特急「スーパー白鳥」11号 (新青森→函館) 乗車記

JR北海道789系電車0番台


津軽海峡線(JR東日本/津軽線、JR北海道/海峡線・江差線・函館本線)

2016年3月21日に運行を終了、同年3月26日をもって廃止。

2015.1.22


乗車列車  特急「スーパー白鳥」11号 4011M 新青森発、函館行き
乗車区間  新青森 12:45 → 函館 14:58
使用路線  JR東日本/奥羽本線・津軽線、JR北海道/海峡線・江差線・函館本線
車両  JR北海道789系電車0番台 / HE-203編成 (3両) + HE-104編成 (3両) (函館運輸所)

「スーパー白鳥」について
 「スーパー白鳥」および「白鳥」は、JR東日本と JR北海道が、新青森-函館間を奥羽本線・津軽海峡線(津軽線・海峡線・江差線・函館本線)経由で運行していた特別急行列車。「白鳥」は JR東日本青森車両センターに所属する 485系電車の3000番台が、「スーパー白鳥」は JR北海道函館運輸所に所属する 789系電車の0番台が使用されていた。
 2002年(平成14年)12月1日に東北新幹線が八戸まで開業したのを機に、八戸での東北新幹線との接続、及び津軽海峡線の快速「海峡」の置き換え目的で、八戸・青森-函館間で運転を開始した。2010年(平成22年)12月4日、東北新幹線の新青森までの全通にあわせ、新青森で東北新幹線と接続する特急として新たに運行を開始した。
 2016年(平成28年)春、北海道新幹線の新函館北斗までの開業にあわせ、同年3月21日を最後に運行を終了し、新幹線開業日である同年3月26日をもって廃止となった。

 特急「スーパー白鳥」11号
 2014.3.15改正ダイヤ
  
 
発 
新青森 12:45
青森 12:51 13:00
蟹田 13:29 13:30
津軽今別 通過
木古内 14:20 14:20
五稜郭 通過
函館 14:58

2023.6.20 作成


 3月のダイヤ改正で「北斗星」「トワイライトエクスプレス」が定期運行終了となるので、「北斗星」に乗る最後のチャンスということで北海道旅行にでかけた。1月25日札幌出発の「ソロ」を手に入れることが出来たので、それに基づいて「大人の休日倶楽部パス」利用で計画を立てた。
 東京から「はやぶさ 9号」で新青森に到着。北海道に渡るのはJR北海道789系の「スーパー白鳥11号」だ。この「スーパー白鳥」は JR東日本485系3000番台の「白鳥」とともに、来年3月の北海道新幹線開業時に廃止される予定になっている。新幹線が延伸するのは便利で素晴らしいことなのだろうが、趣味的には在来線特急がどんどん無くなっていくのは非常に寂しい。また、並行在来線の問題も残る。

 JR東日本 / 新青森駅(青森県青森市) / 12:45 発車

 2002年12月1日の東北新幹線延伸開業(盛岡-八戸間)時のダイヤ改正より、新形式となる 789系電車は八戸-函館間の特急「スーパー白鳥」として営業運転を開始した。常時高湿かつ騒音の大きい環境の青函トンネルを走行するため、車体は防音防湿が図られている。また、トンネル内は 12‰の勾配が続くことから、編成中の電動車の比率を高くして列車全体の出力を確保し、上りの勾配区間でも最高速度 140 km/hでの連続走行を可能としている。

 特急「スーパー白鳥」11号 4011M 新青森(12:45)発、函館(14:58)行き
 
JR北海道789系電車0番台 / HE-203編成 (3両) + HE-104編成 (3両) (函館運輸所)

 私の乗った車両の乗車率は4,5割といったところで、満席だった昨年6月に乗車したときとはだいぶ違う。新幹線の車窓ではあまり感じられなかったが、青森まで来るとさすがに積雪が多く、雪国まで来たのだと実感する。

 車窓 / 陸奥湾(瀬辺地→蟹田)

 この電車の本州側の最後の停車駅は蟹田だ。JR東日本と JR北海道の境界駅は、一つ先の中小国となっている。営業上の分岐・分界点は中小国(JR東日本管轄)だが、実際の分岐点はその先の新中小国信号所(JR北海道管轄)だ。

 蟹田駅(青森県津軽郡外ヶ浜町) / 13:29~30

 青函トンネル前後では北海道新幹線関係の工事が続けられていて、開業まで1年あまりだと感じられる。開業後はこのあたりの景色に変化はあるのだろうか。

 車窓 / 新中小国信号所付近の新幹線合流点(蟹田→津軽今別)

 座席テーブルの裏には「青函トンネル通過予定時刻表」があり、青函トンネルに入る時間がわかるようになっている。しかし、青函トンネルのすぐ手前にいくつか短いトンネルがあるので、どのトンネルが青函トンネルかは入ってみないとわからない。車内の LED 案内にその旨表示されてわかる感じだ。
 トンネル内は湿度が高いので、窓の外側は曇っている。また、140㎞/h の高速で走行するので、対策されているとはいえ車内はかなり五月蠅い。

 青函トンネル通過 / 13:45頃~14:12頃

 北海道側の最初の停車駅は木古内だ。青函トンネルを出てすぐの所に知内駅があったが、昨年3月のダイヤ改正で旅客扱いを廃止して知内信号所となった。

 木古内駅(北海道上磯郡木古内町) / 14:20

 江差線の五稜郭-木古内間は北海道新幹線開業後は並行在来線として JR北海道から経営分離されることが決まっている。経営移管を受けるのは第三セクターの道南いさりび鉄道で、道南いさりび鉄道線となる予定だ。道南いさりび鉄道の主要株主は北海道で、約64パーセントの出資比率だ。

 車窓 / 津軽海峡(釜谷→渡島当別)

 江差線は、右手に津軽海峡が眺められる風光明媚な路線だ。渡島当別を過ぎると、右手の函館湾の向こうにそびえる函館山がよく見える。

 車窓 / 函館山(渡島当別→茂辺地)

 江差線の起点は五稜郭だが、この電車(スーパー白鳥 11号)は停車しない。五稜郭からは複線の函館本線に入り、間もなく終点の函館に到着した。函館からはキハ281系の「スーパー北斗 11号」に乗り換えて、南千歳に向かう。

 JR北海道 / 函館駅(北海道函館市) / 14:58 到着

 青函トンネルを通る海峡線は、国鉄分割民営化後の1988年3月13日、従来青森-函館間で運航されていた青函連絡船に代わって本州と北海道を連絡するJR線として開業した。そして、北海道新幹線開業後は、在来線としては事実上貨物専用線となった。
 これをもって、「白鳥」「スーパー白鳥」は廃止となり、青森県と北海道を結んでいた在来線列車の歴史に幕を閉じた。JR北海道の 789系は札幌圏への転用改造が行われ、2017年3月4日ダイヤ改正から特急「ライラック」(札幌-旭川)として運用を開始した。JR東日本の 485系3000番台は運用を離脱し廃止となった。



津軽海峡線について
 津軽海峡線は、青森県青森市の青森駅と北海道函館市の函館駅を結ぶ、JR北海道およびJR東日本の鉄道路線に付けられていた愛称。正式な路線名は、JR東日本/津軽線(青森-中小国)、JR北海道/海峡線(中小国-木古内)、江差線(木古内-五稜郭)、函館本線(五稜郭-函館)。
 津軽海峡で隔てられた本州の青森駅と北海道の函館駅との間には鉄道連絡船として、国鉄により青函連絡船が運航されていた。しかし、航路の安定が脅かされる事態が相次いで発生したため、船舶輸送の代替手段として、長期間の工期と巨額の工費を費やして青函トンネルが建設されることとなった。当初は在来線規格での設計だったが、整備新幹線計画に合わせて新幹線規格に変更され、建設された。整備新幹線計画が凍結された後、暫定的に在来線として開業することになった。
 1988年3月13日に青函トンネルが開業し、本州側の津軽線、青函トンネルを通る海峡線、北海道側の江差線・函館本線(五稜郭-函館間)からなる青森駅と函館駅を結ぶ路線群に「津軽海峡線」の愛称が付けられた。以後は北海道と本州との旅客・貨物輸送に重要な役割を果たしていて、旅客列車に加えて数多くの貨物列車が設定されている。
 2016年3月26日の北海道新幹線の開業に伴い、海峡線区間は新幹線用の設備更新がされ、在来線専用の電車・電気機関車は走行できなくなり、特急や寝台列車は新幹線開業と同時にすべて廃止され、津軽海峡を通過する在来線定期旅客列車は消滅した。海峡線区間の定期旅客列車は新幹線のみの運行となり、これにあわせて「津軽海峡線」の愛称も廃止された。また、江差線の区間も新幹線開業に伴い、第三セクター鉄道化され道南いさりび鉄道線となった。
 青函トンネルについては貨物・夜行列車なども引き続き通れるように三線軌条となっていて、専用の電気機関車牽引で貨物列車は運行されている。この区間の自走を前提に製造された「TRAIN SUITE 四季島」は、臨時列車として運行されている。

 「スーパー白鳥」の写真
2012/06/26 津軽線・蟹田瀬辺地 (4030M、13:41)

2015/06/25 新中小国信号所 (4011M、13:36)



トップへ
戻る




inserted by FC2 system