静浜基地航空祭 2024

前日予行 & 航空祭

2024年5月18日(土)〜19日(日)




開催日時  2024年5月19日(日) 9:00〜15:00
開催場所  航空自衛隊静浜基地 (静岡県焼津市上小杉)



航空祭前日 (5/18 晴)

 今年の静浜基地航空祭は6年ぶりにブルーインパルスのフライトが予定されている。また、例年通り前日に予行が行われることが公表されている。昨年は欠席してしまったが、今年は近所に引っ越してきたので友人を誘って出かけることにした。ブルーインパルスの予行が行われる土曜日は出勤日だったが、休暇を取って静浜基地周辺に向かった。航空祭当日は天気が下り坂の予報なので、予行が行われる土曜日が狙い所だ。
 予定の 15時の約1時間前に基地南側の道路沿いに到着した。晴天の土曜日ということで、既に多くのギャラリーが集まっている。雲が少し出てきたが、素晴らし青空が広がる絶好のフライト日和だ。15時を約5分過ぎてから、基地のエプロンの方からブルーインパルスの音楽が流れてきた。以前は基地の南側にもスピーカーが設置されていたが、今回は設置されていないのでアナウンスの内容ははっきりとはわからない。
 予定していた 15時を10分ほど過ぎて、ブルーインパルスは6機のデルタ隊形でやって来た。静浜基地での展示飛行は浜松基地からのリモートとなるので、毎回のように最初の演目が変わる。6機は一旦基地を離れ、「チェンジ・オーバー・ターン」から展示飛行が始まった。どうやら「第一区分」のようだが、いくつかの演目はスキップされた。しかし、青空の下で見るブルーインパルスは素晴らしい。白いスモークが映える。

ブルーインパルス (T-4×6機、変則第一区分)
 1番機 Leader : 川島良介 三佐 (飛行班長) [06-5790]
 2番機 Left Wing : 松永大誠 一尉 [06-5787]
 3番機 Right Wing : 藏元文弥 一尉 [36-5697]
 4番機 Slot : 佐藤裕介 一尉 [16-5663]
 5番機 Lead Solo : 藤井正和 三佐 [36-5693]
 6番機 Opposing Solo : 加藤拓也 一尉 [16-5666]
デルタ・ローパス (1-6番機) チェンジ・オーバー・ターン (1-4、6番機)
インバーテッド & コンティニュアス・ロール (5番機) サンライズ (1-4、6番機)
バーティカル・クライム・ロール (5番機) スロー・ロール (6番機) 
レター・エイト (1-4番機) オポジット・コンティニュアス・ロール (5、6番機)
フォー・シップ・インバート (1-4番機) キューピッド (4-6番機)
ライン・アブレスト・ロール (1-3番機) 360°& ループ (5、6番機)
 ワイド・トゥ・デルタ・ループ (1-4、6番機) デルタ・ループ (1-6番機)
デルタ・ローパス (1-6番機) タック・クロス (5、6番機)
ローリング・コンバット・ピッチ (1-4番機) コーク・スクリュー (5、6番機)

 「コーク・スクリュー」をもって展示飛行は終了した。かつては演目終了後に、ローパス等で最後の挨拶があったこともあったが、今回はあっさり帰って行ってしまった。近年は航空祭を訪れる回数が減ったので、ブルーインパルスのフライトを見るのは一昨年のエアフェスタ浜松以来だ。スキップされた演目があったので少し物足りなくも感じたが、素晴らしい青空の中でのブルーインパルスは素晴らしかった。明日は午後から小雨の予報なので、「第一区分」は難しいかもしれない。



航空祭当日 (5/19 曇時々雨)

 航空祭当日には町内の行事で公園の草刈りが行われたので、それを済ませてから静浜基地へ向かった。家を出発したのは9時になってしまったので、最初の方のフライトは残念ながら見ることができなかった。家を出て間もなく、T-7によるオープニングフライトが行われたようだ。基地に向かう途中で、UH-60J によるフライト(救難展示)が少し見えた。
 近年は南門から入場できないので、正門まで回らなければならない。自宅から南門まで徒歩で 30分程度だが、正門までは 45分以上掛かってしまう。そのため、とりあえず基地南側の道路(歩道)上に一旦陣取り F-2 のフライトまで見ることにした。空は厚い雲に覆われていて今にも雨が降りそうだ。
 見学できた最初のフライト・プログラムは、浜松基地の T-4・二機と T-400・一機によるフライトだ。三機がエシュロン隊形で航過飛行を行い、その後 T-4・二機が戻ってきて、機動飛行が始まった。天候のせいか高度が低く、キレがあり迫力のあるフライトだった。


航過飛行 & 機動飛行 (T-4×2機+T-400×1機、第1航空団、浜松基地リモート)
三機によるエシュロン隊形 T-4・二機により再進入
T-4 中等練習機 [76-5756]
航空教育集団/第1航空団/第31教育飛行隊
 T-4 中等練習機 [86-5609]
航空教育集団/第1航空団/第31教育飛行隊
T-400 輸送機・救難機等基本操縦練習機 [51-5058]
航空教育集団/第1航空団/第41教育飛行隊

 次のフライトは 百里基地の F-2・二機による航過飛行だ。プログラムには機動飛行か航過飛行か記載されていないが、17日に予行が行われて航過飛行だとわかっていた。その時は、会社の休憩時間に近くの公園で F-2 を見ることができた。 その時は青空で、航過飛行とはいえそれなりに迫力があった。
 本番も予行と同じで、二機で普通に航過飛行を行い、二度目はギアを降ろして低速で航過を行い、三度目は水平に距離を置いて航過が行われた。どんよりとした曇り空の下では洋上迷彩の機体は映えない。天気のせいもあって、こんなものかというのが感想だ。

航過飛行 (F-2A×2機、第7航空団、百里基地リモート)
F-2A 戦闘機 [13-8512、**-****] / 航空総隊/中部航空方面隊/第7航空団/第3飛行隊

 次のフライトは T-7 による編隊飛行だが、ブルーインパルスをショーセンターとなる基地のエプロンから見たかったので、正門に向かって移動をする。基地の西側を大きく回り込むので、正門まで 15分以上かかり、さらに手荷物チェックがあったので基地内も歩かされた。エプロンに向かう途中で、T-7・六機がデルタ隊形で頭上を通過していった。
 六年ぶりのブルーインパルスのフライトが行われるということもあり、エプロンは非常に混雑していた。静浜基地としては普通の混み具合だが、コロナ禍明けの航空祭は制限付きだったので、昨年欠席したのでこの混雑は久しぶりだ。狭いエプロンは何処も混雑しているようなので、滑走路からは離れた後ろの方に陣取る。
 T-7・六機による編隊飛行は、続いてスワン隊形、スター隊形、ピラミッド隊形、富士山隊形が披露された。そして最後はエシュロン隊形で会場に進入して、上空でブレイクして着陸を行った。

航過飛行 (T-7×6機、第11飛行教育団、静浜基地所属)
スワン隊形 スター隊形
ピラミッド隊形 富士山隊形
 T-7 初等練習機

 [56-5926、66-5939、56-5923、46-5916、56-5925、
 36-5904]

 航空教育集団/第11飛行教育団
エシュロン隊形 〜 ブレイク

 ここで 30分くらい間が空いて、午前中最後のフライトのブルーインパルスの展示飛行が行われる。ギャラリーはさらに増え続け、エプロンは大混雑だ。昨日の予行は基地の南側(滑走路を挟んで会場の反対側)からだったので、今日はどうしてもショーセンターから見たかった。しかし、リモート展示でウォークダウンは行われないので、会場の何処で見ても同じだ。
 6年ぶりとなるブルーインパルスの展示飛行だが、今年は午前中のプログラムの最後に行われる。例年は航空祭の最後に行われるが、観客の帰りを分散させるためかいつもとは違う。天気の方は雨がぱらつく曇り空だが、「第一区分」は無理としても、フライトは問題なく出来そうだ。
 スタートは 11:40頃となっていたが、この時間にいつもの音楽とアナウンスから始まり、1−4番機・四機による「アローヘッド・ローパス」で展示飛行が始まった。昨日の予行は六機による「デルタ・ローパス」から始まったので、予想外の開始に少し驚かされた。次は昨日はスキップされた五番機による「4ポイント・ロール」と続いた。その次の「チェンジオーバーターン」からは昨日の予行とほぼ同じフライトとなった。昨日は「第一区分」だったが、本日は「第二区分」のようだ。リモート展示でフライト・プログラム自体特別に組まれたものだが、スキップされている演目も少なくない。しかし、この曇り空の下だが、迫力あるフライトを楽しむことが出来た。昨日の予行は基地の外側での観戦だったが、ブルーインパルスは、ショーセンターで見るのがいい。

ブルーインパルス (T-4×6機、変則第二区分、松島基地所属、浜松基地リモート)
 1番機 Leader : 川島良介 三佐 (飛行班長) [06-5790]
 2番機 Left Wing : 松永大誠 一尉 [06-5787]
 3番機 Right Wing : 藏元文弥 一尉 [36-5697]
 4番機 Slot : 佐藤裕介 一尉 [16-5663]
 5番機 Lead Solo : 藤井正和 三佐 [36-5693]
 6番機 Opposing Solo : 加藤拓也 一尉 [16-5666]

アローヘッド・ローパス (1-4番機) 4ポイント・ロール (5番機)
チェンジ・オーバー・ターン (1-4、6番機) インバーテッド & コンティニュアス・ロール (5番機)
サンライズ (1-4、6番機) バーティカル・クライム・ロール (5番機)
スロー・ロール (5番機) レター・エイト (1-4番機)
オポジット・コンティニュアス・ロール (5、6番機) フォー・シップ・インバート (1-4番機)
キューピッド (4-6番機) ライン・アブレスト・ロール (1-3番機)
360°& ループ (5、6番機) ワイド・トゥ・デルタ・ループ (1-4、6番機)
デルタ・ループ (1-6番機) 富士山・ローパス (1-6番機)
タック・クロス (5、6番機) ローリング・コンバット・ピッチ (1-4番機)
コーク・スクリュー (5、6番機)

 午後のフライトまで約1時間40分の昼休憩となる。ブルーインパルスのフライトが終わったので帰る人も多く、エプロン地区は少し空いてきた。観戦場所を少し前方に移動して、会場内を観察に出かける。
 イベントスケジュールによると、昼休憩の間に T-7Jr.の走行展示が予定されている。しかし、その前に会場正面で陸上自衛隊の 16式機動戦闘車の走行展示が行われた。スケジュールには無いが、午前中にも行われたようだ。基地の南側からその様子が見えた。限られたエリアでの走行展示だったが、その機動性を知ることが出来た。空砲の発砲などは無いが、航空祭ではなかなか見ることができないだろう。

走行展示 (16式機動戦闘車、陸上自衛隊、朝霞駐屯地)
16式機動戦闘車 [26-7927] / 東部方面隊/第1師団/第1偵察戦闘大隊/戦闘中隊

 午後のフライトプログラムは、「ウイスキーパパ」の曲芸飛行から始まる。静浜基地航空祭で民間機による曲芸飛行が行われるのは、2009年のサニー横山による「エアロック・エアロバティックチーム」以来だ。また、こうした民間の曲芸飛行を見るのは 2018年の千歳基地航空祭の室屋義秀による「TEAM Yoshi Muroya」以来だ。曲芸飛行機の高性能さとパイロットの技術が堪能できたフライトだった。戦闘機の機動飛行とは全く違ったフライトを楽しめた。

曲芸飛行 (ウイスキーパパ競技曲芸飛行チーム)
エクストラEA-300L [JA14WP]
 

 ブルーインパルスのフライトが午前中に行われたので、航空祭のトリを飾るのは岐阜基地、飛行開発実験団の F-15 と F-2 の機動飛行だ。プログラムでは F-2・F-15 となっているが、同時に展示飛行を行うのでは無く、例年通り別々に行われる。
 最初は F-15J から。雲に覆われた曇天下だが、アフターバーナー焚きまくりの派手な機動飛行にギャラリーは大いに盛り上がった。この曇り空を逆手にとり、低高度での迫力あるフライトが堪能できた。大推進力で機体の大きい F-15J は迫力がある。

機動飛行 (F-15J×1機、飛行開発実験団、岐阜基地リモート)
F-15J 戦闘機 [02-8801] / 航空開発実験集団/飛行開発実験団/飛行実験群

 F-15J が会場を去ると、F-2A の機動飛行が始まる。毎年どのカラーの機体が来るのか楽しみだが、今年はテスターカラーの「502号機」だ。曇り空の中での洋上迷彩は真っ黒につぶれてしまったが、このテスターカラーだとまだマシだ。肝心のフライトの方は迫力ある素晴らしいものだったが、その前の F-15J がさらに素晴らしかったので、少し霞んでしまって損をしている。

機動飛行 (F-2A×1機、飛行開発実験団、岐阜基地リモート)
F-2A 戦闘機 [63-8502] / 航空開発実験集団/飛行開発実験団/飛行実験群

 これで、フライトプログラムは終了だ。かつての静浜基地航空祭の楽しみのひとつに、外来機の帰投があった。しかし、近年は外来機の展示は非常に少なく、その数少ない機体も派手なパフォーマンスは無くなってしまった。今年に至っては、自衛隊の外来機は陸自のヘリコプター二機だけで、その他民間機が二機(エクストラEA-300Lなど)あるだけだ。そのため、帰投は待たずに基地を後にした。一昨年のはエアフェスタ浜松以来となる一年半ぶりとなる航空祭だったが、非常に楽しいと実感した。近場の航空祭にはまた是非出かけたい。



 今年は途中から入場したので、お昼休みに地上展示機などを見て回った。外来機は陸自の UH-2 と CH-47JA だけで、その他民間機が二機という寂しいものだった。しかし、新型の UH-2 は静浜初披露で、個人的にも見るのは初めてだった。ぱっと見では UH-1J とあまり変わらないので地味な存在だ。滑走路が短いので、元々戦闘機や大型機の飛来は無かったが、かつてはそれなりに外来機が並んでいたものだ。救難展示後に基地に到着したが、地上展示機に浜松救難隊の UH-60J がいないので、今年はリモートで展示を行ったのだろうか。
 航空機の展示機数の減少に会わせるように、空自の装備品や陸自の車両やの展示が増えてきた。浜松基地所属の地対空誘導弾や、陸自の富士学校と地元を管轄する第1師団の車両だ。こちらの目玉は静浜基地初披露と思われる 16式機動戦闘車で、会場正面で走行展示が行われた。

地上展示機
T-7 初等練習機 [56-5927]
航空教育集団/第11飛行教育団 (静浜基地)
UH-2 多用途ヘリコプター [45156]
陸上自衛隊/航空学校本校 (明野駐屯地)
CH-47JA 大型輸送ヘリコプター [52979]
陸上自衛隊/陸上総隊/第1ヘリコプター団
/第1輸送ヘリコプター群/第106飛行隊 (木更津駐屯地)
Socata TB-21 Trinidad TC GT / JA21GT
Extra EA-300L [JA14WP]
WPコンペティション・アエロバティック・チーム
T-7 初等練習機 [36-5906]
航空教育集団/第11飛行教育団 (静浜基地)
T-3 初等練習機 [81-5501]
第11飛行教育団 (用途廃止機、静浜基地、最終所属)
T-6F 練習機 [52-0011]
第15飛行教育団 (用途廃止機、静浜基地、最終所属)
T-34A 初等練習機 [61-0390]
第11飛行教育団 (用途廃止機、静浜基地、最終所属)
T-7Jr.

装備品
地対空誘導弾ペトリオット (PAC-3) / 航空総隊/航空戦術教導団/高射教導群 (浜松基地)
レーダー装置(RS) 電源車(EPP)
発射機(LS)
基地防空用地対空誘導弾 / 航空教育集団/航空自衛隊第1術科学校 (浜松基地)
発射装置 射撃統制装置
その他
7tトラック [49-2219]
航空総隊/航空戦術教導団/高射教導群 (浜松基地)
7tトラック [46-2216]
航空総隊/航空戦術教導団/高射教導群 (浜松基地)
その他の車両 / 航空教育集団/第11飛行教育団/基地業務群 (静浜基地)

陸上自衛隊・装備品、等
16式機動戦闘車 [26-7927] / 東部方面隊/第1師団
/第1偵察戦闘大隊/戦闘中隊 (朝霞駐屯地)
12式地対艦誘導弾 [04-0601]
富士学校/特科部 (富士駐屯地)
軽装甲機動車 [05-0016] / 東部方面隊/第1師団
/第1偵察戦闘大隊/戦闘中隊 (朝霞駐屯地)
高機動車 [06-4326] / 東部方面隊/第1師団
/第34普通科連隊/本部管理中隊 (板妻駐屯地)
1 1/2t 救急車 [08-1872] / 東部方面隊/第1師団
/第34普通科連隊/本部管理中隊 (板妻駐屯地)
偵察用オートバイ / 東部方面隊/第1師団
/第34普通科連隊/本部管理中隊 (板妻駐屯地)



Nikon D500 & Sony Cyber-shot DSC-RX100M5A



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