「くしろ湿原ノロッコ号」 (釧路→標茶) 乗車記

JR北海道 / 根室本線・釧網本線


2007.10.25


乗車列車  「くしろ湿原ノロッコ号」 9332レ 釧路発、川湯温泉行き
乗車区間  釧路 11:08 → 標茶 12:23
使用路線  釧路(根室本線)東釧路(釧網本線)標茶
車両  DE10-1660 (牽引) + JR北海道510系客車5両(釧路運輸車両所)

「くしろ湿原ノロッコ号」について
 JR北海道が釧網線釧路駅-塘路駅・川湯温泉駅間にて1989年6月24日から運行しているトロッコ列車(臨時列車)ノロッコ号の一つ。主に、ゴールデンウィーク時期に釧路-塘路間を1日1往復、夏には同区間を1日2往復運行している。かつては毎年秋に塘路-川湯温泉間で延長運転が行われていたが、2012年10月31日以降行われていない。
 現在は客車50系客車を改造した客車(510系客車)4両編成で運行されている。1998年より使用を開始した2代目の車両。2015年までは5両編成で運行されていた。

くしろ湿原ノロッコ号 編成図
←川湯温泉                                      釧路→
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車
機関車 普通車
自由席
展望車
指定席
展望車
指定席
展望車
指定席
展望車
指定席
DE10-1660 オハ510-1 オハテフ510-2 オハテフ510-1 オハテフ500-51 オクハテ510-1

202310.21 作成


 2007年に十勝地方で行われた4年目の RALLY JAPAN観戦には、GOLF(フェリー)ではなく飛行機で北海道へ向った。帯広行きの飛行機がとれなかったため、釧路空港を利用して、その時妻の希望で「くしろ湿原ノロッコ号」に乗車した。終点の川湯温泉まで乗車する時間が無かったので、途中の標茶まで乗車して、普通列車で釧路まで戻った。
 釧路空港からはレンタカーで釧路駅まで行き、駅前の駐車場に車を止めた。標茶駅までの指定席券は事前に確保しておいたが、乗車券は当日購入した。

 JR北海道 / 釧路駅(北海道釧路市) / 11:08 発車

 「くしろ湿原ノロッコ号」は釧網本線を運行しているトロッコ風列車で、通常の運行区間は釧路-塘路間だが、この時期(秋)は川湯温泉まで延長運転を行っている。釧路湿原をのんびり走り、湿原の雄大な風景を車窓に見ることが出来るそうだ。
 ホームには発車時刻の 20分くらい前に到着したが、ノロッコ号は既に入線していてドアも開いていた。車両は 50系客車を改造した 510系客車5両編成だった。1号車は オハ510 の自由席で、種車の オハ51 との大きな違いは、車掌室のところに電源用発電機を搭載している点だ。残り4両はトロッコ車両で、全席指定席になっている。

 「くしろ湿原ノロッコ号」 9332レ 釧路(11:08)発、川湯本線(13:18)行き
 
国鉄DE10形ディーゼル機関車1500番台 1660号機 + JR北海道510系客車5両(釧路運輸車両所)

 この時期の平日なので車内はがらがらだと思っていたが、意外と乗客が多いので驚いた。次の東釧路までが根室本線で、その先進路を北に分けて釧網本線に入る。釧網本線に入ると間もなく左手に釧路湿原が迫ってくる。

 車窓 / 岩保木水門(遠矢→釧路湿原)

 釧網本線は釧路湿原の縁に沿って進み、釧路湿原駅に到着した。ほとんどの乗客はここで下車した。近くに細岡展望台とビジターズ・ラウンジがあるが、路線バスなどは通っていないはずだ。道路が林道で道幅が広くないので、大型バスの乗り入れは出来無かったと思う。団体のツアーかなんかで、中型バスに乗り換えるのか、釧網本線の普通列車で釧路に戻るのだろうか。

 車窓 / 釧路川(細岡→塘路)

 車窓の風景は期待以上に素晴らしく、茶色に色付いた湿原は紅葉した山腹が素晴らしかった。釧網本線の乗車区間のほとんどが釧路湿原内を通っているため、列車に乗車したまま釧路湿原を観察することが出来た。ノロッコ号は窓が大きく、速度もゆっくりなので観察にはもってこいだ。

 塘路駅 / 11:53頃(正面の沼はマクントー)

 車窓 / 塘路→茅沼

 車窓 / シラルトロ湖(塘路→茅沼)

 茅沼駅はタンチョウが来る駅として有名で、1964年に発生した水害により営巣地を失ったタンチョウに駅員が餌付けをし始め、以来タンチョウが来訪するようになった。駅長の交代時にも事務引継ぎ事項として餌やりが明記され、無人化後は地元町民や駅前の民宿の手によって餌付けが行われているそうだ。

 茅沼駅 / 1:06頃(タンチョウの餌付け)

 車窓 / エゾジカ(茅沼→標茶)

 標茶駅で「くしろ湿原ノロッコ号」を降り、折り返し釧路行きの快速列車に乗ろうと思っていたら、ここでトラブルが発生した。駅員の話によると、川湯温泉の先で事故(落ち葉による空転)がありその列車が大きく遅れるということだ。駅周辺は時間をつぶすような所はなく、何もしないで一時間半待つことになった。時間が無駄になってしまったが、帯広でのセレモニアルスタートには間に合った。代替交通機関がない場所だけに、列車が運行されただけでもよしとしなければならない。

 JR北海道 / 標茶駅(北海道川上郡標茶町) / 12:23 到着

 正直あまり期待していなかったが、車窓の風景は非常に素晴らしく、茶色に色付いた湿原は紅葉した山腹が美しかった。しかも、車窓からタンチョウとエゾジカの姿を見ることも出来た。機会があればまた乗車したいが、JR北海道の経営状況と車両の寿命が心配だ



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