JR東日本/奥羽本線(新庄→大曲→横手) 乗車記

2022.11.30


乗車区間  新庄 13:36 → 大曲 15:21 (2445M)
 大曲 15:42 → 横手 16:00 (446M)
乗車列車  普通 2445M 新庄発、秋田行き
 普通 446M 秋田発、湯沢行き
車両  JR東日本701系電車0番台 / N-35編成(2両/秋田総合車両センター)(2445M)
 JR東日本701系電車0番台 / N-25編成(2両/秋田総合車両センター)(446M)

奥羽本線・路線図

奥羽本線(新庄-大曲間)について
 奥羽本線は、福島県福島市の福島駅から、東北地方の山間部を縦貫し、山形県・秋田県を経由して青森県青森市の青森駅に至る JR東日本の幹線。かつては幹線として全線通しで運転する優等列車が存在したが、山形新幹線開業により山形で分断された。
 福島-山形間は 1992年標準軌に改軌され東北新幹線の列車が東京から直通する(山形新幹線)。また大曲-秋田間は 1997年標準軌間併用(標準軌線と狭軌線の単線並列)に改められ盛岡から田沢湖線経由で東北新幹線の列車が東京から直通する(秋田新幹線)。さらに、山形-新庄間が標準軌に改軌されて 1999年12月に山形新幹線は新庄まで延伸された。
 新庄-大曲間は山形、秋田県境の山間部および盆地を走る区間で、山形新幹線の終点の新庄駅と秋田新幹線の途中駅の大曲駅に挟まれた区間だ。実質的に地域輸送のローカル線となり、奥羽本線の中では輸送密度が低い区間となっている。
 JR東日本が 2022年7月に公表した、2019年度に輸送密度2,000人未満だった 35路線66区間のなかにこの区間が含まれている。対象区間の内訳は、新庄-湯沢(416人)、湯沢-大曲(1,704人)となっている。
営業距離  新庄-湯沢 61.8㎞
 湯沢-大曲 36.6㎞
電化・非電化   全区間交流電化
2019年度輸送密度  新庄-湯沢 416人
 湯沢-大曲 1,704人
単線・複線   及位-院内 複線
  上記以外  単線

2023.6.4 作成


 「大人の休日倶楽部パス」を利用して、JR東日本の東北エリアの未乗車区間に乗車する二泊三日の旅に出かけた。未乗車区間の内、花輪線と米坂線は8月の集中豪雨の被害で一部区間が不通のままで、陸羽西線は「高屋道路」のトンネル建設関連工事のため 2024年度中の工事終了まで全線で営業休止となっている。福島県内の路線は後回しとして、奥羽本線(福島-大曲)、北上線、仙石線(あおば通-高城町)、石巻線(石巻-女川、前谷地-小牛田)、陸羽東線、左沢線、仙山線の全てに乗車した。利府線(東北本線支線)も未乗車だが、今回は無理して計画には入れなかった。今回の旅行は観光などは一切しないで、三日間ひたすら列車に乗車した。
 旅行初日に、山形新幹線に乗車して新庄まで移動した。新庄からは奥羽本線に乗車して大曲に向かった。大曲では折り返し湯沢行きに乗車して、当日の宿泊地の横手まで乗車した。奥羽本線に乗車するのは初めてだ。

 JR東日本 / 新庄駅(山形県新庄市) / 13:36 発車

 新庄駅で奥羽本線は分断されていて、上り方面が標準軌で下り方面が狭軌となっている。山形新幹線開業に伴うもので、直通運転ができなくなってしまった。陸羽西線と陸羽東線が分岐しているが、陸羽西線は現在営業休止中だ(代行バスで運行)。1999年の山形新幹線延伸時に立派な新しい駅舎となり、最上広域交流センター「ゆめりあ」が併設されている。「ゆめりあ」の中には鉄道ギャラリーがあり、いろいろな鉄道資料や写真が展示されていた。乗り換えの待ち時間を使って見学をした。
 秋田行き、普通電車 2455M は 701系二両編成だ。狭軌用の 0番台で、秋田総合車両センター所属の編成だ。今日の宿泊は横手だが大曲までが未乗車区間なので、大曲まで乗車して折り返し横田まで戻る。乗車した先頭車両の乗客は9人で、後ろの車両も同じくらいの乗客のようだ。

 奥羽本線 普通 2445M 新庄(13:36)発、秋田(16:12)行き
 
JR東日本701系電車0番台 / N-35編成(2両/JR東日本/秋田総合車両センター)

 途中でどんどん乗車があり、大曲に到着する時にはロングシートの座席はほとんど埋まっていた。大曲では多くの乗客が降車したが、乗車する乗客も多かった。この狭軌を走る普通電車は秋田まで行くが、盛岡からの秋田新幹線も方向転換して秋田まで行く。大曲-秋田間はかつては複線だったが、現在は狭軌と標準軌の単線の線路が並行して走るようになっている。
 大曲駅の駅舎は凝ったデザインで、秋田新幹線の開通に合わせて新しい駅舎が造られたそうだ。橋上駅だが、構内は新幹線の停車駅としてはこぢんまりとしている。全国的に有名な全国花火競技大会開催時には非常に混雑することだろう。

 JR東日本 / 大曲駅(秋田県大仙市)/ 15:21 到着(乗り換え)15:42 発車

 折り返し乗車する湯沢行き普通電車 446M は同じく 701系0番台二両編成だ。各車両の乗客は15人くらいだった。向の三番線は田沢湖線ホームで、標準軌用の 701系5000番台の回送車両が止まっていた。新庄駅でもそうだったが、同一平面に標準軌と狭軌の線路が並んでいる場所は限られている。E6系新幹線、701系5000番台と 701系0番台が並んでいる姿は貴重だ。

 奥羽本線 普通 446M 秋田(14:45)発、湯沢(16:29)行き
 
JR東日本701系電車0番台 / N-25編成(2両/JR東日本/秋田総合車両センター)

 18分で横手に到着。横手駅は新幹線停車駅ではないが、新しい駅舎の立派な駅だ。現在の駅舎は 2011年9月に、橋上駅舎として新しくなった。横手統括センター所在駅で、隣接して JR貨物横手新営業所がある。貨物列車は運転されていないが、貨物列車代替のトラック便が運行されている。

 JR東日本 / 横手駅(秋田県横手市) / 16:00 到着

 今回乗車した新庄-大曲間は、現在の奥羽本線中で、最もローカルな区間となっている。地元からはこの区間の山形新幹線の延伸が要望されていたらしいが、それどころではなくなった。JR東日本が 2022年7月に公表した、2019年度に輸送密度2,000人未満だった 35路線66区間のなかにこの区間が含まれている。内訳は、新庄-湯沢(416人)、湯沢-大曲(1,704人)となっている。特に、新庄-湯沢間は 1,000人未満となっていて、国土交通省の有識者会議による提言により、今後について協議が必要な路線に該当する。しかし、幹線としては機能していないとはいえ、輸送密度の低い区間だけについて検討するのではなく、もっと全体を見る必要がある路線だ。





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