昨年は千歳基地航空祭に遠征したが、今年は米海兵隊岩国基地フレンドシップデイ(FSD)に行く計画を立てた。昨年行われたハリアーの展示飛行やNFのスーパーホーネットのデモ飛行を期待して計画したが、残念ながら今年はこれらは行われないようだ。航空自衛隊の航空祭のように詳細なスケジュールが発表されないので、実際に行ってみないとどんな内容になるのかわからない。 前日に航空機で広島入りし、広島市内に宿泊する。FSD当日も広島市内に泊まり、翌日東京に帰るスケジュールだ。せっかく岩国まで行くので、前日は海上自衛隊呉基地などを見学し、翌日は広島電鉄の路面電車や山陽新幹線を撮る計画だ。
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新百合ヶ丘駅から空港連絡バスに乗り、羽田空港に向かう。ゴールデンウィークの連休中だが、今日は連休二日目とあってバスの乗客は20名ほどだ。第三京浜までは順調だが、アクアラインの大渋滞の影響で首都高湾岸線が渋滞しているということで、バスは通常と違い横羽線経由で羽田ランプで首都高を降りる。そのため通常通り約1時間で羽田空港第1ターミナルに到着した。
空港ターミナル内も拍子抜けするほど空いている。時間にも余裕があるので、チェックインを済ませ、ターミナル間無料連絡バスを利用して第2ターミナル展望デッキで離陸する飛行機を見学する。 |
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近いうちに退役するJAL MD-81 (第2ターミナルにて)
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私が搭乗するJAL1605便は元JASのA300で、一般席には空席があるようだが、私が利用したクラスJは満席とのことだ。羽田周辺は雲に追覆われていたが、静岡を通過する頃には雲が晴れた。雪を頂いた富士山には手が届きそうで、南アルプスの山々もはっきりと見え、畑薙湖なども確認できる。その先も素晴らしい眺めが続き、1時間あまりのフライトを楽しめた。
広島空港からは広島市内行きの連絡バスに乗る。東京からの便が到着したのでバスは満席で発車したが、その後10分から5分の間隔でバスが続いている。
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空港近くに山陽道のインターがあり、そこから山陽道、広島高速1号線(一部未完成)経由で広島駅まで45分の所要時間だった。高速道路のアクセスがいいので所要時間はそんなに多く感じないが、この新しい空港は市内からかなり離れている。料金的に見ると、札幌駅−新千歳空港の連絡バスの1000円より300円も高い。
広島駅からJR呉線の電車に乗り換え呉に移動する。呉線の電車は首都圏ではもう見られなくなった103系電車だ。乗車した呉線の電車は各駅停車で、単線の列車行き違いの為の待ち時間があり結構時間がかかる。呉駅到着後は観光案内所で地図をもらい、まず最初の目的地の「てつのくじら館(海上自衛隊呉資料館)」に急ぐ。 |
国鉄103系電車(呉駅)
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2004年に用途廃止された潜水艦「あきしお」に驚かされるてつのくじら館は、海上自衛隊の潜水艦と掃海艇に関する資料展示がされている。しかし、一番の目玉は「あきしお」の中の見学だ。見学のため内部は一部改造され、見学できる部分も限られているが、実物の潜水艦の内部を見る機会はないので非常に興味深い。混雑時は整理券を配り見学を規制するらしいが、今回は15分ほど並ぶことで見学することができた。
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本物の潜水艦「あきしお」が目立つ「てつのくじら館」
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「てつのくじら館」(海上自衛隊呉資料館)の内部
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向かいにある大和ミュージアムは後回しにして、海上自衛隊呉基地の潜水艦バースを望む「アレイからすこじま」へ移動する。しかし、事前調査が不十分でバス乗り場がわからず、あちこちうろうろしてだいぶ時間をロスしてしまった。「アレイからすこじま」は横須賀のヴェルニー公園のようなもので、目の前に潜水艦をはじめとする海上自衛隊の艦船を見ることができる。横須賀のように米軍艦船を見ることはできないが、居並ぶ潜水艦の数には驚かされる。
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アレイからすこじま (目の前に海上自衛隊の潜水艦が並ぶ)
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「日曜日の艦艇一般公開」の時間にあわせ、「アレイからすこじま」の隣にある海上自衛隊呉基地係船堀正門に移動する。本日三回目の公開は15時からだが、受付の始まる20分前には長い行列ができていた。20分前になると艦艇公開のEバースに誘導されたが、ここで受け付け名簿に記入するのでだいぶ時間がかかった。この日公開されていたのは、むらさめ型護衛艦の5番艦の「いなずま」(DD105)だった。2000年に就役した汎用護衛艦で、海上自衛隊の主力艦といえる。「むらさめ」は昨年、横須賀基地グランド・イルミネーションで見学しているので「いなずま」自体は珍しくないが、バースに居並ぶ海上自衛隊の艦船は横須賀では見られないもの多い。目の前でこれらの艦船を見ることができるので、「日曜日の艦艇一般公開」はファンには逃すことのできないイベントだ。
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海上自衛隊呉基地・係船堀正門
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今回公開された護衛艦いなづま(DD105) (左)
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おおすみ型輸送艦しもきた(LST4002)
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補給艦とわだ(AOE422)、掃海母艦ぶんご(MST464)
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路線バスで呉駅まで戻り、「大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)」を見学する。ここは入場料500円が必要だが、大変多くの見学者で賑わっていた。ここの目玉展示は実物の1/10スケールいう、全長26.3メートルの巨大な大和の模型だ。大和の模型以外にも見所は多く、今回は時間の関係で駆け足で通り過ぎてしまったが、またいつか平日にでもゆっくり見学に来たいところだ。
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1/10スケールの戦艦「大和」精密模型
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零式艦上戦闘機、特殊潜行艇「海龍」、人間魚雷「回天」
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呉線で広島駅に戻り、駅で夕食を済ませ、ホテルにチェックインをする。駅から歩いて5分ほどの立地で便利だが、周りの環境はあまり良いとはいえないところだ。山陽本線の線路脇なので、電車の音も少し気になる。しかし、値段も安いし寝るだけの場所なので、特に問題はない。天気予報によると今晩雨になり、朝方まで残るという。せっかくの航空祭なのに、明日の天気が心配だ。昨年の千歳基地航空祭といい、遠征の天気には恵まれない。
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