三沢基地航空祭 2008
2008年9月7日(日)〜8日(月)

開催日時
2008年9月7日(日)
場所
航空自衛隊三沢基地(青森県三沢市三沢字後久保128-7)
概要
 米空軍、海軍、航空自衛隊、民間が共同使用する三沢基地(三沢空港)で行われる航空祭。航空自衛隊が主催だが、米空軍の全面協力で行われる。
 F-16を擁する米空軍第35戦闘航空団と、F-2、F-4を運用する航空自衛隊第3航空団が所属する基地だ。

航空祭当日 (9/7・日) 雨時々曇

 八戸駅発6時34分発の東北本線に乗りるため、八戸駅近くのビジネスホテルをチェックアウトする。駅前のコンビニで食料を購入しようと考えていたが、コンビニのレジは大混雑していたためあきらめた。皆考えることは同じようで、昨夜購入しておけば良かった。駅のコインロッカーに不要な荷物を預け、列車に乗り込む。
 八戸で乗車したときには雨が降っていなかったが、三沢に近づくととうとう雨が降り出した。たいした雨ではないが、傘は必要な降りだ。

 三沢駅前からシャトルバスに乗り、10分ほどで基地入口の「三沢中央」バス停に到着。雨の中正面ゲートに向かうが、まだゲートが開いていないせいか長い行列ができていて、まだまだ行列は伸びている。
 8時15分ほど前になると行列が動き出し、ゲートを通過し、私は基地内のシャトルバス乗り場に急ぐ。会場に向かって歩く人も多いが、なかなか乗る機会のない米国製のバスなので、それに乗る事にする。
 シャトルバスは第一陣が出発した後で、それが戻ってきた便に乗車する。バス降車場までは5分ほどの道のりだが、広大な米軍基地エリアなので、歩くと時間がかかりそうだ。
正門ゲート入場待ちの行列

 シャトルバスを降りると、手荷物チェック待ちの長大な行列が待っていた。金属探知機のゲートをくぐるのだが、そのゲートが一つしかなく、手前でベルトや時計などの金属製品を外さなければならない。そのためなかなか行列が進まないのだが、肝心の手荷物等はなぜか何もチェックされていないようだ。結局チェック通過に30分近くかかってしまった。

正門から会場まで無料シャトルバス運行
シャトルバス降り場のセキュリティーチェックは大行列

 ようやく会場に入り、地上展示機を見て歩く。一番端にある大型機は後回しにして、米軍機から順番に見て歩く。滑走路に沿ったエプロンにずっと地上展示機が並び、その数の多さに驚かされてしまう。しかし、機数は多いがこれといった珍しい機体はなく、他の航空祭で見た機体が多く新鮮みにかける。途中から自衛隊機に変わるが、こちらの目玉は年度内にF−2に置き換えられてしまう、地元第8飛行隊のF−4EJ改だ。記念塗装機の「ブラックファントム」を含め5機が展示されていた。その他、空自の航空機はほぼ一通りあったが、海自と陸自の展示機が一機もなかった。プログラムには展示予定となっていたので、悪天候により飛来がキャンセルになったようだ。

エプロンに並ぶ自衛隊機 (米軍機は向こうに展示)

 雨がぱらつく天気なのにすごい人出で、米軍機エリアの最前列はどれも人で埋まっている。この天候ではフライトは難しいだろうが、一応自衛隊機展示エリアの端の方に陣取る。地面が濡れているので座ることができないのがつらい。どんな簡単なものでもいいが、折りたたみ椅子を持参すれば良かった。
 9時からオープニングセレモニーが始まったが、F-4×2機、F-2×2機、T-4×2機、F-16×6機の航過飛行によるオープニングフライトは中止になった。その代わり、空自F-4、F-2、米空軍F-16の3機が離陸滑走(ハイスピードタキシー)を行った。一面雲に覆われた雨空なので、今日一日フライトは無理そうだ。

オープニングセレモニー (離陸滑走のみ)
F-4EJ改 要撃戦闘機 (航空自衛隊、三沢基地)
F-2A 支援戦闘機 (航空自衛隊、三沢基地)
F-16C 戦闘機 (米空軍、三沢基地)

 次のプログラムは「戦闘機再発進準備展示」だが、私のいる場所からは見ることができない。その次は「F-4×4機による模擬対地攻撃と対空火器射撃展示」だが、この天候なので対空機関砲のみの展示が行われた。しかし、私のいる場所からは見ることができず、VADSの空砲発射の音だけが聞こえた。

模擬対地攻撃、防空火器射撃展示 (F-4EJ改のフライトなし)
対空機関砲VADS3機による対空防衛デモのみ
民間共用空港なので、民間機が離着陸する

 今回一番期待していた「米空軍・F-15・ウェストコースト・デモチーム」による機動飛行だが、この天候なので離陸滑走だけとなってしまった。朝から分かっていたこととはいえ、このフライトキャンセルは非常に残念だ。三沢までやてきた目的の半分くらいが、このフライトを見るためだったからだ。

The ACC West Coast F-15 Demonstation Team (離陸滑走のみ)
パイロットはアメリカから来日、機体は嘉手納基地のF−15Cを使用

 次のプログラムはF-2×2機による機動飛行展示だが、これもF-2、1機による離陸滑走だけとなってしまった。オープニングフライトの時とは違い、こちらのF-2はドラッグシュートを使ってくれた。F-2のドラッグシュートを見るのは初めてかもしれない。

F-2機動飛行 (離陸滑走のみ)
F-2A 支援戦闘機 (第3航空団/第3飛行隊、三沢基地所属)

 プログラムによると次はエアロックの曲芸飛行だが、 飛行キャンセルは仕方ないとしても、Pitts S-2B自体も地上展示されていない。昨日からの悪天候で、飛来すらしていないようだ。
 しかし、ここでプログラムにはないブラックファントムが、会場アナウンスと共に離陸滑走を始めた。どうせ今回も離陸滑走だけだろうと思っていたが、アフターバーナーの音が切れず、そのまま機体は離陸した。周りの人たちも同じ考えだったようで、F-4の離陸にびっくりしていた。その後ブラックファントムは1回だけタッチ・アンド・ゴーを披露し、着陸した。今日はフライトをあきらめていたので、このフライトには驚かされた。しかも、機体は第8飛行隊”F-4EJ改ファイナル塗装機”の312号機だ。

F-4EJ改 航過飛行
F-4EJ改 第8飛行隊記念塗装機(ブラックファントム)
スケジュールにはなかったが、F-4EJ改記念塗装機が飛行
ここまでのフライトは全てキャンセルのため、本日初の飛行

 この天候でもヘリコプターの飛行は問題ないようで、地元のCH-47Jによる懸吊展示は予定通り行われた。機体は”航空救難団50周年記念塗装機”で、消火バスケットを吊り下げ”消火デモ”を行った。

CH-47J 懸吊展示
三沢ヘリコプター空輸隊のCH-47Jが消火放水を行う

 午前中最後のフライトはB-52による航過飛行だが、当然こちらもキャンセルとなってしまった。5月の岩国フレンドシップディでは直前にキャンセルとなってしまったB-52のフライバイなので、今回は大変期待して三沢にやってきた。しかし、この天候ではどうしようもない。
 これで午前中のプログラムは終わりと思っていたら、秋田救難隊のUH-60Jによる救難展示が始まる旨アナウンスがある。UH-60Jがタキシングしている間に、正午に航過飛行予定のE-2Cが先に離陸していった。この天候なので、U-125Aのフライトはないが、UH-60Jによる救難展示を楽しむことができた。

UH-60J 救難展示
秋田救難隊のUH-60J救難ヘリコプターが単独で救難展示
スケジュールにはなかったフライトだ

 午前中のフライトスケジュールは終了したので、売店に食料の調達と、朝方撮影し残した米軍大型機の写真を撮る。雨でもかなりの人出で、既にブルーインパルスの前は厚い壁ができている。F-2Jrの展示には少し気が引かれたが、人でいっぱいなのであきらめた。
 格納庫の中は人でいっぱいなので、雨がぱらつく中先ほどの場所に戻り軽い食事を済ませる。先ほど離陸したE-2Cが、予定通りちょうど正午に頭上をパスしていった。しかし、視程はますます悪くなっているようだ。

E-2C 航過飛行
救難展示の前に離陸
雨空の中、予定通り正午にワンパス

 午後のプログラムはブルーインパルスからだが、この天気なので当然フライトはできない。ウォークダウンなどの地上ショーは行われたようだが、私のいる場所からはその様子は見えない。また、滑走路上でスモークチェックをしたが、同じくよく見ることができなかった。

ブルーインパルス (地上ショー 及び タキシングのみ)
雨の降る中、初めて飛ばないブルーインパルスを体験

 次は、地元、「米空軍35FWデモチーム」によるF-16Cの機動飛行だが、こちらも離陸滑走だけとなってしまった。個人的にこのデモフライトは大好きなので残念だが、この天気ではどうしようもない。5月の岩国では午前と午後の二回飛んでくれたので、それを思い出してよしとしよう。

Pacific Air Forces Demonstration Team (離陸滑走のみ)
地元のPacific Air Forces Demonstration TeamのF-16もフライトできず

 次のプログラムはF-4の機動飛行展示となっているが、天気が午前中のブラックファントムの飛行時より悪い。実際に飛んでくれるか心配だったが、観客の期待通りブラックファントムは離陸してくれた。さすがに機動飛行はできないが、ダーティローパスを1回披露して着陸した。この天候なのにフライトしてくれて、非常に感激だ。

F-4EJ改 航過飛行
雨が降る中、F-4EJ改記念塗装機が離陸、ハイレートクライム
ダーティ・ローパス
ワンパスのみで着陸

 これで航空祭のスケジュールは終了、ほとんどの観客は家路につく。雨は上がり天候は少しずつ回復してきたので、外来機の帰投を待つ。しかし、しばらくすると音楽をバックグラウンドに英語のアナウンスが始まる。何が始まるのかびっくりしたが、米空軍のF-16のデモチームがスタンバイして天候の回復を待っているようだ。F-16は滑走路の端まで行き、待機している。結局30分以上待機していたが、天候は回復せずフライトはキャンセルとなった。しかし、できれば観客のためにフライトしたいという、米空軍のサービス精神には驚かされた。岩国フレンドシップディの時も感じたが、こうした姿勢はアメリカ人ならのものだろうか。

Pacific Air Forces Demonstration Team (フライトできず)
外来機の帰投準備が始まる中、天候回復を待ちF-16が待機するが、結局フライトできず

 帰投はブルーインパルスの2番機から始まった。ここでしばらく間が開き、ブルーインパルスの1,3番機、入間のU-4、秋田救難隊と続いた。このあたりから会場の片付けが始まり、出口側に移動する。そして、ブルーインパルスの4,5番機が帰投、6番機と予備機がそれに続いた。会場の片付けが進みゲート近くまで追いやられてしまったので、私は帰ることにする。まだ粘っている熱いファンもいたが、この分ではもう帰投は見られないだろう。
 帰りは基地内のシャトルバスを使わず、歩いて帰ることにする。せっかくの機会なので基地の中を見て歩きたかった。横田基地や厚木基地のイベント時のように車両を規制していないようで、車両のトラフィックも多く、交差点では警備員による交通整理が行われている。

外来機帰投
ブルーインパルス2番機 (航空自衛隊 松島基地)
ブルーインパルス1,3番機 (航空自衛隊 松島基地)
U-4 多用途支援機 (航空自衛隊、入間基地)
U-125A 救難捜索機 (航空自衛隊、秋田分屯基地)
UH-60J 救難ヘリコプター (航空自衛隊、秋田分屯基地)
ブルーインパルス4,5番機 (航空自衛隊 松島基地)
ブルーインパルス6番機、予備機 (航空自衛隊 松島基地)

 三沢中央からのシャトルバスの便が減ったようなので、先に来た路線バスで三沢駅まで帰る。八戸までの電車はイベント列車使用の快速「きらきらみちのく下北」だったので、自由席が1両のため大混雑となった。
 行きの夜行バスとこの二日間の疲れのため、完全にばててしまった。帰りも夜行バスはつらいので新幹線の空席がないだろうか切符売り場をのぞいたが、やはり最終まで満席だった。「はやて」は全車指定席なので自由席が無く、立ち席特急券になるので、並んで座って帰る手は使えない。仕方ないので、八戸駅構内で列車の写真を撮ったりして、夜行バスまで時間をつぶした。
 本八戸駅から「ドリーム八戸・十和田号」に乗車したが、乗客は航空祭帰りといった感じの人が多い。帰路のバスは十和田観光電鉄担当の2台の専用バスでの運行で、車両は行きとほぼ同じ仕様だ。
 今回の八戸・三沢遠征は、雨のため散々なものとなってしまった。「ブラックファントム」の飛行が見られたのはせめてもの救いだが、フライトのない航空祭ではどうしようもない。岩国で見逃したB-52の航過飛行と、F-15デモチームの機動飛行が見れなかたのは、非常に残念だ。ということで、この二つのフライトが期待できるのなら来年も行きたいと思う。

地上展示機

アメリカ空軍
F-16C 戦闘機 (三沢基地)
F-16C 戦闘機 (三沢基地)
F-16C 戦闘機 (三沢基地)
F-16C 戦闘機 (三沢基地)/35FW司令官指定機
F-16C 戦闘機 (三沢基地)
F-16C 戦闘機 (韓国・オーサン基地)
F-16C 戦闘機 (韓国・オーサン基地)
F-15C 戦闘機 (嘉手納基地)
F-15C 戦闘機 (嘉手納基地)
KC-135R 空中給油機 (嘉手納基地)
E-3B 早期警戒管制機 (嘉手納基地)
C-130 輸送機 (横田基地)
UH-1N 汎用ヘリコプター (横田基地)

アメリカ海軍
P-3C 哨戒機 (三沢基地)
SH-60F 哨戒ヘリコプター (厚木航空基地)
F/A-18C 戦闘攻撃機 [#402、#405] / 第94戦闘攻撃飛行隊 (岩国航空基地)

アメリカ海兵隊
UC-12F 輸送機 (岩国航空基地)

航空自衛隊
F-4EJ改 要撃戦闘機 (三沢基地)/記念塗装機
F-4EJ改 要撃戦闘機 (三沢基地)
F-4EJ改 要撃戦闘機 (三沢基地)
F-4EJ改 要撃戦闘機 (三沢基地)
F-4EJ改 要撃戦闘機 (三沢基地)
F-2A 支援戦闘機 (三沢基地)
F-2A 支援戦闘機 (三沢基地)
F-2B 支援戦闘機 (三沢基地)
E-2C 早期警戒機 (三沢基地)
T-4 中等練習機 (三沢基地)
T-4 中等練習機 (三沢基地)
CH-47J 輸送ヘリコプター (三沢基地)
U-125 飛行点検機 (入間基地)
F-15J 要撃戦闘機 (千歳基地)
RF-4E 戦術偵察機 (百里基地所属)
U-4 多用途支援機 (入間基地)
U-125A 救難捜索機 (秋田分屯基地)
UH-60J 救難ヘリコプター (秋田分屯基地)
C-1 中型輸送機 (入間基地)
T-4 ブルーインパルス (松島基地)





移動の記録

(9/7)
八戸駅 6:34 → 三沢駅 7:00           JR東北本線
三沢駅 7:07 → 三沢中央(三沢基地入口) 7:15   シャトルバス
三沢中央 16:48 → 三沢駅 16:56        十和田観光電鉄バス
三沢駅 17:12 → 八戸駅 17:31         JR「きららみちのく下北」号
八戸駅 18:19→ 三日町 18:38          十和田観光電鉄バス
市庁前 18:56 → 郵便局通り 19:04       南部バス
本八戸駅 21:25 →                  ドリーム十和田・八戸(シリウス)号


(9/8)
         → 池袋駅東口 5:50         ドリーム十和田・八戸(シリウス)号
池袋駅 5:58 → 新宿駅 6:07           JR山手線
新宿駅 6:15 → 新百合ヶ丘駅 6:40        小田急線「急行」
新百合ヶ丘駅 6:45 → 唐木田駅 6:59       小田急多摩線




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