JR東日本/大船渡線(一ノ関→気仙沼) 乗車記

2022.7.6


乗車区間  一ノ関 7:18 → 気仙沼 8:45 (323D)
乗車列車  普通 323D 一ノ関発、気仙沼行き
車両  JR東日本キハ100形気動車0番台 / 40+39(2両/一ノ関運輸区)(323D)

大船渡線・路線図

大船渡線について
 大船渡線は、岩手県一関市の一ノ関駅から宮城県気仙沼市の気仙沼駅を結ぶ、JR東日本の地方交通線。「ドラゴンレール大船渡線」という愛称が付けられている。
 かつては一ノ関駅から気仙沼駅、大船渡駅を経て盛駅までを結ぶ路線だったが、2011年3月11日に発生した東日本大震災で津波の被害を受け、三陸海岸沿岸部を走行していた気仙沼-盛間は不通となった。この区間は鉄道として復旧されず、2013年3月2日から「大船渡線BRT」として BRT(バス高速輸送システム)が運行されている。そして、2020年4月1日に正式に廃止となった。
 JR東日本が 2022年7月に公表した、2019年度に輸送密度 2,000人未満だった 35路線66区間のなか全区間が含まれていて、輸送密度は 754人となっている。
営業距離  一ノ関-気仙沼 62.01㎞  電化・非電化   全区間非電化
2019年度輸送密度  一ノ関-気仙沼 754人 単線・複線   全区間単線

2023.6.5 作成


 「北海道 & 東日本パス」を利用して、JR北海道の未乗車区間に乗車する四泊五日の旅に出かけた。JR北海道の未乗車区間は、室蘭本線(東室蘭-室蘭)、同(追分-岩見沢)、日高本線(苫小牧-鵡川)、根室本線(滝川-富良野)、同(東鹿越-新得)、宗谷本線(北永山-稚内)だ。このうち東鹿越-新得間は災害により運休中なので乗車はできない(2024年4月1日の廃止が決まった)。
 JR東日本管内では、未乗車の大船渡線と釜石線に乗車して、昨年の東北旅行の時には休館中だった陸前高田の東日本大震災津波伝承館に立ち寄った。そして、北海道に渡るのには、八戸-苫小牧間のシルバーフェリーの夜行便を利用した。
 一関市内に宿泊した旅行二日目に、一ノ関から気仙沼まで大船渡線に乗車した。大船渡線に乗車するのは初めてだ。その後は、大船渡線BRT に「奇跡の一本松」まで乗車して東日本大震災津波伝承館に向った。

 JR東日本 / 一ノ関駅(岩手県一関市) / 7:18 発車

 気仙沼行きの大船渡線 323D はキハ100形二両編成で、ホームに到着したとき(7:08頃)には既に入線していた。先頭車両の乗客は7人で、ほとんどが高校生だった。

 大船渡線 普通 323D 一ノ関(7:18)発、気仙沼(8:45)行き
 
JR東日本キハ100形気動車0番台 / 40+39(2両/JR東日本/一ノ関運輸区)

 最初の停車駅の真滝駅で上り列車との交換が行われた。交換した 324D はキハ100形二両編成で、通勤、通学の時間帯らしく車内はかなり混雑していた。

 真滝駅(岩手県一関市) / 7:24~25

 地方のローカル線らしく、朝は高校生の通学列車だ。高校生が各駅で乗車して、座席はだんだん埋まって車内は賑やかになってきた。

 陸中門崎駅(岩手県一関市) / 7:34~35

 陸中松川駅でも上り列車との交換のため、5分間の停車時間がある。交換したのは 326D で、後から入線してきた。同じくキハ100形二両編成だったが、こちらの車内は空いていた。

 陸中松川駅(岩手県一関市) / 7:44~49

 猊鼻渓駅(岩手県一関市) / 7:52

 芝宿駅(岩手県一関市) / 7:56~57

 摺沢駅では、座席を埋めた高校生の半数以上が列車を降りた。反対側ホームでは先生らしき人が学生達を誘導していた。地図で確認すると、近くに岩手県立大東高校があった。
 この駅の駅舎は鉄筋コンクリート造3階建ての立派なコミュニティーセンターとの合築だが、実際には間借りしている感じのようだ。大船渡線が大きく迂回して遠回りとなっているのは、この摺沢を経由にするため政友会が圧力をかけてできたためだ。これは有名な話のようで、しばしば「我田引鉄」の代表例とされている。

 摺沢駅(岩手県一関市) / 8:02~04

 次の千厩駅で残りの高校生が全て列車を降り、車内はがらがらになった。この駅の近くには、岩手県立千厩高校がある。

 千厩駅(岩手県一関市) / 8:14~15

 小梨駅(岩手県一関市) / 8:20

 大船渡線の最高地点は小梨駅と矢越駅の間にあり、その付近が分水嶺となっている。大船渡線は大きなアップダウンがないので、最高地点といっても標高200メートル程度しか無い。
 岩手県最後の駅は新月駅で、この駅までが岩手県一関市だ。平成の大合併で一関市が拡大し、大船渡線の気仙沼駅以外の駅はすべては一関市に含まれる。

 新月駅(岩手県一関市) / 8:36~37

 新月駅を出るとすぐに宮城県に入る。その先は何も無い山の中を走る。やがてあたりが開けて市街地に入ると終点の気仙沼駅に到着した。気仙沼は東北を代表する漁港として知られているが、駅には山が迫っていて海が近い実感が湧かない。
 気仙沼駅は、昨年の東北旅行の時に利用した。気仙沼線BRT から大船渡線BRT に乗り換えたので鉄道は利用していない。昨年乗車した時には、大船渡線BRT は 専用道が工事中のため、駅前ロータリーに臨時バス乗り場があったが、今回は駅構内の専用バス乗り場になっていた。

 JR東日本 / 気仙沼駅(宮城県気仙沼市) / 8:45 到着

 大船渡線は JR東日本が 2022年7月に公表した、2019年度に輸送密度2,000人未満だった 35路線66区間のなかに含まれているが、沿線では利用促進をするような案内が見当たらなかった。輸送密度が 1,000人未満なので、国土交通省の有識者会議による提言により、今後について協議が必要な路線に該当する。しかし、この大船渡線では廃止に対する危機感などが感じられなかった。このところ輸送密度2,000人未満のローカル線を集中的に乗車しているが、廃止の危機が目の前にある他の路線とは感じが違った。どうしてなんだろうが。





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