静浜基地航空祭 2018
その2/2
航空祭

2017年5月19日(土)〜20日(日)


開催日時  2018年5月20日(日) 10:00〜15:00
開催場所  航空自衛隊静浜基地 (静岡県焼津市上小杉1602)



航空祭当日 (5/20 曇のち晴)

 今年の静浜基地航空祭は、開催内容がこれまでと大幅に変わり、不安と不満の中航空祭当日を迎えた。空は低い雲に覆われているが、だんだん雲が晴れ、午後からは青空が広がる予報となっている。
 一番大きな変更点は、開催時間とフライトスケジュールだ。これまで開催時間は9時から15時までとなっていたが、今回は10時から15時までとなっている。フライトについても、これまでは9時のオープニングフライトから始まり、お昼休み1時間から1時間半を挟んで、午後のフライトが行われていた。しかし、今年のスケジュールは、10:45 の F-15 のフライトから始まり、最後のブルーインパルスまで全く休み無くフライトが組まれている。フライトが始まったら、トイレや食事、買い物の時間が無いということだ。
 二番目の変更点は(個人的にはこちらの方が影響が大きい)、基地南側の徒歩入場門が設置されなくて、南側の脚立エリアがなくなってしまった。同時にバイク駐車場もなくなってしまったが、要するに、滑走路より南側は立ち入り禁止となってしまったようだ。ここ数年は基地南側外側の道路から観戦していたので、実質的に基地内のトイレを利用できなくなるので、基地内で観戦せざるを得なくなった。

 正門には開催予定約1時間前の 8:50頃に到着した。まだ開門はされておらず、警備の人から正門からの入場は10時からだが、3門はすでに開いていて制限区域以外まで入場できると案内された。正門前に並んでいる人たちもいたが、1時間以上待っているのはいやだったので、3門から入場することにした。
 シャトルバスはかなり前から運行されているようで、すでに基地内は多くのギャラリーで賑わっていた。しかし、エプロン地区には10時まで入場できないようだ。買い物などにも興味は無いので、空いている場所に腰掛けて開場を待った。不親切にも何もアナウンスはなかったが、人の移動で10時にエプロン地区が開放されたのがわかった。すぐにエプロン地区は混乱状態だったので、会場中央の空いている場所に陣取ることにした。
正門の開門は10時から

 例年ならゆっくり地上展示機を撮影できたが、すでに最前列は幾重にも人が陣取っていて、撮影するのは大変だった。このところ非常に寂しい状態の外来機の数は5機と昨年と同様で、陸自のヘリ二機の代わりに浜松救難隊の二機が参加していた。基地保存機体が格納庫内に展示されていたので、エプロン地区の地上展示機はスカスカで非常に物足りなさを感じてしまう。陸自の装備品については、12式地対艦誘導弾発射装置が展示されていたのが印象的だった。

エプロン東側には基地所属の車両が並べられている

 エプロン地区開放の前に天候観測のための T-7 が離陸、着陸したようだが、航空祭開始時のオープニングフライトはなかった。フライトプログラム開始が遅い時間だったので、エプロン地区はギャラリーでいっぱいになっていた。ここ数年基地の外で観戦しているので、静浜もこんなに混雑するのかと再認識した。
 事前予行を見学した人の情報により、ファイター系の機動飛行が行われそうにないのはわかっていた。そして、定刻の 10:45 に F-15 の飛来によりフライトプログラムが開始された。小松基地第306飛行隊の F-15J 二機が今年の担当だったが、三回パスしただけで小松に帰っていった。ここ数年は機動飛行は行われていないが、かつての二機による見応えのあった機動飛行が懐かしい。

航過飛行 (F-15J×2機、第306飛行隊、小松基地所属/小松リモート)
F-15J 戦闘機 [42-8841、92-8912] / 航空総隊/中部航空方面隊/第6航空団/第306飛行隊

 今年の第1輸送航空隊のフライトは、昨年に引き続き KC-767 により行われた。二回バスしただけの航過飛行だが、リモート展示なのでこれで十分だ。

航過飛行 (KC-767×1機、第404飛行隊、小牧基地所属/小牧リモート)
KC-767 空中給油機・輸送機 [87-3601] / 航空支援集団/第1輸送航空隊/第404飛行隊

 三番手は、百里基地 RF-4E 二機によるフライトだ。例年は見応えのある戦術偵察飛行を披露してくたが、今年は航過飛行だけだった。しかも、ワン・パスだけで百里に帰って行った。さすがに、これには会場からざわめきが起こった。派手な機動飛行が行われなくなった(できなくなった)理由はわからないが、さすがにこれには拍子抜けしてしまった。

航過飛行 (RF-4E×2機、第501飛行隊、百里基地所属/百里リモート)
RF-4E 戦術偵察機 [47-6905、57-6914] / 航空総隊/偵察航空隊/第501飛行隊

 ファイター系のフライトに挟まれて、浜松基地からの T-4 二機によるフライトが行われた。ダーティ隊形で会場にやってきて、さらにワンパス後、軽く単機でフライトを披露した。かつてのような機動飛行ではないが、今日初めてフライトらしいものを見ることができた。

航過飛行 (T-4×2機、第32教育飛行隊、浜松基地所属/浜松リモート)
T-4 中等練習機 [86-5608、56-57320] / 航空教育集団/第1航空団/第32教育飛行隊

 ファイター系最後のフライトは、岐阜の F-2 だ。昨年は初めて岐阜の F-4EJ改 のフライトが見られたが、今年は例年通り F-2 に戻った。しかし、フライト内容は三回パスしただけだった。一昨年までの派手な機動飛行や、F-2 のフライトの無い年に行われた、米空軍の F-16 のデモ・フライトが懐かしい。
 外来機のすべてのフライトが航過飛行となってしまったが、これが今年だけのことなのか、来年以降もファイター系の機動飛行は行われないのか気になる。フライトの縮小、地上展示機の減少など、かつての静浜基地航空祭の魅力が無くなってきてしまっている。

航過飛行 (F-2A×1機、飛行開発実験団、岐阜基地所属/岐阜リモート)
 
F-2A 戦闘機 [13-8514] / 航空開発実験集団/飛行開発実験団/飛行実験群/飛行隊

 次のフライトは恒例の静岡県警ヘリの機動飛行だ。今年のフライトは、昨年同様、ユーロコプター AS365N3 の「ふじ2号」だ。機体は、アグスタ A109E の「ふじ3号」か今年の「ふじ2号」のいずれかで行われる。フライト内容は例年通りの軽快な機動飛行で、消化不足気味の観客を大いに楽しませてくれた。本日これまでのフライトの中で一番楽しめたフライトとなったのは皮肉だ。

機動飛行 (AS365N3×1機、静岡県警察、静岡県警察航空隊基地所属)
ユーロコプター AS365N3 [JA22PC/ふじ2号] / 静岡県警察航空隊

 ブルーインパルス前の最後のフライトは、地元 T-7 による編隊飛行だ。昨年同様七機によるビック・フォーメーションだ。離陸した七機の T-7 が、空中集合して会場に戻ってきた。今年のフォーメーションは、「矢印」「富士山」の二パターンだけで、航過回数が減ってしまった。昨年はビックフォーメーションが二回あり、今年は今回だけ。T-7 については静浜恒例の訓練展示も行われなかった。地元機体の飛行展示の減少を考えると、航空祭としてすべてのコンパクト化を狙っているのだろうか。

航過飛行 (T-7×7機、第11飛行教育団、静浜基地所属)
「矢印」隊形 「富士山」隊形
T-7 初等練習機 [46-5916、56-5924、46-5913、56-5927、56-5928、36-5904、66-5934]

 途切れることなく続いたフライトプログラムの最後は、当然ブルーインパルスだ。昨日のように雲一つ無い青空とまではいかないが、朝方覆われていた厚い雲はどこかに行ってしまい、天気予報通りブルーインパルス日和といった晴天になった。そのためギャラリーは増え続け、狭いエプロン地区は人がいっぱいであふれそうだ。
 スタートは 13:10 となっていたが、この時間にいつもの音楽とアナウンスから始まり、「ファン・ブレイク」で展示飛行が始まったのは 13:25 だった。期待通り「第一区分」のコールがあったが、「フォー・ポイント・ロール」を終えたところで中断となった。またしても、静岡空港からの離陸機があるようだ。昨年も同じように中断となり、演目が大幅にカットされてしまった。フライト時間については事前に調整してあるはずだが、毎度この調子では困ってしまう。
 結局約7分間の中断があり、「レター・エイト」から再開した。この時点で「チェンジ・オーバー・ターン」から「ハーフ・スロー・ロール」まで七科目がカットされてしまっている。再開後も、「キュービット」から「ワイド・トゥ・デルタ・ループ」まで四科目と、「フェニックス・ループ」から「バーティカル・キューバン8」までの三科目もカットされてしまった。中断により一部演目のカットは仕方が無いが、これほど大幅にカットされてしまうとが非常に残念だ。そして、演目終了後、6機による「デルタ・ローパス」で浜松に帰っていった。
 披露された演目は素晴らしかったが、カットされた演目が多すぎた。また、昨日の予行は三番機に予備機が充てられていたが、本日は「3」のマークのある本来の機体だった。

ブルーインパルス (T-4×6機、第一区分 → 中断後、一部演目をスキップ)
 1番機 Leader : 福田哲雄 二佐 (飛行隊長) [26-5690]
 2番機 Left Wing : 中條智仁 一尉 [46-5730]
 3番機 Right Wing : 上原広士 一尉 [26-5692]
 4番機 Slot : 村上綾 一尉 [26-5805]
 5番機 Lead Solo : 元廣哲 三佐 [06-5790]
 6番機 Opposing Solo : 山崎雄太 一尉 [16-5666]
ファン・ブレイク (1-4番機) 4ポイント・ロール (5番機)
レター・エイト (1-4番機) オポジット・コンティニュアス・ロール (5、6番機)
フォー・シップ・インバート (1-4番機) フェニックス・ロール (1-6番機)
スター・クロス (1-5番機) タック・クロスT (1-5番機)
ローリング・コンバット・ピッチ (1-4番機)
コーク・スクリュー (5、6番機) デルタ・ローパス (1-6番機)

 ブルーインパルスのフライトが終了したのは 13:50。ほとんどの観客は帰路につくが、会場正面では T-7Jr のイベントが行われ、黒山の人だかりができている。外来機の帰投が始まるまで1時間以上あるので、時間が無いため朝方見ることのできなかった陸上自衛隊の装備品と、格納庫内の保存機体を見て回る。そして、暑さを避けるため格納庫内の休憩エリアで時間調整して、人が引いた最前列に陣取る。航空祭は終了していないが、帰投する機体は準備のため誘導路の方に順次移動されている。
 帰投が始まったのは航空祭終了の15時ちょうどで、一番手は昨年同様空自の CH-47J で、会場正面で挨拶をして入間に帰っていった。続いて、海自の SH-60K はあっさり館山に帰投。
 続いて、浜松救難隊の UH-60J は派手目に挨拶して帰投、そして再び会場に戻ってきて機体を左右に振って挨拶して浜松に帰っていった。そして、陸自の UH-1J はあっさりと明野に帰投。
 最後の帰投は唯一の固定翼機で、浜松救難隊の U-125A。離陸ポイントはずっと東側でよく見えなかったが、期待通り会場に戻ってきて挨拶をしてくれた。外来機の帰投を見届けて、航空祭は終了した。

外来機帰投
CH-47J(LR) 大型輸送ヘリコプター [47-4490]
航空総隊/航空救難団/入間ヘリコプター空輸隊 (入間基地)
SH-60K 対潜哨戒ヘリコプター [8444]
海上自衛隊/自衛艦隊/航空集団/第21航空群/第21航空隊/第211飛行隊 (館山航空基地)
UH-60J 救難ヘリコプター [28-4577]
航空総隊/航空救難団/浜松救難隊 (浜松基地)
UH-1J 汎用ヘリコプター [41899]
陸上自衛隊/航空学校/教育支援飛行隊 (明野駐屯地)
U-125A 救難捜索機 [12-3018]
航空総隊/航空救難団/浜松救難隊 (浜松基地)

 今回は友人Mと途中で合流しての航空祭だった。Mも私の実家に車を止めているので、三人で実家まで歩いた。正門経由で歩いて40分ほどで、距離としては歩けない距離ではない。一休みして、静岡に帰るMと分かれて東京への帰路につく。藤枝岡部インターから新東名に乗ったが、すでに御殿場から先は二カ所で合計25キロ以上の渋滞となっている。時間がたっても解消方向には向かわないので、いつもどおり御殿場インターで東名高速を降りて、山中湖、道志みちで帰ることにした。近年の週末の上り渋滞はますます激しくなっているような気がする。道志みち経由のルートは順調で、東名高速を行くより早く快適に帰ることが出来た。
 運用スケジュールの大幅な変更、南側エリアの不使用、航過飛行だけのフライト、地元機体フライトの縮小と、大幅に変わってしまった航空祭だった。個人的にはどれをとってもデメリットだけしか感じられなかったが、来年以降はどうなるのか。予算的なものや近隣への影響を考え、これがスタンダードとなるのだろうか。

地上展示機
CH-47J(LR) 大型輸送ヘリコプター [47-4490]
航空総隊/航空救難団/入間ヘリコプター空輸隊(入間基地)
SH-60K 対潜哨戒ヘリコプター [8444]
海上自衛隊/自衛艦隊/航空集団/第21航空群
/第21航空隊/第211飛行隊 (館山航空基地)
UH-60J 救難ヘリコプター [28-4577]
航空総隊/航空救難団/浜松救難隊 (浜松基地)
UH-1J 汎用ヘリコプター [41899]
陸上自衛隊/航空学校/教育支援飛行隊 (明野駐屯地)
U-125A 救難捜索機 [12-3018]
航空総隊/航空救難団/浜松救難隊 (浜松基地)
T-7 初等練習機 [86-5949]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
T-7 初等練習機 [66-5940]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
T-7 初等練習機 [56-5932]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
T-7 初等練習機 [66-5936]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
T-7 初等練習機 [56-5927]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
T-7 初等練習機 [56-5928]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
T-7 初等練習機 [36-5904]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
T-7 初等練習機 [66-5934]
航空教育集団/第11飛行教育団/第2飛行教育隊
T-7 初等練習機 [46-5916]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊
T-7 初等練習機 [56-5924]
航空教育集団/第11飛行教育団/第2飛行教育隊
T-7 初等練習機 [46-5913]
航空教育集団/第11飛行教育団/第1飛行教育隊

保存機体 
T-6F 練習機 [52-0011]
第15飛行教育団 (静浜基地、最終所属)
 T-34A 初等練習機 [61-0390]
第11飛行教育団 (静浜基地、最終所属)
 T-3 初等練習機 [11-5539]
第11飛行教育団 (静浜基地、最終所属)
T7Jr

陸上自衛隊車両
軽装甲機動車 [05-2643]
陸上自衛隊/陸上総隊/国際活動教育隊 (駒門駐屯地)
高機動車 [06-3719] / 陸上自衛隊/東部方面隊
/第1師団/第34普通科連隊/第1普通科中隊 (板妻駐屯地)
高機動車 [06-3911] / 陸上自衛隊/東部方面隊
/第1師団/第34普通科連隊/第1普通科中隊 (板妻駐屯地)
96式装輪装甲車 [25-4470]
陸上自衛隊/富士学校/富士教導団
/普通科教導連隊/第4普通科中隊 (滝ヶ原駐屯地)
12式地対艦誘導弾 [04-0604] / 陸上自衛隊/富士学校
/富士教導団/特科教導隊/第6射撃中隊 (富士駐屯地)



移動の記録

(5/20)
(GOLF GTI) ホテルシーラックパル焼津     7:31         201q (22,600)
      セブンイレブン焼津中港店     7:33〜7:38    201q (22,600)
      実家               7:55         212q (22,611)

      徒歩
      実家 8:05 → 8:58 静浜基地 15:25 → 実家 16:00

      実家              17:24         212q (22,611)
      新東名高速藤枝岡部IC     17:55         229q (22,628)
      東名高速御殿場IC       18:47         320q (22,719)
      道の駅「どうし」        19:36〜19:42   337q (22,736)
      南大沢             20:56〜21:35   407q (22,806)
      自宅              21:43         410q (22,809)

      燃費概算(二日間)14.1q/g
         走行時間  7時間45分
         走行距離  409q
         平均速度  53q/時間






Nikon D500 & D7500



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