JRバス関東 / 新東名スーパーライナー 1号 乗車記
(東京駅八重洲南口
→名古屋駅)

2019.3.22


乗車バス  新東名スーパーライナー1号 東京駅八重洲南口発、名古屋駅(新幹線口)行き
運行会社  JRバス関東、(共同運行) JR東海バス、JRバステック
乗車区間  東京駅八重洲南口 7:32 (定刻7:30) → 名古屋駅(新幹線口) 12:33 (定刻12:26)
車両  JRバス関東 (東京支店) D650-18502 足立230 い 1802
 スカニア-バンホール InterCityDD TDX24 アストロメガ 2018年式
走行道路  東京駅八重洲口(外堀通り・鍛冶橋通り・日比谷通り・国会通り)霞ヶ関入口
 (首都高都心環状線)谷町JCT(首都高3号線・東名高速)御殿場JCT(新東名)豊田東JCT
 (伊勢湾岸道)東海JCT(名古屋高速4号線東海線)山王JCT(名古屋高速都心環状線)
 新州崎JCT(名古屋高速5号万場線)黄金出口(大須通・名古屋環状線・清正公通)
 名古屋駅新幹線口

「新東名スーパーライナー」について
 「新東名スーパーライナー」は、東京-名古屋間の高速バス路線「東名ハイウェイバス」の種別で最速達の便の名称。2012年6月1日、同年4月14日に部分開通した新東名高速道路経由の直行便として運行を開始した。2016年4月4日、同年2月13日に開通した浜松いなさJCT-豊田東JCTを新たに経由するようルートが変更され所要時間が短縮した。
 「東名ハイウェイバス」は、JRバス関東・JR東海バスと JRバス関東の系列会社である JRバステック、三社での共同運行で、「新東名スーパーライナー」も三社が運行している。

 新東名スーパーライナー1号 ダイヤ
東京駅八重洲南口 7:30
東名高速・足柄SA
(休憩)
8:52
9:12
新東名・森町PA
(休憩)
10:38
10:48
名古屋駅 (新幹線口) 12:26

2023.9.11 作成


 2019年3月に、JRバス関東が新東名スーパーライナー一往復で運用している「アストロメガ」に名古屋まで乗車した。このバスに乗車するのが目的だったが、バスに乗って帰ってくるだけではもったいないので、四日市貨物を撮影して、静岡の実家で所用があったので、三泊四日での旅行となった。そして、菊川に宿泊して旅行最終日、静岡で所用を済ませて、静岡から高速バスで東京まで帰った。
現在下りで「アストロメガ」が運行されているのは「新東名スーパーライナー1号」で、東京駅 7:30発なので早朝出発となった。二階最前列に乗車するのが目的なので、予約したのは二週間前だが、その時点では最前列四席は空いていた。四列シートなのでA席かD席か迷ったが、1D席を予約した。昨夜の段階で「新東名スーパーライナー1号」の空席は三割ほどだったが、最前列四席はすべて埋まっていた。

 東京駅八重洲南口(東京都千代区) / 7:32 発車 (定刻7:30)

 東京駅八重洲南口のバスターミナル9番乗り場が乗車口で、7:20発の河口湖行きが出発するとすぐに「アストロメガ」は入線した。間近で見るのは初めてだが、ぱっと見では「エアロキング」と似ているという印象だ。バスに興味の無い人には違いはわからないかもしれない。WEB乗車券を乗務員に渡して、係員に荷物を預ける。トランクスペースもエアロキングと同じ位置で、同様に収納スペースは限られている。「エアロキング」同様中央ドアが出入り口で、すぐ右手に階段があるのも同じ構造だ。
 座席はサイズ的にはごく普通の四列シート車と同じだが、デザインや配色は新鮮に感じる。二階は縦 13列となっているが、シートピッチは狭くは感じない。最前列の足下にも障害物はなく、普通に快適に過ごすことができる。メーカー標準仕様の座席と思われるが、座り心地が悪くない。しかし、サイズ的にゆったり感はない。二階は 13列だが階段部分の四席がないので、定員は 48人だ。一階席は 10人なので、合計の定員は 58人だ。

 新東名スーパーライナー1号 / 東京駅八重洲南口 (7:30) 発、名古屋駅(新幹線口) (12:26) 行き
 
JRバス関東 D650-18502 足立230 い 1802/スカニア-バンホール InterCityDD TDX24 アストロメガ 2018年式

 定刻の 7:30 に出発の準備ができたが、前が詰まっていたため実際には2分遅れて出発した。販売済みとなっていた隣の席(1C)の乗客は来なかったので、隣が空席でゆったり過ごすことができる。同じく1Bも乗客は来なかった。バスは、外堀通り、鍛冶橋通り、日比谷通り、国会通りを走り、霞ヶ関入口から首都高速都心環状線内回りに入る。かつて東京駅発の東名高速バスは宝町の入口から首都高速に入っていたが、1999年から霞ヶ関入口を利用するようになった。

 霞ヶ関入口 / 首都高速都心環状線内回りに入る

 二階席の快適さはエアロキングと同様で、エンジン音やロードノイズとは無縁だ。しかし、首都高速に入ってつなぎ目の段差を越えるショックが少し気になった。不快なショックではないがしっかり体に感じる。これは乗用車と同じように、欧州車と国産車とは足回りの味付けが違うのかもしれない。先月京都まで乗車したエアロキングは 2003年式だったので、そのあたりの影響もあるのだろうか。

 谷町JCT / 首都高速3号線下り線へ

 本日は大崎ジャンクションの合流を先頭に渋滞していた。ミッションは機械式12段式ATと言うことだが、非常にスムーズで熟練運転手のMT以上だ。また、二階建てバスの魅力は窓からの眺めだが、窓が広く採られているので非常に見晴らしがいい。国産の二階建てバスが製造中止となってしまった今では、ベルギーのバンホール製(車体)とスウェーデンのスカニア製(エンジン)のアストロメガが国内で走っている唯一の新車だ。このバスははとバスとの共同開発といえるもので、はとバスの努力により国内仕様のアストロメガ誕生に至ったと言うことだ。はとバス、JRバス関東以外でも何社か導入されているようで、今後更に増えていくと思われる。

 大橋JCT / 直進、東名方面

 東名高速東京料金所

 東名高速に入って、横浜インターの手前から渋滞が始まった。大和トンネル拡張工事(片側四車線化)のための渋滞で、電光案内板には渋滞3㎞、10分とある。上り車線はこちらより激しい渋滞で、この工事が終了するまで朝夕中心に渋滞しそうだ。渋滞対策のための渋滞はしばらく続くようだ。

 海老名JCT / 直進、東名・名古屋方面

 この 3月17日に新東名の海老名南JCT-伊勢原JCT間が開通した。そのため、現在伊勢原JCT は東名名古屋方面-新東名海老名南JCT方面のみの連絡路となっている。東名高速下り線を走っていても伊勢原JCT の案内板はなく、左側から合流車線があるだけだ。2020年度には新東名の未開通部分が開通予定で、ようやく新東名が全通することになる。

 伊勢原JCT / 新東名高速(厚木南ICから)が合流

 最初の休憩地の足柄サービスエリアでは、路線バス専用駐車エリアに駐車した。先月乗車した「東海道昼特急3号」は専用エリアは空いていたが、その先の一般バス専用エリアに駐車した。その時もこの「新東名スーパーライナー1号」はこの路線バス専用エリアに駐車していたが、このような取り扱いに何か決まりがあるのだろうか。
 バスを降りるとき感じたが、階段部分がエアロキングより少し頭上が低く感じた。また、1CD席の前上部にデジタル時計があり、着席するとき頭が当たってしまう。これは邪魔で工夫が必要だ。バスの外観をじっくり見たが、なかなかいいエクステリアだ。行き先表示LEDが三カ所にあるが、いずれも窓側の内側なので少し見づらいが新鮮だ。

 東名高速・足柄SA (休憩) / 9:04~27 (定刻 8:52~9:12)

 足柄サービスエリアは 15分遅れで出発した。大和トンネル工事渋滞の遅れをそのまま引きずっている。御殿場ジャンクションから新東名に入り、東名と比べて路面状態が良いのが感じられる。乗り心地が堅めなのも高速道路ではプラス方向で快適だ。

 御殿場JCT / 新東名・名古屋方面へ

 新東名は交通量も多くなく順調だ。新清水JCT では、清水連絡路と中部横断道が分岐している。この 3月10日に中部横断道・新清水JCT-富沢IC間が開通して、新東名につながった。同時に下部温泉早川IC-六郷IC間も開通したので、山梨までの未開通部分は 18.7㎞ を残すだけになった。静岡出身で国道52号線を山梨まで何度も往復したので、この区間に高速道路が全通するとは感慨深い。静岡県民としては中部横断道建設推進のキャッチフレーズ「君は太平洋をみたか、僕は日本海が見たい」が懐かしい。計画がまるで進んでいない長坂JCT-八千穂高原IC 以外は開通のめどが立ったとは信じられない。

 新清水JCT / 直進、新東名・名古屋方面

 新静岡インターを過ぎると指定速度 120㎞ の試験区間に入る。2017年11月1日から試験的に 110㎞ に最高速度が引き上げられた区間で、今年 3月1日に 120㎞ まで引き上げられた。最高速度引き上げが原因となる事故の増加はないようなので、片側三車線化とともに正式に法定速度が引き上げになるだろう。
 速度計測アプリによると、このバスは東名高速に入ってから 97㎞ 程度でずっと走行している。この 120㎞ 区間に入っても同じ速度で走っている。高速道路での乗り心地はとても快適で、素晴らしい車窓もあってダブルデッカーのメリットを堪能できる。

 新東名 / 規制速度 120㎞/h 試行区間開始

 指定速度 120㎞ の区間が森掛川インターで終わると、すぐに二回目の休憩地の遠州森町パーキングエリアだ。ちょうどこの最高速が引き上げられた区間では気持ちよく眠ってしまった。到着は定刻に対し 11分遅れで、ここでは 10分の休憩となっている。

 新東名・遠州森町PA (休憩) / 10:49~11:02 (定刻 10:38~48)

 遠州森町パーキングエリアは 14分遅れで出発した。浜松いなさジャンクションで引佐連絡道と三遠南信道を分けると、間もなく愛知県に入る。その先、豊田東ジャンクションで東海環状を分けると、間もなく新東名終点となる豊田ジャンクションだ。ここで東名高速とクロスして、伊勢湾岸道に入る。

 浜松いなさJCT / 直進、新東名・名古屋方面

 豊田東JCT / 直進、伊勢湾岸道方面

 豊田JCT / 直進、伊勢湾岸道方面

 次の名古屋南ジャンクションではそのまま伊勢湾岸道を直進する。以前新東名スーパーライナー5号に乗車した時は、このジャンクションで伊勢湾岸道を離れ、名古屋高速3号大高線に入った。そして、都心環状線、5号万場線経由で黄金ランプに向かった。いつかわからないが、経路が変わったようだ。

 名古屋南JCT / 直進、伊勢湾岸道方面

 続く東海ジャンクションも名古屋高速へ分岐するが、そのまま直進して名古屋港エリアに入る。昨年「新東名スーパーライナー」に乗車した時には、ここから名古屋高速4号東海線に入っていた。

 東海JCT / 伊勢湾岸道・新名神方面へ

 東海ジャンクションで伊勢湾岸道から名古屋高速4号東海線に入る。山王ジャンクションで都心環状線となり、新州崎ジャンクションで5号万場線に入る。そして、すぐの黄金出口で一般道に降りる。以前乗車したときと経路は違ったが、出口は同じだった。

 東海JCT / 名古屋高速方面へ

 東海料金所 / 名古屋高速4号線へ

 新州崎JCT / 東名阪道方面へ

 黄金出口

 名古屋高速、下道とも順調で、7分遅れの 12:13 に名古屋駅新幹線口に到着した。遠州森町パーキングエリアを 14分遅れで出発したので、7分遅れを取り戻したことになる。途中で飛ばした様子はなかったので、名古屋高速を降りてからの下道が非常にスムーズだったのが要因だったのではないかと考える。

  名古屋駅新幹線口 / 12:33到着(7分遅れ)

 「アストロメガ」による5時間の移動は非常に快適だった。乗り心地、シートとも快適で、二階席の展望も良好だった。しかし、今回は隣の席が空いていたからで、隣が埋まっていれば印象が違っていたかもしれない。個人的には長距離(中距離)バスは3列シートが必要と考えているので、この4列シートの「アストロメガ」に再び乗る機会はないだろう。新東名スーパーライナーの車両は、JR東海バスのドリーム号の合間運用の「エアロキング」以外は4列シートなので個人的には使いづらい。どうしても、ビジネスシートかプレミアムシート狙いとなってしまう。JRバス関東としては運用の都合上4列シートとしているが、是非とも3列シートの導入を希望する。
 その後、西日本JRバスでは、一階を4列座席、二階を3列座席とした仕様が 2020年8月1日より運行が開始された。また、JR東海バスでは「新東名スーパーライナー」用に一階を4列座席、二階を3列座席とした仕様を同年6月15日より運行を開始した。JR四国バスは、2020年7月22日より「高知エクスプレス号」に本車輌を導入した。こうして、JRグループで「エアロキング」を導入していた会社は、3列シートの「アストロメガ」を導入し始めている。
 しかし、JRバス関東では四列シートの「アストロメガ」を「新東名スーパーライナー」の運用から外したが、未だ3列シート車の本路線への導入はしていない。




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