JR東日本/大船渡線BRT(気仙沼→奇跡の一本松→盛)乗車記

2022.7.6


乗車バス  大船渡線BRT 快速 3321F 気仙沼発、盛行き
 大船渡線BRT 快速 3329F 気仙沼発、盛行き
運営者  JR東日本(運行:岩手県交通)
乗車区間  気仙沼 9:06 (定刻9:04) → 奇跡の一本松 9:34(3321F)
 奇跡の一本松 11:29 → 盛 12:16(3329F)
車両 JR東日本 Y537-13502(岩手200 か 1802)/日野ブルーリボン LNG-HU8JMGP(2013年) (3321F)
JR東日本 Y537-13503(岩手200 か 1803)/日野ブルーリボン LNG-HU8JMGP(2013年) (3329F)
走行道路  気仙沼駅(専用道)鹿折唐桑(気仙沼陸前高田線・気仙沼BP・大島浪坂線)気仙沼鹿折IC
 (三陸縦貫道)唐桑小原木IC(国道45号)道の駅高田松原(一般道)陸前高田駅
 (国道45号・アップルロード)小友駅西側(専用道)盛駅

大船渡線BRTについて
 大船渡線BRTは、JR東日本が運営するバス高速輸送システム(BRT)で、宮城県気仙沼市の気仙沼駅,、岩手県陸前高田市の陸前矢作駅と岩手県大船渡市の盛駅間で運行されている。また大船渡線BRTでは、鉄道からのルート変更により上鹿折駅を経由しなくなったため、ミヤコーバス鹿折金山線の気仙沼駅前-上鹿折駅前間をBRT区間として運行している。
 2011年3月11日に発生した東日本大震災で甚大な被害を受けた、JR東日本の大船渡線気仙沼-盛間の復旧手段として導入されたBRT。この区間の代行輸送として、2013年3月2日よりBRTの運行を開始した。当初は鉄道の仮復旧という位置づけだったが、沿線自治体との合意により鉄道に代わる最終的な復旧手段となった。
 同時に被災した気仙沼線BRT・前谷地-気仙沼間については、2012年8月20日からバス代行運転扱いで暫定的に運行を開始して、12月22日より 気仙沼線BRTとして本格的に運行された。BRTが導入された区間の鉄道については2019年11月12日に廃止する旨の届出が行われ、2020年4月1日に廃止された。

2023.10.17 作成


 「北海道 & 東日本パス」を利用して、JR北海道の未乗車区間に乗車する旅行に出かけた。それまで北海道の鉄道旅行といえば「大人の休日倶楽部パス」を利用してきたが、JR北海道の未乗車区間が宗谷本線を除き道央地区に集中していたので、普通列車主体で対応できるだろうと考えた。そして、せっかく在来線で北海道に向かうので、昨年の東北旅行の時には休館中だった陸前高田の東日本大震災津波伝承館に立ち寄ることにした。
 一ノ関に宿泊した旅行二日目、一ノ関から気仙沼まで大船渡線に乗車して、気仙沼で大船渡線BRT に乗り換えた。大船渡線BRT は奇跡の一本松で下車して、東日本大震災津波伝承館がある高田松原津波復興祈念公園を見学した。その後、再び大船渡線BRT に乗車して盛へ向かった。盛からは、三陸鉄道リアス線、釜石線、いわて銀河鉄道線等を乗り継いで八戸まで移動した。

 JR東日本 / 気仙沼駅(宮城県気仙沼市) / 9:06 (定刻9:04) 発車

 気仙沼で、大船渡線から盛行き BRT に乗り換える。昨年乗車した時には専用道路が工事中のため、駅前ロータリーに臨時バス乗り場があったが、今回は駅構内の専用バス乗り場(2番線)から乗車する。気仙沼駅は駅員のいる駅だが、BRT はバスなので駅の改札は行われず勝手にバス乗り場に行くことができる。
 バスに乗車した乗客は9人で、内5名が観光客のように見受けられた。大船渡線BRT は鉄道同様 JR東日本が運営しているが、実際の運行は岩手県交通に委託している。今後 JR各社のローカル線のバス転換が行われるだろうが、気仙沼線・大船渡線BRT がひとつの良い見本だと思う。民間のバス会社に丸投げされた転換バスの多くは、どんどん廃止されてしまっている。
 気仙沼発車時に中央扉(乗車口)が閉まらず、出発が約2分遅れた。運転手が手動で閉めようとしたがなかなか閉まらなかったが、なんとか閉めることができた。しかし、この後同じ症状が起こらないか心配になった。

 大船渡線BRT 快速 3321F / 気仙沼(9:04)発、(10:21)行き
 
JR東日本 Y537-13502 (岩手200 か 1802) / 日野 ブルーリボン LNG-HU8JMGP (2013年)

 気仙沼-鹿折唐桑間は専用道を走る。昨年乗車した時には、その間に開設された内湾入口(八日町)駅(バス停)新設工事(9/1~9/30)のため一般道を迂回していたので、この区間の専用道を走るのは初めてだ。

 内湾入口(八日町) / 9:08 (定刻9:06)

 走行経路は変更になったが、気仙沼-鹿折唐桑間のダイヤ上の所要時間は変わっていない。そして、鹿折唐桑で一般道に入る。ここからしばらくは、昨年乗車した時と同じルートだ。

 鹿折唐桑 / 9:10 (定刻9:08)

 次のバス停(駅)は八幡大橋(東陵高校)だ。バス停の目の前にあったパチンコ店は、昨年は営業していたが、今回は閉店となっていた。

 八幡大橋(東陵高校) / 9:14 (定刻9:12)

 そしてその先、気仙沼鹿折IC から桑原小原木IC まで三陸縦貫自動車道を走行する。シートベルトの設備がなく、立っている乗客の可能性があるので、自動車専用道路区間は時速60km を上限としている(その旨、バスの前部と後部に表示してある)。

 八幡大橋→唐桑大沢 / 三陸縦貫道気仙沼鹿折IC(入口)

 唐桑小原木インターで三陸道を降りて、国道45号線に入る。次のバス停(駅)は唐桑大沢で、国道45号線上にバスポールだけが立っている。宮城県内の JR駅では最北端・最東端にある。

 唐桑大沢 / 9:24

 宮城県から岩手県に入って最初のバス停(駅)は、次の長部だ。

 長部 / 9:29

 陸前高田の市街地の手前で BRT(バス)普通便のルートは国道を離れるが、このバスは快速なので国道をまっすぐ走り「奇跡の一本松」に直行する。陸前今泉を経由するより3分所要時間が短い。「奇跡の一本松」で下車したのは私1人だけだった。

 JR東日本/奇跡の一本松駅 (岩手県陸前高田市) / 9:34 到着 (乗り継ぎ) 11:29 発車
 

 昨年9月に三陸地方を訪れたときにはコロナ禍のため東日本大震災津波伝承館は休館中(道の駅以外の施設には立ち入れなかった)だったので、1年ぶりに無事訪れることができた。特に、東日本大震災津波伝承館については訪れなければならない施設だと思った。
 バス停には他に乗客はなく、乗っていた乗客は2人だけだった。奇跡の一本松 11:29発の 盛行き BRT も快速便だった。

 大船渡線BRT 快速 3329F / 気仙沼(10:59)発、(12:16)行き
 
JR東日本 Y537-13503 (岩手200 か 1803) / 日野 ブルーリボン LNG-HU8JMGP (2013年)

 陸前高田駅は東日本大震災からの復興事業において、陸前高田市が中心市街地に整備した交通広場に駅が設置されている。駅舎は震災前の駅舎を模して作られた。鉄道路線との接続がないが、みどりの窓口が設置されていて駅員が配置されている。

 陸前高田 / 11:35

 この BRT は快速便なので、高台に整備された高田高校前と高田病院は経由しない。ダイヤによると、普通便と比べ8分の短縮となっている。

 陸前高田→脇ノ沢 / 下宿定住促進住宅(陸前高田市・震災遺構)

 小友の少し手前から専用道に入るが、アップルロードを右折した先の左側に専用道の入口がある。そして、アップルロードの高架下をくぐる。この入口は昨年と同じだが、ここから陸前高田方面に専用道が伸びる様子はない。

 西下→小友 / 西下側専用道入口

 小友 / 11:51

 昨年乗車した時は、大船渡市内の岩手県道230号線との交差点の拡幅工事のため、小友-地ノ森間で一般道への迂回運転をしていた(9月1日-10月13日)が、工事が終了したので終点の盛まで専用道を走る。そのため、小友駅東側出入り口から池ノ森までの専用道は初めて乗車する(走る)。

 碁石海岸口 / 11:55

 細浦 / 11:58

 迂回の一般道は県道38号線だったが、道路幅が大型路線バスが走るには狭い部分があった。この専用道は大船渡線の線路跡に造られているので、海(大船渡湾)に近づく区間があり、車窓を楽しむことが出来た。

 細浦→大船渡丸森 / 大船渡湾

 大船渡丸森 / 12:01

 大船渡丸森→下船渡 / 大船渡湾

 下船渡 / 12:04

 下船渡→大船渡魚市場前 / 大船渡魚市場

 大船渡魚市場前 / 12:07

 大船渡 / 12:10

 池ノ森 / 12:12

 田茂山 / 12:13

 JR東日本 / 盛駅(岩手県気仙沼市) / 12:16 到着

 昨年9月以来、大船渡線BRT は二度目の乗車となった。二度とも気仙沼-盛間の全区間に乗車したが、ミヤコーバスの路線を BRT として利用している鹿折唐桑-上鹿折間と支線的な扱いになっている陸前矢作-陸前高田間には乗車していない。前回は普通便で今回は快速便なので、両方のルートに乗車した。前回は工事のため一般道に迂回する区間が二区間あったが、今回はその区間も専用道を走行し、全区間本来のルートを走行した。前回は迂回区間があったが、所要時間は変わらなかった(快速区間の短縮は別とする)。前回は迂回運転による臨時ダイヤは設定されていなかったが、乗車した便は本来のルートを走るダイヤで運行された。日中で一般道が空いていたため定刻に運行できたと思われる。
 前回も今回も日中だったので、車内はがらがらだった。朝の通学時の混雑はわからないが、この乗客数なら、BRT(バス)で十分対応できていると思う。しかし、BRT は専用道区間が多いので、その維持費用が大きいものと思われる。気仙沼線BRT、大船渡線BRT には災害復興という大きな使命があるが、その他のローカル線でこのシステムを維持するのは大変だろう。



大船渡線BRT 快速 3221F
2022.07.06 (平日) ダイヤ
  大船渡線BRT 快速 3329F
2022.07.06 (平日) ダイヤ
発     着 発 
気仙沼 9:04 気仙沼 10:59
内湾入口(八日町) 9:06 内湾入口(八日町) 11:01
鹿折唐桑 9:08 鹿折唐桑 11:03
八幡大橋(東陵高校) 9:12 八幡大橋(東陵高校) 11:07
唐桑大沢 9:24 唐桑大沢 11:19
長部 9:29 長部 11:24
陸前今泉 通過 陸前今泉 通過
奇跡の一本松 9:34 奇跡の一本松 11:29
陸前高田 9:40 陸前高田 11:35
高田高校前 通過 高田高校前 通過
高田病院 通過 高田病院 通過
脇ノ沢 9:48 脇ノ沢 11:43
西下 9:50 西下 11:45
小友 9:56 小友 11:51
碁石海岸口 10:00 碁石海岸口 11:55
細浦 10:03 細浦 11:58
大船渡丸森 10:06 大船渡丸森 12:01
下船渡 10:09 下船渡 12:04
大船渡魚市場前 10:12 大船渡魚市場前 12:07
大船渡 10:15 大船渡 12:10
池ノ森 10:17 池ノ森 12:12
田茂山 10:18 田茂山 12:13
10:21 12:16



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