北陸フリーきっぷ・JR乗りつぶしの旅
JR西日本線乗車、城端線・氷見線撮影 & 丸岡城見学
2022.5.24~27

その4/4
越美北線乗車
2022.5.27


 ルート  5/27 (金)
  敦賀~福井~九頭竜湖~福井~金沢~上野~新宿~多摩センター~唐木田


5/27(金) 曇のち晴

 旅行最終日は、まず福井まで行き越美北線に乗車する。九頭竜湖まで往復して、金沢から「かがやき」で東京に帰る計画だ。今日は出発が遅いのでゆっくり朝食をとる時間があるが、このホテルは朝食を部屋に持ち帰って食べることができる。コロナ禍のご時世なので、部屋でゆっくり朝食とした。
 昨夜はかなり雨が降ったようだが、今朝は完全に上がっている。空は雲が広がっているが、だんだん晴れていく予報になっている。駅前のロータリーは濡れている場所もあるので、明け方まで雨が降ったようだ。
 福井行き普通電車1231Mは521系2両編成だが、昨日乗車した521系と先頭車のデザインがかなり違う。こちらは敦賀支所所属で、区分は同じ0番台ながら3次車としてそれまでの車両と違っている。衝撃吸収構造を採用した運転台形状にして、灯火類の配置も変更になったので違う顔になっている。内装はシートの色が違うが、多きな変更はないようだ。こうした変更があったが、性能面の変更がないので同じ区分(車両番号は2次車の続番)となっている。

 JR西日本/北陸本線 普通 1231M 敦賀 7:41 → 福井 8:38

 北陸本線 普通 1231M 敦賀発、福井行き

 JR西日本521系電車0番台
 J-15編成(2両/JR西日本/金沢総合車両所敦賀支所)


 朝の通勤、通学の時間帯なので7,8割のシートが埋まり立っている人も多い。多くは高校生のようだ。福井までの途中にいくつか高校があるのだろう。

 武生と鯖江でまとまった乗降があったが、車内の乗客の数はあまり変わっていない。鯖江では後続の特急に抜かれるため、6分間の停車時間があった。その特急は「サンダーバード1号」で、それに乗車しようとも考えたが、大阪発の初発の金沢行きなので混雑するかもしれないと思ってやめた。
 越美北線の起点は福井の1つ手前の越前花堂だが、列車は全て福井発着となっている。敦賀方面から乗車して九頭竜湖方面の乗車券で福井で乗り換えると、越前花堂-福井間の往復運賃を別に支払わなければならない。しかし、越前花堂を通過する特急に乗車した場合、運賃計算の特例で越前花堂-福井間の往復運賃は不要になる。このような特例区間は全国各地に設定されている。今回は「北陸フリーきっぷ」利用なので、福井まで乗車して越美北線に乗り換える。
 越美北線は福井県福井市の越前花堂駅から大野市の九頭竜湖駅を結ぶ52.5㎞の地方交通線だ。元は福井駅(当時は北陸本線に越前花堂駅が無かった)と岐阜県の美濃太田駅を結ぶ越美線の一部として建設された。岐阜県側は第三セクターに移管され長良川鉄道越美南線となっている。しかし、両県を結ぶ計画は果たせず、越美北線も存亡の岐路に立たされている。JR西日本が公表した「輸送密度2,000人以下」路線30線区に含まれていて、輸送密度の低さは昨日乗車した小浜線よりずっと下だ。
 越美北線乗り場の2番線は3番線の越前花堂方の切り欠き部分にある。ホームに到着したときには列車はまだ到着していなくて、ベンチには2人の乗客が待っていた。九頭竜湖行き723Dは8:58頃回送で入線してきた。車両はキハ120形1両で、進行方向左側のボックス席を確保した。キハ120形では最初の区分の200番台で、普通鋼製の車体が朱色に塗られている。ステンレス車体の0,300番台と違い、窓が開閉できて車幅が少し狭い。
 JR西日本/北陸本線/越美北線 普通 723D 福井 9:08 → 九頭竜湖 10:42

 北陸本線/越美北線 普通 723D 福井発、九頭竜湖行き

 JR西日本キハ120形気動車200番台
 203(1両/JR西日本/金沢総合車両所敦賀支所)


 車内に乗り込んだのは4人だけだったが、発車時間が近づくとだんだん乗客が増え、最終的には15人くらいになった。観光客らしき人の姿も何人かある。

 福井を出たキハ120形は北陸本線を南に向かって走り、北陸本線と分かれるとすぐに越前花堂だ。駅は分岐した先にあるので、越美北線と北陸本線のホームは離れている。その先は田園風景の中を進み、左手に建設中の巨大な一乗谷朝倉氏遺跡博物館(仮称)が見えてくると、間もなく一乗谷に到着する。簡易なホームと小さな待合室だけの小さな無人駅だ。付近には戦国時代に一乗谷城を中心に越前国を支配した戦国大名朝倉氏の遺跡があり、いつかは訪れたいと思っていたが今日は車内から見るだけだ。ここでは観光客らしき人が3人列車を降りた。

2022年10月に開館予定の
福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(仮称)
一乗谷駅停車 / 9:25~26

 一乗谷からは山間の狭い谷間を列車は進むが、大野盆地であたりは開ける。越前大野は沿線で1番大きな駅で、福井からの列車の半数はここで折り返す。
 大野盆地を離れ再び山の中に入っていくと、間もなく1960年に開通した時点での終着駅の勝原だ。付近には何もなさそうだが、観光客らしき2人が列車を降りた。その先長大なトンネルを2つ抜けると終着駅の九頭竜湖だ。終点まで乗り通したのは全部で6人だった。

 九頭竜湖駅 / JR西日本・越美北線(福井県大野市)

  九頭竜湖での折り返し時間は14分しか無いので、急いで列車を降りて駅周辺を見て回る。簡易委託の駅で、券売機はないが窓口でB-POS端末により切符類の購入ができる。入場券を購入したが、結構手間取っていたので、特殊な切符の発券は難しいかもしれない。
 駅舎はログハウス風の立派なもので、隣には道の駅九頭竜が並んでいる。道の駅にはファミリーマートが併設されているので、食料などの購入も可能だ。24時間営業ではないので注意が必要だが、越美北線の運行時間には開いている。

 JR西日本/越美北線/北陸本線 普通 724D 九頭竜湖 10:56 → 福井 12:23

 越美北線/北陸本線 普通 724D 九頭竜湖発、福井行き

 JR西日本キハ120形気動車200番台
 203(1両/JR西日本/金沢総合車両所敦賀支所)


 723Dの折り返しの724D福井行きの乗客は6名で、内4人は723Dから折り返した乗客だ。新しく乗車した2人は観光客のようだが、ここまでどうやって来たのだろうか。723Dが九頭竜湖行き下りの初発なので、別の交通機関できたか、付近に宿泊したかのどちらかということになる。

 勝原-九頭竜湖間(10.2km)は1972年に延伸開業した区間で、土木技術の進歩で長大トンネルの掘削が可能になったため、荒島トンネル、下山トンネルが直線的に山を貫いている。1960年に開通した福井-勝原間とは線形がまるで違っている。また、この区間の7割がトンネルなので、車窓は期待できない。

越前下山駅停車 / 11:00 勝原駅停車 / 11:06~07

 越前大野-九頭竜湖間は全国でも珍しいスタフ閉塞区間で、越前大野では駅員が運転手からスタフを回収していった。スタフ閉塞とはスタフという通行票を持っている列車以外はその閉塞区間(駅間)に入れないようにすることで、列車の運行を管理する方式。閉塞機、電鈴、電話機といった固定設備が必要ないが、スタフがある駅からしか列車が発車できない。また、スタフを管理する駅員を配置する必要がある。 スタフ閉塞を採用しているJR線は、この区間以外ではJR東海の名松線・家城-伊勢奥津間だけだそうだ。これまで乗車した記憶があるのは、今は廃止になったJR北海道の札沼線・石狩月形-新十津川間くらいだ。

越前大野駅停車 / 11:28~30

 福井-越前大野間はそれなりの乗客があるが、昨年秋に減便されたので、鉄道輸送としては厳しい状況にあるようだ。同区間は京福バスの路線バスが走っているが、料金、所要時間ともにバスには不利で、利用する客層が違うのだろう。
 沿線の景色も素晴らしく、一乗谷、大野、九頭竜湖といった観光地があるので鉄道としての利用価値はあるのではないかと思うが、単純に利用者の数(利用密度)を見るとバス転換もやむを得ない数値だ。しかし、2004年に起きた福井豪雨の際は3年の期間と40億円(国10億、県20億、JR10億負担)の復旧費を掛けたので、廃止するのはもったいない路線だと思う。
 越美北線の乗車を終え、東京への帰路に着く。福井からは12分の乗り換え時間で「サンダーバード17号」に金沢まで乗車する。この特急は和倉温泉行きで、旅行初日に金沢から和倉温泉まで乗車した特急列車だ。自由席の乗車率は半分程度で、余裕を持って座ることが出来た。

 JR西日本/北陸本線 特急「サンダーバード」17号 4017M 福井 12:35 → 金沢 13:20

 北陸本線
 特急「サンダーバート」17号 4017M 大阪発、和倉温泉行き

 JR西日本683系電車0番台
 W35-編成(6両) + V35-編成(3両)
 (JR西日本/吹田総合車両所京都支所)


 自由席の乗車率は半分程度で、余裕を持って座ることが出来た。

 北陸本線は特急街道で、普通電車より特急の方が運転本数が多い。日中は1時間に普通1本、特急2~3本となっている。そのため特急待避があり、福井-金沢間の所要時間は特急の約45分に対し、普通電車だとその倍近く掛かってしまう。乗車した「サンダーバード17号」も小松で先行していた普通電車を追い抜いた。
 北陸新幹線敦賀延伸後は北陸本線(金沢-敦賀間)は第三セクターに移管され、特急列車の運行もなくなるので運行形態が大きく変わることになる。第三セクター会社の経営は厳しくなるのが予想されているので、福井県知事は福井-敦賀間に快速電車を運行して、「サンダーバード」の乗客の一部を取り込もうと考えているらしい。
 金沢では新幹線の発車まで1時間半以上あるので昼食を食べることにした。駅ビルの金沢百番街の店舗一覧を眺め、ゴーゴーカレーに決めた。手軽に食べられるもので、一応地元(東京にも店舗はあるらしい)の有名店ということで選んだ。旅先では好物なのでカレーやカツ丼を食べることが多い。
 お昼を過ぎているせいか店内は空いていた。メニューを見て店が推していると思われるロースカツカレーを注文した。ボリュームがあるらしいのでサイズは「中」だ。そんなに待たずにロースカツカレーは出てきた。色が濃くてどろりとした濃厚なルーだ。味の方もスパイシーで辛いというのとは違った独特のものだ。結構癖になる味で、金沢に来ることがあったらまた食べてみたい。

 金沢駅 / JR西日本・北陸本線/北陸新幹線、IRいしかわ鉄道・IRいしかわ鉄道線(石川県金沢市)


ゴーゴーカレー 金沢駅総本山 / ロースカツカレー

 当初は13:57発の「はくたか56号」で東京に帰る予定で、旅行初日に富山駅で指定席券を発券しておいた。その時点で窓側は全て埋まっていたが、昨日の朝えきねっとをチェックすると三列の真ん中の席以外は全て埋まっていた。混雑した新幹線はいやだと思って時刻表をチェックすると、15:02発の上野行き臨時「かがやき534号」があることが分かった。えきねっとでチェックするとがらがらだったので、昨日芦原温泉のみどりの窓口で変更してもらった。速達形の「かがやき」なので到着は30分あまりしか変わらない。上野止まりというのがネックだが、満席の新幹線よりずっといい。

 JR西日本/JR東日本 北陸新幹線「かがやき」534号 9534E 金沢 15:02 → 上野 17:28

 北陸新幹線「かがやき」534号 9834E 金沢発, 上野行き

 JR東日本E7系新幹線電車
 F-5編成(12両/JR東日本/長野新幹線車両センター)


 「かがやき534号」はJR東日本所属のE7系で、発車時刻10分前に回送で入線してきた。案の定車内は空いていて、4,5割の座席が埋まった程度だった。途中駅でも数えるくらいの乗車しかなく、空いた車両の中でゆったり過ごすことができた。臨時列車は定期列車に比べると空いている傾向にあるようだ。

 金沢-上野間の乗車時間は2時間26分だった。新幹線開通前は越後湯沢経由で東京-金沢間は最短3時間50分台だったので、本当に早くて便利になった。

 JR東日本/山手線 内回り 1716G 上野 17:41 → 新宿 18:07
 
 山手線 内回り 1716G 環状運転

 JR東日本E235系電車0番台
 46編成(11両/JR東日本/東京総合車両センター)


 上野が終点なので、新宿までは山手線を利用する。東京からだと始発の中央線快速電車に座っていけるのだが、仕方が無い。山手線は混んでいて新宿まで座ることは出来なかった。

 新宿からは「京王ライナー35号」の座席を確保しておいた。以前のような混雑はなくなったが、この時間帯は帰宅ラッシュの時間帯だ。今回は車両端にある向かい合わせの席のドア側を選択した。隣が空いていたこともあり、快適に過ごすことができた。

 京王/京王線/相模原線 「京王ライナー」35号 新宿 18:20 → 京王多摩センター 18:50

 京王/「京王ライナー」35号 新宿発、橋本行き

 京王5000系電車
 5736F(10両/若葉台検車区)


 全体的には座席はほぼ埋まっていたようだ。京王線内は先行列車が詰まっていたようだったが、相模原線内は順調でほぼ定刻に多摩センターに到着した。

 小田急線のホームに上がると列車が入線するアナウンスがあった。まだ電車の時間では無いと思っていると、遅れている唐木田行き急行が入線してきた。

 小田急/多摩線 急行 小田急多摩センター 18:55(定刻18:51) → 唐木田 18:58(定刻18:54)

 小田急/多摩線 急行 新宿発、唐木田行き

 小田急3000形電車
 3095F(10両/海老名検車区)


 約4分遅れということで、待たずに乗車することができた。遅れの原因は確認できなかった。

 「北陸フリーきっぷ」をフルに使った三泊四日の旅行は計画通りに終えることができた。北陸地区のJRローカル線に乗車するのが目的だったので、四日間列車に乗りっぱなしだった印象だ。城端線と氷見線のキハ40の撮影は無事撮影できが、氷見線撮影地の雨晴海岸の海がきれいだったのは予定外の収穫だった。「輸送密度2,000人以下」路線としてJR西日本が収支公開した30線区に含まれる小浜線と越美北線にも乗車したが、この路線の将来がどうなるか気に掛かる。この両線に限ったことではなく、ここ数年で全国のローカル線の大幅な見直しが行われることになるだろう。



移動の記録

(5/27)
敦賀駅 7:41 → 福井駅 8:38          北陸本線 普通 1231M
福井駅 9:08 → 九頭竜湖駅 10:42       越美北線 普通 723D
九頭竜湖駅 10:56 → 福井駅 12:23      越美北線 普通 724D
福井駅 12:35 → 金沢駅 13:20        特急 サンダーバード17号 4017M
金沢駅 15:02 → 上野駅 17:28        かがやき534号 9534E
上野駅 17:41 → 新宿駅 18:07        山手線 内回り 1716G
新宿駅 18:20 → 京王多摩センター駅 18:50    京王ライナー35号
小田急多摩センター駅 18:55 → 唐木田駅 18:58  小田急線 急行


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