
JR北海道/根室本線(富良野→滝川) 乗車記
2022.7.9
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乗車区間 |
富良野 9:09 → 滝川 10:12 (3476D) |
乗車列車 |
快速 3476D 富良野発、滝川行き |
車両 |
国鉄キハ40形気動車1700番台 / 40-17404(1両/旭川運転所) |
根室本線・路線図 |
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根室本線(滝川-富良野)について |
根室本線は、滝川市の滝川駅から帯広市および釧路市を経て根室市の根室駅を結ぶ JR北海道の幹線で、全線単線の非電化路線。1921年8月5日の全通以来、道央と道東を結ぶ主要幹線としての地位を保っていたが、1981年10月1日の短絡ルートとなる石勝線の開業により、道央と十勝・釧路を結ぶほとんどの列車運転系統が従来の滝川駅経由から石勝線経由に変更された。この変更により、滝川-新得間においては優等列車はほとんどなくなり、地域輸送のローカル線となった。
2016年11月18日、JR北海道は厳しい経営状況を理由に「自社単独で維持することが困難な路線」として、10路線13区間を発表した。根室本線のうち、新得-帯広間はJR北海道単独で維持可能、帯広-釧路間は当面、JR北海道による運営・維持を継続するものの、地上設備の管理を行う北海道高速鉄道開発との関連で検討を進めるとしている。一方、滝川-富良野間、釧路-根室間は「自社単独では老朽土木構造物の更新を含め「安全な鉄道サービス」を持続的に維持するための費用を確保できない線区」とされ、富良野-新得間は「持続可能な交通体系とするためにバス等への転換について地域の皆様と相談を開始します。」とされた。
2016年8月31日に北海道に上陸した台風10号による被害の影響で、東鹿越-新得間は復旧されることがなくずっと運行休止が続いていた。この区間は廃止検討区間に含まれていたが、その後、地元は廃止(バス転換)に同意し、2024年4月1日の富良野-新得駅間の廃止が決定した。 |
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営業距離 |
旭川-富良野 54.6㎞ |
電化・非電化 |
全区間非電化 |
2015年度輸送密度 |
旭川-富良野 488人 |
単線・複線 |
全区間単線 |
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2023.6.11 作成 |
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「北海道 & 東日本パス」を利用して、JR北海道の未乗車区間に乗車する四泊五日の旅に出かけた。JR北海道の未乗車区間は、室蘭本線(東室蘭-室蘭)、同(追分-岩見沢)、日高本線(苫小牧-鵡川)、根室本線(滝川-富良野)、同(東鹿越-新得)、宗谷本線(北永山-稚内)だ。このうち東鹿越-新得間は災害により運休中なので乗車はできない(2024年4月1日の廃止が決まった)。
JR東日本管内では、未乗車の大船渡線と釜石線に乗車して、昨年の東北旅行の時には休館中だった陸前高田の東日本大震災津波伝承館に立ち寄った。そして、北海道に渡るのには、八戸-苫小牧間のシルバーフェリーの夜行便を利用した。
旭川市内に宿泊した旅行五日目に、旭川から富良野線に乗車して富良野まで移動した。富良野からは初乗車となる滝川行きの根室本線に乗車した。この乗車を持って、一応 JR北海道線は完乗となる予定だ。災害により運休中となっている根室本線の東鹿越-新得間は未乗車だが、代行バスには乗車したことがある。この区間の廃止とバス転換について、沿線自治体は既に同意している。(結局、復旧されることなく 2024年4月1日の廃止が決定した。)
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JR北海道 / 富良野駅(上川総合振興局/富良野市) / 9:09 発車 |
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滝川行き 3476D はキハ40形一両だった。非冷房車のはずだが、窓は全て閉めてあった。富良野からの乗客は12人だった。3476D は快速で、平岸と東滝沢には停車しない。短い運転区間なので快速にする必要があるのかと思うが、それ以上に利用客が少ないのだろう。
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根室本線 快速 3476D 富良野(9:09)発、滝川(10:12)行き
国鉄キハ40形気動車1700番台 / 40-17404(1両/旭川運転所) |
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富良野を発車するとここまで乗車してきた富良野線を右手に分け、すぐに方向を西に変える。市街地はすぐに終わり、だんだん山間部に入っている。車窓で目立つのは、ふらのワインハウスとその裏手のラベンダー畑だ。
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車窓 / 富良野盆地(富良野→野花南) |
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1991年に、島ノ下(現・島ノ下信号所)-野花南間は滝里ダムの建設に伴い新線に付け替えられた。その間には島ノ下トンネルと滝里トンネルという長いトンネルが二つある。
次の野花南で下り列車と交換したが、対向列車が遅れたため3分ほど遅れが発生した。遅れてやって来たのは臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」で、車両はキハ261系5000番台「ラベンダー編成」だった。JR北海道の最後のジョイフルトレイン「ノースレインボーエクスプレス」も来春引退が決まっているので、これからは「リゾート列車」としての役目を「はまなす編成」と「ラベンダー編成」が引き継ぐことになる。
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野花南駅(空知総合振興局/芦別市) / 9:28~31(定刻 9:28) |
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上芦別駅は小さな無人駅だが、かつては三菱鉱業や明治鉱業からの石炭積み出し駅として栄えていたということだ。昭和30年前後には、貨物の取り扱いが全国でも有数の量を誇る駅となっていたそうだ。芦別周辺は車で何度か通っていて、炭鉱で栄えた跡らしい町並みを見かけた記憶がある。国道452号線(旧・道道907号夕張芦別線)沿いが特に印象的だった。
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上芦別駅(空知総合振興局/芦別市) / 9:37(定刻 9:34) |
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次の芦別駅は芦別市の中心駅だ。かつて石炭産業で栄えた街だそうで、ピーク時は7万人を超える人口があったそうだ(2023年3月の人口は 1万1千人)。この駅では1人乗車した。
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芦別駅(空知総合振興局/芦別市) / 9:43(定刻 9:40~42) |
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かつて根室本線は道央(札幌)と道東(帯広、釧路)を結ぶ北海道の幹線だったが、1981年の石勝線(南千歳-新得)開通により幹線としての役目を取って代わられてしまった。石勝線から乗り入れる新得-釧路間は幹線として特急列車が走るが、滝川-新得間は地方の一ローカル線となってしまった。
さらに、2016年8月の台風10号による被害で各所が寸断され、東鹿越-新得間は代行バスによる運行が続けられていた。そして災害復旧に手を付けられることなく、富良野-新得間のバス転換(鉄道廃止)が決まった。乗車している富良野-滝川間についても、「JR北海道単独では「安全な鉄道サービス」を持続的に維持するための費用を確保できない線区」とされている。
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平岸駅(空知総合振興局/赤平市) / 通過 |
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茂尻駅(空知総合振興局/赤平市) / 9:53~54(定刻 9:52~53) |
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かつては芦別と同じように炭鉱で栄えた赤平で、下り普通列車との交換があった。2475D はキハ40-1791「紫水」号で、地域活性化のためキハ40形を改造して観光列車としても運行できるようになっている。座席の背ズリなど内装材の一部に木材が使用され、ボックス席には脱着式の木製テーブルが設置されている。観光列車というほどの改造ではないが、今のJR北海道ではこれが精一杯なのだろう。
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赤平駅(空知総合振興局/赤平市) / 9:58~59(定刻 9:57~58) |
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終点の滝川にはほぼ定刻に到着した。根室本線のこの区間を乗車することにより、JR北海道の全路線に乗車することができた。正確には根室本線の新得-東鹿越間が未乗車だが、現在災害で運休中で、新得-富良野間はバスに転換することが実質的に決まっている。残念ながらこの区間には乗車することはできない。初めて北海道を訪れたのは学生の時だが、その時の路線図と今の路線図を比べるとその多くが廃止になってしまったのがわかる。当時の営業路線を完乗するのはかなり難しいだろう。こんな所にという場所に鉄道が通っていた。
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JR北海道 / 滝川駅(空知総合振興局/滝川市) / 10:12 到着 |
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札幌-富良野間は当区間経由でラベンダーの季節に臨時特急が運行されているが、都市間の移動は高速バスが圧倒的に便利だ。また、滝川-芦別間の移動についても、路線バスの方が便利だ。根室本線は富良野-新得間の廃止により、道央と道東を結ぶ石勝線の代替路線としての機能を失ってしまった。そのような状況で、この路線を維持するのは難しいように感じる。また、この区間は臨時貨物列車が走っているので、話は複雑になるだろう。
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根室本線 快速 3476D 2022.07.09 (休日) 定刻ダイヤ |
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着 |
発 |
富良野 |
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9:09 |
野花南 |
9:28 |
9:28 |
上芦別 |
9:34 |
9:34 |
芦別 |
9:40 |
9:42 |
平岸 |
通過 |
茂尻 |
9:52 |
9:53 |
赤平 |
9:57 |
9:58 |
東滝川 |
通過 |
滝川 |
10:12 |
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