特急「にちりん」17号 (大分→宮崎) 乗車記

JR九州783系電車


JR九州 / 日豊本線


2016.3.15


乗車列車  特急「にちりん」17号 5017M 大分発、宮崎空港行き
乗車区間  大分 15:05 → 宮崎 18:36
使用路線  日豊本線
車両  JR九州783系電車 / CM-1編成 (5両/リニューアル色/南福岡車両区)

特急「にちりん」について
 「にちりん」は、JR九州が小倉・大分-宮崎・南宮崎・宮崎空港間を、日豊本線・日南線・宮崎空港線経由で運行する特別急行列車。特急「にちりん」は、1968年10月1日に博多-西鹿児島(現・鹿児島中央)間を日豊本線経由で運行していた同名の急行列車を特急に格上げする形で運行を開始した。
 1995年4月20日に宮崎-西鹿児島間が「きりしま」として系統分割、1997年3月22日に博多-大分間の列車が「ソニック」として独立したことで「にちりん」は博多-南延岡・南宮崎・宮崎空港間の列車となった。2000年3月11日に「にちりん」は大分-延岡を廃止し、博多-大分間は「ソニック」に編入、延岡-宮崎は「ひゅうが」として系統分割する形で大幅に本数が削減された。
 このようにして、「にちりん」は従来の福岡県と大分県・宮崎県間の輸送、および山陽新幹線接続の役割から、大分県・宮崎県間の輸送、および宮崎空港へのアクセスへと役割を移していった(ただし「ソニック」と大分駅での接続の利便性を図ることで、従来の役割も一部残されている)。

特急「にちりん」17号
  2015.3.14改正ダイヤ
 

にちりん 17号 編成図

←宮崎                 大分→
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車
グリーン
指定席
普通車
指定席
普通車
自由席
普通車
自由席
普通車
自由席
普通車
自由席

発 
大分 15:05
鶴崎 15:13
臼杵 15:37 15:38
津久見 15:47
佐伯 16:06 16:12
延岡 17:19 17:32
南延岡 17:36
門川 17:44
日向市 17:50
高鍋 18:14
佐土原 18:25
宮崎神宮 18:33
宮崎 18:36 18:37
南宮崎 18:40 18:41
 宮崎空港 18:46

2023.8.19 作成


 2016年3月に、JR九州が発売する「HAPPY BIRTHDAY KYUSYU PASS」を利用した九州旅行に出かけた。誕生月の三日間管内の特急グリーン車に乗り放題のきっぷだが、指定席(グリーン車)の利用回数が6回となっている。また、「HAPPY BIRTHDAY KYUSYU PASS」は2016年度で発売が終了となってしまうようなので、今回しか利用する機会はなかった。
 九州は学生時代に四年間住んでいて、その後も何度か旅行したこともあるので、主だった観光地はほとんど見たことがある。そんなわけで、観光は一切せずひたすら特急のグリーン車に乗って回った。しかし、乗っているだけでは旅行気分が出ないので、九州三都市の路面電車に乗り、撮影もした。そのほかに、出発日が重なる「ななつ星in九州」と山陽新幹線を撮影した。九州までのアクセスはJALのマイレージを利用。福岡空港に空路で入り、宮崎、長崎、熊本に宿泊して、熊本空港から東京に帰った。
 旅行初日に、博多から「ソニック25号」に大分まで乗車して、「にちりん17号」に乗り換えて宮崎に向かった。「にちりん」には学生時代に宮崎から小倉まで乗車したことがある。その時は 485系電車だった。その後、社会人になってから、小倉から別府まで 485系「にちりん」に乗車したことがある。

 JR九州 / 大分駅(大分県大分市) / 15:05 発車

 宮崎空港行き「にちりん17号」の車両は 783系電車 CM-1編成だ。五両編成で、乗車するグリーン席は先頭車1号車の運転席寄り半室だ。783系はすべて車両中央に入り口とデッキが設けられていて、半室単位で運用できるようになっている。グリーン席は3列×4で12席だ。指定されたのは単独席先頭の1Cで、運転席が全面ガラス張りなので、展望を満喫できる特等席だ。車両設計、製造が比較的古いせいか、座席はオーソドックスなもので、個人的にはグリーン車らしくていいと思う。大型の座席でからだがすっぽり隠れてしまうので、他の人の視線を気にしなくていい。大分からのグリーン席の乗客は2名で、一般席も混雑はしていないようだ。1999年の九州旅行の記録が無いのではっきりしないが、 783系に乗車するのも初めてだと思う。

 特急「にちりん」17号 5017M 大分(15:05)発、宮崎空港(18:46)行き
 
JR九州783系電車 / CM-1編成 (5両/リニューアル色/南福岡車両区)

 展望席で最高の席だが、時間的に日が大きく傾いているので、進行方向によっては太陽がまぶしすぎる場合がある。途中はローカル単線の雰囲気が濃く、特急なのに運転停車が多い。おまけに、停車駅の鶴崎-臼杵間にある幸崎で列車交換のための運転停車があった。後からやって来て交換したのは 787系「にちりん」だったが、停車駅で交換するダイヤには出来ないのだろうか。趣味で乗っているので交換待ちはかえって楽しみだが、特急料金を払っている一般の乗客にしてはあまり気分の良いものでは無いだろう。

 幸崎駅 / 運転停車(15:22頃)

 次の停車駅は臼杵だったが、空いているホームがなかった。そのため、この駅では先ほどの特急列車とは交換は出来ないダイヤとなっている。

 臼杵駅(大分県臼杵市) / 15:37~38

 佐伯では6分間、延岡では13分間の停車時間があり、特急電車とはとても思えない運行だ。個人的には乗車を楽しむ旅なので、これはこれでありがたいと思う。延岡ではグリーン席の乗客1名が下車し、1名が乗車した。停車時間にホームをぶらついたが、自由席はがらがらのようだった。

 延岡駅(宮崎県延岡市) / 17:19~32

 南延岡で多くの乗客があり、車掌から座席に置いた荷物を開けるようアナウンスがあった。さらに、日向市でも多くの乗客があり、一般席の方はだいぶ混雑しているようだった。多くの乗客は宮崎で下車したが、そのまま乗車している乗客もいるようだ。このまま宮崎空港に行けば、羽田、伊丹、関空などへの最終フライトには十分間に合う時間だ。

 JR九州 / 宮崎駅(宮崎県宮崎市) / 18:36 到着

 日豊本線は大分を過ぎるとローカル色が非常に濃くなるが、大分と宮崎を結ぶ「にちりん」は1時間に1本運転されている。大分、宮崎周辺の移動の需要は大きいようだが、両都市を乗り通す乗客はそんなには多くないように感じた。地方において県境をまたぐ需要は大きくはないが、日豊本線の大分県と宮崎県の県境区間にあたる「佐伯-延岡」間の輸送密度にそれが現れている。2121年度の同区間の輸送密度が 431人とは驚いてしまった。日豊本線は幹線なので一部区間の輸送密度だけでどうこう言っても意味は無いが、それにしても少ない。



日豊本線(大分-南宮崎間)について
 日豊本線は、福岡県北九州市小倉北区の小倉駅から大分駅、延岡駅、宮崎駅および都城駅を経由して、鹿児島県鹿児島市の鹿児島駅までを結ぶ JR九州の鉄道路線(幹線)。鹿児島本線と双並ぶ九州縦貫幹線で、九州東部の 462.6㎞ を南北に縦断する九州でもっとも長い鉄道路線。
 JR九州は、1日の1キロ当たりの平均乗客数が2千人未満となる線区の収支を 2018年度分から公表している。2021年度に公表されたのは13路線18線区で、その中に日豊本線の「佐伯-延岡」間と「都城-国分」間が含まれている。
 日豊本線(大分-南宮崎)
営業距離  大分-佐伯 64.9㎞
 佐伯-延岡 58.4㎞
 延岡-南宮崎 86.3㎞
電化・非電化 交流電化
2019年度輸送密度
()内は2021年度
 大分-佐伯 5,728人 (3,988)
 佐伯-延岡 858人 (431)
 延岡-南宮崎 5980人 (4,527)
単線・複線 単線



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