特急「スーパーおき」4号 (新山口→江津) 乗車記

JR西日本キハ187系気動車10番台


JR西日本 / 山口線・山陰本線


2017.6.25


乗車列車  特急「スーパーおき」4号 3004D 新山口発、鳥取行き
乗車区間  新山口 12:53 → 江津 15:18
使用路線  新山口(山口線)益田(山陰本線)鳥取
車両  JR西日本キハ187系気動車10番台 / 1012 + 12 (2両/後藤総合車両所)

特急「おき」について
 「スーパーおき」は、JR西日本が鳥取・米子-新山口間を山陰本線・山口線経由で運行する特別急行列車。1975年に特急「おき」として運転を開始し、2001年7月7日から現行の列車名としている。
 1975年3月10日に山陽新幹線岡山-博多間が開業した際に、山陰地方西部と新たに山陽新幹線の停車駅となった小郡(現在の新山口)を結ぶ新幹線連絡列車として、鳥取・米子-小郡間で特急「おき」として運転を開始した。列車名は島根県の北方の日本海にある隠岐諸島に由来する。鳥取-新山口間の走行距離 378.1km は、本州内の在来線特急列車としては最長で、全国では「にちりんシーガイア」、「宗谷」に続いて第3位。
 運転開始した1975年3月10日からキハ80系が使用されたが、翌1976年10月にはキハ181系に変更された。そして、2001年7月7日に新型振り子式車両キハ187系が投入された。

特急「おき」4号
  2017.3.4改正ダイヤ
 



スーパーおき 編成図

←新山口     米子・鳥取→
1号車 2号車
普通車
指定席
普通車
自由席

発 
新山口 12:53
湯田温泉 13:03
山口 13:06 13:07
三谷 13:32
徳佐 13:43
津和野 13:55 13:55
日原 14:06
益田 14:28 14:30
三保三隅 14:48
浜田 15:02 15:03
波子 15:12
江津 15:18 15:19
温泉津 15:32
大田市 15:50
 出雲市 16:12 16:14
宍道 16:24
玉造温泉 16:33
松江 16:45
安来 17:01
米子 17:08 17:11
倉吉 17:41 17:42
鳥取大学前 18:11
鳥取 18:16

2023.8.16 作成


 JR西日本の「おとなびパス」を利用して、2017年6月に中国エリアの JR線乗車の旅に出かけた。「おとなびパス」というのは JR東日本の「大人の休日倶楽部パス」のような商品で、JR西日本の全列車が三日間乗り放題で、指定席利用は六回までで、普通車用が 18,000円、グリーン車用が 22,000円だ。50才以上の会員が対象だが、JR西日本では会費が無料で専用のクレジットカードを必要としない。ちょうどこの時期発売期間(利用期間)となっている。購入については、電話予約センターで指定席券と同時に申込みが出来て、手数料は掛かったが自宅まで郵送してくれた。
 今回の旅行の1番の目的は、来年3月をもって廃止が予定されている三江線に乗車することで、往路に「サンライズ出雲」を利用した。乗り放題切符利用なので観光は無しでひたすら列車に乗りまくった。4,000円の差額なので、少し贅沢をしてグリーン車用を利用した。
 大阪に宿泊した旅行三日目に、山陽本線で博多まで行き、折り返し新山口まで戻った。新山口から「スーパーおき4号」に乗車して江津まで移動した。当日は江津に宿泊して、翌日三江線に乗車した。

 JR西日本 / 新山口駅(山口県山口市) / 12:53 発車

 新山口駅は以前は小郡駅と呼ばれていて、個人的にはこちらの名称の方がしっくりする。駅はきれいに新しく生まれ変わっていたが、新幹線改札と在来線改札がかなり離れていて、在来線側にはみどりの窓口が無い。駅としての機能は新幹線口である南口に集約されている。
 「スーパーおき4号」は 18分前の 12:35頃入線してきた。キハ187系 二両編成で、各一両が指定席と自由席で、グリーン車はない。もちろん、この形式に乗車するのは初めてだ。二両編成の JR特急というのは珍しく、JR九州と JR四国の一部の列車が思い浮かぶ程度だ。入線時は車内はがらがらだったが、時間が経つにつれ乗客が増え、発車時点では7割程度の席が埋まっていた。
 学生時代、キハ181系「おき」で、小郡-津和野間に乗車したことがある。また、益田から先の山陰本線には、同じく学生時代に普通列車に乗車したことがある。

 特急「スーパーおき」4号 3004D 新山口(12:53)発、鳥取(18:16)行き
 
JR西日本キハ187系気動車10番台 / キハ187-1012 + キハ187-12 (2両/後藤総合車両所)

 山口で8、9割の座席が埋まり、山間部に入っていく。高速化未対応の山口線なので、振り子装置は使っていないようで、ローカル線らしいスピードだ。「SLやまぐち号」を撮影した長門峡あたりまでは景色を楽しんでいたが、いつの間にかまた眠ってしまった。揺れ具合とスピード感が眠るのにちょうどいい感じだ。楽しみにしていた津和野付近での車窓を見逃したのは残念だ。
 目を覚ましたのは益田手前で、益田では多くの乗客が降りていった。埋まっている座席は3割程度か。市街地を抜けると左手に日本海が見えるようになってきて、車窓に変化が現れる。高速改良された線区とはいえカーブが多い地区なので、振り子機構があるといってもそんなにスピード感が感じられない。しかし、エンジン出力が大きいので、立ち上がりの加速感は力強い。

 車窓 / 大浜漁港(石見津田→鎌手)

 車窓 / 中国電力三隅発電所(鎌手→岡見)

 がんがん飛ばす感覚はかつてのキハ283系等の方が大きかったが、キハ187系もさらに高出力のエンジンで結構飛ばしているようだ。高出力エンジンなので飛ばすとそれなりに五月蠅いが、許容範囲内といったところだ。

 車窓 / 折居海岸(三保三隅→折居)

 車内 / 西浜田→浜田

 石見地区の中心地浜田を過ぎると、波子に停車し、間もなく江津に到着した。時間的に余裕があるので、今回未乗車区間となる出雲市まで乗車しようとも考えたが、明朝は早いので、今回はあきらめた。

 JR西日本 / 江津駅(島根県江津市) / 15:18 到着

 「スーパーおき」で使用されているキハ187系気動車は地味なイメージだったが、大出力のエンジンと制御付自然振り子装置を搭載している、なかなか高性能な車両だった。座席はコストダウンのため 683系電車と同一のものだそうだが、最新型と比べても遜色のない快適さだ。
 在来線特急列車としては第3位の距離(新山口-鳥取)を走っているが、乗り通す人はほとんどいないだろう。需要がないせいかグリーン車は連結されていない(キハ187系自体にグリーン車は存在しない)。また、通常は二両編成なので、それなりの需要しかない列車のようだ。



山口線 及び 山陰本線(出雲市-益田間)について
 山口線は、山口県山口市の新山口駅から島根県益田市の益田駅に至る JR西日本の鉄道路線(地方交通線)。全線単線非電化。山口線では、国鉄時代の 1979年8月1日から蒸気機関車 C57-1 が牽引する「SLやまぐち号」の運転(復活運転)が開始された(復活運転は大井川鐵道に続き二例目)。
 2022年4月にJR西日本が公表した「輸送密度2000人未満」30線区リストによると、山口線は宮野-益田間がリストに含まれている。
 山陰本線は、京都府京都市の京都駅から中国地方の日本海沿岸(山陰地方)を経由し、山口県下関市の幡生駅に至る JR西日本の幹線。このほか、仙崎支線(仙崎線)と呼ばれる長門市-仙崎間の支線を持つ。
 2022年4月にJR西日本が公表した「輸送密度2000人未満」30線区リストによると、今回乗車した区間では、出雲市-益田間がリストに含まれている。
 山陰本線(出雲市-益田)
営業距離   129.9㎞ 電化・非電化 非電化
2019年度輸送密度   1,177人 単線・複線 単線
 山口線
営業距離  新山口-益田 93.9㎞
 (新山口-宮野 15.5㎞)
 (宮野-津和野 47.4㎞)
 (津和野-益田 31.0㎞)
電化・非電化 全区間非電化
2019年度輸送密度  新山口-益田 1,524人
 (新山口-宮野 6,091人)
 (宮野-津和野 678人)
 (津和野-益田 535人)
単線・複線 全区間単線

 特急「スーパーおき」の写真
2009/05/06 山口線・山口駅(スーパーおき1号)

2017/06/24 山陰本線・倉吉駅(スーパーおき5号)



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