JR北海道/富良野線(旭川→富良野) 乗車記

2022.7.9


乗車区間  旭川 7:40 → 富良野 9:01 (725D)
乗車列車  普通 725D 旭川発、富良野行き
車両  JR北海道キハ150形気動車0番台 / 4 + 16(2両/旭川運転所)

富良野・路線図

富良野線について
 富良野線は、旭川市の旭川駅と富良野市の富良野駅を結ぶ JR北海道の地方交通線。旭川や美瑛、富良野という有名観光地を沿線に持つ、北海道を代表する観光路線である一方、近年は周辺地域が旭川のベッドタウンとして発展していて、旭川方面への通勤・通学路線としての一面も持ち合わせている。
 元々は旭川と釧路を結ぶ幹線鉄道(十勝線、釧路線 (現・根室本線))の一部として建設されたが、1913年に滝川-下富良野(現・富良野)間の新線が下富良野線として開通して、釧路本線(現・根室本線)の起点が旭川駅から滝川駅に変更されたのに伴い、下富良野(現・富良野)-旭川間が富良野線として分離された。
 JR北海道が 2016年11月18日に公表した、単独での維持を困難とする10路線13区間の中に富良野線全線が含まれている。輸送密度200人以上2,000人未満の線区に分類され、『自社単独では老朽土木構造物の更新を含め「安全な鉄道サービス」を持続的に維持するための費用を確保できない線区』としている。2015年度の輸送密度は、1,477人となっている。
 北海道による総合交通政策検討会議が2018年2月10日に発表した「北海道の将来を見据えた鉄道網(維持困難線区)のあり方について」では、「観光客の利用だけで鉄道を維持していくことは難しいことから、関係機関が一体となって、観光路線としての特性をさらに発揮するよう取組を行うとともに、地域における負担等も含めた検討・協議を進めながら、路線の維持に最大限努めていくことが必要と考える」としている。
営業距離  旭川-富良野 54.8㎞ 電化・非電化   全区間非電化
2015年度輸送密度  旭川-富良野 1,477人 単線・複線   全区間単線

2023.6.9 作成


 「北海道 & 東日本パス」を利用して、JR北海道の未乗車区間に乗車する四泊五日の旅に出かけた。JR北海道の未乗車区間は、室蘭本線(東室蘭-室蘭)、同(追分-岩見沢)、日高本線(苫小牧-鵡川)、根室本線(滝川-富良野)、同(東鹿越-新得)、宗谷本線(北永山-稚内)だ。このうち東鹿越-新得間は災害により運休中なので乗車はできない(2024年4月1日の廃止が決まった)。
 JR東日本管内では、未乗車の大船渡線と釜石線に乗車して、昨年の東北旅行の時には休館中だった陸前高田の東日本大震災津波伝承館に立ち寄った。そして、北海道に渡るのには、八戸-苫小牧間のシルバーフェリーの夜行便を利用した。
 旭川市内に宿泊した旅行五日目に、旭川から富良野線に乗車して富良野に向かった。富良野では滝川行きの根室本線に乗り換えた。今回の目的は富良野-滝川間の根室本線だったので、富良野線はその経路として乗車したということになる。富良野線には、2018年1月に富良野から旭川まで乗車したことがある。

 JR北海道 / 旭川駅(上川総合振興局/旭川市) / 7:40 発車

 旭川市内は青空が広がっているが、結構雲も多く、今日は終日晴れたり曇ったりの予報になっている。通勤通学の時間帯だが土曜日なので、旭川駅構内は閑散としている。
 富良野線富良野行き 725D はキハ150形二両編成だ。0番台なので、固定窓でちゃんと冷房が搭載されている。ちょうど進行方向左側が2人掛けのボックスシートなので、十勝岳などが見えるはずのそちら側に座る。座席は4割くらい埋まったが、土曜日なので観光客らしき人の姿が多い。

 富良野線 普通 725D 旭川(7:40)発、富良野(9:01)行き
 
JR北海道キハ150形気動車0番台 / 4 + 16(2両/旭川運転所)

 旭川を発車してすぐに宗谷本線から分かれて、進行方向を南に変える。旭川駅は高架駅だが、忠別川を渡ると高架は終わる。しばらくは旭川の市街地を走るが、西御料をすぎると車窓は田園風景になる。

 神楽岡駅(上川総合振興局/旭川市) / 7:43

 緑が丘駅(上川総合振興局/旭川市) / 7:45~46

 西御料駅(上川総合振興局/旭川市) / 7:48~50

 西神楽では上り列車と列車交換が行われる。交換したのは 722D(休日運休)で、こちらと同じくキハ150形二両編成だった。車内に乗客はあまり乗っていなかった。

 西神楽駅駅(上川総合振興局/旭川市) / 7:56~57

 左手には大雪山(旭岳)が見える。最初は遠く感じたが、西神楽を過ぎたあたりから、大きく見えるようになる。あいにく空は雲に覆われているので、車窓展望としては今ひとつだ。

 車窓 / 大雪山(西神楽→西聖和)

 千代ヶ岡では5分間の停車時間があり、この駅でも列車交換が行われる。交換したのは 724D だが、他のことに気をとられていたので交換列車についてはよく見なかった。

 千代ヶ岡駅(上川総合振興局/旭川市) / 8:05~10

 千代ヶ岡までが旭川市で、その先は美瑛町となる。

 北美瑛駅(上川総合振興局/上川郡美瑛町) / 8:14~15

 沿線で一番の観光地の美瑛では多くの乗客が降りて、同じくらいの人が乗ってきた。美瑛周辺には観光スポットが点在しているが、距離があるので歩いて見て回るのは難しい。周遊観光バスもあるようだが、列車利用だとレンタサイクル(バイク)やタクシーが必要になると思う。私も何度も美瑛の丘を訪れているが、いずれも自動車で見て回った。

 美瑛駅(上川総合振興局/上川郡美瑛町) / 8:19~21

 車窓 / 美瑛川(美瑛→美馬牛)

 車窓 / 美瑛の丘(美瑛→美馬牛)

 美瑛の次の美馬牛では列車交換のため7分間の停車時間がある。多くの乗客が列車を降りて写真を撮っている。無人の小さな駅だが、驚いたことに8人の下車があり、2人が乗車した。降りた乗客はほとんど観光客のようだ。美馬牛地区にも観光スポットがあるので、そちらに向かうのだろうか。

 美馬牛駅(上川総合振興局/上川郡美瑛町) / 8:29~36

 美瑛周辺は素晴らしい風景が広がっているはずだが、線路は防風林に囲まれているので車窓を楽しめる場所は非常に少ない。上富良野町に入ってしばらくたつと、周辺は田園風景に変わり十勝連峰がよく見える。残念ながら雲が多いので、全ての山頂を見ることはできない。

 上富良野駅(上川総合振興局/空知郡上富良野町) / 8:45~46

 車窓 / 十勝連峰(上富良野→中富良野)

 この列車は普通列車だが、西中は通過する。また、西中-中富良野間に臨時駅のラベンダー駅があるが、この列車は停車しなかった。後で調べると、開設されるのは6~10月の土日休日だけで(期間外は解体撤収されるそうだ)、原則「富良野・美瑛ノロッコ号」だけが停車するらしい。有名なファーム富田の最寄り駅だ。中富良野ではたくさんの乗客が降りたが、多くが観光客のようだ。

 中富良野駅(上川総合振興局/空知郡中富良野町) / 8:53

 鹿討、学田と2駅を通過して、次は終点の富良野だ。富良野の市街地に入るとこれから乗車する根室本線が右手から合流する。すると、間もなく富良野に到着した。この駅で根室本線の滝川行き 3476D に乗り換えるが、乗り換え時間が8分しか無いので慌ただしい。同じように乗り換えた乗客は数人いたようだ。
 前回乗車した時は一面真っ白なうえ、真っ暗な曇り空で車窓の景色を楽しむことが出来なかった。しかし、今回は曇り空とはいえ、雄大な車窓を楽しむことが出来た。特に、美瑛から富良野にかけては素晴らしかった。

 JR北海道 / 富良野駅(上川総合振興局/富良野市) / 9:01 到着

 JR北海道によると、『自社単独では老朽土木構造物の更新を含め「安全な鉄道サービス」を持続的に維持するための費用を確保できない線区』としているが、そのリストの中ではまだ輸送密度は上の方だ。地元の足としても、観光路線としても重要な路線だと思うので、官民一体となって路線の維持に努めてもらいたい。JR北海道を取り巻く環境は厳しいが、このような重要な路線がなくなってはいけないと思う。



 富良野線 普通 725D 2022.07.09 (休日) ダイヤ
発 
旭川 7:40
神楽岡 7:43 7:43
緑ヶ丘 7:45 7:46
西御料 7:48 7:50
西瑞穂 7:52 7:53
西神楽 7:56 7:57
西聖和 8:00 8:00
千代ヶ岡 8:05 8:10
北美瑛 8:14 8:15
美瑛 8:19 8:21
美馬牛 8:29 8:36
上富良野 8:45 8:46
西中 通過
中富良野 8:53 8:53
 鹿討 通過
学田 通過
富良野 9:01



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