JR東日本/山田線(盛岡→宮古) 乗車記

2021.9.10

乗車区間  盛岡 13:51 → 宮古 15:58 (2021.9.10)
乗車列車  快速 「リアス」 3639D 盛岡発、宮古行き
車両  JR東日本キハ110形気動車100番台 / 110-129 (盛岡車両センター)

山田線・路線図(2008年頃)

山田線(盛岡-宮古間)について
 岩手県盛岡市にある盛岡駅から同県宮古市の宮古駅までを結ぶJR東日本の鉄道路線(地方交通線)。盛岡から順に延伸を繰り返しながら、1939年に釜石駅までの全線が開通した。もともとは盛岡駅から宮古駅・陸中山田駅を通り沿岸南部の釜石駅までの路線だったが、宮古-釜石間は2011年3月11日の東日本大震災により大きな被害を受けて不通となり、2019年3月23日に三陸鉄道リアス線として復旧の上で経営移管された。これにより、山田線は山田町を通らなくなり、路線名だけに「山田」の名前が残ることになった。
 国鉄時代から特定地方交通線なみの輸送密度だったが、1987年時点で代替輸送道路が未整備だったため、第3次廃止対象特定地方交通線から除外された。盛岡市と宮古市を結ぶ路線だが、マイカーの普及が進んでいることに加えて、並行する国道106号を運行する都市間バスの影響により、当路線による都市間移動の需要は少なく、沿線地域の通学、通勤など生活需要を中心に担うローカル線となっている。

2021.11.8 作成


 3年ぶりに「大人の休日パス」を使った旅行を計画した。新型コロナウィルス蔓延のため観光や撮影はせず、ひたすら鉄道に乗りまくろうと考えた。パスは東日本スペシャルを利用して三泊四日の日程だ。行き先はこれまで訪れたことのない三陸海岸方面に決めたが、旅行の行程はいろいろ悩んだ。
 旅行二日目に、盛から久慈まで三陸鉄道リアス線を乗り通し、八戸線、東北新幹線経由で盛岡に到着した。新型コロナウィルスの影響で観光客の姿は少なく、鉄道、バスはいずれも空いている。盛岡からは、山田線に乗車して宮古に向かう。

 JR東日本/盛岡駅 (岩手県盛岡市) / 13:51 発車

 宮古行き・快速「リアス」はキハ110系1両編成で、車内が混雑していたので、ロングシートの空いている場所に座る。地元の買い物客、観光客など客層はいろいろだ。盛岡-宮古間には自動車専用道路経由の直通バスが走っていて、料金はほぼ同じで、急行便でも所要時間はほぼ同じだ。特急便ならバスの方がずっと早く、運行本数的にもバスの方が便利だ。

 快速 「リアス」 3639D 盛岡 (13:51)発、宮古 (15:58)行き
 
JR東日本キハ110形気動車100番台 /110-129 (盛岡車両センター)

 快速だが、盛岡市内の駅にはすべて停車する。盛岡市内最後の駅が上米内で、この駅までに約半数の乗客が降車したので、空いた二人がけのボックス席に移動した。宮古まで移動する人はバスの方が便利で、山田線で宮古まで乗車するのは「18きっぷ」や「大人の休日きっぷ」利用の人などが中心のようだ。

 上米内駅 (岩手県盛岡市) / 14:04~05

 山田線の上米内の次の駅は宮古市の区界(この列車は停車しない)で、駅間の営業距離が 25.7㎞有り、JR東日本管内の在来線では最長の駅間距離となっている。
 沿線は山の中を走り、崖や森が迫っていて車窓を楽しめる区間はほとんど無い。そんなわけで、いつの間にかうとうと眠ってしまった。目を覚ました時には宮古市に入っていた。しかし山の一番深い部分から里に出てきたところで、線路周辺も少しは開けてきた。閉伊川沿いに線路は走っていて、駅周辺には集落がある。

 川内駅 (岩手県宮古市) / 15:03 通過

 箱石駅 (岩手県宮古市) / 15:08 通過

 宮古市に入って最初の停車駅は陸中川井だが、ここでの乗降客はなかった。かつては列車交換可能駅だったようで、名残の錆びた線路が残っている。

 陸中川井駅 (岩手県宮古市) / 15:19~20

 車窓 / 陸中川井-腹帯間

 車窓 / 腹帯-茂市間

 次の停車駅は茂市で、山田線の途中駅では一番立派な駅だ。ここでは数名の乗車があった。かつてはこの駅から岩泉線が分岐していたが、2010年7月に災害により不通となり、そのまま復旧されることなく2014年4月に廃止になってしまった。

 茂市駅 (岩手県宮古市) / 15:39~40

 次の停車駅は千徳で、ここでは1名の乗車があった。もうここは宮古市街地で、住宅に囲まれて駅がある。

 千徳駅(岩手県宮古市) / 15:53~54

 千徳を出発して市街地を進んでいくと、間もなく左手からリアス線が合流して、終点の宮古に到着する。敷地は広大で、三陸鉄道の車両基地となっている。三陸鉄道の登記上の本社は岩手県庁内にあるが、実際の本社機能は駅舎に隣接した建物(旧宮古駅舎)の中にある。

 JR東日本(三陸鉄道)/宮古駅 (岩手県宮古市) / 15:58 到着

 宮古-盛岡間を結んでいる山田線は線形の関係で所要時間がかかり、快速でも 2時間10分程度の所要時間がかかる。一方競合する都市間バスの方は本数の多い特急で 1時間35分だ。また、運行本数の方は山田線が1日4往復、バスは現在の特別ダイヤで1日12往復(休日は9往復)運行されている。料金の方はほぼ同じなので、どう考えてもバスの方が便利だ。
 今年の 3月28日に宮古盛岡横断道路の復興支援道路として事業化されていた区間が全通したことにより、4月1日に経路変更とダイヤ改正が行われた。そのため、「(盛宮)106特急バス」は所要時間が大幅に短縮され現在の所要時間となった。それまで特急便の所要時間は山田線の快速とほぼ同じだったが、ダイヤ改正により 40分程度の時間短縮となった。今後は山田線の立ち位置はますます厳しいものとなっていくだろう。





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