エア・フェスタ浜松 2022

2022年10月22日(土)〜24日(月)


その2/2
航空祭
2022.10.23


開催日時  2022年10月23日(日) 9:00〜15:00
開催場所  航空自衛隊浜松基地 (静岡県浜松市西区西山町)



航空祭当日 (10/23 晴)

 3年ぶりの開催となるエアフェスタ浜松は、新型コロナウィルス感染対策のため、例年とは大きくスケジュールが変更となった。公式の開催時間が9時から15時までというのは例年と同じだが、今回のフライトは午後に行われるだけだ。そのためフライトプログラムは縮小され、E-767 のフライトや、T-4 によるビックフォーメーションなどの恒例のフライトがない。基地入場は9時から可能だが(例年は7時頃ゲートオープンとなっていた)、午前中は飛行機は飛ばない。そのほか、食料の販売は行われず(飲み物は販売される)、会場内での食事は自粛のようだ。また、新たに有料観覧席が設けられた。

 いつもお世話になっている駐車場も開門に合わせた時間で8時集合となっているので、ホテルでゆっくり食事をとることができた。休日の朝なので道路も順調で、東名高速を使うことなく、30分弱で基地近くに到着した。
 車の中で時間調整をして、9時に北門に到着した。入場は始まっていたが、入口周辺は例年のような混雑はない。コロナ対策のため導入された「はままつLINEコロナ見守りシステム」の登録や、手荷物チェックもスムーズに行われた。
 会場正面のほとんどの部分に有料観覧席が設けられているので、最前列を確保できる場所は限られてしまっている。そのため、その場所に人がどんどん集中して行く。どのくらい混雑するのかわからないが、会場やや東寄りの真ん中付近に場所を決めた。
航空自衛隊浜松基地北門

 午前中はフライトがないので、ゆっくり地上展示機などを見て回ることができる。新型コロナウィルス蔓延前の航空祭でも地上展示機の数は減少傾向にあったが、今年は拍子抜けするほど少ない。陸自、海自の機体の展示が全くなく、C-47J、T-7、E-767 も見当たらない。地元の E-767 の姿がないのは不思議だが、不確実な情報によると2機の E-767 はアメリカで改修中とのことらしい。そのためか、E-767 は恒例のフライトもない。基地防衛装備関係の展示は例年通りだが、今年は陸自の装備の展示があった。陸自の車両、装備品の展示は初めてだと思うが、これはヘリコプターの展示がないのでその穴埋めなのだろうか。

開門間もなくまだ空いているエプロン地区

 観客はどんどん増え続け、フライトの始まるお昼過ぎには会場は大混雑となった。それでも、例年並みといったところだろう。朝方残っていた薄い雲は晴れ、会場上空は雲一つ無い青空が広がっている。絶好のフライト日和となったが、会場からだと完全な逆光となるので写真撮影には厳しい条件だ。10月後半なので、太陽の軌道が低いのも悪条件だ。
 オープニングフライトは、T-400×3機 + T-4×6機の合計9機により行われる。第41教育飛行隊所属の T-400 は第3輸送航空隊隷下で美保基地に配置されていたが、昨年10月に浜松基地に移動して第1航空団隷下となった。
 離陸した9機は空中集合を行い、傘形隊形による航過飛行が行わた。2パス目は T-4・6機によるデルタ隊形の航過だった。その後、T-400、T-4 と別々にトレイル隊形で会場に進入して、上空でブレイクして着陸体勢に入った。使用ランウェイは R/W27 なので、会場正面で離陸は見ることができるが着陸は見ることができない。滑走路沿いには人の壁ができているので、何も見ることができない。例年は会場近くに駐機してエンジンスタート等を見ることができたが、今年は滑走路反対側の南側エプロンが使用されているようだ。

オープニングフライト
  (T-400×3機+T-4×4機、第31、32、41教育飛行隊、浜松基地所属)

9機による傘形隊形 T-4、6機によるデルタ隊形
T-400 輸送機・救難機等基本操縦練習機
[21-5062、41-5054、01-5060]
航空教育集団/第1航空団/第41教育飛行隊
T-4 中等練習機 [06-5650、66-5742、76-5756、
56-5732、76-5760、26-5807]
航空教育集団/第1航空団/第31,32教育飛行隊

 次は、UH-60J と U-125A による救難展示だ。地上展示されている機体ではなく、別の機体が基地南側の救難隊格納庫前からやって来た。救難キットの投下は行われなかったが、ごく普通の救難展示が行われた。地味な展示だが十分見応えがあり、航空祭にはなくてはならないプログラムだ。救難展示の後 UH-60J からの落下傘降下が計画されていたが、上空の風が強いためキャンセルとなってしまった。

救難展示 (UH-60J+U-125A、浜松救難隊、浜松基地所属)
U-125A 捜索救難機 [02-3015]
航空総隊/航空救難団/浜松救難隊
UH-60JU 救難ヘリコプター [58-4595]
航空総隊/航空救難団/浜松救難隊

 次は地元の T-4、2機による機動飛行だ。例年はビックフォーメーションのフライトが行われていたが、今年はオープニング・フライトで混合編隊による航過飛行が行われたので、こちらのプログラムに変更となったのだろうか。2機が交互に軽快なフライトを披露してくれた。

機動飛行 (T-4×2機、第32教育飛行隊、浜松基地所属)
T-4 中等練習機 [06-5635]
航空教育集団/第1航空団/第32教育飛行隊
 T-4 中等練習機 [86-5763]
航空教育集団/第1航空団/第32教育飛行隊

 ファイター系のフライトは岐阜基地、飛行開発実験団所属の F-15J、F-2A によって行われた。最初に F-15、F-2 が続けてフライトが行われる旨紹介があった。昨日行われたものと同じフライトだが、完全な逆光になっているので肝心なところで太陽の中に入ってしまう。ソロフライトなので見学場所の違いはそれほど問題にならないので、昨日のように基地の南側から見た方が見やすい。しかし、迫力あるフライトを十分楽しむことができた。

機動飛行 (F-15J×1機、飛行開発実験団、岐阜基地所属、岐阜基地リモート)
F-15J 戦闘機 [12-8928] / 航空開発実験集団/飛行開発実験団

 F-15J が会場を去って行くと、すぐに F-2A のフライトが始まった。試作2号機(63-8502)で派手なテスターカラーの機体なので青空に映えるが、こちらも逆光なので会場からは厳しい光線状態だ。こちらも昨日と同じフライトと思われるが、光線状態のせいか昨日ほどの感動はない。軽快なフライトは素晴らしいのだが、機体が小さいので F-15J ほどの迫力は感じなかった。

機動飛行 (F-2A×1機、飛行開発実験団、岐阜基地所属、岐阜基地リモート)
F-2A 戦闘機 [63-8502] / 航空開発実験集団/飛行開発実験団

 素晴らしい天気の航空祭なので、ブルーインパルス目当ての観客で会場はいっぱいになった。会場の端の方は余裕があるようだが、前回より中央近くに陣取ったため周辺は混雑している。本来ならブルーインパルスが見える位置だが、機体の周辺は黒山の人だかりができている。何も見えないのだが、会場の音楽とアナウンスでウォークダウンが始まったのがわかる。
 ブルーインパルス開始予定となっている 14:40 までには R/W27 離陸ポイントに到着し、定刻の 14:40 には離陸滑走を開始した模様。昨日同様、ダイヤモンド・テイクオフではなく単機での離陸だ。そのまま四機が集合し、ダーティ・ターン〜ローパスで戻ってきた。このコンディションなので、もちろん「第一区分」でフライトが始まり、青空の下、素晴らしいフライトを順調に披露していった。昨日と違い、会場のショーセンター近くなのでフォーメーションをきれいに見ることができる。
 障害による中断もなく、リズム良く演目が進んでいった。押し寄せた観客は素晴らしいフライトに見とれている。真っ青な空に白いスモークは映える。昨日同様「バーティカル キューバンエイト」はスキップされたようだが、ほぼ完璧な「第一区分」を見ることができた。ブルーインパルスはショーセンター付近で見るのが一番だなと改めて思ったが、素晴らしいフライトだっただけにこの会場の逆光が少し恨めしい。

ブルーインパルス (T-4×6機、第一区分)
 1番機 Leader : 名久井朋之 二佐 (飛行隊長) [36-5693]
 2番機 Left Wing : 東島公佑 一尉 [26-5692]
 3番機 Right Wing : 鬼塚崇玄 一尉 [26-5690]
 4番機 Slot : 手島孝 一尉 [16-5663]
 5番機 Lead Solo : 江口健 一尉 [26-5686]
 6番機 Opposing Solo : 眞鍋成孝 一尉 [36-5694]
ダーティ・ターン (1-4番機) ファン・ブレイク (1-4番機)
4ポイント・ロール (5番機) チェンジ・オーバー・ターン (1-4、6番機)
インバーテッド & コンティニュアス・ロール (5番機) レインフォール (1-4、6番機)
チェンジ・オーバー・ループ (1−4番機) ダブル・ナイフエッジ (5、6番機)
レター・エイト (1-4番機) オポジット・コンティニュアス・ロール (5、6番機)
フォー・シップ・インバート (1-4番機) キューピッド (4-6番機)
ライン・アブレスト・ロール (1-3番機) ワイド・トゥ・デルタ・ループ (1-4、6番機)
デルタ・ロール (1-6番機) デルタ・ループ (1-6番機)
スター・クロス (1-6番機) タック・クロス (5、6番機)
ローリング・コンバット・ピッチ (1-4番機) コーク・スクリュー (5、6番機)

 本日はブルーインパルスの帰投はなく、本日帰投が予想されるのは C-2 と U-680A くらいなのでそのまま基地を後にすることにした。ブルーインパルスの終了と同時に帰路に着くのは初めてだが、混雑していて出場の行列ができている。なかなか進まないので空いているところを縫って北門を出たが、45分以上時間が掛かってしまった。この異常な混雑はどうしてなのかと思ったが、後で調べると徒歩の出場が北門に限られていたためだったらしい。北門のすぐ前は交差点で、信号が青になった時だけ出場させていた。最後尾の人は出場に2時間上掛かったようだが、それでも途中から警察官が来て信号操作をしたためなんとか北門を出られたということだ。この出場時の混雑については、来年は十分対策をして欲しい。

地上展示機
U-680A 飛行点検機 [02-3032]
航空支援集団/飛行点検隊 (入間基地)
UH-60JU 救難ヘリコプター [68-4600]
航空総隊/航空救難団/浜松救難隊 (浜松基地)
U-125A 捜索救難機 [32-3021]
航空総隊/航空救難団/浜松救難隊 (浜松基地)
E-2C 早期警戒機 [44-3462] / 航空総隊
/警戒航空団/飛行警戒監視群/第601飛行隊 (三沢)
T-400 輸送機・救難機等基本操縦練習機 [41-5063]
航空教育集団/第1航空団/第41教育飛行隊 (浜松)
T-4 中等練習機 [46-5715]
航空教育集団/第1航空団/第32教育飛行隊 (浜松)
T-4 中等練習機 [56-5739]
航空教育集団/第1航空団/第31教育飛行隊 (浜松)
ブルーインパルス 1番機 [36-5693]
T-4 (第4航空団/第11飛行隊/松島基地)
ブルーインパルス 2番機 [26-5692]
T-4 (第4航空団/第11飛行隊/松島基地)
ブルーインパルス 3番機 [26-5690]
T-4 (第4航空団/第11飛行隊/松島基地)
ブルーインパルス 4番機 [16-5663]
T-4 (第4航空団/第11飛行隊/松島基地)
ブルーインパルス 5番機 [26-5686]
T-4 (第4航空団/第11飛行隊/松島基地)
ブルーインパルス 6番機 [36-5694]
T-4 (第4航空団/第11飛行隊/松島基地)
ブルーインパルス 予備機 [36-5697]
T-4 (第4航空団/第11飛行隊/松島基地)
F-2A 戦闘機 [03-8504]
航空教育集団/航空自衛隊第1術科学校 (浜松基地)
F-15J 戦闘機 [82-8898]
航空教育集団/航空自衛隊第1術科学校 (浜松基地)
C-2 輸送機 [18-1213]
航空支援集団/第2輸送航空隊/第402飛行隊 (入間基地)

装備品
地対空誘導弾ペトリオット (PAC-3) / 航空総隊/航空戦術教導団/高射教導群 (浜松基地)
レーダー装置(RS) / [49-3121] 電源車(EPP)/ [49-0183]
射撃管制装置(ECS)/ [49-0293] アンテナマストグループ(AMG)/ [49-0298]
発射機(LS) / [49-3019]
基地防空用地対空誘導弾 / 航空教育集団/航空自衛隊第1術科学校 (浜松基地)
発射装置 / [47-9401] 射撃統制装置 / [46-8488]
3 1/2tトラック(クレーン付き) / [46-8561]
81式短距離地対空誘導弾 / 航空教育集団/航空自衛隊第1術科学校 (浜松基地)
発射装置 / [46-7734] 射撃統制装置 / [46-7728]
誘導弾本体(訓練弾)
その他
7tトラック [49-2186]
航空総隊/航空戦術教導団/高射教導群 (浜松基地)
7tトラック [46-2219]
航空総隊/航空戦術教導団/高射教導群 (浜松基地)
救難消防車U型 [48-8087]
航空教育集団/第1航空団/基地業務群 (浜松基地)
その他の車両
航空教育集団/第1航空団/基地業務群 (浜松基地)

陸上自衛隊・装備品、等
91式携帯地対空誘導弾 (SAM-2B) 96式装輪装甲車 [25-4177] / 富士学校
/富士教導団/教育支援施設隊 (滝ヶ原駐屯地)
16式機動戦闘車 [26-7978] / 富士学校
/富士教導団/機動教導連隊/第4戦車中隊 (駒門駐屯地)
82式指揮通信車 [25-1023]
中部方面隊/第10師団/第10特科連隊
/第3特科大隊/本部管理中隊 (豊川駐屯地)
93式近距離地対空誘導弾 [04-4192]
中部方面隊/第10師団/第10高射特科大隊
/第3特科大隊/第1高射中隊 (豊川駐屯地)
155mmりゅう弾砲 FH70 [0403] / 中部方面隊
/第10師団/第10特科連隊 (豊川駐屯地)

 翌日は実家で用事があったので、今日は焼津まで移動する。基地周辺の主要道路は大渋滞しているので、裏道を使って浜松西インターへ向かう。この渋滞を避けるためいつもは浜松インターまで行くが、その道路も混雑するので浜松西インターから東名高速に乗るのが早いと考えた。約30分で東名高速に乗ることができたので、結果的にこちらの方で良かったと思った。東名高速は交通量は多かったが順調に流れていて、無事焼津に到着した。しかし、御殿場から先は週末の大渋滞が発生していた。

やいづマリンパレス(10/24撮影) 夕食 「焼津づくしプラン」

 焼津に宿泊する時には駅近くのホテルに宿泊することが多いが、今回は全国旅行支援クーポンが適用される宿に食事付きで泊まってみた。やいづマリンパレスという船員保険関係の宿泊施設だが、一般向けにもリーズナブルなプランが用意されていたので利用した。一般の旅館というより保養所といった感じの宿だが、食事は非常に美味しく温泉も快適だった。
 コロナ禍の中で今年から再開した航空祭のため、感染対策などを手探り状態で行っているようだ。多くの航空祭が午前中半日の開催だが、浜松は従来通りの開催時間でフライトが午後だけになっていた。午前中ゆっくり訪れて地上展示機などをじっくり観察する時間はとれるのだが、他の基地の航空祭のように午前中だけ開催して午後1時過ぎに終了する方が良かったのではないかと思う。そうすれば、遠方から訪れている観客も渋滞を避けてゆったり帰ることが出来るだろう。しかし、開催時間の短縮が感染対策と関係あるのかどうかよくわからない。

 


翌日 (10/24 晴のち曇)

 やいづマリンパレスの朝食はこれが日本の朝食だといったメニューで、特に身厚のアジの開き(焼き)が非常に美味しかった。ご飯も美味しく、食べ過ぎてしまったくらいだ。

朝食 やいづマリンパレス

 焼津で用事を済ませ、そのまま帰路に着く。平日の日中なので、新東名も東名高速も順調だった。昨日の夕方以降は25q以上の渋滞が発生していたようなので、用事があったとはいえ焼津に1泊して良かった。全国旅行支援が始まっているので、コロナ禍以前と同じような人(車)の出となっている。
 エアフェスタ浜松はイレギュラーなスケジュールでの開催だとはいえ、前日の予行を含めて楽しむことができた。フライトはもちろん素晴らしかったが、航空祭の雰囲気は独特で楽しい。しかし、退出時の大混雑には参ってしまった。次回には十分な対策をとってもらいたい。




移動の記録

(10/23)
(GOLF GTI) ホテル玄浜松インター       7:17         263q (37,570)
      浜松基地周辺           7:42         273q (37,580)

   徒歩 駐車場 8:50 → 9:00 浜松基地北門 16:15 → 駐車場 16:25

      浜松基地周辺          16:30         273q (37,580)
      東名高速浜松西IC       17:02         276q (37,583)
      東名高速焼津IC        17:46         344q (37,651)
      やいづマリンパレス       17:59         347q (37,654)

(10/24)
(GOLF GTI) やいづマリンパレス        9:01         347q (37,654)
      銀行               9:04〜9:08    348q (37,655)
      大井川睦園            9:25〜9:54    357q (37,664)
      大井川庁舎           10:02〜10:06   362q (37,669)
      銀行              10:08〜11:11   362q (37,669)
      ケイヨーデイツー大井川店    10:14〜10:31   363q (37,670)
      実家              10:39〜11:49   367q (37,674)
      大井川庁舎           11:55〜13:29   370q (37,677)
      ガスト東小川店         13:49〜14:39   379q (37,686)
      新東名藤枝岡部IC       14:56         388q (37,695)
      東名高速足柄SA        15:46〜16:14   481q (37,788)
      圏央道相模原愛川IC      17:02         542q (37,849)
      自宅              17:45         556q (37,863)

      燃費概算(三日間)13.5q/g
      走行時間  11時間45分
      走行距離  555q
      平均速度  47q/時間






Nikon D500 & Sony Cyber-shot DSC-RX100M5A



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