JR西日本/大糸線(南小谷→糸魚川) 乗車記

2021.8.6

乗車区間  南小谷 14:43 → 糸魚川 15:45 (2021.8.6)
乗車列車  普通 429D 南小谷発、糸魚川行き
車両  JR西日本キハ120形気動車0,300番台 / 22 + 354 (2両/金沢総合車両所富山支所)

大糸線・路線図

大糸線(南小谷-糸魚川間)について
 大糸線は、松本駅から糸魚川駅を結ぶ105.4kmの鉄道路線(地方交通線)。松本-糸魚川間が全通して大糸線となったのは1957年で、1987年4月1日の国鉄分割民営化により、松本駅-南小谷駅間をJR東日本が、南小谷-糸魚川間をJR西日本が継承した。松本-南小谷間は電化・単線だが、南小谷-糸魚川駅間は非電化・単線で、運行本数、乗客ともに大きな差がある。
 JR西日本の長谷川社長は、2021年2月18日の記者会見で、利用者が少ないローカル線について、廃止も含めてあり方の見直しを進めていく方向性を明確にした。対象路線などは明言していないが、大糸線の糸魚川-南小谷は、輸送密度「102」ときわめて低いうえ、JR西日本の在来線ネットワークから孤立してしまっているため、その対象となる可能性は大きい。

2021.9.1 作成


 えちごトキめき鉄道がJR西日本から購入した413,455系電車を撮影に、青春18きっぷを利用して撮影に出かけた。1泊2日の日程で、初日に中央本線、大糸線に乗車して糸魚川まで行き、えちごトキめき鉄道で移動して高田駅近くに宿泊した。大糸線の南小谷-糸魚川間は学生時代に乗車した記憶があるが、それ以降は未乗車なので今回乗車することにした。JR西日本の管轄の大糸線・南小谷-糸魚川間は輸送密度が102人(2019年度)で、JR西日本では下から3番目の赤字ローカル線だ。
 八王子から松本までは中央本線の普通電車で、松本から南小谷までは「リゾートビューふるさと」に乗車して南小谷に到着した。夏休みまっただ中だが、新型コロナウィルスの影響で観光客の姿は少ない。「リゾートビューふるさと」で南小谷にやって来た乗客は、村営バスに乗り換えると思われる登山者以外は糸魚川行きに乗車するようだ。

 JR東日本(JR西日本)/南小谷駅 (長野県北安曇郡南小谷村) / 14:43 発車

 糸魚川行き普通列車429Dはキハ120・2両編成で、糸魚川発430Dの折り返しだ。前は0番台ですべてがロングシートで、ボックス席は後の300番台に4つしか無かった。到着を待って一番に乗車したので、ボックス席に座ることが出来た。1時間ほどの乗車だが、空いていればボックス席の方が快適だ。

 普通 429D 南小谷 (14:43)発、糸魚川 (15:45)行き
 
JR西日本キハ120形気動車0,300番台 / 22 + 354 (2両/金沢総合車両所富山支所)

 大糸線のこの区間は姫川沿いに線路が走っていて、最初は左手に姫川を見ながら北上する。大糸線の南小谷-糸魚川間は学生時代に乗車したことがあるが、全く記憶が無いので実質的に初めての乗車と同じだ。その時は、金沢発の急行「白馬」に穂高まで乗車したと思う。

 中土駅 / 14:49

 中土駅のすぐ手前で姫川を渡るが、しばらくすると再び左岸に戻る。JR西日本の管轄となるこの区間の輸送密度は芸備線の二区間に続くワースト3で、今後廃止される可能性が大きい。また、北陸本線の一部が第三セクターに移管されたため、この区間は他のJR西日本の線路とつながっていないのも運用上のネックとなっている。

 北小谷駅 / 14:56-57

 三度目の姫川を渡ると、まもなく平岩駅だ。先ほどの北小谷駅とともに、1995年7月11日の水害により両駅構内および橋りょうが被害を受け、2年4ヶ月間不通になった。

 平岩駅 / 15:05

 平岩駅を過ぎると姫川を渡り左岸に戻る。この先は何度も姫川を渡って、姫川の流れは右手左手と何度か変わる。

 車窓 / 平岩-小滝間

 小滝駅には小ぶりながら立派な駅舎がある。この駅舎は1935年の開業当時に落成したものが現存しているそうだ。冬季積雪に備えて丈夫そうなトタン屋根となっている。

 小滝駅 / 15:19

 根知駅では、糸魚川発432Dと交換が行われる。現在、大糸線のJR西日本側では唯一列車交換のできる駅だ。この駅にも立派な駅舎があるが、小滝駅ほどの風格はない。
 駅は姫川の支流である根知川沿いの根知谷の入口に位置している。根知谷上っていくと雨飾山の登山口に続くが、集落まで行くバスは糸魚川市内が始発なので大糸線を利用することはない(当然、ダイヤは根知駅で連絡していない)。

 根知駅 / 15:26-30

 頸城大野駅は糸魚川市街地の南端に位置しているが、ここまでの区間は全く乗降はなかった。この区間は並行して路線バスが走っているので、糸魚川市内に向かうにはそちらの方が便利だろう。

 頸城大野駅 / 15:35-36

 姫川駅では学生が一人乗車した。大糸線内に現存する駅としては最後に開業した駅で、1986年11月1日に開業した。糸魚川市が建設費全額負担して建設された請願駅ということだ。

 姫川駅 / 15:39

 結局途中で乗降があったのは姫川駅で一人乗車しただけだった。新型コロナウィルスの影響で日常生活は特殊な状況だが、今回は生活路線としての姿を見ることができなかった。この列車は2両編成で運行されているので、通常ならばそれなりの需要があるということなのだろうか。

 JR西日本(えちごトキめき鉄道)/糸魚川駅 (新潟県糸魚川市) / 15:45 到着

 今回の列車はほとんどの乗客が南小谷から糸魚川まで乗り通していて、大半が旅行者か鉄道に乗ること自体が目的の人達だけのようだった。沿線人口の増加や観光地へのアクセスによる利用者の増加は望めそうにないので、この路線を残しておくには何か工夫が必要だと思う。JR東日本区間と直通の観光列車を走らせるとかが一つの方策だろう。糸魚川で北陸新幹線と接続しているので、何か出来ることがあるだろう。大糸線の南小谷から北の区間は、南の区間ほどの山岳展望はないが、姫川沿いの眺めは素晴らしいと思う。





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