターで東名高速を降りて、山中湖、道志みちで帰ることにした。天気が良い週末で、航空祭まであったのでこの渋滞はどうしようも無い。道志みち経由のルートはほぼ順調で、遅いキャンピングカーにいらいらさせられたことを除くと、順調に帰ることが出来た。
 F-15J と F-4EJ は航過飛行だけ、地上展示機のさらなる縮小。年々コンパクトになっていく静浜。KC-767 の航過飛行は新しい試みだったが、航空祭はファイター系の機動飛行がメインだ。かつてのような米空軍の F-16 は無理でも、F-2 の軽快な機動飛行くらいは披露してもらいたい。

地上展示機
T-7 初等練習機 [46-5920]
航空教育集団/第11飛行教育団/第2飛行教育隊
T-7 初等練習機 [66-5933]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
CH-47JA 大型輸送ヘリコプター [52910]
陸上自衛隊/中央即応集団/第1ヘリコプター団
/第1輸送ヘリコプター群/第105飛行隊 (木更津駐屯地)
AH-1S 対戦車ヘリコプター [73467]
陸上自衛隊/東部方面隊/東部方面航空隊
/第4対戦車ヘリコプター隊/第1飛行隊 (木更津駐屯地)
UH-60JA 多用途ヘリコプター [43105]
陸上自衛隊/航空学校/教育支援飛行隊 (明野駐屯地)
SH-60J 対潜哨戒ヘリコプター [8262]
海上自衛隊/自衛艦隊/航空集団/第21航空群
/第21航空隊/第212飛行隊 (館山航空基地)
T-7 初等練習機 [66-5936]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
CH-47J(LR) 大型輸送ヘリコプター [37-4501]
航空総隊/航空救難団/入間ヘリコプター空輸隊(入間基地)
 T-7 Jr リトルウィング

保存機体 
T-6F 練習機 [52-0011]
第15飛行教育団 (静浜基地、最終所属)
 T-34A 初等練習機 [61-0390]
第11飛行教育団 (静浜基地、最終所属)
 T-3 初等練習機 [11-5539]
第11飛行教育団 (静浜基地、最終所属)
T-3 初等練習機 [91-5511]
第11飛行教育団 (静浜基地、最終所属)
ノースアメリカン F-86F 戦闘機 (62-7417)

陸上自衛隊車両、他
偵察用オートバイ KLX250 / 陸上自衛隊 軽装甲機動車 [05-1900]
陸上自衛隊/中央即応集団/国際活動教育隊(駒門駐屯地)
高機動車 [06-3860] / 陸上自衛隊/東部方面隊
/第1師団/第34普通科連隊/第1普通科中隊 (板妻駐屯地)
1トン半救急車 [08-1814] / 陸上自衛隊/東部方面隊
/第1師団/第34普通科連隊/本部管理中隊 (板妻駐屯地)
82式指揮通信車 [25-1405]
陸上自衛隊/富士学校/富士教導団/団本部 (富士駐屯地)
87式偵察警戒車 [25-2872] / 陸上自衛隊/富士学校
/富士教導団/戦車教導隊/本部管理中隊 (富士駐屯地)
96式装輪装甲車 [25-4470]
陸上自衛隊/富士学校/富士教導団
/普通科教導連隊/第4普通科中隊 (滝ヶ原駐屯地)
軽装甲機動車 [45-6053]
第11飛行教育団/静浜基地警備隊
 野外炊具1号 / 第11飛行教育団



移動の記録

(5/21)
(GOLF GTI) ホテルシーラックパル焼津     6:09         211q (15,922)
      実家               6:27         221q (15,932)

      徒歩
      実家 6:40 → 7:10 静浜基地 15:30 → 実家 16:00

      実家              16:08         221q (15,932)
      焼津市立病院          16:21〜16:47   227q (15,938)
      新東名高速藤枝岡部IC     17:18         239q (15,950)
      東名高速御殿場IC       18:07         330q (16,041)
      道の駅「どうし」        18:57〜19:02   366q (16,077)
      南大沢             20:26〜21:03   416q (16,127)
      コンビニ            21:07〜21:14   417q (16,128)
      自宅              21:17         419q (16,130)

      燃費概算(二日間)14.0q/g
         走行時間  8時間04分
         走行距離  418q
         平均速度  52q/時間






Nikon D500



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