大人の休日倶楽部パス北海道鉄道旅行
2016.11.24〜28

その2/2
釧網本線、花咲線、石勝線代行バス乗車
2016.11.26〜28



ルート 11/26 (土) (晴)
  網走〜釧路〜根室〜釧路
11/27 (日) (曇)
  釧路〜帯広〜トマム〜札幌〜函館
11/28 (月) (晴)
  函館〜新函館北斗〜東京〜八王子〜橋本〜京王多摩センター
宿 泊  スーパーホテル釧路駅前 (釧路市 / 11/26)
 スーパーホテル函館 (函館市 / 11/27)


11/26 (土) 

 北海道旅行三日目は、釧網本線で釧路まで行き、根室本線(花咲線)で根室までを往復する。釧路−厚床間は35年前に乗車したことがあるが、厚床−根室間は初乗車となる。
 今日は網走発が 6:41発と早いので、朝がつらかった。この時間に出発することは良くあることだが、昨夜到着したの午後9時と遅かったためだ。鉄道利用が前提だと、駅から近いホテルは非常に便利だ。
 この時期の日の出時間は6時半なので、外はまだくらい。小雪が少し舞っているが、天気は良さそうだ。土曜日のせいか駅に人の気配は無かったが、待合室には3名の乗客が列車を待っていた。

 網走駅 / 石北本線/釧網本線

 6:25 を過ぎて改札のアナウンスがある。先に発車する西留辺蘂行きはキハ54 とキハ40 の二両編成で、がらがらで定刻に出発した。

 普通 4725D 網走 6:41 → 釧路 10:03

 普通 4725D 網走発、釧路行き

 国鉄キハ54形気動車500番台
 507号機 (釧路運輸車両所)


 乗車する 4725D はキハ54-507 の単機で、車内は0系新幹線発生品の転換式クロスシートの座席だった。各駅停車で乗車時間が長いので、こうした置き換えられたシートはありがたい。網走からの乗客は8名で、土曜日のせいかほとんど観光客のようだった。昨夜は真っ暗で気がつかなかったが、網走周辺もかなりの積雪がある。

 ようやく日が明けた頃列車は出発、間もなく左手のオホーツク海上に太陽が顔を出した。水平線の方には雲が多いが、上空は晴れ渡っている。海沿いは風のせいか積雪量は少ないが、このあたりは厳冬期でもそんなに積雪は無いのだろう。北浜までは乗降客は無く、浜小清水で乗車した地元の若者も知床斜里で下車した。
 知床斜里駅で上り列車交換のため4分間停車した。うっかりしていて上り列車の撮影を忘れてしまったが、交換した 4724D はキハ40 二両編成だった。釧網本線の運用では珍しいキハ40 だったので惜しいことをした。
 知床斜里では二名乗車、列車は進路を南に変えて山の方に入っていき、積雪量が多くなってくる。雲も多くなってきて、左手に見えるはずの斜里岳は裾の方の一部しか見えない。

桂台−鱒浦間 南斜里−清里町間

 緑駅での停車時間は6分で、上り列車との交換がある旨車内アナウンスがある。今回は上り列車を撮影しようと車外に出る。網走から乗車した乗客のほとんどは釧網本線乗車が目的のようで、同じように周りの景色や上り列車を撮影している。このあたりの積雪が一番多く、雪国の雰囲気が良く出ている。

緑駅停車 7:56 - 8:02 / 4726D 釧路発、網走行き と交換

 川湯温泉で四人、摩周で二人の乗車がある。摩周あたりから雪が少なくなり、国道上は乾燥している。磯分内で二人の降車があったが、一名は網走からの乗客だった。網走から乗車した乗客の中で、この人だけが一般の乗客で他は鉄道マニアのようだ。標茶では多くの乗客が乗車した。ここからが釧路からの生活圏なのだろう。
 塘路駅では上り列車との交換のため4分間の停車だ。このあたりでは日陰以外積雪が無く、普通の晩秋の景色だ。交換したのはキハ54 の快速「しれとこ」で、ヘッドマークがかっこいい。ここでは一人乗車した。

塘路駅停車 9:28 - 9:32 / 快速「しれとこ」 3728D 釧路発、網走行き と交換

 釧路平野は雲一つ無い青空が広がり、釧路湿原の向こうには阿寒の山々がきれいに見えている。細岡で一人、釧路湿原で二人、遠矢で三人の乗車があった。東釧路駅では五人下車し、三人乗車があった。
 釧路駅では食事を考えていたが、中途半端な時間となってしまった。駅前にファーストフード店もなさそうなので、10時半開店の駅ビル内のそば屋で済ませた。今年1月にも利用したが、このそば屋は普通に美味しいと思う。

 釧路駅 / 根室本線

 根室に向かう快速「ノサップ」はキハ54-526 単機運行だ。専用の方向幕は用意されているが、サボは使用されていない。座席は特急車両のリニューアルによって発生した簡易リクライニングシートだ。しかし、シートは回転できず、車両中央に向かって固定された集団見合い式の配置だ。そのため、太平洋側で進行方向を向いている座席は限られてしまう。

 快速 「ノサップ」 3629D 釧路 11:13 → 根室 13:22

 快速「ノサップ」 3629D 釧路発、根室行き

 国鉄キハ54形気動車500番台
 526号機 (釧路運輸車両所)


 早めに車内に入ったため、進行方向右側(海側)の前向きの座席を確保出来た。最終的には、釧路から21人の乗客を乗せて出発した。土曜日のためか、多くが観光客のようで。鉄道ファンらしい姿も多い。

 ずっと林の中を走行が中心だったが、厚岸が近づくと初めて右手に海が見えてくる。これは厚岸湾だ。間もなく厚岸に到着、ここまで一人、二人の降車があったが乗車は無かった。厚岸は釧路−根室間で一番大きな町(駅)だが、二人下車して一人乗車した。20年以上前に駅近くの厚岸町海事記念館に立ち寄ったことがあるので、なんだか懐かしい町だ。
 厚岸駅から先の海は、厚岸湾では無くて厚岸湖だ。厚岸湖はオオハクチョウの大規模な越冬地で、ラムサール条約湿地として登録されている。今日も多くのオオハクチョウの姿を見ることが出来る。塩水湖なのに表面が凍結している場所があり、オオハクチョウや他の鳥たちが氷の上を歩いている。
 厚岸湖が終わると、海岸線を離れて再び内陸に入る。やたら鹿が多いようで、頻繁に鹿対策の警笛を鳴らし、減速することも何度かあった。エゾシカの姿も二度見ることが出来た。
 茶内で一人下車したが、30年以上も前に訪れたことのある浜中や、廃止された標津線の分岐駅だった厚床での乗降は無かった。以前乗車したときには標津線から乗り換えて釧路方面に乗り換えたので、ここから先の区間が初乗車となる。
 落石が近づいてくると再び海が見えてきて、正面から右手に落石岬が見えてくる。その先落石で一名乗車し、快速なので次の停車は終点の根室となる。

厚岸−糸魚沢間 別当賀−落石間

 終点の根室駅では、乗客は全員荷物を持って下車し、改札を出るよう指示がある。車内の混雑が予想される場合はこうした指示があることがあるが、今回の増毛駅の場合は例外としてあまり出会ったことが無い。また、キセル対策も考えられる。鉄道ブームの中、ローカル線を旅するケースが増えてきたので、こうした基本対策をとるようにしているのだろうか。

 根室駅 / 根室本線
   

 根室駅での折り返し時間は10分間。駆け足で駅舎を撮影したり、線路の終点の方を眺めて終着駅の気分を堪能した。根室駅は日本最東端の有人駅というのがキャッチフレーズで、本当の最東端の駅は隣の東根室駅だ。

 普通 5630D 根室 13:32 → 釧路 15:51

 普通 5630D 根室発、釧路行き

 国鉄キハ54形気動車500番台
 526号機 (釧路運輸車両所)


 折り返し釧路行き普通 5630D の乗客は15人だった。驚いたことに、半数以上が折り返し乗車の乗客だった。休日とはいえ、何も無いときにわざわざ花咲線に乗車するマニアがこんなにいるとは思ってもみなかった。

 東根室駅で釧路からずっと一緒の乗客が五人降車した。いずれも鉄道ファンといった感じで、どうした目的があるのか気になる。振り返ると、後追いでこの列車を撮影していた。
 この先は、昨夜の睡眠不足がたたりうとうとしてしまい、記憶が所々飛んでいる。せっかくの車窓を見なかったのはもったいないが、ここまで来て昼寝をするのも贅沢な思い出だろう。
 昨夜は到着が遅く今朝の出発も早かったので、ゆっくり休むことが出来なかった。そうしたわけで、今日は早めにホテルにチェックインする。また、せっかく早めにチェックインしたので、夕食はちゃんととろうと考えた。
 時間に余裕があるのでネットであれこれ検索し、歩いて行けそうな範囲内の洋食屋をチェックした。地元に人が行きそうな普通の店を探して、タブレットの Googlemap を頼りに向かった。
 開店間際の時間だったが先客が二組いた。生ビールも贅沢して、美味しい夕食を堪能した。寒い中10分以上歩いて行ったが、そこまで足を伸ばして良かった。ひとり旅だと手軽に夕食を済ませることがほとんどだが、こうしたちょっとした贅沢も悪くはない。

 釧路市内

 根室駅から路線バスで納沙布岬に行きすぐに折り返して釧路に戻ってくることも考えたが、二日連続の強行軍は体力的に厳しいのでそのプランはあきらめた。結果的にそれが正解だったと思う。久しぶりに美味しい夕食を食べることが出来た。明朝の出発はゆっくりしているので、今夜はのんびり過ごすことが出来る。釧路駅に近いホテルで、ベッドも非常に快適だ。



11/27 (日) 

 北海道旅行四日目は、列車とバスを乗り継いで函館まで行く。本日の目的は、運休中の「スーパーおおぞら」の代替ルートとして運行されている、臨時快速、代行バス、臨時特急を乗り継いで札幌まで行くことだ。8月の台風10号の影響で、根室本線の東鹿越−芽室間と石勝線の新得−トマム間が不通となっていている。復旧の目処が立っていないので、9月8日から「スーパーおおぞら・スーパーとかち」の代替として、釧路−帯広間が臨時快速、帯広−トマム間が代行バス、トマム−札幌間が臨時特急が運行されている。一日三往復設定されていて、これらを乗り継いで釧路−札幌間を移動することになる。災害の被害に便乗するようで申し訳ないが、通常は乗車することの無いルートで移動できるのを見逃す手は無い。

 釧路駅 / 根室本線

 帯広行きの臨時快速 9336D は特急車両のキハ283系5両編成で、「スーパーおおぞら」の編成を短縮したものだ。普通車4両はすべて自由席で、グリーン車一両は指定席だが指定席グリーン券は車内で車掌が販売する。車両運用の関係で5,4号車は自由席座席、3,1号車はグレードアップ指定席座席となっている。座席の快適性が格段に違うので、グレードアップ指定席に座る必要がある。

 臨時快速 9336D 釧路 8:23 → 帯広 9:57

 臨時快速 9336D 釧路発、帯広行き

 JR北海道キハ283系気動車
 キハ283-8+キハ282-3002+キハ282-2+キロ282-4
 +キハ283-4 (5両/札幌運転所)


 駅には発車30分以上前に到着したが、9336D は既に1番線に入線していて、扉は既に開かれていて乗車できた。休日なのでどのくらいの乗客があるかと思ったが、釧路では4〜5割程度の乗車率だった。運行当初は6両編成で運行されていたようだが、乗車率が振るわないため1両短縮されてしまったのだろう。

 釧路−札幌間を今回のルートで利用すると、料金は 8,060円で、所要時間は5時間33分(乗り換え、待ち時間を含む)となる。他方、都市間高速バス(スターライト釧路号)を利用すると、料金は 5,770円で、所要時間は5時間20分だ。代替ルートは一日三往復設定されているが、スターライト号の昼行便は4往復、釧路特急ニュースター号の昼行便は3往復設定されている。これでは勝負にならないだろう。札幌と釧路を直接行き来する乗客は、バスを利用すると思われる。

古瀬−音別間 浦幌駅

 臨時快速は「スーパーおおぞら4号」のダイヤで運行されるが、白糠、浦幌、池田に停車する。しかし、途中駅での乗客は数えるほどしかいなかったようだ。
 帯広が近づいてくると、代行バスへの乗り換えについてのアナウンスがある。改札を出て係員の指示に従うようにアナウンスしているが、バスは全員が着席できることを強調している。乗り換え時に起こる可能性のあるトラブルを心配してのことだろうが、この乗車率を考えると今回は問題ないだろう。

 帯広駅 / 根室本線 / 代行バス接続

 帯広駅の改札外側に案内板を持った職員が立っている。その先も案内に従って南口を出ると、ロータリーに大型貸切バスが3台並んでいた。十勝バス2台、拓殖バス1台だ。どの車両に乗車してもかまわないようなので、まだ乗客の乗っていない2号車に荷物をトランクに預けて乗り込む。もちろん、最前列のドア側の席を確保する。現行型のセレガで、まだ新しそうな感じの車両だ。

 JR列車代行バス 2号車 帯広駅 10:20 → トマム駅 11:27 (定刻11:50)

 JR列車代行バス 2号車 帯広駅発、トマム駅行き

 十勝バス 帯広230 い 1202
 日野セレガ QPG-RU1ESBA (2012年登録)


 時間が経つにつれぱらぱら乗客が乗ってくるが、最終的に半分程度の乗車率だ。発車10分前くらいに4号車が到着して、1号車は信号機の先まで移動して1台分ずつ移動した。

 バスは定刻に出発したが、ここまで乗車券チェックは行われていない。帯広駅南口を出て公園大通を直進、西4南14を右折して青葉通へ出る。続いて西5南12を右折して公園通に出て、根室本線ガードをくぐり直進する。しばらく直進して西5南1を左折して国道38号線に出でる。道路上の積雪も、国道に出ると雪は溶けている。
 国道38号線は、西12北1を右折して、鈴蘭新通に入る。あとはひたすら鈴蘭新通を北上して、国道241号線にぶつかったら右折、道東道をくぐるとすぐ左手が音更帯広インターだ。
 道東道は路肩には積雪があるが、道路上は濡れているだけだ。走行には何も問題は無いが、50qの速度制限がされている。
 道東道に入ってしばらくして、トマム駅からの下り代行バスとすれ違った。札幌ナンバーのJR北海道バスが5台、その他が4台の合計9台だった。先頭4台はぱらぱら乗客が乗っていたが、5台目以降は乗客はいないようだった。臨時特急が満席の場合これだけのバスが必要になるのだろうが、乗客の数は事前につかめないのでバスの手配は大変だ。

音更帯広ICより道東道に トマム駅からの代行バスとすれ違い

 十勝平原サービスエリアあたりから路肩の積雪も消え、道路も乾きかかってきた。十勝清水インターまではラリー・ジャパン観戦の時に利用したことがあるが、当時の道東道は十勝清水−夕張間は未開通だった。

   
帯広JCT 直進 芽室IC 直進

 十勝清水インターから先は初走行区間となる。国道274号線(日勝峠)が同じ台風10号の影響で通行止めになっているので、十勝清水−占冠間だけを利用する場合は通行料無料の措置がされている。
 トマムに向けて坂を上っていくと、空が厚い雲に覆われ雪が降ってきた。そして、広内トンネルを抜けると雪国に舞い戻ってしまった。ここは無料措置がとられている区間だが、考えているより交通量が少ない。

十勝清水IC 直進 トマムIC を降りる

 初走行区間は一区間で、トマムインターで道東道を降りる。トマムという場所は、30年以上前に何も無い占冠村の一角にアルファリゾート・トマムというスキーリゾートを開発した。スキーにはまっていた若い時だったので非常に魅力を感じたが、当時は北海道までスキーに行くことはできなかった。今思えばバブル真っ盛りの時代の発想で作られ、当然のことながらバブル崩壊と共に経営破綻してしまった。いろいろあったあと、今は星野リゾートが経営を引き継ぎ、一応なんとかやっているようだ。しかし、個人的には昔のような関心は全くない。
 トマムは、トマム・リゾートの他何も無い場所で、雪国中の田舎道をトマム駅に向かって走る。しばらく正面に見えた二棟並ぶ高層ホテルの「ザ・タワー」の姿は道路沿線と比べると非常に違和感がある。
 道路はずっと順調で、定刻より23分前にトマム駅に到着した。道路状況に左右されるバスなので、これくらいの時間の余裕は持っておかなければならないのだろう。これからの降雪の季節になればなおさらのことだ。
 帯広からの一時間あまりのバスの旅は非常に楽しめた。北海道は「大人の休日倶楽部パス」を利用することが多いので、都市間高速バスなどを利用する機会はほとんど無い。しかも、最前列を確保できたので、車窓を堪能することが出来た。ラリー・ジャパンで4年連続十勝地方を訪れているので、懐かしい風景がいくつもあった。

トマムICより一般道に トマム駅に到着

 トマム駅では駅舎内の改札は利用されず、外側にある改札が利用された。階段下までバスをバックでつけ、JR職員により札幌行き臨時特急の車内に案内された。帯広駅でもこの駅でも細かな誘導はされなかったので、混雑するような状況ではトラブルが起こる可能性も心配される。また、この駅でも乗車券の確認は行われなかった。
 間もなくして貸切バスが1台(つたいバス)到着したが、これが新得からの代行バスかどうかは確認できなかった。また、11:50頃トマム・リゾートからの送迎バス2台が到着した。こちらには結構乗客が乗っていて驚いた。

 トマム駅 / 石勝線 / 代行バス接続

 代行バスが順調だったので、トマムでの乗り換え時間は45分あった。何も無い場所で何もすることが無かったので時間をもてあましたが、接続ダイヤのため仕方が無いことだろう。代行バスが遅延した場合この臨時特急もバスに接続して遅発となる旨、バス発車時に案内があった。最終的な乗客の数は、普通席で半分くらいだったと思われる。こちらの列車も運行当初は7両編成だったが、臨時快速と同じ理由で1両減車となったようだ。

 臨時特急 9036D トマム 12:12 → 札幌 13:56

 臨時特急 9036D トマム発、札幌行き

 JR北海道キハ261系気動車1000番台
 ST-1206編成(2両)+キハ260-1320+
 キハ260-1303 +ST-1106編成(2両) (6両/札幌運転所)


 札幌行きの臨時特急 9036D はキハ261系1000番台 6両編成で、「スーパーとかち」の編成を増結したものだ。普通車5両はすべて自由席で、グリーン車は1両で指定席グリーン券を車内で車掌から購入するのは臨時快速と同じだ。普通車の座席はすべてグレードアップ指定席の座席だった。

 臨時特急は「スーパーとかち4号」のダイヤで運行され、停車駅も時刻も全く同じだ。しかし、こちらでも途中駅での乗客は数えるほどしかいない。帯広−札幌間の今回の所要時間は 3時間36分で料金は 6,120円。一方都市間高速バスだと所要時間は3時間20分〜45分で料金は 3,770円。しかも、都市間高速バスは10往復設定されている。これでは、やはりこの区間でもバスに太刀打ちできない。
 追分を過ぎると空は明るくなって、青空も見えるようになってきた。南千歳では降車する人も多く、函館方面や新千歳空港に乗り継ぐ乗客はこのルートを選択するのだろう。
 札幌駅での乗り換え時間が48分あるので、駅ビル内で昼食をと考えていた。しかし、お昼時間を過ぎたとはいえ食べたいと思える店はすべて大混雑していたので、あきらめて弁当を購入することにした。当たり前だが日曜日は人出が多い。駅弁では能が無いので、大丸食品売り場で気に入ったものを購入した。

 特急 「スーパー北斗」16号 16D 札幌 14:44 → 函館 18:25

 特急 「スーパ−北斗」16号 札幌発、函館行き

 JR北海道キハ281系気動車
 7両 (函館運輸所)



 「スーパー北斗16号」はキハ281系 7両編成だった。乗客は半分程度だったが、隣の席が終点まで空いていたのでゆったり過ごすことが出来た。

 苫小牧を過ぎてしばらくすると、右手に樽前山が見えてくる。日没が近づいてあたりは薄暗くなってきたが、上部に雪を頂いた姿は美しい。こうして、昔登ったことのある山の姿を見ると非常に懐かしく感じる。

樽前山

 途中駅でぱらぱら乗車があり、新函館北斗では半分以上の乗客が降車した。まだ新幹線に乗り継いで東京に帰れる時間なので、多くの乗客が乗り換えるようだ。
 日没から時間が経っているので終点函館駅周辺は真っ暗で、北海道新幹線開通前より人が少ないように感じる。函館駅と新函館北斗駅は非常に離れているので、観光客などの人の流れが大きく変わったのかもしれない。

 函館駅 / 函館本線

 本日宿泊するホテルは駅から少し離れている。路面電車で次の電停で、ゆっくり歩いて10分程度だ。たいした距離では無いが、今回の旅行は駅の目の前のホテルばかりだったので遠く感じた。ホテル自体は非常に快適で、ゆっくり一晩を過ごすことが出来た。


11/28 (月) 

 北海道旅行最終日は新幹線で東京に帰るだけだ。しかし、それだけではもったいないので、函館駅近くの「青函連絡船記念館摩周丸」を見学する。11月からの開館時間は9時からなので、ホテルでゆっくり朝食をとってから出発する。余裕を持って向かったので時間があり朝市でも見ようと思ったが、呼び込みが五月蠅かったのでパスして、摩周丸の周辺を散策した。
 開館すぐに入館したのは私以外に家族連れがいた。観客が少ないので、船内をゆっくり見ることが出来た。青森側にある「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」には約4年前に訪れた。青函連絡船に乗車したのは二度だけだが、その時のことが非常に懐かしく思われる。
 「八甲田丸」では、実際の車両も保存してある車両甲板と機関室も見ることが出来たが、「摩周丸」では上部デッキだけ公開されている。また、冬場なので甲板など外側は閉鎖されていた。それでも、各種資料を含めて非常に楽しむことが出来た。

 函館市青函連絡船記念館摩周丸
摩周丸 / 旧国鉄青函連絡船、1988年3月13日終航 可動橋と船尾扉
グリーン指定椅子席 と 普通椅子席 普通船室絨毯席
操舵室(船橋) 「八甲田丸」 と 「十和田丸(初代)」(「石狩丸」に改称)

 函館駅まで戻ったが、やはりかつてのような賑わいが無いように感じる。立派な駅舎に生まれ変わり、すぐ周りには多くのホテルが建ち並ぶが、北海道新幹線の開通で人の流れが変わってしまったようだ。
 函館と新函館北斗を結ぶ「はこだてライナー」は、専用に 733系1000番台四編成が新造された。内外装は一部変更されているが、札幌地区で運用されている 733系と基本的に同じ仕様だ。五稜郭−新函館北斗間を電化して電車を運用できるようにしたが、函館駅で見る通勤電車には違和感を感じる。

 普通 「はこだてライナー」 1333M 函館 9:56 → 新函館北斗 10:18

 普通「はこだてライナー」 函館発、新函館北斗行き

 JR北海道733系電車1000番台
 B-1004編成 (3両/函館運輸所)

 本日はそんなに乗客がいないと思っていたが、出発時には立っている人も多く出た。ロングシートは定員数は多く稼げるが、座席数が少ないのが問題だ。新幹線のアクセス電車なら、転換式クロスシートにして車両数を増やすなどの方が良かったと思う。20分前後という長くは無い乗車時間だが、新幹線の指定席の乗客に対して座らせないという考えは少しおかしい。

 「はやぶさ18号」までの乗り換え時間は31分ある。「はこだてライナー」からの乗り換え時間はまちまちで、他の列車ではもっと乗り換え時間が短い。JR北海道ではこの乗り換え時間をどう設定しているのはわからないが、31分という時間は異常に長すぎる。私は駅舎の外に出たり売店などを見て回って時間をつぶしたが、多くの乗り換え客は時間をもてあましているようだ。「はこだてライナー」から新幹線への乗り換えを平面で出来るよう工夫しているのは評価するが、乗り換え時間については納得いかない。

 新函館北斗駅 / 函館本線/北海道新幹線

 新幹線ホームも狭いので人があふれていた。入線してドアが開いたのは発車10分前だったが、もう少し早く乗車させるよう入線時刻を考える必要があると思う。新函館北斗での乗車率は6割程度で、まずまずの乗客数だと思う。

 東北新幹線 「はやぶさ」18号 新函館北斗 10:49 → 東京 15:04
   
 東北新幹線 「はやぶさ」18号 新函館北斗発、東京行き
    (盛岡から、「こまち」18号(秋田発)を併結)

 JR東日本新幹線E5系電車
 U-15編成 (10両) (新幹線総合車両センター)


 八戸で車内はほぼ満席となった。その後仙台で乗客乗り換えがあったが、満席状態は変わらない。仙台では隣のホームに14分後に発車する「やまびこ142号」が止まっていたが、車内はがらがらだった。東京までの所要時間に30分差があるので、「はやぶさ」に乗客が集中するのは仕方が無い。
   

 東京から八王子までは「かいじ」の自由席を利用する。新宿で乗り換え京王線か小田急線で帰ればその方が早く自宅に着くが、せっかく「大人の休日倶楽部パス」なので、少し遠回りをすることにした。東京−八王子間で特急に乗車する機会はあまりない。

 特急 「かいじ」113号 5013M 東京 15:15 → 八王子 16:02
 
 特急 「かいじ」113号 東京発、甲府行き

 JR東日本E257系電車0番台
 M-115編成 (9両/松本車両センター)


 停車駅は、新宿、三鷹、立川、八王子だが、それぞれの駅でそれなりの乗降客があったのには驚いた。それに備えて車内改札も行われ、短い停車駅間だが、すべてきちんと回ってきた。短距離利用の乗客のほとんどは特急券をもっておらず、車掌がてきぱき販売していた。
   

 八王子駅で発車間際の横浜線に乗り換える。E233系に乗ると、東京に戻ってきたのだと感じる。横浜線に 205系が走っていたのが遠い昔に感じられる。

 普通(横浜線各停) 1608K 八王子 16:04 → 橋本 16:16
 
 普通(横浜線各停) 1608K 八王子発、東神奈川行き

 JR東日本E233系電車6000番台
 H-007編成 (8両/鎌倉車両センター)


 横浜線内でトラブルがありダイヤが乱れていると「かいじ」内でアナウンスがあったが、実際には既に定刻で運行されていた。
 橋本で京王相模原線に乗り換えて、今回の旅行を終了する。

 「大人の休日倶楽部パス」を利用して晩秋の北海道の旅行を計画したが、大寒波の影響で真冬の北海道旅行となった。しかし、雪景色の北海道も悪くない。交通に影響の出るような悪天候にも合わずに済み、計画通りに旅行を終えることが出来た。
 先ほど発表されたとおり、JR北海道では経営不振により維持が難しい路線について、整理の方向を考えてる。今回乗車した、留萌線の残存区間、釧網線、花咲線につても現在の形で列車が走り続けるのは難しいと思われる。35年前の学生時代に「北海道ワイド周遊券」を使って初めて北海道旅行をした時は、今では考えられないくらい多くの国鉄線が走っていた。国鉄末期から民営化かけて全国で赤字ローカル線が大きく廃止され、北海道では同じようなことが起ころうとしている。それまでに、出来るだけ乗車したい。これからも「大人の休日倶楽部パス」を使って北海道を旅行してみたいと思う。




移動の記録

(11/26)
網走駅 6:41 → 釧路駅 10:03        普通4725D
釧路駅 11:13 → 根室駅 13:22       快速「ノサップ」3629D
根室駅 13:32 → 釧路駅 15:51       普通5630D

《スーパーホテル釧路駅前》泊

(11/27)
釧路駅 8:23 → 帯広駅 9:57         臨時快速9336D
帯広駅 10:20 → トマム駅 11:27      代行バス
             (定刻:11:50)
トマム駅 12:12 → 札幌駅 13:56      臨時特急9036D
札幌駅 14:44 → 函館駅 18:25       特急「スーパー北斗」16号

《スーパーホテル函館》泊

(11/28)
函館駅 9:56 → 新函館北斗駅 10:18     普通「函館ライナー」1333M
新函館北斗駅 10:49 → 東京駅 15:04    東北新幹線「はやぶさ」18号
東京駅 15:15 → 八王子駅 16:02      特急「かいじ」113号
八王子駅 16:04 → 橋本駅 16:16      普通1608K
橋本駅 16:26 → 京王多摩センター駅 16:35 各停7720


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Nikon D500 、Nikon1 J4



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