西日本JRバス / 東海道昼特急 3号 乗車記
(バスタ新宿
→京都駅烏丸口)

2019.2.4


乗車バス  東海道昼特急3号 東京駅八重洲南口発、湊町バスターミナル行き
運行会社  西日本JRバス、JRバス関東
乗車区間  バスタ新宿 7:50 → 京都駅烏丸口 15:43 (定刻15:27)
車両  西日本JRバス(大阪高速管理所) 744-3995 なにわ200 か 502
 三菱ふそう エアロキング MU612TX 2003年式
走行道路  新宿駅(甲州街道・山手通り)初台南入口(首都高中央環状線)大崎JCT(首都高3号線・
 東名高速)豊田JCT(伊勢湾岸道)四日市ICT(東名阪道)亀山JCT(亀山連絡路)亀山西JCT
 (新名神・大津連絡路)草津JCT(名神高速)京都東IC(国道1号)京都駅烏丸口

「東海道昼特急号」について
 「東海道昼特急号」は、東京駅・新宿駅と京都駅・大阪駅を東名高速・伊勢湾岸道・新名神を経由して結んでいた昼行高速バスで、「ドリーム号」に使用される二階建てバスで運行されていた。2020年8月1日より、車両置き換えにより標準タイプの「東海道昼特急号」の運行を終了し、全便がデラックス版の「グラン昼特急号」と廉価版の「青春昼特急号」となった。

 東海道昼特急3号 ダイヤ
東京駅八重洲南口 7:10
バスタ新宿 7:50
東名向ヶ丘 8:20
東名江田 8:23
東名大和 8:34
東名厚木 8:43
足柄SA(休憩) 9:18
9:38
東名御殿場 9:42
東名富士 10:11
東名静岡 10:42
東名浜松北 11:35
東名高速・浜名湖SA
(休憩)
11:45
12:00
三ヶ日
(乗務員交代)
12:05
12:10
新名神高速・甲南PA
(休憩)
14:07
14:37
京都駅烏丸口 15:27
大阪駅JR高速BT  16:42
16:47
湊町BT 17:00

2023.9.12 作成


 東海道昼特急に乗車して京都鉄道博物館に出かけた。往路高速バス利用なので行動時間に制限があり、一泊するが鉄道博物館見学だけの計画だった。しかし、せっかく京都まで出かけたので、山崎駅前に宿泊して、初日の夕方と二日目の朝に近くのポイントで撮影した。西日本JRバスのエアロキングで運行される「東海道昼特急3号」乗車するのも目的なので始発の東京駅から乗車を考えたが、時間のことを考えてバスタ新宿から乗車した。
 昨夜の段階で「東海道昼特急3号」の空席は6席で、発券カウンターの空席状況では「僅かに空席あり」となっていた。11日前に予約した段階ではがらがらだったが、日を追うごとに席は埋まっていった。2階席最前列の1Aを確保できたが、単独席の1Cはすでに埋まっていた。単独乗車では特等席となるエアロキングの1C席はすぐに埋まってしまう。

 バスタ新宿(東京都渋谷区) / 7:50 発車

 東京駅始発の「東海道昼特急3号」は発車予定時刻の 10分前の 7:40 に入線。2003年式のエアロキングと思われるので、だいぶ使い込まれている車両だ。バスタ新宿から乗車したのは7,8名で、荷物を係員に預けて WEB乗車券を乗務員に渡して乗車する。お隣の1Bの乗客は東京から乗車したようで、リクライニングを倒しリラックスしていた。立ってくれそうにないので、声をかけたまたがせてもらった。結局この人は大阪方面まで乗車したが、ずっと座ったままで席を立つことはなかった。その点が気が重たかったが、そのような状況なので多少体が触れることを気にせず何度もまたがせてもらうことになった。
 座席は西日本JRバスの3列シートとしては標準となるクレイドルシートだが、個人的には体にフィットして非常に快適だった。2階席のフロントワイパーは撤去さされているので、足下も非常に広い。昼行便でプライベートカーテンはどうかなと思っていたが、隣の人を意識する必要が無くなるので非常に快適な設備だ。使い捨てスリッパはなかったが、ブランケットは座席においてあり大変重宝した。

 東海道昼特急3号 / 東京駅八重洲南口 (7:10) 発、湊町バスターミナル (17:00) 行き
 
西日本JRバス 744-3995 なにわ200 か 502 / 三菱ふそう エアロキング MU612TX 2003年式

 定刻の 7:50 に出発、甲州街道、山手通りを通り、初台南ランプより首都高速中央環状線に入る。渋滞の名所の一つの池尻ジャンクションは混雑はなく、首都高3号線の下りも順調だ。東名高速に入り東京料金所を抜けると、すぐに最初の乗車停留所の「東名向ヶ丘」だ。バス停付近にはトラックがたくさん駐車していて非常に邪魔だったが、ここで乗車する乗客はなし。

 東名向ヶ丘(神奈川県川崎市宮前区)/ 8:21 (定刻 8:20) / 乗車なし

 「東名江田」で一人、「東名大和」で二人が乗車した。

 東名江田(神奈川県横浜市青葉区)/ 8:25 (定刻 8:23) / 乗車1

 東名大和(神奈川県大和市)/ 8:35~36 (定刻 8:34) / 乗車2

 次の「東名厚木」では乗車はなく、定刻3分遅れで通過した。JR東海バスの「東名ライナー201号」が先行していたが、次の伊勢原バス停でこれを追い抜いた。

 東名厚木(神奈川県厚木市)/ 8:46 (定刻 8:43) / 乗車なし

 正面の大山が大きくなってくると、工事中の伊勢原ジャンクションを通過する。来月17日には新東名「伊勢原JCT-厚木南IC」間が開通し、御殿場方面から圏央道に入るのに新しいルートが生まれる。渋滞すること多い海老名ジャンクションを避けるルートができるが、この区間の完成で車の流れがどう変わるのはわからない。

 車窓 / 間もなく供用開始の伊勢原JCT付近から見た大山

 最初の休憩地の足柄サービスエリアに入っていくと、路線バス専用駐車エリアから「新東名スーパーライナー1号」のアストロメガが発車するところだった。エアロキングの製造中止で2階建てバスが無くなってしまうか心配だったが、欧州製のアストロメガが各社で少しずつ導入が始まっている。大量のエアロキングを擁する JRバスグループでは現在、JRバス関東が2台導入している。「新東名スーパーライナー」一往復などに充てられていて、現在試験的に運用といったところのようだ。初めて実車を見たが、どんな乗り心地なのか早めに乗車したい。しかし、JRバス関東の「新東名スパーライナー」は4列シートなので、その点は躊躇してしまう。
 このバスは路線バス専用駐車エリアを通過して、バス専用エリアに駐車した。こちらの方が建物に近く便利だが、どちらに駐車するかは乗務員に任されているのだろうか。足柄サービスエリアには1分遅れの 9:19 に到着したが、20分の休憩予定に対し 26分の休憩時間が案内された。この路線の場合細かな運行時間のことを言う必要は無いのかもしれないが、定時運行をする気はないように感じられた。

 東名高速・足柄SA (休憩) / 9:19~45 (定刻 9:18~38)

 休憩時間が延びたため、足柄サービスエリアは7分遅れで出発した。次の「東名御殿場」では1名乗車した。

 東名御殿場(静岡県御殿場市)/ 9:50~52 (定刻 9:42) / 乗車1

 御殿場ジャンクションからはそのまま東名高速を進む。新東名ができてからこの区間の東名高速を走る機会は少なくなったが、路面の状況が悪いのをはっきりと感じる。

 車窓 / 御殿場JCT と 愛鷹山

 裾野インターから先で工事のため一車線規制となっている区間があったが、時間的なロスはあまりなかった。「東名富士」では乗車なし。

 東名富士(静岡県富士市)/ 10:20 (定刻 10:11) / 乗車なし

 東名蒲原バス停を過ぎると、駿河湾が近づいてくる。由比周辺は駿河湾沿いに東名高速が走り、台風などの際には通行規制が出る区間だ。新東名は内陸部を走るのでその規制の心配はないが、海を間近に見る場所はない。

 車窓 / 由比パーキングエリア手前から望む駿河湾

 「東名静岡」では2名が乗車した。東名静岡では足柄サービスエリアで追い抜かれたと思われる、JRバステックの「スーパーライナー53号」が先着していた。このバスはこの先の日本坂パーキングエリアで抜き返すことになる。東名静岡は8分遅れの 10:50 に出発した。

 東名静岡(静岡県静岡市駿河区)/ 10:48~50 (定刻 10:42) / 乗車1

 この先一眠りしてしまい、目を覚ますと最後の乗車停留所の「東名浜松北」だった。ここでの乗車はなし。

 東名浜松北(静岡県浜松市東区)/ 11:39 (定刻 11:35) / 乗車なし

 浜名湖が見えてくると2回目の休憩地の浜名湖サービスエリアに到着した。ここには5分遅れの 11:50 に到着したが、予定の 15分より長く 20分の休憩が案内された。

 東名高速・浜名湖SA (休憩) / 11:50~12:10 (定刻 11:45~12:00)

 浜名湖サービスエリアは 10分遅れで出発し、次の三ヶ日インターで一旦東名高速を降りる。インターをでてすぐのところにあるJAみっかび特産センター前の駐車場に停車して、乗務員の交代が行われる。京阪神を東名高速道路経由で結ぶJRの高速バス(東海道昼特急、ドリーム号など)は、ワンマン運転が行われている。三ヶ日以東は JRバス関東の乗務員が担当し、以西は西日本JRバスの乗務員が担当する。そのための拠点が JRバス関東東名三ヶ日支店で、特産センターの二階に事務所などがある。また、近くに西日本JRバスの宿舎もあるらしい。乗務員からのアナウンスで乗務員(交代)と、三名の職員が移動のため同乗すると案内があった。

 JRバス関東東名三ヶ日支店(乗務員交代)/ 12:17~22 (定刻 12:05~10)

 三ヶ日インターに戻り、再び東名高速を西に向かう。ここで、先ほど浜名湖サービスエリアで購入した「三ヶ日牛 すき焼き弁当」を食べる。次の休憩地の甲南パーキングエリアでは 30分の休憩があるのでそこで食べようか迷ったが、時間的に遅くなるので弁当にした。味の方はごく普通に美味しかったが、個人的には少し甘すぎる気がした。値段の方もなかなかだった。
 間もなく新東名引佐連絡道分岐(三ヶ日ジャンクション)だが、東名高速を直進する。新東名が浜松いなさジャンクションまで開通の時は多くの車が連絡道から合流したが、現在合流する車は非常に少ない。

 三ヶ日JCT / 東名高速・名古屋方面へ

 東名高速のこの区間は新東名の開通により交通量がだいぶ減ったようだ。その先の豊田ジャンクションは伊勢湾岸道、四日市方面に行く。

 豊田JCT / 伊勢湾岸道・新名神方面へ

 伊勢湾岸道に入ると車の数がぐっと増えてくる。次の名古屋南ジャンクションはそのまま伊勢湾岸道を直進する。「新東名スーパーライナー」に乗車したときには、ここを名古屋高速方面に分かれて名古屋市内に向かった。

 名古屋南JCT / 伊勢湾岸道・新名神方面へ

 続く東海ジャンクションも名古屋高速へ分岐するが、そのまま直進して名古屋港エリアに入る。

 東海JCT / 伊勢湾岸道・新名神方面へ

 名古屋港エリアには三つの橋(名港東大橋、名港中央大橋、名港西大橋)が架けられていて、名港トリトンという愛称がある。このあたりの雰囲気は、首都高湾岸線の扇島、浮島地区になんとなく似ている。

 車窓 / 名港中央ICと名港西大橋

 名古屋港エリアをすぎると三重県に入り、すぐに木曽川を渡る。木曽川の向こうには、広大なナガシマスパーランドが広がっている。静岡出身なのでテレビのCM等でなじみ深く、歴史のある遊園地だ。富士急ハイランドと並んで絶叫マシン系が非常に充実している。現在は遊園地の他に日帰り温泉施設、複数の大規模ホテル、アウトレットモール等があり、非常に大規模なレジャー施設となっている。

 車窓 / ナガシマスパーランド

 四日市ジャンクションは、左手の東名阪道、大阪方面に入る。本来新名神は直進する東海環状方面なのだが、すぐ先の新四日市インターまでしか開通していないので、現在大阪方面へは東名阪道を迂回するルートをとっている。しかし、新四日市インターから亀山西ジャンクションまでは来月17日(新東名、海老名JCT-厚木南IC開通と同日)に開通するので、それ以降はそちらに運行ルートが変更になると思われる。四日市-亀山間は渋滞の名所のようなので、新名神のこの区間の開通は地元では待たれていたようだ。

 四日市JCT / 東名阪道・大阪方面へ

 東名阪道を少し走ると亀山ジャンクションが現れ、新名神、大阪方面に入る。亀山ジャンクションから亀山西ジャンクションまでは新名神高速・亀山連絡路だが、前述の区間が開通するとこの区間の交通量は大きく減ることになるだろう。

 亀山JCT / 新名神、大阪方面へ

 亀山連絡路をしばらく走ると、工事中の亀山西ジャンクションを通過する。開通まで一ヶ月あまりなので、急ピッチで工事が進められているようだ。また、このあたりで雲が厚くなり、小雨がぱらぱらフロントウィンドに当たるようになってきた。西の空は明るいので、天気が悪いのはこの付近だけのようだ。
 間もなく、最後の休憩地の甲南パーキングエリアに到着した。ここでは 30分の休憩が設定されていて、レストランがあるので食事をとることができる。美味しそうなメニューもあったので、ここで食事をすれば良かったと後悔した。乗客はすべて発車予定時刻 14:45 の前に乗車したが、バスはなかなか発車しない。外を見ると、このバスの乗務員は後から到着した別の便の乗務員と話し込んでいる。情報交換をしているようには見えないので、ただの世間話のようだ。少しバスは遅れているので、時間はしっかり守ってほしいものだ。

 新名神高速・甲南PA (休憩) / 14:15~49 (定刻 14:07~37)

 この区間の新名神は山間部を走っていたが、新名神延伸予定の大津ジャンクションあたりから開けてくる。まだ実際には分岐がない大津ジャンクションから先は大津連絡路となり、草津ジャンクションで名神高速に合流する。

 草津JCT / 名神高速、大阪方面へ

 交通量がぐっと増えた名神高速を進むと、すぐに瀬田東ジャンクションがある。京滋バイパスへの分岐点だが、京滋バイパスは名神高速の迂回路だ。大津市、京都市の南側を迂回して走り、大山崎ジャンクションで名神高速に再び合流する。

 瀬田東JCT / 名神高速、大阪方面へ

 大津インターを過ぎると次は京都東インターだ。ここで高速道路を降りて、国道1号に入り京都市内に向かう。道路は順調に流れているが、それなりに交通量が多いので思うようには進まない。

 名神高速・京都東IC / 流出、国道1号京都方面へ

 国道1号線は京都市街地では五条通となり、鴨川あたりから激しく渋滞してきた。このバスは烏丸五条交差点を左折するが、直進が渋滞しているためなかなか前に進まなかった。烏丸通りに入ると順調で、定刻より 16分遅れの 15:43 に京都駅烏丸口に到着した。半数以上の乗客が残っているようなので、大阪方面まで需要の方が大きいということだ。

 京都駅烏丸口 (京都府京都市下京区) / 15:43到着(16分遅れ)

 8時間弱の乗車時間だったが、快適な座席と三回の休憩のため、快適な移動時間を過ごすことができた。二階建てバスの二階最前列は展望席として申し分なかった。この路線(当時は「東海道昼特急大阪1号」)には 10年前に、新宿駅-大阪駅に乗車したことがある。しかし、その時はエアロキングの一階席だったので車窓はほとんど見えなかった。
 新東名経由とか、休憩時間の調整で所要時間の短縮は可能かもしれないが、この路線では所要時間はあまり問題にならないようだ。東名高速上で乗客を拾いながらゆっくり休憩を取るのが、乗客に受け入れられているこのバスのスタイルだと思う。




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