築城基地航空祭2011 と 福岡近郊のJR線 (2011.10.1〜3)
その2/3
築城基地航空祭2011
2011年10月2日

開催日時
 2011年10月2日(日)
場所
 航空自衛隊築城基地 (福岡県築上郡築上町西八田)
ルート
 10/2(日) (曇)
  小倉駅〜(JR)〜築城駅〜(JR)〜小倉駅
宿泊
 北九州ホテルプラザ



 6時少し前にホテルを出て、1階のコンビニで買い物をしてから駅に向かう。空は一面曇り空で、雨の心配はないようだが晴れることもないようだ。
 小倉始発の6:21発の航空祭臨時電車に乗り込む。本日は多くの臨時列車が増発されるせいか、乗った電車は昨日撮ることのできなかった鋼製の415系だ。車内はそれほど混雑してなく、小倉発車時点では立っている人は少数だ。そのかわり、この後発車する特急「にちりん」のホームには多くの人でいっぱいだ。本日は特急がほとんど築城駅に臨時停車するので、その「にちりん」の方が築城に早く到着する
。築城駅に到着するときには車内は満員状態で、そのほとんどの乗客がここで下車した。小さな駅の築城駅は本日連絡橋が閉鎖され、上り電車利用の場合駅舎の正面改札から、下り電車利用の場合臨時改札側から乗降するようになっている。臨時改札の外側では臨時の切符売り場が設けられていたので、小倉までの帰りの切符を購入した。

 人の流れに乗って歩いていくと10分足らずで基地の正面ゲートに到着した。基地に到着したのは7時半前で正面ゲートは開放されていたが、会場エプロンの開放は7:50からということだ。多くの人が場所取りのためエプロン入口で待っていたが、今回は観戦場所を確保するつもりはないので、のんびり手前の芝生の広場に座り込み会場開放を待つ。多くの基地はゲート前で待たされるので、こうして基地内で開場を待つことができるのはありがたい。売店は既に開いているし、トイレも利用できる。すると、オープニング・フライトに向かう、T−4,F−2,F−15各一機が離陸していった。
正面ゲート

 オープニングセレモニーが行われ、7:50に会場が開放となる。それと同時に、先ほど離陸した三機が一機ずつ会場上空をパスしていった。のんびりエプロンに移動し、地上展示機を見て回る。航空自衛隊の基地としては会場は狭く、展示機体もそんなに多くはない。米海兵隊の岩国航空基地からF−18の参加があったのはニュースだが、新田原基地のF−4の地上展示機がないのは残念だ。

そんなに広くない会場正面には、震災でここで訓練を行っているブルーインパルスが並ぶ

 会場のアナウンスとともに、オープニングセレモニーで一機ずつ航過飛行を行った三機が会場に戻ってきた。今度は三機編隊で、会場正面でブレイクを行った。F−2とF−15の両方の部隊が所属する基地は他にないので、岐阜基地以外でこうしたフォーメーションを見る機会はないだろう。

オープニング / F-2A (第6飛行隊) + F-15J + T-4 (第304飛行隊) (築城基地所属)
三機編隊で飛来、会場正面でブレイク
ブレイク後、一機ずつ着陸

 ここから本格的なフライトプログラムが始まる。まずは、芦屋救難隊による救難展示だ。築城基地には救難隊がないので、航空祭には芦屋救難隊と新田原救難隊が交互に救難展示を行っているようだ。内容的には普通の救難展示だが、最後にUH−60Jが機動飛行を披露して終了となった。

救難展示 (一回目) / U-125A + UH-60J (芦屋救難隊、芦屋基地所属)
U-125A 捜索救難機 (52-3001)
UH-60J 救難ヘリコプター (38-4558)
通常の捜索救難展示が行われた

 静浜基地では何度かOH−1の機動飛行を見たことがあるが、空自の航空祭での陸自機のフライトは珍しい。ジェット機のような迫力はないが、低空で目の前でフライトが行われるので違った迫力がある。昨年はアパッチの機動飛行があったようだが、今年はコブラで残念だ。まだ、アパッチの機動飛行は見たことがない。

陸自機動飛行 / AH-1S (陸上自衛隊、目達原駐屯地所属)
AH-1S 対戦車ヘリコプター (73437) / 西部方面隊/西部方面航空隊/第3対戦車ヘリコプター隊

 次の飛行展示は、新田原基地からのリモートによるF−4の機動飛行だ。いきなりナイフエッジパスを披露し、観客の度肝を抜いた。あいにくの曇り空と、飛行高度が高いのが残念だが、気合いの入った迫力あるフライトを披露してくれた。ファントムの機動飛行を見るのは一昨年の百里基地以来だ。

5空団機動飛行 / F-4EJ改 (第301飛行隊、新田原基地所属)
F-4EJ改 戦闘機 (07-8436) / 航空総隊/西部航空方面隊/第5航空団/第301飛行隊
ギアをおろして低速飛行
 アフターバーナー全開で旋回

 続いて、第6飛行隊のF−2が飛行展示に向けて離陸する。滑走路上では地面を這うように、そして機首を上げハイレートクライムへ。F−2の飛行展示は何度も見ているが、ほとんどリモート展示ばかりだ。F−2の機動飛行も高度が高めで、天候のせいかおとなしめのフライトだ。

8空団機動飛行 / F-2A (第6飛行隊、築城基地所属)
F-2A 戦闘機 (93-8551) / 航空総隊/西部航空方面隊/第8航空団/第6飛行隊
飛行高度が高く、おとなしめのフライトだ

 F−2の機動飛行中にタキシングしていったF−15二機は、F−2の着陸を待って飛行展示のため一機ずつ離陸していく。こちらも飛行高度が高く派手なフライトではなかったが、二機が交互に会場に進入して、間の空いたフライトではなく観客を楽しませてくれた。見せる工夫がなされたフライトで、印象に残った。

8空団機動飛行 / F-15J × 2 (第304飛行隊、築城基地所属)
離陸に向けタキシング
F-15J (42-8837) 離陸
F-15J (52-8862) 離陸
会場正面で180度旋回 (52-8862)
ギアをおろしてロースピードパス (52-8862)
ナイフエッジパス (42-8837)

 F−15が着陸すると、四機のF−2が対地射爆展示のため離陸する。こちらは二機ずつの離陸だ。離陸した四機はエシュロン隊形で会場に戻ってきて、会場正面でブレイク、二機のペアに分かれて交互に対地射爆撃を行う。その際、地上に仕掛けられた火薬が派手に爆発する演出だ。二機のF−2はいろいろな攻撃隊形で基地に侵入し、また別の隊形で会場を去る。この何度も対地射爆撃を繰り返すデモは、非常に印象に残った。

8空団対地射爆撃展示 / F-2A/B × 4 (第6飛行隊、築城基地所属) 
四機がエシュロン隊形で飛来、会場正面でブレイク
F-2A (13-8520)
二機のF−2がペアになり、交互に対地射爆撃を行う
対地射爆撃なので、かなり低空で滑走路上を通過する

 この後30分のインターバルを置いてF−15による模擬スクランブルが行われるが、展示場所付近は人だかりができているので、会場内を見て歩く。アトラクションなどには興味がないので、朝方撮影できなかった地上展示機を撮影してからのんびり昼食とする。
 その後のプログラムは、今日二回目の救難展示だ。一回目と展示内容は同じなので特筆することはないが、何度見ても救難展示は飽きない。芦屋救難隊自体が被災地に赴いたかは不明だが、東日本大震災では空自の救難隊も大忙しだったことだろう。そう考えると、救難展示の見方が変わってくる。

救難展示 (二回目) / U-125A + UH-60J (芦屋救難隊、芦屋基地所属)
U-125A 捜索救難機 (52-3001)
UH-60J 救難ヘリコプター (38-4558)
展示内容は一回目と同じ

 続いて、防府北基地からリモートのT−7二機による航過飛行が行われる。静浜基地で見慣れたT−7は派手さはないが、その軽快で優雅なフライトは印象に残る。しかも、ジェット機と違い、T−7は低くて近いフライトを見せてくれた。T−7の性能の高さと、教官パイロットの技量の高さが感じられた。

12教団航過飛行 / T-7 × 2 (第12飛行教育団、防府北基地所属)  
T-7 初等練習機 (86-5949、66-5934)が編隊で飛来、編隊のまま旋回を行う
T-7 (66-5934)
T-7 (86-5949)

 40分の昼休みをはさんで、築城基地名物の地元機体によるフォーメーション・フライトが始まる。この頃になると会場は多くの観客でいっぱいで、会場はそんなに広くはないので百里基地航空祭以上の混雑に感じた。四機のF−2は二機ずつ、と五機のF−15は一機ずつ離陸を行う。こうして数多くの戦闘機の離着陸が見られるのは、戦闘機部隊所属基地の航空祭ならではだ。
 この展示飛行は、F−15一機がソロ・フライトを見せる間に、残り八機がフォーメーションを組み替えるようになっているようだ。しかし、F−2一機にトラブルが発生したようで、すぐに予定外の着陸となった。そのため、八機による航過飛行はキャンセルとなり、F−2三機、F−15四機による別々の航過飛行となった。このフォーメーション・フライトは楽しみにしていたので、非常に残念だ。

8空団航過&機動飛行 / F-2A×4 + F-15J×5 (築城基地所属)
第6飛行隊のF-2Aは、二機ずつ合計四機が離陸 (レジは確認できず)
F-15J (82-8900) 離陸
F-15J (92-8907) 離陸
F-15J (72-8881) 離陸 F-15J (32-8822) 離陸
F-15J (02-8802) 離陸 F-2A三機はデルタ隊形で航過
F-15J四機はダイヤモンド隊形で航過 F-15J (02-8802)はソロで機動飛行を
F-15J四機はエシュロン隊形で進入、正面でブレイクして着陸体勢へ
F-2A三機もエシュロン隊形で進入、正面でブレイクして着陸体勢へ

 プログラムのトリを務めるのは、ブルーインパルスの飛行だ。震災から半年を過ぎて、ようやくブルーインパルス復活のフライトだ。昨日の予行は第一区分を披露したようだが、本日はあいにくの曇り空で、第四区分の展示となった。しかし、パイロットの意気込みが感じられる迫力あるフライトを堪能した。
 滑走路際は人が壁のようになって近づけなかったが、フライト終了後ギャラリーの移動があったので、最後にタキシングを目にすることが出来た。遠目にウォークダウンも見ることが出来、大満足だ。

ブルーインパルス / T-4 × 6 (第4航空団/第11飛行隊、松島基地所属)
ダイヤモンド・ダーティ・ローパス (1-4番機)
ファン・ブレイク (1-4番機)
チェンジ・オーバー・ターン (1-5番機)
サン・ライズ (1-5番機)
インバーテッド・ロール (5番機)
オポジット・トライアングル (1-6番機)
タック・クロス (5、6番機)
 タキシング (1、2番機)
2番機 里見三佐/山本一尉
ウォークダウン

 ブルーインパルスのウォークダウンが終了したのは14時50分過ぎで、航空祭終了予定の15時になると外来機が帰投の準備を始める。帰投については初めての航空祭なので警備の隊員に尋ねてみたら、航空祭終了の15時を過ぎるとエプロン地区は閉鎖になるが、入口の部分はそのまま開放されるということだ。徐々にロープが下げられ、段階的に観客を追い出しにかかる。最終的には、15時40分頃会場エリアから閉め出され、入り口のかなり狭い場所に追いやられてしまった。まだ粘っている人も多いが、写真を撮れる状況ではないので帰投はあきらめて駅に向かった。せっかくパンフレットに帰投予定時間が記載され、帰投ごとに機体と帰投先のアナウンスがされるので、会場の一部でも開放して欲しかった。
 正面ゲートのところで人数制限をしていたので、駅までは問題なく移動できた。予想通り、小倉方面の入り口はものすごい行列になっていて、これではいつ電車に乗れるのか心配なる。普通電車に乗る乗客と特急電車に乗る乗客が別々に二列に並んでいるが、係員の誘導があるのでトラブルなどはないようだ。また、特急の指定席券を持っている乗客には、その電車に優先的に乗車させている。電車の車両数によりホームへの人数を制限しているので、ここでもトラブルはない。意外に順調に列は進み、待ち時間は15分ほどで、あっさり電車に乗ることができた。ホーム整理のJR職員の話によると、今年の駅の混雑はたいしたことないとのことだった。
 曇り空だったのは残念だったが、フライトは素晴らしいものだった。アクセスも便利で、次回も是非訪れたい航空祭だが、なにせ九州なのでそう簡単には行くことができない。また、会場が狭く混雑がひどいのはマイナス点か。


外来機帰投 / 準備
U-125A (52-3001)/芦屋救難隊、芦屋基地へ帰投
UH-60J (38-4558)/芦屋救難隊、芦屋基地へ帰投
P-3C (5044)/第1航空隊、海自・鹿屋航空基地へ
T-400 (21-5061)/第41教育飛行隊、美保基地へ
C-1 中型輸送機 (78-1025) / 第402飛行隊、入間基地へ帰投
E-2C 早期警戒機 (54-3458) / 飛行警戒監視隊、三沢基地へ帰投

地上展示機 & 装備品

RF-4E 戦術偵察機 (57-6914) / 第501飛行隊、百里基地
T-4 中等練習機 (36-5706) / 第6飛行隊、築城基地
T-7初等練習機(66-5941)/第12飛行教育団、防府北基地
UC-12W (#168206)/米海兵隊、MAG-12、岩国航空基地
F/A-18D [DT-01]/米海兵隊、VMFA-242、岩国航空基地
OH-6D 観測ヘリ (31255) / 陸上自衛隊、高遊原分屯地
UH-1J 汎用ヘリ (41889) / 陸上自衛隊、目達原駐屯地
AH-1S 対戦車ヘリ (73437)/陸上自衛隊、目達原駐屯地
UH-60J 救難ヘリ (38-4558) / 芦屋救難隊、芦屋基地
U-125A 捜索救難機 (52-3001) / 芦屋救難隊、芦屋基地
E-2C 早期警戒機(54-3458)/飛行警戒監視隊、三沢基地
T-400基本操縦練習機(21-5061)/第41教育飛行隊、美保
U-4 多用途支援機 (95-3254) / 第402飛行隊、入間基地
P-3C 哨戒機 (5044) / 海上自衛隊、鹿屋航空基地
C-1 中型輸送機 (78-1025) / 第402飛行隊、入間基地
CH-47J 輸送ヘリ (77-4497)/春日ヘリ空輸隊、春日基地
ブルーインパルス予備機 / T-4 (46-5728)
F-15J 戦闘機 (42-8841) / 第304飛行隊、築城基地
F-15J 戦闘機 (42-8829) / 第304飛行隊、築城基地
F-15J 戦闘機 (42-8837) / 第304飛行隊、築城基地
F-15J 戦闘機 (52-8862) / 第304飛行隊、築城基地
T-4 ブルーインパルス予備機 (46-5729) / 松島基地
F-15DJ 戦闘機 (12-8078) / 第304飛行隊、築城基地
AAM-3 (90式空対空誘導弾) & AIM-7M (スパロー)
F-2A 戦闘機 (13-8563) / 第6飛行隊、築城基地
AAM-3 & GCS-1 Mk82/500ポンド誘導爆弾 & ASM-2
AAM-3 & JDAM弾 (GBU-38) & ASM-2
パトリオット・ミサイル (PAC3) / 第7高射隊、築城基地


(10/2)   小倉駅 6:21 → 築城駅 7:11           JR日豊本線(臨時)
      築城駅 16:10 → 小倉駅 16:56         JR日豊本線