JR西日本/姫新線(姫路→新見) 乗車記

2022.4.5


乗車区間  姫路 6:55 → 播磨新宮 7:29 (1823D)
 播磨新宮 7:45 → 佐用 8:17 (4823D)
 佐用 8:32 → 津山 9:31 (2825D)
 津山 10:07 → 新見 11:50 (859D)
 
 
乗車列車  普通 1823D 姫路発、播磨新宮行き
 普通 4823D 播磨新宮発、佐用行き
 普通 2825D 佐用発、津山行き
 普通 859D 津山発、新見行き
車両  JR西日本キハ127系気動車 / 1 + 101(2両/網干総合車両所余部派出所)(1823D)
 JR西日本キハ127系気動車 / 2 + 102(2両/網干総合車両所余部派出所)(4823D)
 JR西日本キハ120形気動車300番台 / 338(1両/岡山気動車区)(2825D)
 JR西日本キハ120形気動車300番台 / 330(1両/岡山気動車区)(859D)

姫新線・路線図

姫新線について
 兵庫県姫路市の姫路駅から津山駅を経て、岡山県新見市の新見駅に至るJR西日本の鉄道路線(地方交通線)。全線、単線、非電化で、津山盆地を経由して中国山地東部の山間を抜けるローカル線。かつては、山陽地方と山陰地方を結ぶ陰陽連絡路線の一つであったが、高速バスの開業により陰陽連絡や津山市と京阪神とを結ぶ役割は取って代わられ、現在は地域輸送が中心となっている。
 姫路-上月駅間では、高速化工事が実施されて2010年3月13日に完工した。最高速度が85km/hから100km/hに引き上げられ、100 km/h運転に対応できる新型車キハ122・127系気動車が導入された。事業費は約80億円で、JR西日本と県、沿線自治体が負担し、工費の一部をまかなうための募金活動も行われた。
 2022年4月、JR西日本は、2019年度の輸送密度2000人未満の線区について、収支状況と営業係数を公表した。対象となったのは17路線30線区だった。その中に姫新線の播磨新宮-新見間が含まれている。各区間の内訳は、播磨新宮-上月(932人)、上月-津山(413人)、津山-中国勝山(820人)、中国津山-新見(306人)となっている。

2022.10.3 作成


 中国地方のローカル線乗車を目的とした三泊四日の旅に出かけた。当初は大人の休日パスを使って東北地方の未乗車区間を乗りつぶそうと計画していたが、3月16日に発生した福島県沖地震のため東北新幹線が一部区間不通となってしまったため、その旅行はあきらめた。その代わりに、姫新線、芸備線(備中神代-三次間)、木次線乗車に出かけることにした。中国地方にも未乗車区間は多いが、とりあえず続けて乗車出来る路線として3線を選んだ。JALのマイルがたまっているため、マイルと青春18きっぷの残り1回分を使った。
 旅行二日目に全線未乗車の姫新線と未乗車区間のある芸備線に乗車した。芸備線の広島-三次間は、5年前に三江線乗車の後で乗車した。今日は青春18きっぷの最後の1回を利用する。芸備線の東城-備後落合間は1日3往復しか運行がないので、姫路-三次間を1日で乗り通すには今日乗車するダイヤしか考えられない。三次からだと、三次発 13:02 の 356D 乗れば姫路に 22:45 に到着できるが、あまり現実的な行程ではない。
 6時半にホテルをチェックアウトして姫路駅に向かった。今日も素晴らしい青空が広がっていて、朝のきりりと冷えた空気が気持ちがいい。平日とはいえまだ早い時間なので、駅構内の人は少ない。

 JR西日本 / 姫路駅(兵庫県姫路市) / 6:55 発車

 余部発の 932D が 満員で 6:44 に到着して、折り返し 6:55 発 播磨新宮行き 1823D になる。車両はキハ127系・2両編成で、この形式に乗車するのは初めてだ。客室座席は1列+2列の転換クロスシートで、JR東日本の車両とは違い非常に快適だ。並ばなかったので1人掛けは満席で、2人掛けに座ることになった。朝早い下りなので乗客は少ないと思っていたが、座席はほぼ埋まってしまい立っている人までいた。

 姫新線 普通 1823D 姫路(6:55)発、播磨新宮(7:29)行き
 
JR西日本キハ127系気動車 / 1 + 101(2両/JR西日本/網干総合車両所余部派出所)

 余部までは姫路の市街地を走り、その先は郊外感が増すが駅周辺は市街地が広がっている。途中での乗降もあったが、本竜野でまとまった降車があり、ようやく空席がででてきた。姫路から34分で終点の播磨新宮に到着した。ここで佐用行きに乗り換える。

 JR西日本 / 播磨新宮駅(兵庫県たつの市) / 7:29 到着(乗り換え)7:45 発車

 佐用行きは隣のホームなので跨線橋を渡って乗り換える。佐用行き 4823D は既に入線していて、1823D からは10名くらいの乗客が乗り換えた。車両は先ほど同じキハ127系・2両編成で、あまり混雑しそうにないので2人掛けシートに座った。最終的に先頭車の乗客は18人くらいになった。
 初めて乗車するはずのキハ127系だがなぜか車内の配置に見覚えがある。よく考えると、昨年乗車したえちごトキめき鉄道の ET122形気動車のベースとなったのが、このキハ127系(キハ122形)だった。これで納得だ。

 姫新線 普通 4823D 播磨新宮(7:45)発、佐用(8:17)行き
 
JR西日本キハ127系気動車 / 2 + 102(2両/JR西日本/網干総合車両所余部派出所)

 播磨新宮から先はさらにローカル線色が強くなり、山間を走る区間もある。右手から立派な高架の線路が近づき高さが並ぶと、間もなく佐用に到着する。合流してきたのは智頭急行智頭線だった。佐用は智頭急行との乗換駅だが、姫新線の乗換駅でもある。津山方面の全ての列車がこの駅で折り返し、姫路方面からの列車の半数がこの駅で折り返す。残りの半数は隣の上月まで乗り入れている。

 千本駅(兵庫県たつの市) / 7:51

 西栗栖駅(兵庫県たつの市) / 7:55~56
 

 三日月駅(兵庫県佐用郡佐用町) / 8:02~05

 JR西日本/智頭急行 / 佐用駅(兵庫県佐用郡佐用町) / 8:17 到着(乗り換え)8:32 発車

 津山行き 1825D とは同一ホーム乗り換えで、既に入線していた。車両はキハ120形・1両編成だ。ここからは本格的なローカル線という感じがしてくる。キハ120形は 300番台だったので、4つしかないボックスシートの1つを確保した。4823D からの乗り換え客は10名くらいで、その多くが同業者のようだ。1825D は16人の乗客を乗せて出発した。

 姫新線 普通 4823D 佐用(8:32)発、津山(9:31)行き
 
JR西日本キハ120形気動車300番台 / 338(岡山色/1両/JR西日本/岡山気動車区)

 姫新線はしばらく国道179号線に沿って進む。国境の万ノ峠トンネルを抜けると兵庫県から岡山県に入る。右手に中国自動車道が近づいてくると、間もなく美作江見に到着する。

 上月駅(兵庫県佐用郡佐用町) / 8:37~38

 美作江見駅(岡山県美作市) / 8:56~57

 美作江見からは平坦でのどかな田園地帯の中を進んでいく。どこにでもあるような風景だが、日本の原風景のようでなぜか落ち着く。そのため、旅行に来ているんだなあと実感できる。

 楢原駅(岡山県美作市) / 9:01~02

 右手には中国自動車道が離れたり近づいたりして走っている。中国自動車道の歴史は古く、吹田ICから落合ICまで繋がったのが 1975年10月で、その翌月から中国ハイウェイバスが走り始めた。国鉄が神姫バスと共同運行を始めたというのは高速バスの利便性、将来性を認めていたということで、その予測通りに姫新線の役割はどんどん減少していってしまった。

 勝間田駅(岡山県勝田郡勝央町) / 9:11~12

 津山盆地に入るとスーパーマーケットやホームセンターが見られるようになった。右手から因美線が合流すると東津山で、終点津山は次だ。津山市は岡山県では第三規模の都市だそうだ。姫新線沿線では姫路市を除くと最大の都市となる。だんだん乗客が増えていき、津山到着時には25名くらいが乗車していた。

 東津山駅(岡山県津山市) / 9:26~27

  JR西日本 / 津山駅(岡山県津山市) / 9:31 到着(乗り換え)10:07 発車

 津山では36分の乗り換え時間があるので一度改札を出る。この駅には6年前に利用したことがあり、岡山まで津山線の快速に乗車した。その時近くにある津山まなびの鉄道館を見学したが、今日は30分しかないので見学は無理だ。また、その時は駅前ロータリーを整備していたが、今回はきれいに完成している。
 駅前に展示してある C11-80 を見て、早めにホームに戻る。新見行き 859D は9:48 に回送で入線した。車両は先ほどと同じ キハ120形300番台・1両で、ボックスシートを確保した。27人くらいの乗客を乗せて出発したが、うち6人くらいが同業者で、そのほとんどの顔に見覚えがある。

 姫新線 普通 4823D 津山(10:07)発、新見(11:50)行き
 
JR西日本キハ120形気動車300番台 / 330(岡山色/1両/JR西日本/岡山気動車区)

 津山を発車すると左手に津山まなびの鉄道館がみえ、間もなく津山線が左に分岐していく。すると、併走している国道は179号線から181号線に変わる。そのまま西に進むと津山盆地から山岳地帯に入っていく。

 院庄駅(岡山県津山市) / 10:12~13

 坪井駅(岡山県津山市) / 10:22

 美作追分駅(岡山県真庭市) / 10:29

 美作落合駅(岡山県真庭市) / 10:36~37

 美作落合を過ぎると、右に90度急カーブして進路を北に取り、旭川に沿って進む。中国自動車道はそのまま西の方に向かい、岩山の手前で再び合流する。国道181号線が合流すると久世に到着する。
 久世では上り列車と交換のため4分間の停車がある。せっかくなのでこの時間を利用して駅舎を撮影した。小ぶりながら木造の古い駅舎で風情がある。

 久世駅(岡山県真庭市) / 10:47~51

 次の中国勝山は旧勝山町にあたる真庭市勝山地区の中心駅で、真庭市で最も利用客の多い駅ということだ。津山からの半数の列車がこの駅で折り返しとなり、ここから新見方面は平日で1日8往復だけしかない。

 中国勝山駅(岡山県真庭市) / 10:57~58

 中国勝山を出る国道181号と別れて左に曲がり、さらに山の中に入っていく。いくつもトンネルをくぐり、月田川と絡み合いながら進んでいく。富原を過ぎ、分水嶺を貫く傍示トンネルを抜けると新見市に入り、すぐに刑部だ。

 刑部駅(岡山県新見市) / 11:25~26
 

 丹治部駅(岡山県新見市) / 11:31~32

 岩山駅(岡山県新見市) / 11:39~40

 新見に近づくとぱらぱら乗車もあり、到着時には20人くらいの乗客となった。市街地に入り左手から伯備線が合流すると新見に到着した。これで、姫新線を完乗した。所要時間は約5時間(乗り換え時間を含む)で、4本乗り継いでの移動だった。このあとは、芸備線に乗車して三次に向かう。

 JR西日本 / 新見駅(岡山県新見市) / 11:50 到着

 姫路、津山、新見といった主要都市近郊ではそれなりの需要があるが、都市間の中間付近では乗客は非常に少ない。都市間の移動は路線バス(高速バス)に取って代わられてしまったので、乗客はこんなものだろう。中国地方の鉄道で陰陽連絡路線として機能しているのは、伯備線と智頭急行線くらいだ。姫新線の営業キロは 158㎞と長いので、このまま全区間を維持していくのは大変なことだろう。JR西日本はどのような将来を考えているのだろうか。





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