JR北海道/石勝線夕張支線(新夕張-夕張) 乗車記
(2019.4.1 廃止)
室蘭本線(苫小牧→追分)、石勝線(追分→新夕張→南千歳)

2014.7.13

乗車区間  苫小牧 10:28 → 追分 11:05 (室蘭本線 1469D)
 追分 11:09 → 新夕張 11:45 (石勝線 2633D)
 新夕張 11:56 → 夕張 12:22 (石勝線夕張支線 2635D)
 夕張 12:30 → 南千歳 13:58 (夕張支線・石勝線 2632D)
乗車列車  普通 1469D 苫小牧発、岩見沢行き
 普通 2633D 千歳発、新夕張行き
 普通 2635D 新夕張発、夕張行き
 普通 2632D 夕張発、千歳行き
車両  国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1780号機 (苫小牧運転所) (1469D)
 国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1763号機 (苫小牧運転所) (2633D)
 国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1705号機 (苫小牧運転所) (2635D)
 国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1705号機 (苫小牧運転所) (2632D)

石勝線夕張支線・路線図

石勝線夕張支線について
 千歳線南千歳駅を起点とし根室本線新得駅に至る 132.4km、および途中駅の新夕張から夕張まで 16.1kmの計148.5kmのJR北海道の営業線が石勝線。そのうち、新夕張から夕張の路線を夕張支線と呼ぶ。
 もともと、室蘭本線追分駅-新夕張駅(旧紅葉山駅)-夕張駅間は夕張線と呼ばれていた。しかし、1981年10月、南千歳―追分間、新夕張(紅葉山駅を開業に際して改称)―上落合信号場間を開業し、同時に既設の夕張線追分―新夕張―夕張間を編入して、全線石勝線として開業した。
 炭鉱の町夕張市の衰弱、破綻により沿線人口に拍車がかかり、夕張支線は大赤字の路線としていつ廃止されてもおかしくなかった。2016年8月8日、夕張市の鈴木直道市長がJR北海道に対して、「交通網見直しへの協力」「地元の求めに応じた無償譲渡などJR所有施設の有効活用」「JR社員の市への派遣」の3点を条件に、夕張支線の廃止を自ら提案した。同年8月17日にJR北海道が前述の3条件について全面協力することを約束し、新夕張駅-夕張駅間の鉄道事業廃止が決定し、2019年4月1日に廃止となった。
 自治体側が鉄道の廃止を要求し、そのまま廃止が決定するケースは前代未聞だ。鈴木市長は「廃線を待つのではなく、”攻めの廃線”を提案した。市民の足を守る事を第一にしたい」と説明していた。

2019.11.14 作成


 2014年7月に7日間有効の北海道フリーパスをフルに使って、鉄道を満喫する北海道旅行計画をたてた。行きは飛行機で新千歳空港に入り、7日目の夕方の「北斗星」に乗車して東京に帰る計画だ。その際、未乗車だったローカル線に乗車した。具体的には「釧網本線」「札沼線」「留萌本線」の予定だったが、一日予定を空けてあった五日目に「石勝線夕張支線」に乗車した。
 前日は苫小牧市内に宿泊。苫小牧から室蘭本線に乗車、追分で石勝線に乗り換え、新夕張で夕張支線夕張行きに乗り換える。復路は、折り返しの夕張発千歳行きに乗車して南千歳で下車する。この乗車区間のうち、室蘭本線の沼ノ端-追分間と、夕張支線全区間が初乗車だ。石勝線は特急で何度も通過しているが、普通列車に乗るのは初めてだ。

 JR北海道/苫小牧駅 (室蘭本線/苫小牧市) / 10:28 発車

 岩見沢行きの 1469D はキハ40形一両での運行だ。1700番台で延命工事が施されているが、ぱっと見には、扇風機がクールファンになっているくらいしか違いがわからない。

 室蘭本線 普通 1469D 苫小牧(10:28)発、岩見沢(12:02)行き
 
国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1780号機 (苫小牧運転所)

 室蘭本線もこの区間は立派な複線とはいえ、列車の数は少なく優等列車は走っていない。私としても、この区間に乗車するのは初めてだ。苫小牧は6名乗車で発車、次の沼ノ端で5名乗車した。

 遠浅駅(室蘭本線) / 10:45

 早来駅(室蘭本線) / 10:50

 安平駅(室蘭本線) / 10:57

 JR北海道/追分駅 (室蘭本線/石勝線/勇払郡安平町) / 11:05 到着 (乗り換え) 11:09 発車

 追分で乗り換える 2633D は千歳始発の列車で、同じキハ40形1700番台一両だった。すでに停車中で4名の乗客があり、苫小牧からの列車から2名が乗り変えた。見たところ、私を含む3名は乗ること自体が目的の乗客のようだ。

 石勝線 普通 2633D 千歳(10:31)発、新夕張(11:45)行き
 
国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1763号機 (苫小牧運転所)

 石勝線は四日前に「スーパーとかち5号」で通過したが、あっという間のことだったのであまり印象は残っていない。

 東追分駅(石勝線、2016.3.26廃止) / 11:14

 川端駅(石勝線) / 11:21

 石狩月形で高校生は全て下車し、残ったのは私と同じような目的の人間6名だけとなった。ここで上り列車交換待ちで23分間停車するので、運転手にことわって駅の外まで出てみる。他の5名も同じように写真を撮ったり、駅舎を眺めたりしている。
 上り列車が到着し、同業者らしき人が一名こちらに乗り換えてきた。ここから先は一般の乗客の乗降はなく、列車好き7名で残り50分の旅を楽しんだ。

 滝ノ上駅(石勝線) / 11:30-34

 十三里駅(石勝線、2016.3.26廃止) / 11:40

 JR北海道/新夕張駅駅 (石勝線/夕張支線/夕張市) / 11:45 到着 (乗り換え) 11:56 発車

 夕張行き 2635D は私と同業者3名や他の観光客、一般客が乗車して出発。車両はこれまでと同じキハ40形1700番台。各駅周辺とも寂れた感じが強いが、かつて栄えていた後のようなものも感じられる。夕張の将来、夕張支線の将来はどうなっていくのだろう。

 石勝線夕張支線 普通 2635D 新夕張(11:56)発、夕張(12:22)行き
 
国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1705号機 (苫小牧運転所)

 清水沢駅(夕張支線、2019.4.1廃止) / 12:08

 終着駅の夕張駅は観光化の象徴ともいえるおかしなデザインの駅舎で、背後にそびえる「ホテルマウントレースイ」が威圧的だ。2008年のラリージャパンの時ホテル裏のスキー場奥の林道がSSとなったため、ここまでやってきた。しかし、駅舎が小さいのでまるで気がつかなかった。
 駅舎内に観光案内所があるため、バイクや自動車でここを訪れる観光客もいる。それなりの集客力はあるのだろうが、観光だけではやっていけないだろう。こうした環境下なので終着駅としての雰囲気は薄く、鉄道好きにとってはあまり魅力を感じない終着駅だ。

 JR北海道/夕張駅 (夕張支線/夕張市、2019.4.1廃止)
                              / 12:22 到着 (折り返し乗車) 12:30 発車

 復路は乗ってきた列車で折り返す。8分の停車時間だったのであわただしかった。次の列車は1時間後だが、それだと追分から先の接続が悪く、南千歳へは1時間待ちで特急となってしまう。

 石勝線夕張支線 普通 2635D 夕張(12:30)発、千歳(14:06)行き
 
国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1705号機 (苫小牧運転所)

 清水沢駅(夕張支線、2019.4.1廃止) / 12:40

 沼ノ沢駅(夕張支線、2019.4.1廃止) / 12:47

 十三里駅(石勝線、2016.3.26廃止) / 13:10

 滝ノ上駅(石勝線) / 13:15

 同業者3人を含めぱらぱらの状態で出発したが、新夕張でどっと乗客が増えた。どこからかのホームステイの外人のようで、車内は一気に賑やかになった。しかも、それ以上の数の見送りの人々がホームにあふれ、ローカル線ののんびりとした雰囲気はどこかに吹き飛んでしまった。

 追分駅(石勝線) / 13:33-35

 JR北海道/南千歳駅 (石勝線/千歳市) / 13:58 到着

 石勝線夕張支線に乗車して、この区間の廃止は避けられないと感じた。距離16㎞の盲腸線で、今回の乗車率を考えると、バス転換が妥当ではないかと感じた。沿線自治体の夕張市が財政再建団体で、利用者を増やすすべが全くない状態なので仕方が無いだろう。個人的には鉄道が廃止になるのは寂しいが、沿線住民の利用しやすい交通体系に変える必要があるのでは無いか。
 (2016年7月29日、JR北海道から秋までに「当社単独では維持することが困難な線区」を公表すると記者会見がありった。同年8月8日、夕張市の鈴木直道市長(当時)がJR北海道の島田社長と会談し、「交通網見直しへの協力」「地元の求めに応じた無償譲渡などJR所有施設の有効活用」「JR社員の市への派遣」の3点を条件に、夕張支線の廃止を自ら提案するとともに、代替となる交通政策への協力を要請した。同年8月17日に島田社長が鈴木市長との会談で前述の3条件について全面協力することを約束し、新夕張駅-夕張駅間の鉄道事業廃止が決定、2019年4月1日に廃止となった。)





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