JR西日本/高山本線(富山-猪谷) 乗車記

2022.5.24


乗車区間  富山 9:53 → 猪谷 10:28 (特急「ひだ」8号)
 猪谷 11:07 → 富山 11:55 (861D)
乗車列車  特急「ひだ」8号 1028D 富山発、名古屋行き
 普通 861D 猪谷発、富山行き
車両  JR東海キハ85系気動車 / キハ85-1101+キハ84-302+キロ85-203 (3両/名古屋車両区) (ひだ8号)
 JR西日本キハ120形気動車0,300番台 / 352+22(2両/金沢総合車両所富山支所)(861D)

高山本線・路線図

高山本線(猪谷-富山間)について
 高山本線は、岐阜県岐阜市の岐阜駅から高山駅、猪谷駅を経て富山県富山市の富山駅に至る鉄道路線(地方交通線)。岐阜-猪谷(富山市)間は JR東海、猪谷-富山間は JR西日本の管轄となっている。全区間単線で非電化。起点の岐阜駅で東海道本線に、終点の富山駅で北陸新幹線・あいの風とやま鉄道線に接続している。
 2022年4月、JR西日本は、2019年度の輸送密度2000人未満の線区について、収支状況と営業係数を公表した。対象となったのは17路線30線区だった。その中に JR西日本管轄の猪谷-富山間は含まれていない。平均通過人員は 2,288人となっている。
営業距離  猪谷-富山 36.6㎞ 電化・非電化   全区間非電化
2019年度輸送密度  猪谷-富山 2,288人 単線・複線   全区間単線

2023.6.16 作成


 大人の休日倶楽部会員限定「北陸フリーきっぷ」を使って北陸旅行に出かけた。フリーきっぷ利用なので、エリア内の JR西日本のローカル線全てに乗車する計画を立てた。乗車するのは、高山本線(富山-猪谷)、七尾線、城端線、氷見線、越美北線と小浜線だ。小浜線の有効区間は小浜までだが、別料金を払って終点の東舞鶴まで乗車する。このうち小浜線と越美北線は、今年二月に JR西日本が公表した「輸送密度2000未満」30線区リストに載っている。
 旅行初日に、北陸新幹線に乗車して富山まで移動した。富山からは高山本線に乗車して、JR西日本と JR東海の境界駅の猪谷まで往復した。高山本線の岐阜-飛騨古川間は往復したことがあるが、飛騨古川以北は未乗車だった。

 あいの風とやま鉄道/JR西日本 / 富山駅(富山県富山市) / 9:53 発車

 「かがやき」503号で富山に到着して一度改札を出る。みどりの券売機で帰りの指定席券を発券後1番線ホームに向かったが、「ひだ8号」はまだ入線していなかった。ホーム上には数名の乗客しかいないが、こんなものなのだろう。「ひだ8号」は発車予定時刻の6分前の 9:47 頃回送で入線してきた。キハ85系三両編成だが、高山で四両増結されて七両編成となる。
 キハ85系気動車には営業運転を開始してすぐの 1989年4月(1989年2月営業運転開始)に名古屋-高山間に乗車したことがある。キハ85系に乗車することが目的で、1泊2日の高山旅行に出かけた。当時の「ひだ」の主力はキハ82系だったが、キハ85系はデザイン、性能ともに革新的だった。JR四国の2000系気動車の試作車両が営業運転を開始したのが 1989年3月で、JR北海道のキハ281系気動車が営業運転を開始したのが 1994年3月なので、JR東海のキハ85系気動車は JR世代の新型気動車特急車両の一番手だった。そのキハ85系も登場から 33年が経過して、今年7月から新型気動車 HC85系に置き換えが始まる予定となっている。
 最終的に車内はがらがらで富山を発車した。「ひだ8号」の自由席の乗客は7人で、指定席に5、6人、グリーン車に数名乗車したようだ。

 特急「ひだ」8号 1028D 富山(9:53)発、名古屋(14:04)行き
 
JR東海キハ85系気動車 / キハ85-1101+キハ84-302+キロ85-203(3両/JR東海/名古屋車両区)

 高山本線は岐阜と富山を結ぶ路線だが、本州では唯一本線で地方交通線となっている。猪谷から岐阜県側を JR東海が、富山県側を JR西日本が管轄していて、普通列車は他社エリアには乗り入れしていない。今回乗車するのは JR西日本が管轄する区間で、越中八尾以南は運転本数が非常に少ないローカル線区だ。
 越中八尾までは富山平野の中を走り、その先は山の中に入っていく。平野部では、立山連峰の眺めが素晴らしい。少しもやっているのが残念だが、真っ白に雪を頂いた山脈は迫力がある。

 車窓 / 毛勝三山、剱岳、立山三山(東八尾→笹津)

 笹津からは山の中に入り、狭い谷の中を神通川、国道41号線(国道360号線との重複区間)と並んで南下していく。猪谷からは国道は、41号線(越中東街道)と360号線(越中西街道)に分かれる。高山本線は、勾配の少ない越中西街道に沿って走っている。

 車窓 / 国道41号線 と 神通川(楡原→猪谷)

 猪谷までの特急の所要時間は35分で、静かな山間の駅に到着した。かつては貨物の取り扱いがあり、神岡鉄道(国鉄神岡線)が分岐していたので構内は非常に広い。無人駅で駅業務は行われていないが、JR東海・西日本両社運転士および車掌の交替が行われるため、駅舎は運輸関係職員の詰所となっている。
 偶然見つけた猪谷関所館という資料館を見学して時間を調整して、駅に戻った。猪谷駅に戻るとちょうど高山からの普通列車が到着したところで、構内には10人以上の乗客で賑わっていた。地元の人や、高山からの列車に乗車してきたと思われる人達などだが、関所館で一緒だった夫婦は私がこの駅に到着した時すでに駅舎内にいた。

 JR西日本/JR東海 / 猪谷駅(富山県富山市)/ 10:28 到着 (折り返し) 11:07 発車

 富山行き 861D はキハ120形二両編成だった。後は 0番台でロングシートだったで、先頭の 300番台のボックスシートに陣取った。最終的に先頭車に10名乗車し、二両目にも数名が乗車して出発した。

 高山本線 普通 861D 猪谷(11:07)発、富山(11:55)行き
 
JR西日本キハ120形気動車0,300番台 / 352+22(2両/JR西日本/金沢総合車両所富山支所)

 猪谷からの乗客の半分は観光客のようで、鉄道が目的かそれとも他に観光地があるのか分からないが、この路線にはそうした需要もあるようだ。
 越中八尾は猪俣-富山間では一番大きな駅で、6人の乗車があった。この八尾地区(旧・八尾町)では毎9月1日-3日の三日間「おわら風の盆」が行なわれ、25万人前後の見物客が訪れ、町はたいへんな賑わいをみせる。その「おわら風の盆」開催に合わせて、当駅を発着する臨時列車が運行される。

 越中八尾駅(富山県富山市) / 11:31

 速星では高山本線では唯一貨物の取り扱いがあり、富山-速星間では貨物列車が運行されている。駅構内から日産化学富山工場へ専用線が接続されていて、タンクコンテナやタンク車による化学薬品の受発送が行われている。

 速星駅(富山県富山市) / 1141~42

 富山―越中八尾間は1時間に1本程度列車が運行されていて、それなりに需要がある区間だ。途中駅でぱらぱら乗車があり、富山到着時には先頭車両の乗客は23人になった。

 あいの風とやま鉄道/JR西日本 / 富山駅(富山県富山市) / 11:55 到着

 富山市が主体となって通年で行われている高山本線活性化事業の一環として、2006年から 2011年まで JR高山本線活性化社会実験が実施された。増便などによる利用者の増加を狙ったものだが、一定の効果があったとされたが、富山市が負担した費用に比べると運賃収入の増加はわずかなものだった。高山本線に限った話ではないが、費用増加以上に旅客収入を上げるのは非常に難しい。しかし、何もしなければ、利用者が先細りなのも事実だ。



 特急「ひだ」8号 1028D
 2022.05.24 (平日) ダイヤ
 高山本線 普通 861D
 2022.05.24 (平日) ダイヤ
発     着 発 
富山 9:53 猪谷 11:07
越中八尾 10:09 10:09 楡原 11:15 11:15
猪谷 10:28 10:30 笹津 11:21 11:21
飛騨古川 11:06 11:08 東八尾 11:26 11:26
高山 11:24 11:33 越中八尾 11:31 11:31
下呂 12:18 12:21 千里 11:36 11:37
美濃太田 13:14 13:15 速星  11:41 11:42
岐阜 13:40 13:43 婦中鵜坂 11:45 11:45
名古屋 14:04 西富山 11:49 11:49
富山 11:55



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