JR西日本 / 芸備線 (三次→広島) 乗車記

2017.6.26


乗車区間  三次 10:30 → 広島 11:58
乗車列車  快速「みよしライナー」 5835D 三次発、広島行き
車両  国鉄キハ47形気動車0,1000番台 / 1066+38(2両/下関総合車両所新山口支所)

芸備線・路線図

芸備線について
 岡山県新見市の備中神代駅から広島県三次市の三次駅を経て広島県広島市の広島駅に至るJR西日本の鉄道路線(地方交通線)。路線距離は159.1㎞で、全線単線、非電化。姫新線とあわせて中国山地を縦断する鉄道となり、また木次線と結んで山陰山陽連絡線を形成していた。しかし、中国自動車道の開通や、山陽新幹線と接続する伯備線の特急列車網の整備などで、広島市から木次線を経由して松江市・米子市などと結んでいた陰陽連絡路線のメインルートからは外れ、現在は、広島市-三次市間の都市間輸送や広島市-三次市-庄原市および新見市-庄原市東城町といった沿線の通勤・通学輸送が主体の路線となっている。
 広島-備後庄原間は芸備鉄道により開業した。備後庄原-備後落合間は国有鉄道(鉄道省)により庄原線として、備後落合-備中神代間は三神線として建設された。広島-備中神代間が全通したのは1936年10月10日で、翌年には芸備鉄道全線が買収され芸備線となった。 
 2022年4月、JR西日本は、2019年度の輸送密度2000人未満の線区について、収支状況と営業係数を公表した。対象となったのは17路線30線区だった。その中に芸備線の備中神代-下深川間が含まれている。各区間の内訳は、備中神代-東城(81人)、東城-備後落合(11人)、備後落合-備後庄原(62人)、備後庄原-三次(381人)、三次-下深川(888人)となっている。特に、東城-備後落合間はJR5社の中でも最低の輸送密度だ。
 その前年、2021年6月、JR西日本の広島支社と岡山支社は、山ノ内(庄原市)-備中神代(新見市)間の今後の運行の在り方や利用促進策を地元自治体や住民と協議したい旨、岡山県、広島県、新見市、庄原市へ申し入れを行った。
営業距離  備中神代-広島 159.1㎞ 
 (備中神代-東城 18.8㎞)
 (東城-備後落合 25.8㎞)
 (備後落合-備後庄原 23.9㎞)
 (備後庄原-三次 21.8㎞)
 (三次-下深川 54.6㎞)
 (下深川-広島 14.2㎞)
電化・非電化 全区間非電化
2019年度輸送密度  備中神代-東城 81人
 東城-備後落合 11人
 備後落合-備後庄原 62人
 備後庄原-三次 381人
 三次-下深川 888人
 下深川-広島 8,444人 (2020年度)
単線・複線 全区間単線

2022.10.29 作成


 JR西日本の「おとなびパス」を利用して、2017年6月に中国エリアの JR線乗車の旅に出かけた。今回の旅行の1番の目的は、来年(2018年)3月をもって廃止が予定されている三江線に乗車することで、往路に「サンライズ出雲」を利用した。乗り放題切符利用なので観光は無しでひたすら列車に乗りまくった。4,000円の差額なので、少し贅沢をしてグリーン車用を利用した。
 江津に宿泊した旅行四日目に、この旅行1番の目的の三江線に三次まで乗車した。そして、三次からは芸備線の「みよしライナー」に広島まで乗車した。広島からは、「のぞみ」、「やくも」を乗り継いで出雲市まで戻った。
 

 JR西日本 / 三次駅(広島県三次市) / 10:30 発車

 快速「みよしライナー」5835D は、広島からの 1808D の折り返し運用で、9:57 に到着した。キハ47 二両編成で、首都圏色の車両だ。今回の旅で見かけたキハ47 はすべて首都圏色で、広島色の車両を見ることが出来なかった。JR西日本は経費削減のため車両塗装の単色化を進めていて、キハ40系列は首都圏色と呼ばれる朱色に塗り替えられている。もう塗り替えが完了してしまったのだろうか。変な色に塗り替えられるよりましだが、個人的には JR 発足後に塗り替えられた路線毎の塗装が好きだ。
 趣味的にはキハ40(47) は貴重だが、乗車する立場でいうととても快適とはいえない。一番の問題は、クロスシートのシートピッチだろう。現代人の体格で考えると、狭すぎて向の人と足がぶつかってしまう。また、窓側の足下にパイプが通っていて、足下が狭くなってしまっているのも大きなマイナス点だ。当然冷房化され、延命のための体質改善もされているので、そのほかには特に不満は感じられない。

 快速「みよしライナー」 5835D 三次(10:30)発、広島(11:58)行き
 
国鉄キハ47形気動車0,1000番台 / 1066+38(2両/下関総合車両所新山口支所)

 「みよしライナー」は約10名の乗客を乗せて出発した。三次-広島間の都市間移動は高速バスが主体で、JR のダイヤを見る限りは競合しようともしていないようだ。駅間の移動を見ると時間、料金とも 「みよしライナー」が若干上回っているが、バスは広島市の中心部を経由しているので、そこまでの移動を考えると逆転する。そして、運転本数(快速の)と快適さにおいては勝負にならない。

 車窓 / 吉田口→向原

 芸備線には40年以上前に、広島から宍道まで急行「ちどり」に乗車したことがある。芸備線、木次線経由の急行気動車で、これらの路線が陰陽連絡路線として機能していた時代のことだ。当時、鉄道の車両や駅設備については全く写真を撮影していなかったのだが、今考えると非常にもったいないことをした。
 途中からぱらぱら乗車があり、広島到着時には7,8割の乗車率になり、立ち客も現れていた。広島と三次を結ぶ快速とはいえ、沿線住民を広島まで(広島から)運ぶ役目が中心で、昨年乗車した津山線の快速「ことぶき」と同じような立ち位置の列車だ。

 JR西日本 / 広島駅(広島県広島市)/ 11:58 到着

 快速「みよしライナー」は最低限の速達性があるが、運行本数が少なすぎる。高速バスに真っ向から勝負は出来ないのもわかるが、広島-三次間は芸備線の中でも移動人口がそれなりにある区間なので今のままではもったいないと思う。キハ40系は先がそう長くは無いと思われるので、転換クロスシートの新型車両の導入や二時間ヘッドの快速運転などの工夫が必要なのでは無いだろうか。このままでは、下深川以遠(岡山寄り)の区間は必要ないことになってしまうかもしれない。
 しかし、旅行者としてはこの空いた国鉄車両に乗車出来るので悪くはない。沿線に絶景はないが、のんびりとした田園風景を眺めながらの旅はいいものだ。



 三次ライナー 5835D
 2017.06.26 (平日) ダイヤ
発     着 発 
三次 10:30 白木山
西三次 狩留家
志和地 上深川
上川立 中深川
甲立 10:47 下深川 11:36
吉田口 玖村 11:39
向原 11:00 安芸矢口 11:44
井原市 戸坂 11:48
志和口 11:12 矢賀 11:54
上三田 広島 11:58
中三田



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